埼玉県和光市特殊詐欺男性殺人事件
5月10日午前、埼玉県和光市の駐車場を管理している50代男性から「無断で駐車している」との通報があり、駆け付けた警察官が同日午後2時40分ごろ、車内で遺体を発見する事件が起きている。
車は盗難届が出ており、東京都内の会社で使用されていたものだった。遺体(31)は関係者から捜索願が出ていたとのこと。
被害者は住居職業ともに不詳の男性(31)
駐車場に止めてあった車から遺体が発見された現場は、東武東上線和光市駅から南東に1キロほど離れた閑静な住宅街。
近くのマンションに住む男性会社員男性(67)によると、遺棄されていた白い軽自動車は、4月上旬ごろから駐車場に止めてあったとのこと。「車に会社の名前が書かれていたから、気に止めなかったが、まさか中に死体があるなんて思わなかった」と話していたとのこと。
捜査本部によると、遺体は車の後部で発見され、上半身に刃物で刺されたとみられる複数の傷があったとのこと。
捜査関係者によると、遺体は布のような物で覆われており、テープが巻かれていた。傷は腹や胸などにあったとのこと。
遺体は腐敗が進んでおり、死後数日が経過しているとみられる。(5月10日報道)
捜査本部は5月12日、司法解剖の結果、死因は失血死だったと発表した。被害者が刃物で殺害され、車内に放置されたとみて調べるとのこと。
捜査関係者によると、傷は腹や胸など上半身に集中。一部は臓器に達するほど深く、これらが致命傷になった可能性がある。遺体は布のような物に包まれ、テープが貼られていた。傷みが激しく、死後数週間以上が経過しているとみられる。
車は4月中旬に東京都板橋区内の会社から盗まれた軽ワゴン車で、盗難届が出ていた。(5月13日報道)
捜査本部によると、車内からは血痕が見つかっており、一見して争ったような形跡はなかったとのこと。車は駐車場の契約車両ではなく、「1週間ぐらい前から止まっていた」という通報があったものの、それ以前から現場に置かれていた可能性もあるとのこと。
県警朝霞署捜査本部は5月18日、被害者が2019年2月ごろ、出身地の大分県から埼玉方面に来て生活していたとみられることを明らかにした。県警は被害者が何らかのトラブルに巻き込まれた可能性もあるとみて、その後の足取りや生活実態を調べるとのこと。(5月19日報道)
捜査関係者によると、東やは知人から4月中旬に捜索願が出ていた。
被害者とは今年4月14日以降、連絡が取れなくなっていた。
県警は6月13日、東やの遺体を遺棄したとして、死体遺棄の疑いで、いずれも無職で、東京都内に住む少年(19)と川越市の男(23)を再逮捕したとのこと。(6月13日報道)
別の報道では
川越市清水町、無職の男(23)、東京都台東区の無職少年(19)を再逮捕した。
再逮捕容疑は4月14日早朝、和光市白子2丁目の月決め駐車場に、被害者の遺体を積んだ軽貨物自動車を放置した疑い。県警は共犯事件として認否を明らかにしていないとのこと。
県警は6月3日、この事件に関連し、少年と男のほかに複数人の男を詐欺や詐欺未遂容疑で逮捕していた。その後の調べで、少年と男が被害者の死体遺棄に関与した疑いが浮上したとのこと。
別の報道では
現場周辺の防犯カメラの精査や遺棄された車の鑑識活動などから、男らが被害者の死体遺棄に関与した疑いが浮上したとのこと。
車内からは血の付いた包丁も発見されているとのこと。
さいたま地検は7月3日、死体遺棄と窃盗の罪で、川越市清水町、無職の男(23)をさいたま地裁に起訴した。地検は認否を明らかにしていないとのこと。(7月4日報道)
起訴状などによると、男は共謀の上、4月14日、東京都板橋区内の会社敷地内で自動車1台(時価約50万円相当)を窃取。同区内のマンションで被害者の遺体を布団でくるんでガムテープと電気コードで縛り、盗んだ車に乗せて和光市内の駐車場まで運び放置したとされるとのこと。
男は4月8~9日、千葉市内の高齢者方に親族を装って電話をかけ、現金100万円をだまし取ったとして、詐欺の罪でも起訴されているとのこと。6月12日付。
県警朝霞署捜査本部は7月5日、東京都台東区の無職の少年(19)=死体遺棄容疑で逮捕=を殺人容疑で再逮捕した。(7月5日報道)
逮捕容疑は4月13~14日、東京都板橋区上板橋3のマンション一室で、被害者の上半身を刃物で複数回刺して殺害したとされる。「今は何も言いたくありません」と話しているとのこと。
