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2020/10/18

北海道札幌市2歳女児虐待死事件その5(男性被告の一審判決)

懲役13年です。
***初公判(9月29日)***
女性被告の交際相手の男性被告は、女児を殴ったり踏みつけたり、たばこの火を押し付けたりした上、放置して死亡させたとして傷害致死と保護責任者遺棄致死の罪に問われている。
 
起訴状によると、男性被告は2019年5月上旬~6月5日ごろ、女児に殴ったり、たばこの火を押し付けたりするなどの暴行を加え、頭蓋骨骨折などのけがをさせた上で放置し、死亡させたとされるとのこと。
 
1)起訴内容について男性被告は「(検察官が)読み上げたことに関しては、一切やってませんので、やってません」と無罪を主張したとのこと。
 
2)弁護人も「暴行は加えておらず、保護責任者でもない。無罪です」と述べたとのこと。
 
弁護側は暴力を振るっていたのは母親の女性被告(22)=保護責任者遺棄致死罪で起訴=だとし、男性被告は気付いていなかったと主張したとのこと。
 
検察は司法解剖の結果から死因を衰弱死としていますが、弁護側は「食べ物をのどに詰まらせたことによる窒息死だ」と争う姿勢を示したとのこと。
 
女児のけがについては「転んだ」などとする女性被告の話を信じたと訴えた。虐待を疑った道警の捜査員が居室を訪れた5月15日以降は「巻き込まれたら面倒だと思い、最低限の食事の世話などを除き、子どものことには口を出さなくなった」と述べたとのこと。
 
3)冒頭陳述で検察側は、状況などから暴行を加えたのは男性被告だと指摘。「2歳児に対して暴行を繰り返したのは卑劣だ」と述べたとのこと。
 
冒頭陳述で「男性被告と、女児の母親である女性被告は、女児が亡くなる直前の20日間、部屋に閉じ込めほとんど食事を与えなかった。その上、男性被告が全身に暴行していた」と指摘したとのこと。
 
冒頭陳述で「女児の顔のあざは男性被告のこぶしの大きさと矛盾しない」「近くの住民が子どもの泣き声と男のどなり声を聞いている」として、男性被告がけがをさせたと指摘したとのこと。
 
検察側の証拠調べでは、女児を放置した状態で、場外馬券場など、遊興のため外出を繰り返していたと指摘。男性被告のスマートフォンからは、女児搬送後3時間以内に「子供虐待 疑われる」「虐待 死亡 懲役」と検索。ネット上の百科事典「ウィキペディア」で、2010年に発生した大阪2児餓死事件のページを閲覧した履歴が残っていたことも明かしたとのこと。
 
4)女児が死亡する3週間ほど前に、虐待の通報を受けて女児の安否を最後に確認した警察官の証言。
 
当時、女児の顔や腕には1センチ未満のあざがあり、両足の裏に絆創膏が貼られていたということですが、女性被告の「ヘアアイロンをふんだ」といった説明に、納得したと述べたとのこと。
 
しかし、女性被告に、絆創膏をはがすと「痛がって泣く」と断られたため、傷は直接確認していないとのこと。
 
警察官は女性被告が部屋を離れたとき、女児に「お母さん好き?」「痛いことされてない?」と問いかけたとのこと。
 
女児は無表情のままで、30分ほど、ほぼ動かなかったとのこと。
 
警察官は女性被告に電話してもらい、男性被告と直接話したことを明らかにしましたが、名前を聞くと、「強制じゃないなら教えたくない」と断られたとのこと。
このとき、警察官は「暴力はない」と判断し、児童相談所に結果を報告したとのこと。
 
***第二回公判(9月30日)***
証人尋問
1)女児の祖母が証人として出廷し、男と一緒に暮らす前は、女児にけがはなかったと述べたとのこと。
祖母は、男性被告が女児と母親の女性被告の3人で暮らす前の、去年3月はじめ、女児を入浴させた際に「女児にけがはなかった」と証言したとのこと。
 
