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2021/02/28

サイコパス

 

いつものように書店でタイトル買いして、そのまま、半年以上、枕元に積んで置いた本です。
これまでも、サイコパスを含めて、メンタル医療的な本は何冊か読んでいましたが、サイコパスが脳科学的に説明される時代になった事にちょっと驚きました。

目次
はじめに 脳科学が明らかにする「あなたの隣のサイコパス」
第1章 サイコパスの心理的・身体的特徴
 1)サイコパス事件簿
 2)サイコパスの心理的・身体的特徴とわ?
第2章 サイコパスの脳
 1)サイコパスの脳の知覚能力、学習能力
 2)「勝ち組サイコパス」と「負け組サイコパス」
第3章 サイコパスはいかにして発見されいたか
第4章 サイコパスと進化
第5章 現代に生きるサイコパス
第6章 サイコパスかもしれないあなたへ

第1章は過去にサイコパスが起こした事件の簡単な紹介ですね。
サイコパスを書いた本なら必ず書かれる部分です。

で第2章がサイコパスを脳科学的に説明した部分
医療の発展によってこんな事までわかるようになったのかと、驚きました。

そして、3,4,5,6章へと続きます。

この本の良いところは、サイコパスを科学者の目で捉えているところかなと思います。
(著者の中野信子さんは脳科学者なんですね)
サイコパスが必ずしも事件を起こす人間ばかりでは無い、それぞれで輝ける場所があると書いています。

サイコパスが起こした事件の詳細を解説するような本では無いので、事件簿の読者の中には物足りないと思う人もいるかもしれません。
ただ、そういった事件の記録を一通り読み終えて、サイコパスについて広い視野で考えたいと言う人にはお勧めです。

年末の世田谷事件の特番の中で犯人を「サイコパス」と疑う精神科医の証言があったので、参考になりました。

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2021/02/22

神奈川県座間市9名バラバラ事件その13(一審公判2)

審理は、9人の被害者を殺害順に3組に分けて行われる。
(1)2017年8月の3人
(2)同9月の4人
(3)同10月の2人
中間論告や弁論もグループごとに行う。

殺害順
2017年
8月23日Aさん(女性当時21)
8月28日ごろBさん(女性当時15)
8月30日ごろCさん(男性当時20、Aさんの知人)
9月
Dさん(女性当時19)
Eさん(女性当時26)
Fさん(女性当時17)
Gさん(女性当時17)
10月
Hさん(女性当時25)
Iさん(女性当時23)

***第六回公判(10月12日)***
2人目の被害者Bについての被告人質問

1)弁護側の質問に対して回答を拒否した。

2)検察側の質問に対し、「1人目の被害者に対して行った殺害の方法が楽だったので、同じ方法でやろうと思いました」と述べ、2人目の被害者にSNS上で接触したと話した。

被害者と公園で会った時のことについて、「主に悩みを聞いたり外見をほめて口説こうとしましたが失敗して、『やっぱり帰ります』と言われました」「家出願望を利用して、『私のうちに来ないか。私がしばらく養ってあげる』などと言って誘い出しました」と述べ、「財産や収入がないことや、まだ若いことなどから、殺してレイプすることにしました」と話したとのこと。

家では、「悩みを聞きながら『これを飲めば気分が楽になるよ』と言ってお酒や安定剤を飲ませて、効いてきたところでおそいました」と説明し、検察側から「被害者に自殺の気持ちがあったと思いますか」と問われると「なかったと思います」と答えたとのこと。

女子高校生は被告と会った後、「いろいろ考えた結果生きていこうと思います」とのメッセージを送ってきたとし、「自殺する気もなく、殺害を承諾しているとは思わなかった」と供述。殺害後に奪った現金数千円は、「食事や次の犯罪の資金に使った」と話したとのこと。

被告は「通報されてしまうので、生きて帰さないと決めていた」とも話したとのこと。

3人目の被害者Cの証拠調べ
検察官が男性の両親の供述調書などを読み上げた。父親は「息子はかけがえのない存在だった。ひどい殺し方をしてゴミ同様に捨てたことは、言葉では例えられない憤りを感じる」と厳しい処罰を求めたとのこと。

