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2020/05/28

石川県金沢市独身男性撲殺事件その2(遺体の傷)

この事件の情報を一通りみた時、私が疑問に思ったのは、殺害の状況が推測できない事です。
 
遺体の状況は
男性は上半身が裸の下着姿であおむけに倒れていた。遺体は玄関を入ってすぐの台所付近に倒れていた。
 傷は頭頂部から後頭部にかけて、複数の殴打痕、陥没骨折、顔に傷は無い、両腕に防御創
 
死因:頭部打撲による脳挫傷
 
両腕に防御創がある事から考えて、被害者は即死ではないのは明らかですよね。
傷は頭頂部と後頭部、しかし顔に傷が無い。
凶器はフライパンと仮定すると、犯人は被害者の頭部、後頭部に対してフライパンで殴打している事になる。
 
初撃が被害者が立った状態なのか?座った状態なのか?は不明ですが、最初の攻撃が頭頂部だったにせよ、後頭部だったにせよ、被害者は即死ではなかった、2撃目を手で防御している。
普通に考えれば、いきなり頭部に激痛が走ったのだから、反射的に頭を手や腕でかばうだろうね。そこへ2撃目を受けた。
 
手で防御しているなら、2撃目では致命傷にはならないはず。
さて、ここから被害者はどうしたのか?
 
選択肢は二つしかないと思う。
「逃げる」と「対峙から反撃」の二択だと思うんですよね。
 
もし、犯人が女性なら、凶器がフライパンなので、迷わず対峙してフライパンを奪う事ができるんじゃないかな?
 
犯人が男女いずれにしても、被害者は犯人と対峙していないと私は考えています。
理由は「顔に傷が無いこと」
だから、被害者はただ、屋内を逃げ回り、犯人に追い詰められて、台所で力尽きて、犯人に滅多打ちにされた・・・と考えるのが妥当だと思うんだけど・・・ここでも問題が一つ。
 
遺体は仰向けだったんだよね?
被害者が力尽きて倒れた後も殴打したのであれば、仰向けなのだから、普通に顔面とか前頭部にも傷があっておかしくない。
 
可能性としては、
1)俯せに倒れた被害者に止めを刺してから、犯人が仰向けにした
2)仰向けになる前にすでに絶命しており、仰向けになったのは偶然
3)犯人は仰向けに倒れた被害者の顔面を避けて殴打した。
 
ただ、屋内を頭を抱えて逃げ回ったとしたら、四つん這いになって逃げるような状況のはずで、そこから2)になるのは、ちょっと想像できないと思う。
 
やはり1)か3)と言う事になると思うのですが・・・
1)の場合の理由としては
死亡した事を確認する為に仰向けにして、呼吸や脈を確認した可能性はあると思います。
 
ただ・・・凶器がフライパンなので、計画的な犯行ではなく、そこまで冷静に成れるのか?は微妙なところです。
でも、これを補強する材料としては、玄関の鍵を犯人が施錠した可能性があるので、この場合、犯人は突発的な犯行の中でも強固な殺意と冷静な判断で犯行を実行している事になりますね。
 
3)の場合
「顔を傷つけない」と言うのは愛情表現と言う可能性はあると思うのですが・・・犯人が女性の場合、被害者が反撃しなかった事。そして、凶器が包丁ではなくフライパンである事が説明できないですよね。
 
反撃できない理由としては、1撃目、2撃目で脳震盪を起こしていて
反撃する事ができなかったと言う可能性はあると思います。
 
さらに、スポーツ選手のように体を鍛えている女性なら女性でも十分に犯行は可能かもしれません。
 
なので、3)の場合、犯人は男性でも女性でも可能性は否定できないと言うことになりますね。
 
他には、犯行が被害者の帰宅直後だろうと思われる点ですね。
3)の場合、計画的な犯行で無いのに、短時間に殺意が爆発するような理由があるのか?
 
この場合、犯人が被害者の帰宅を待ち伏せて、被害者の帰宅と同時に部屋に入り、被害者がパン一になって、夕食を食べようとしたところで殺害している事が想定されますね。
 
犯人が男性だったとしても、同性同士での恋愛と言うのもあるわけで、そのあたりはいまのところ、なんとも言えないです。
 
ただ、男性が犯人の場合、もし腕力に自信があるのであれば、咄嗟に首を絞めて扼殺や絞殺と言うのもアリなんですよね。
なので、腕力にはそれほど自信が無いタイプと言う可能性は否定できないのですが、それならば、どうして、フライパンなのか?
 