県警は6月3日、被害者の関係先として浮上していた板橋区内のマンションなど都内の複数箇所を一斉に家宅捜索。少年と川越市の無職の23歳男ら7人を詐欺や詐欺未遂容疑で逮捕した。
いずれも特殊詐欺グループのかけ子などとみられ、電話で親族を装うなどして複数の高齢者から現金をだまし取ろうとした疑いがあるとのこと。
その後も新たに2人の関与が分かり、これまでに10~30代の男計9人を逮捕。多くがうその電話をかける「かけ子」とみられるとのこと。
県警は6月13日、被害者の遺体を乗せた軽貨物自動車を和光市白子2丁目の駐車場に放置したとして、死体遺棄容疑で、少年と23歳男を再逮捕。その後の調べで、被害者の殺害について少年の関与が浮上した。23歳男は殺害には関わっていないとみられ、今月3日、死体遺棄罪などで起訴されたとのこと。
捜査関係者によると、遺体が遺棄された車内には血の付いた包丁が残されており、鑑定の結果、被害者と少年の血だったことが判明。被害者の背中や首に複数の傷があり、腕には抵抗した際にできる防御創があったとのこと。
東京都板橋区内のマンション一室などを拠点に活動。室内からは被害者の血痕が見つかった。県警は仲間同士で何らかのトラブルがあり、この場所で殺害された後、車で和光市内の駐車場に遺棄されたとみて調べるとのこと。
時系列
2019年
*02月頃 被害者が大分県から埼玉方面に引っ越して生活を始める。
2020年
*04月
上旬ごろから駐車場に問題の車は駐車されていたとの情報あり。
8日から9日、23歳容疑者が千葉市内で100万円をだまし取る。
14日早朝 遺体を軽自動車に乗せて、駐車場に放置。
この日以降、被害者と連絡が取れなくなる
*05月
10日 無断駐車の通報で駆け付けた警官が遺体を発見。
12日 司法解剖の結果、死因は失血死と判明。
*06月
03日 複数の関係者をサギや詐欺未遂の容疑で逮捕
13日 遺体遺棄の容疑で19歳少年と、23歳男性を逮捕
*07月
03日 23歳男性を窃盗と遺体遺棄の容疑で起訴
05日 19歳少年を殺人容疑で再逮捕
こんなところですね。
5月10日の遺体発見と同時に身元が判明しているようですね。ただ、何の情報を元に身元が判明したのか?の情報がありません。
身分証明書があって、そこから判明したのなら、その情報が出そうなんですが、それも無いので・・・あれかな?と思いますが、書きません。
遺体は有料駐車場に放置してますから、遺体が発見されるのは時間の問題です。
実際に無断駐車で通報された事を切っ掛けに遺体が発見されてますね。
なので、発見される事は想定の範囲内と言う事だと思うのですが・・・
だとしたら、普通に考えれば逃走を考えるところなんですけど・・・6月3日の一斉逮捕まで逃亡の意図はなさそうです。
これは、特殊詐欺を行う為に逃げられなかったのかもしれませんね。
つまり、この少年達は警察に逮捕されるより、逃亡して組織に追われる事の方を恐れていたと言う事かもしれません。
このあたりの事情や殺人に至る経緯などは、これから出てくるかもしれませんが・・・同じ理由で組織については話さないかもしれませんね。
もっとも、末端の受け子や掛け子が組織の重大な情報を知らされているか?と言うのも疑問ですが・・・
まーいずれにせよ、ただの振り込め詐欺容疑が、一転して殺人容疑ですからね。
人生はちゃんと生きないと、どこで道を踏み外すのか分かりませんね。
続報を待ちましょう。
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コメント
さいたま地検は、7月22日、殺人や死体遺棄などの疑いで逮捕した19歳の少年をさいたま家庭裁判所に送致した。
さいたま家庭裁判所は、来月4日まで、2週間の観護措置を決めているとのこと。
投稿: ASKA | 2020/07/28 11:16
こういった事件を見ると、詐欺グループは暴力団の新たな形としても機能しているように見えますね。
被告達が犯人だとして、逃げなかったのは車も盗難車だし被害者との接点を示すものは何もないと考えていたのかもしれません。
投稿: つれづれ | 2020/08/02 19:46
つれづれさん、おはようございます。
たしかにそうですね。車は盗難車でした。
どうやって容疑者にたどり着いたのか?