***第七回公判(10月14日)***
3人目の被害者Cについての被告人質問

1)検察側の質問に、8月28日に男性と無料通信アプリ「LINE(ライン)」でやり取りした際、男性に女性の母親から連絡があったことを知ると、男性の自殺を手伝う名目で会う約束をしたと説明。「男性の口から、女性の遺族へ私の情報が入らないよう、証拠隠滅をしようと思った」などと語った。所持金を奪う目的もあったと述べたとのこと。

翌29日、会って悩みを聞くうちに男性は自殺の意思を撤回して別れ、「これからはちゃんと生きていきます」とメッセージを送って帰ろうとしたため、食事に誘って引き留めたとした。自室に招き入れると、失踪を勧めながら数時間酒を飲み、30日未明に背後から首を絞めて、抵抗を抑え込んで殺害したといい、男性は殺害への同意は「なかった」と答えたとのこと。

検察側は被告人質問で、被告が犯行直前に男性とLINE(ライン)のやりとりで「給料入りましたか」「手持ちは1万円くらいありますか」などと何度も尋ねていたと指摘。理由を聞かれた被告は「遺体の処分に使うポリ袋や、ペット用のトイレシーツの購入に5千円ほどかかった」と説明した。

また被告は、自殺を思いとどまり、いったん別れた男性を自宅へ連れ込み、「行方をくらませてホストやスカウトをやってみないか」などと説得して失踪を偽装するよう指示したことも明かしたとのこと。

検察官から、「男性は殺害される時に『死にたい』や『殺してくれ』と言っていたか」と問われると、「ありませんでした。承諾もしていなかったと思います」と改めて「承諾殺人」を否定したとのこと。

女性を殺害した後に、女性の母親から男性に電話があったことを知り、事件発覚を恐れて男性の殺害を決めたという。「生かしておくとリスクが高い。証拠隠滅のため」と述べたとのこと。

2)この日も弁護側の質問への回答を拒否した。

***第八回公判(10月15日)***
AからCについての被告人質問

1)被告は弁護側からの質問に公判を通じて初めて応え、最初に殺害した女性(21)について、「執行猶予中だったため、恐喝や暴行で捕まると実刑になってしまうと思い、確実に証拠隠滅した方が良いと思った」と述べました。また、殺害の承諾については、「部屋の家具で何を買うかという話が出ていたので、(女性は)私と住むつもりだったと思います」として、「『殺して下さい』『死なせて下さい』という言動はなかった」と述べたとのこと。

また、3人目に殺害した男性については当初、「まとまったお金が手に入るなら殺そうかな、くらいに考えていた」とし、証拠隠滅の必要に迫られると、「どういう形であれ、死亡に追い込もうとした」と述べました。これに対し裁判長から、「まとまったお金のイメージとはどのくらいか」と問われると、「イメージとしては25~50万円以上持っていれば、自殺幇助や殺人をしようと思っていた」と説明したとのこと。

裁判員から「男性に失踪の偽装を指示した際に、疑問を持たれなかったのか」と問われると、「『なぜそんなことをしなきゃいけないんですか』とストレートに聞かれた」とした上で、「会社やバンドからすぐ飛んだら(逃げたら)、後を追われるのは嫌だよね」などと説得して納得させたと話したとのこと。

***第九回公判(10月19日)***
AからCについての中間論告

1)検察側は1人目の被害者について、「被告人が述べた殺害状況からしても殺害されることに承諾していなかったことに合理的な疑いを差し挟む余地は全くない」と述べたとのこと。

「自殺願望があったことと殺害行為を承諾していたかどうかは全く別問題」「弁護側の主張は被告人の罪を少しでも軽くするために被告人自らが語る具体的状況などにまるで目をそむけている」と指摘。そして、3人の被害者いずれについても「被告人に殺害されることを承諾していなかったのは明らか。被告人の行為は単なる殺害行為に他ならない」と述べたとのこと。

検察側は「3人は自殺の意思を明確に撤回し、殺害時も激しく抵抗していた」とし、「殺害を承諾していなかったことは明らかで、単なる殺人に他ならない」と指摘したとのこと。

各事件で、殺害の承諾はなかったとした被告の法廷での供述は、客観的な事実と符合するなどと指摘。「被告の供述は十分に信用できる」と訴えたとのこと。

被告の法廷での供述について(1)客観的な事実経過と符合(2)一貫性があり内容も詳細で合理的(3)記憶の有無や濃淡を区別して供述し虚偽の可能性もない――として「信用できるのは明らか。殺害の承諾はなく単なる殺人だ」と結論付けたとのこと。