犯人が女性の場合も同じですが、腕力に自信が無いのであれば、より殺傷力の高い、包丁をなぜ使わなかったのか?
フライパンが有ると言う事は、被害者は料理をする人だろうと言う事ですよね。
ならば、当然、現場には包丁もあったと思うわけです。
 
これは、顔見知りなら包丁の場所を知っていたと思うわけで、その意味では、犯人は包丁の場所を知らない人間と言う可能性もあるけど・・・包丁の場所なんて、独身者の住むアパートの狭い台所なので、おおよそ想像できるでしょうね。
なので、包丁の場所が分からないと言うよりは、包丁を出す為に音を出したくないと言う可能性もあります。
 
また、犯人はフライパンで撲殺する事が可能であると判断しているんですよね。その意味では腕力にそれなりに自信を持っているのかもしれません。
 
まー客が居るのに、パン一になれる関係なら、犯人は顔見知りだと思うわけです。
顔見知りなら、喉が渇いたから水や飲み物を台所に取りに行くと言う嘘もアリですよね。
ただね・・・これから殺害と言う感情が爆発する瞬間にそんな演技ができるかな?と言うのは素朴な疑問です。
 
だとすると、流しの犯人がうっかり無施錠のドアを開けて、侵入、直後に被害者が在宅である事に気付いて、玄関近くにあったフライパンをもって被害者を撲殺したと言う可能性もあるわけだけど・・・
 
この場合では、被害者の顔に傷が無い事を説明できない。
咄嗟に撲殺なら、被害者が死ぬまで殴打しているはず、顔を避けて攻撃する余裕は無いと思うんですよね。
 
「顔に傷が無い事」に意味があるのであれば、やはり、犯人が顔を攻撃するのを避けたと考えたいところですが、奇跡的な偶然と言う可能性も否定できませんね。
 
それにもう一つ、被害者はなぜ、犯人の接近に気付かなかったのか?
情報はありませんが、私が考えるに、当日の昼間の気温は25度以上で夕方の湿度は80%を超えている。
昼間は締め切った部屋なら、帰宅してすぐ、窓を開けるし、風を通すなら、リビングとキッチンを仕切るドアは開けるでしょう?
被害者が部屋のどこにいて、犯人の攻撃を受けたのか?は不明だけど、フライパンはキッチンにあったわけで、犯人は玄関から入りフライパンを手に持たなければ、犯行はできない。
 
着替えている最中とか、雨音が大きくて足音や物音に気付かなかったと言う可能性はあります。
しかし、逆に、犯人に気付いていながら、攻撃される事はないとして、無警戒だった可能性もあります。
(フライパンは警戒させない事を狙った可能性もアリかな)
室内の足跡には靴跡が無いと言う事だから、犯人は土足で上がっていない。
なので、この部分でも流しの窃盗犯は考えにくいのかな?
夜中で家人が寝ている時間ならともかく、起きていても不思議ではない時間、しかも間取りが1Kですからね「忍び込み」は無いんじゃないかな?
 
いずれにせよ、フライパン、パン一、土足の痕が無い、犯行が夜で部屋に明かりは当然あった、と言うあたりを考えると、顔見知りと言う方が説明しやすいかもしれないですね。
 
まーコメントにあった、女性の部屋と勘違いして、無施錠なので侵入したら、「男が居た」って場合もアリなんですが、その場合は殺害の方向よりも、顔を隠して速攻で逃亡の方がありそうな気がします。
ただ、犯人がご近所さんで被害者が犯人の顔を知っている場合は、口封じと言うのもあるかもしれませんね。
 

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コメント

1点だけ。「防御創はあるのに顔に傷がない」についてはフライパンと言えども鉄の棒ですから、初撃が不意打ちであった場合、即死ではないにしろ脳震盪起こすぐらいにはダメージを受けたと思うんです。そこで被害者は半ば意識を失いかけつつも、相手の体格を見てなのか自分のダメージを考えてなのか抵抗する余力はない、逃げなければ…と考えて玄関先へ向かうも、後ろから追撃を受け転倒。頭をガードしながら亀状態になったところを滅多打ち、であれば前面に傷は残らないと思います。発見時に仰向けだったのはASKAさんの御推察通り、万が一息を吹き返したら困るので呼吸や心拍などの確認の為に犯人がひっくり返したのだと思います。

投稿: ヤムチャ | 2020/05/31 13:45

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