2)警察官は、男性被告の指の根元の「基節関節」の間隔は、女性被告よりもおよそ4ミリ長く、女児の顔のあざと一致すると証言したとのこと。
 
弁護側が「誤差はあるか」と聞くと警察官は「多少はある」と答えました。裁判長が何ミリを誤差と考えたか聞くと、警察官は「2、3ミリ」と返答したとのこと。
 
***第三回公判(10月1日)***
証人尋問
1)女性被告(22)の同僚の女性の証言
女性は「2019年5月ごろに職場の喫煙所で女性被告から『男性被告が女児が吹っ飛ぶくらい頭を殴る。怖い』と2回以上は相談を受けた」と証言したとのこと。男性被告は女児が泣いている時に、殴っていたとのこと。
 
2)弁護側からは、女性被告が通っていた美容室の従業員の供述調書が証拠として提出。その中で女性被告が従業員に「男性被告は女児に怒鳴ることはあるが、暴行はしない」と話していたとのこと。
 
3)現場マンションの男性住民の証言
去年2月ごろから「子どもの泣き声が昼夜問わず聞こえた」と証言。4月には、同居の女性が児童相談所に通報しましたが、5月にかけて、泣き声や物を叩きつけるような音が増えていったとのこと。
 
「男の大声の後に、ドンガンという物音、子どもの泣き声が聞こえた」(証人)
 
そして、女児が亡くなる4日前から、泣き声は「聞こえていない」と証言したとのこと。検察官は、これらの証言から、同居していた男性被告がけがをさせたと主張したとのこと。
 
しかし、男性は、泣き声は「男の子のものだと思っていた」、どの部屋から聞こえたか「断定はできない」とも話し、男性被告側は、「泣き声は女児」とする検察官に疑問を投げかけ、無罪を主張しているとのこと。
 
***第四回公判(10月2日)***
証人尋問
1)司法解剖した医師の証言(検察側証人)
「体には脂肪が数ミリしかなかった。2週間から3週間の間に急激に体重が減少し、低栄養状態で亡くなった」と証言。提出している証拠では、下腹部の皮下脂肪は3ミリだったとのこと。
 
女児の大腸から綿ごみや毛が見つかり、飢えて口にした可能性があると証言したとのこと。
 
他の報道では
胃から「とうがらし」成分、腸から「ほこりや毛のようなもの」が見つかり、香辛料やごみを食べていた可能性もあるとも指摘したとのこと。
 
免疫を作る「胸腺」という臓器が通常の子どもの約4分の1の大きさになっていたとのこと。
 
さらに、頭部の骨折などのケガが死期を早めたと主張。虐待を受けていた可能性があるとしたとのこと。
 
「腰のやけどの痕は、一生残るような深さでたばこの火で負わされたもの」「頭のけがは死亡の2週間前から継続的に頭を叩かれたり、圧迫されたりしたもの」と証言したとのこと。
 
また、死から2日後の身体検査で、母親の女性被告の爪は、1センチほど伸びていて「爪が邪魔で強い力で殴れない」と指摘したとのこと。
傷害致死などの罪に問われている男性被告には、右手の人差し指の第2関節に傷があり、けがをさせたのは男性被告の可能性が高いと述べたとのこと。
 
更に別の報道では
5月15日ごろからほとんど食事をしておらず、6月に入ってからは「衰弱が進行して意識障害があり、普通に歩いたり大声を出したりできない状態だった」と指摘し、死亡直前は低体温症だったとしたとのこと。歯でかまれていないと思われる胃の内容物があり、「無理に飲み込まされたものと考えられる」と指摘したとのこと。
 
2)弁護側の医師の証言
弁護側の証人として出廷した医師は女児の気管支や肺などのCT画像に異物とみられるものがみられたと説明。死因は吐しゃ物をのどに詰まらせた可能性を主張し、「窒息死と考えるのが自然」と反論したとのこと。
 
別の報道では
弁護側証人の内科医は弁護側に開示された資料を基に、衰弱が進行していたことは認めたが、血液中の栄養分や皮下脂肪がある程度残っていたなどとして、「死を招く危険な状態ではなかった。何かを詰まらせたことによる窒息死の可能性が高い」と反論したとのこと。
 
***第五回公判(10月5日)***
証人尋問
1)女性被告(母親)の証言
「3月ごろに男性被告から娘への暴力が始まった。4月、モンブランを食べられたことに腹を立て、床に倒れるほど強くぶったたき、引きずった」と証言したとのこと。
 
さらに当時の状況を詳しく語り、「5月には口にバナナを突っ込み、粘着テープで口を塞いだうえ、手足をベビーカーにグルグル巻きにくくりつけて就寝したこともあった」と男性被告が虐待していたと主張したとのこと。
 