2)弁護側は被害者の3人は被告に殺害方法を指定したり、わざわざ会いに来たりしていたと反論。被告が殺害の承諾はなかったと話しているのは、承諾殺人が認められることを諦めているためだと主張したとのこと。

別の報道では
弁護側は、被害者が被告に殺害を依頼するメッセージを送るなどしたほか、薬を飲んで首をつる方法について事前に話題になっていたことを踏まえ「単なる希死念慮ではなく被告に命を絶たれることを承諾し、薬を飲んだ状態で首をつられることをリアルに思い描いていた。当日は被告と2人きりで薬や酒を飲んでおり、想定した状況に近づいていた」と主張したとのこと。

また自殺の意思を撤回するメッセージを送信した後に、被害者らが遺書を書くなどしていたことを挙げ、「(自殺意思の撤回後に)希望を見いだしたわけではない」とした。殺害時の抵抗は「条件反射」と評価したとのこと。

被告は公判で、裁判官から「承諾があった人もいるのか」と問われ、「分からないというのが正直なところ」と答えていた。弁護人はこの点に触れ「黙示の承諾は被害者の内心のこと。(承諾の有無は)慎重に検討してほしい」と締めくくったとのこと。

こんなところですね。
ずっと弁護側の質問には回答を拒否していたのですが、回答する事もあったんですね。
構図としては、淡々と死刑に向けて進む検察側と被告人、死刑を阻止する為に承諾殺人を主張する弁護人と言う構図になってますね。
妙な構図ではあるのですが・・・弁護人まで死刑を主張するわけにはいかないわけで、殺人よりも罪の軽い承諾殺人を主張するのももっともな事だと思います。

被告人が罪を軽くする事を望んでいないのですが、全てを認めても9人を自分の身勝手な都合で殺害して酌量を求める材料などないでしょう?
そのあたりを考えると、被告人と対立しても、承諾殺人を主張する以外に弁護人として仕事をする方法が無かったのかな?と思わなくもないです。
(このあたりは専門家のご意見を伺いたいです。)

公判については、被告人の話が全てを物語っていると思いますね

次回に続く。

参考リンク
神奈川県座間市9名バラバラ事件その12(一審公判1)
神奈川県座間市9名バラバラ事件その14(一審公判3)

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福井県東尋坊少年集団暴行殺人事件その4(4人目少年の一審判決)

4人目の少年(18)の一審公判です。
懲役6年以上12年以下(求刑懲役8年以上13年以下)の不定期刑

***初公判(1月18日)***
1)検察側は冒頭陳述で、少年は知人の長浜市の元少年(20)=殺人罪などで起訴=らに加担し、被害者に暴行を続けたと説明。

被害者を車に閉じ込めた際に周囲にいた上、東尋坊では崖の先端で取り囲んで飛び降りるよう迫り、「被害者は(車などから)脱出することが事実上不可能で、飛び降りるしかできない精神状態に陥った」とし、殺人、監禁罪の成立を強調したとのこと。

2)弁護側は、傷害罪などは認めた一方、殺人罪について「被害者は崖の淵まで抵抗せず自ら歩き、自殺した可能性は否定できない」などとし、自殺関与罪にとどまるなどと主張したとのこと。

3)起訴状によると、少年は元少年ら6人と共謀。19年10月17~18日、長浜市で被害者の脚を車でひくなどして車に閉じ込めて東尋坊に向かい、同18日夜、崖から飛び降りさせ死亡させた、などとしている。

***論告求刑公判(1月29日)***
1)検察側は懲役8年以上13年以下の不定期刑を求刑した。

2)検察側は、少年は共犯者らと被害者に激しい暴行を加えて抵抗する意思を奪い、東尋坊では飛び降りるよう直接迫っており、「殺意、共謀が認められる」と指摘。果たした役割は主導役とされるとび職元少年(20)=殺人罪などで起訴=らに次ぎ、「責任は重い」と強調したとのこと。

3)弁護側は、少年は東尋坊では脅すつもりで被害者を取り囲んだとし、自殺関与罪の適用を訴えた。傷害行為は認めた上で、「とび職元少年の圧力を感じて行ったことは否定できない」と情状酌量を求めたとのこと。

