兵庫県宝塚市ボーガン家族3人殺害事件その2(続報)
1)捜査関係者によると、容疑者は平成27年4月に神戸市内の大学へ進学。人文学のゼミに所属するなどしていたが、休学したまま昨年9月に除籍されたとのこと。
除籍は郵送で通知されるため、本人は知らない可能性もあり、容疑者は逮捕後の調べに、自ら「大学4年」と答えていた。大学は学則で、納入期限後2カ月以内に学費を納めない人は除籍対象と定めているとのこと。
容疑者は、除籍について警察から知らされるまで把握しておらず、警察に対し、「そうですか、そしたら無職ですね」と答えたとのこと。
別の報道では
容疑者は19年4月末が期限の前期分の授業料を納付できずに休学届を提出。後期分についても期限の10月末までに支払えなかった。結局、最終期限の12月末に除籍が決まり、大学の規則で9月末時点の除籍扱いとなった。
容疑者は調べに「休学していたが、除籍になっているのは知らなかった」と供述しており、県警は除籍に至る経緯を調べているとのこと。
2)容疑者(23)が「祖母、弟、伯母、母親の順番で襲った」という趣旨の供述をしているとのこと。
捜査関係者によると、容疑者は4日朝、同居する祖母(75)、弟(22)の順に、住宅内で頭に向けてボーガンを発射し殺害。
その後自宅を訪れた伯母(49)を玄関先で襲撃し、続いて家に入った母親(47)をリビングで撃って殺害した。一連の犯行には、間隔をあけながら全体で数時間かけたとみられる。
3)兵庫県はこの事件を受け、青少年愛護条例に基づきボーガンを「有害玩具類」に緊急指定した。県によると、6日以降、販売店は18歳未満の人に対し一定以上威力のあるボーガンの販売や貸付が禁止される。
4)祖母と母親の死因
司法解剖の結果、祖母(75)と母親(47)の死因は、いずれも頭を撃たれたことによる、外傷性くも膜下出血。
2人に抵抗した跡はなかった。
5)付近住民らによると、現場の民家には24年前に祖母が入居。母と兄弟の3人は2年ほど前に近くの県営住宅を引き払い、事件当時、兄弟は祖母宅、母親は約480メートル離れた集合住宅に住み、母親は週数回、祖母宅を訪れていたとのこと。
6)容疑者は小学校高学年ぐらいからひきこもりがちになったという。弟は最近、兄の近況について「またひきこもりがちになって自分の部屋から出てこない。家族ともほとんどしゃべらず、たまに僕と話をするぐらい」と話していたとのこと。
7)容疑者(23)が放った矢の全てが頭などに刺さっていたとのこと。捜査関係者によると、現場となった自宅の現場検証で、命中した5本以外に発射した形跡がある矢は見つからなかった。
8)県警は6日、容疑者を伯母に対する殺人未遂容疑で神戸地検に送検した。
9)容疑者は事前に伯母に電話をかけ、この日の来訪を確認。祖母と弟を撃った後、別居している母親と伯母が自宅に来るのを待っていたとの趣旨の供述をしているとのこと。
10)弟が倒れていた付近にだけ、血だまりがはっきり残っていたとのこと。弟(22)は頭に2本の矢を撃たれ、搬送後に死亡した。県警は弟が矢を抜こうとして再度撃たれた可能性がないかなど、当時の状況を詳しく調べているとのこと。
11)自宅の1階リビングのテーブルの上からは、犯行に使われたとみられるボーガンが見つかっている。
12)捜査関係者によると、見つかったボーガンは幅が70センチ程度で、外国製とみられる。弦を引いた後、引き金を引いて発射する。民家には、4人に発射されたものとは別に、長さ約40センチと約50センチの2種類の矢が残されており、主に約40センチのものが使われたとみられるとのこと。
別の報道では
犯行に5本の矢が使われたことが分かっています。警察がそれらを調べた結果、いずれも長さがおよそ53センチあったとのこと。
放った矢5本はいずれも長さ約50センチで、「返し」がないタイプだった。
13)兵庫県警宝塚署捜査本部は6日、同容疑者の死亡した弟(22)の死因は出血性ショックだったと発表した。
弟は頭部2ヵ所を撃たれていて、1ヵ所は右耳の後ろから頭頂部の近くまで矢が刺さったままで、もう1ヵ所は左目の上と後頭部の間を貫通していた。
弟の近くには血の付いた矢が落ちていたとのこと。
14)捜査関係者によりますと、死亡した祖母と弟は、背後から頭を撃たれていたとのこと。
15)高校卒業後も交流があった同級生の男性(23)によると、容疑者は高校時代からガソリンスタンドでほぼ毎日アルバイトをしていたが、金銭的に苦しい様子だったという。男性は「半年ぐらい前から連絡が取れなくなった。高校時代の仲間で(容疑者の様子を)知っている者はいないのではないか」と話したとのこと。
16)3番目に撃たれた伯母は容疑者(23)=殺人未遂容疑で逮捕=に現場にとどまるよう求められ、その後に到着した母親が撃たれた隙に逃げ出して助けを求めたとのこと。
17)母は帽子をかぶった状態で室内で倒れ、伯母は自転車用のヘルメットをかぶった状態で首を撃たれていた。
18)容疑者は伯母が来る前、伯母に電話をしており、伯母を待ち構えて襲った可能性があるとのこと。
19)弟は事件の通報から約7時間後、搬送先の病院で亡くなったとのこと。
20)近所の住民によると亡くなった祖母から、数年前に「孫たちが娘(母親)と不仲で、けんかするたびに家に来る」と聞いた。一緒に住み始めてからは「孫がピリピリしている」と悩んでいた。「孫に携帯電話を取り上げられた。娘と連絡をとらせたくないみたい」とも話したとのこと。