科捜研の女ばりに防カメ映像でも解析したのかもしれませんね。
投稿: ASKA | 2020/08/05 05:35
詐欺や死体遺棄などの罪に問われた川越市、無職の男(24)の初公判が8月19日、さいたま地裁で開かれた。男は起訴内容を認め、検察側は懲役6年を求刑して即日結審したとのこと。判決は9月16日の予定。
検察側の冒頭陳述によると、男は昨年夏ごろ、特殊詐欺グループに加入。その後加入した被害者や少年(19)らと東京都板橋区内のマンションを拠点に特殊詐欺のかけ子などをしていたが、今年4月13日夜、少年が被害者を殺害したため車で和光市まで遺体を運び、遺棄したとのこと。
被告人質問で男は、「大きな物音がしてキッチンに行くと、被害者が倒れていた」と供述したとのこと。
遺体を遺棄した理由については「組織の上位の人に内部でトラブルがあったことが知られると、自分も制裁を受けると思った」と述べたとのこと。
論告で検察側は「遺体を毛布でくるむなど発見を困難にさせる態様の犯行で、車の運転など果たした役割は重要」と述べたとのこと。
弁護側は遺体の損壊行為がないことなどから「悪質とまでは言えず、偶発的な犯行だった」として寛大な判決を求めたとのこと。
起訴状などによると、男は4月14日、少年と共謀して、板橋区の会社から盗んだ軽貨物車に被害者の遺体を乗せて和光市まで運搬。市内の月決め駐車場に車を放置し、遺体を遺棄したなどとされるとのこと。
こんなところですね。
登場人物を整理すると
1)被害者男性(31)
2)主犯少年(19)
3)死体遺棄を手伝った男(23)
今回の公判は死体遺棄を手伝った男(23)の公判です。
殺害の経緯については触れられていませんが、死体遺棄を手伝ったのは、組織からの制裁を恐れたからのようです。
「組織の上位の人に内部でトラブルがあったことが知られると、自分も制裁を受けると思った」
と言う事なので、少なくとも、主犯少年とこの遺棄を手伝った男は「被害者が勝手に逃亡した」事として、組織の上位者には報告したんでしょう。
「自分達は何も知らない」ってね。
もちろん、警察に自首するなんて事は論外だったんでしょうね。
まーこの男(23)も振り込め詐欺に関わらなければ、死体遺棄なんて事をしなくても済んだでしょうに、一つの犯罪行為を隠す為に、別の犯罪を犯す事になってしまったと言う、これも犯罪の連鎖と言う事なのかな?
この男の教訓は「人生はちゃんと生きないといけない」って事ですね。
投稿: ASKA | 2020/08/29 09:18
遺体遺棄を手伝った当時23歳男の判決です。
9月16日さいたま地裁は懲役4年(求刑懲役6年)の実刑判決を言い渡した。
裁判長は「犯行に主体的に取り組んでいる」として「上位者の制裁を恐れたとはいえ、犯行は身勝手で酌むべき事情はない」などと指摘したとのこと。
別の報道では
裁判官は、「共犯の少年の指示で行ったとはいえず、主体的に犯行に及んだ。動機は身勝手で、酌むべき事情はない」とし懲役6年の求刑に対し、懲役4年を言い渡したとのこと。
こんなところですね。
求刑懲役6年に対して、判決が懲役4年なので、3割ぐらい割り引いてますね。慣例よりも少し割引率が高いのかな?
主犯の少年の方はどうなるのか?続報を待ちましょう。
投稿: ASKA | 2020/09/17 19:01
さいたま家裁は9月17日、少年を検察官送致(逆送)とする決定をしたとのこと。
裁判長は決定理由で、「刑事処分以外の措置が相当であるとは認められない」と指摘したとのこと。
遺体を車内に放置した死体遺棄事件などについても、併せて逆送するのが相当であるとしたとのこと。
決定によると、少年は特殊詐欺グループの「かけ子」として活動していた4月13日午後、東京都板橋区のマンションで、グループの仲間だった被害者男性の体を包丁で複数回刺すなどして殺害。別の仲間と共謀して、盗んだ車に毛布でくるんだ被害者男性の遺体を乗せて、和光市まで運搬。月決め駐車場に車を放置し、遺体を遺棄したなどとされるとのこと。
こんなところですね。
これで、少年の公判の情報が出てきます。
何があったのか?続報を待ちましょう。
投稿: ASKA | 2020/09/19 21:21
少年が起訴です。
さいたま地検は9月28日までに、殺人と死体遺棄、窃盗、詐欺未遂の罪で、少年をさいたま地裁に起訴した。24日付。裁判員裁判で審理されるとのこと。
地検は7月、殺人などの疑いで、少年をさいたま家裁に送致。家裁は今月17日、「刑事処分以外の措置が相当であるとは認められない」として、検察官送致(逆送)の決定を下していたとのこと。
では、公判を待ちましょう。
投稿: ASKA | 2020/09/29 19:38