女性被告も男性被告から連日暴言を受けていましたが、金を貸していて別れることができなかったとしたとのこと。
 
別の報道では
冒頭で検察に「あなたは女児に暴行したことはありますか」と聞かれると「ありません」と証言したとのこと。
 
一方、男性被告が女児の頭を平手でたたき、引きずるのは見たことがあると話しました。また、女児が亡くなる6日前には、手や足をガムテープで巻かれ、ベビーカーに固定された状態を見たたこともあるとのこと。翌日の未明、女児の頭にはたんこぶがありましたが、男性被告に「虐待が疑われるとネットに書いてあった」と言われたほか、朝には腫れがひいていたため、病院に連れて行かなかったと証言したとのこと。
 
女児は、死亡したときには頭の骨が折れ、やけどやあざなど、顔から足先まで全身に大けがをしていた。しかし、女性被告はそのけがを男性被告がさせた確信は持てず、逮捕された後も「信じ切っていた」と話したとのこと。
 
その後、様々な証拠を見ながら思い出していくと、女児にけがをさせたのは男性被告しかいないと思うようになったとのこと。
 
更に別の報道では
女児が亡くなる数時間前には女児の体が持ち上がるほど髪の毛を引っ張った」などと証言したとのこと。
 
「4月上旬に女児が男性被告のモンブランを勝手に食べた際に、思いきり平手で床に倒れこむまでたたき、洗面所に引きずっていった」
 
「(男性被告が)女児の頭を殴って泣き叫んだことがあった。暴行を見るたびにやめるように言った」
 
女児が亡くなった2019年6月5日。男性被告は午前2時に女児に立つように指示。
しかし立ち上がることができなかった女児の髪を引っ張って立たせる暴行をしていたとのこと。
その約3時間後、女児は死亡が確認されたとのこと。
 
「もともと小柄なので極端に衰弱しているとは思わなかった。イヤイヤ期で食べなかったためだと思っていた」
 
翌日(5月31日)には仕事中に男性被告から「女児が骨折しているかもしれない」とLINEで連絡があった。女児が亡くなった6月5日の直前にも、男性被告が女児をげんこつで殴っていたと証言したとのこと。
 
***第六回公判(10月6日)***
被告人質問
1)「自分が気づかないうちに女児の体に"あざ"ができていたことがあった」「女児がいたずらをした時に、女性被告が頭をたたいていた」などと時折涙を見せながら証言したとのこと。
 
弁護側からの「女児を叩いたりしたことがありますか」という質問に「食べ物を投げたときに軽く叩いた」などと答えたとのこと。
 
一方、同じマンションの住人が警察に通報した5月12日以降、女児が亡くなる6月5日まで“虐待”に関わりたくないとして「暴力はふるわなかった」と証言したとのこと。
 
弁護側の質問で、女児が死亡した2019年6月5日前後の経緯について答えた。
4日夜、男性被告と女児と母親の女性被告は、男性被告が用意した食事をとった。その後、男性被告と女性被告は1時間ほど入浴し、男性被告が先にあがると女児の苦しそうな声が聞こえた。女児はマット上で体を抱え込むようにうつぶせになり、手でのどを押さえて苦しんでいた。女性被告と2人で女児を逆さまに抱えて背中を叩くなどし、人工呼吸をほどこした。その後、女児と女性被告が救急車で病院に向かったとのこと。
 
検察から死亡した女児の傷について問われると「僕は一切やっていないし、(母親の)女性被告がやったんだと思います」と答えた。女児の頭部外傷、顔や体の皮下出血の原因については「わかりません」と答えた。検察は、女児が家ではおむつ姿で過ごしていて、一緒に住んでいた男性被告が傷の原因もわからないのは不自然だと指摘したとのこと。
 
「(女性被告は)「産んだこと後悔した」オムツを替えるとき『生きた心地しない』と毎回言ってました。ごはんも全部コンビニ弁当で、家で服を着させているのも見たことない」とのこと。
 
男性被告は5月下旬、女児が頭を痛がっていると病院に通報しました件について
「病院の担当者の態度が悪かったのでムキになった。イラっとしたし、他人の子を病院に連れていく立場ではないと思った」
 