容疑者については「あいさつしても返してくれず、おとなしい印象。弟さんは明るい感じ」と話したとのこと。
21)捜査関係者によると、同容疑者は、隣接する同県西宮市の伯母を電話で呼び出したとの趣旨の供述をしている。母親にも何らかの手段で連絡し、襲撃目的で自宅に呼んだ可能性があるとみているとのこと。
22)捜査関係者によると、容疑者は母と伯母について「電話して自宅に来る時間を聞いた」と供述しているとのこと。
23)容疑者(23)が逮捕直前、現場の民家の前で立ち尽くしていたとのこと。4人が襲われた後とみられ、警察官に「やったんか」と問われた際、「はい」と答えた後は無言で、青白い顔で連れ出されたとのこと。
目撃した女性によると
「服はきれいで、血も付いていなかった。ただ立っているだけだった」と話したとのこと。
24)空手道場で兄弟を指導した男性によると、幼少時は兄が弟を泣かせていたが、成長して立場は逆転。弟は「(兄に対し、自分の方が上であるという)力関係を常に示している」と言っていたとのこと。
時系列
1996年 現場住宅に祖母が住み始める。
事件の数年前に容疑者ら3人が同居を始める。
2009年頃(推定)小学校高学年で引きこもりがちになる。
2015年
04月 神戸市内の大学に進学
2019年
04月末 前期分の学費が納入できず
その後、休学
09月末 大学を除籍(最終的な除籍の日付)
10月末 後期分の学費が納入できず
12月末 除籍が確定
2020年
06月04日
祖母を襲撃
その後、弟を襲撃
その後、訪問した伯母を襲撃
その後、訪問した母親を襲撃
10:15頃 通報
10:20頃 逮捕
17:00頃 搬送先で弟が死亡
06月06日 伯母への殺人未遂で送検。
こんなところですね。
幾つかの謎が解けたかもしれません。
1)逃亡した伯母を追いかけなかった理由
訪問直後に伯母を襲撃したが致命傷にならず、現場に留まるように指示された。
その後、母親が訪問、リビングで狙撃された隙に伯母が逃亡しているので、伯母の逃亡に気付いていない可能性もありますね。
多分、伯母よりも母親に対する犯行を優先したんでしょう。
その意味では、最大の恨みの対象の母親を殺害した事で満足して、逃亡した伯母を追う事を止めてしまったのかもしれませんね。
2)なぜボーガンなのか?
兄弟は空手を習っており、現在では弟の方が攻撃力では格上の存在となってしまった。
その為、接近しての攻防では不利と見てのボーガンだったのかもしれませんね。
祖母については、ボーガンの試し撃ちと言う意味あいもあったのかもしれません。
とは言え、弟殺害後に、体力で劣る、母親と伯母に対しても、ボーガンを使用しているのは、ちょっと説明できないですね。
まー頭部を貫通するほどの威力があるので、そのまま凶器として使用したと言うのが理由の可能性もありますね。
3)計画性
伯母と母親がこの日に訪問するので、この日しか実行のタイミングは無いのでしょうね。
ただ、最大の障害となる弟が隙をついたとは言え、自由に動ける状態での犯行はちょっと疑問です。
今のところの報道では、凶器もボーガンしか準備してないようですね。
ボーガンなんて、連射できないわけですから、1本目の矢を放った後、当たるにせよ、外れるにせよ、すかさず次の攻撃する為の準備をしていそうなんですけどね。
それに、正常な判断力があれば伯母と母親が同じ時間に訪問する事を知っていたのであれば、その時間をずらす工作などできそうなんですけどね。
まー、1撃で即死できるボーガンであれば、瞬殺する事が可能であると考えていた可能性もあります。
その場合、なぜ、頭部に拘ったのか?と言うのも疑問ではありますね。
伯母は自転車用のヘルメットをかぶっていたのだから、小さい的の首を狙わなくても良かったはずです。
今のところ、言動におかしな点はなさそうですが、精神鑑定は必要な気がしますね。
4)母親の別居
前回の記事を書いている時、母親が別居している事が疑問でした。複雑な家族環境なのかな?とも思っていたのですが、親子の折り合いが悪かったんですね。
5)容疑者は引きこもりなのか?
今の段階の報道だと、「引きこもり」では無かった印象です。
高校時代からアルバイトをしていたようですし、大学へも通っていたようですね。
なので、学費の滞納が切っ掛けで引きこもってしまったと考えた方がよさそうです。
6)動機
ここまでの報道から推測すると
動機としては、やはり「人生への絶望」から気に入らない人を全て道連れにしての間接自殺(死刑願望)と言うあたりなのかな?
結局、誰からも学費の援助を受けられずに除籍となった事が決定打なのかな?
しかし、ここで一つ疑問、休学中の学費はどうなっているのか?
国立大学の場合、休学中の学費は全額免除らしいですね。
私立においても休学費10万円以下の大学が増えてきているとのこと。
10万円程度ならば、容疑者のアルバイトでも払う事が可能では無かったのか?
だとしたら、除籍は覚悟の上かと思いきや、除籍となった事は知らなかったようです。
だとすると、大学の除籍は直接、動機には関係しないのかな?
そうすると、100%人間関係の問題によって起きた事件なのだろうか?
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