結局、女性を病院に連れて行くことはなかった。
 
***論告求刑公判(10月7日)***
1)男性被告に対し検察は懲役18年を求刑した。
 
2)検察側は7日の裁判で「犯行のあらゆる点を否認し反省の色も感じられない」として懲役18年を求刑したとのこと。
 
別の報道では
検察側は「暴行を繰り返した上、医師の治療を受けさせず悪質だ」として懲役18年を求刑したとのこと。
 
「20日間にわたって暴行を繰り返して、食事も与えず家に閉じ込めた。熱い液体をかけるなど暴行を楽しむような犯行態様で残虐だ。女児にとっては生き地獄と言える状況だった」として、懲役18年を求刑したとのこと。
 
3)裁判長「最後に一言ありますか?」
男性被告「僕は検察官のいうようなことは絶対にやっていません」と述べたとのこと。
 
***判決公判(10月16日)***
被告に懲役13年(求刑懲役18年)の実刑判決を言い渡したとのこと。
 
1)札幌地裁は「すべてのケガが男性被告によるものとは断定できないものの、死期を早めた頭の大けがは男性被告によるもの」と指摘したとのこと。
 
裁判長は判決理由で「暴行したのは被告と考えるのが自然」と退けた。その上で衰弱した女児を救命しなかったのは保身のためと指摘。「身勝手極まりなく誠にむごく悪質だ」と述べたとのこと。
 
札幌地裁は、男性被告による暴行はあったものの、直接的に死亡につながるものではなかったとして、傷害致死は認定せず、傷害罪を適用したとのこと。
 
そのうえで、「被告は不合理な弁解に終始している」、「死亡した女児は孤独で哀れというほかない」と述べ、懲役13年の実刑判決を言い渡したとのこと。
 
別の報道では
裁判所は女児が男性被告と2人でいる時にケガをしていることなどから、男性被告の暴行があったと認めて「傷害罪」を適用したとのこと。
 
そのうえで「ケガの原因はわからない」などという証言については、「同居していたのに不合理だ」として認めず、懲役13年の判決(求刑 懲役18年)を言い渡したとのこと。
 
親子関係になくても、女児に「必要な保護を与える立場にいた」と認定。必要な食事や医療を与えず、女児を「衰弱死」させたと指摘したとのこと。
 
こんなところですね。
判決を整理すると
A)死因は衰弱死
B)すべてのケガが男性被告のものとは断定できないが、頭の大けがは男性被告のもの
C)男性被告の暴力は直接の死因ではないので「傷害罪」
D)親子関係になるくても、女児に「必要な保護を与える立場にいた」
E)「ケガの原因が分からない」と言うのは認めない
 
死亡の経緯が男性、女性両被告が入浴中に死亡していたと言う事なので、直接、暴行による死亡では無いと言う事なんですね。
もし、女性被告が入浴中で男性被告と女児が二人きりの時に女児が死亡していたなら、傷害致死を疑われる状況だったから、その意味では男性被告は運が良かったのかもしれませんね。
 
D)については、親子関係になくても同居していたら、「保護責任」があると言う事なんでしょうね。
常識的に考えればそうなると思います。
で一緒に住んでいるのに「ケガの原因が分からない」と言う言い訳は通用しないと言う事ですね。
 
量刑についてですが、あの虐待の限りを尽くした野田の小4女児虐待死事件でも男性被告の判決は懲役16年(求刑懲役18年)なんですよね。
この野田の事件でも裁判官は「情状酌量の余地は微塵もない」と言ってます。
 
こちらの事件では、不合理な弁解で反省している様子はありません。
ただし、死因が被告の直接の暴力でないので傷害致死ではなく、傷害罪になった為に、懲役13年(求刑懲役18年)なんでしょうね。
 
それでも、私は軽すぎると思う。
生前の女児の苦痛を考えれば、どう考えても軽い。やはり、虐待致死罪とか、拷問致死罪を作るべきだと思います。
 
さて、男性被告についてはこれで一区切りですが、一方の女性被告の公判はこれからですね。
少なくとも、女性被告には女児を保護する責任があったはずなので、医師に治療させなかった事、食事を十分に与えなかった事は追及されるでしょうね。
問題は、女性被告による虐待が他にあったのかどうかですね。
 
女性被告の公判に注目しましょう。
 

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