***判決公判(2月18日)***
1)裁判長は懲役6年以上12年以下(求刑懲役8年以上13年以下)を言い渡した。

2)弁護側は「少年に当時殺意はなかった」などと自殺関与罪の適用を主張したが、判決は、少年が激しい暴行で被害者が言いなりの状態にあると認識し、崖から落ちても助けようとしなかった点などを踏まえ、殺意を認定したとのこと。

その上で、少年が崖で被害者に「はよして」と直接、飛び降りるよう促したことなどを重視し、「殺人の場面で重要な役割を果たした」と強調。責任の重さは主導役とされるとび職元少年(20)=殺人罪などで起訴=らに次ぐ、としたとのこと。

こんなところですね。
犯人7名の判決状況は
(すいません、年齢は事件当時、判決時がバラバラになっています)
A)滋賀県長浜市神照町、とび職U容疑者(当時39)・・・公判前
B)アルバイト少年(判決時19)・・・一審判決、懲役10年以上15年以下
C)無職少年(判決時19)・・・・・・一審判決、懲役5年以上10年以下の不定期刑

D)大津市の少年(判決時18)・・・・一審判決、懲役5年以上9年6月以下の不定期刑

E)大津市の少年(判決時18)・・・・一審判決、懲役6年以上12年以下の不定期刑

その他、F、Gの少年が大津市内の男子高校生(当時17)2名ですね。

今回の少年E)は主犯格のアルバイト少年B)に次ぐ量刑となっています。判決理由も「殺人の場面で重要な役割を果たした」と言うことですね。

「はよして」この一言で、罪の重さが2番目の重さになってますからね。
口は災いの元と言うのかな?

年齢的にみて、一つ年齢が上のアルバイト少年B)と無職少年C)がグループ内での序列が上だったろうに、調子にのったこの一言で、量刑は上から2番目です。

この事件では、被害者が少年らに暴行を受けている事を知って、通報している知人がいます。
憶測ですが、この事件ではこの事件について、事件当時知っている人間は複数いたのではないでしょうか?

そして、その情報を知った人間の中で対応が3つに分かれた。
あ)暴行に参加した人間
い)暴行を知ったが、傍観した人間
う)暴行を知り、通報した人間

このあたりの、無邪気さと言うか、無思慮さが、暴行に参加した人間と、参加しなかった人間の差かもしれませんね。

東大阪の集団暴行殺人事件では、何をするのか知らずについて行って、殺人の片棒を担がされた人間もいましたね。

この事件でも、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」的な意識が働いたのかもしれませんが、集団で行動するにも、「この集団は何をしようとしているのか?」と言うのを考えて、ついて行かないと、気がつけば殺人犯になってしまうと言うことがあるので、よく注意した方がよいでしょうね。

とは言え、そこを注意できるような人間なら「一緒に行かない」のでしょうね。

参考リンク
福井県東尋坊少年集団暴行殺人事件その3(3人目少年の一審判決)
福井県東尋坊少年集団暴行殺人事件その5(5人目少年の一審判決)

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2021/02/21

広島県尾道市牛刀猫虐待事件

2月18日(木)、広島県尾道市で、刃物を所持していたとして26歳の男が逮捕される事件が起きている。
男は、「ネコを傷つけるため」と供述しているとのこと。

銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕されたのは、自称・兵庫県の派遣社員。男性容疑者(26)。

警察によると、午前6時過ぎ、尾道市にある駅前交番に容疑者が自首したとのこと。
当時、警察官がいなかったため、交番にある電話から尾道警察署に「刃物を持っている」と自ら通報。
警察官が駆け付けたところ、容疑者が持っていたかばんの中から刃渡り18センチの牛刀が見つかったため、その場で現行犯逮捕したとのこと。

容疑者は、「ネコを傷つけるために牛刀を所持していました」と容疑を認めているとのこと。

警察は、容疑者が尾道で撮影したとみられるネコを傷つけている動画も把握していて、動物愛護法違反の疑いもあるとみて捜査をしているとのこと。

こんな事件ですね。
ちょっと微妙な印象のある事件なんですよね。
私としてはこの事件は4種類の見方ができるかも?と思っています。

本来、動物虐待事件と言うのは逮捕されにくい事件です。
ネットに動画をあげたり、虐待の現場を目撃されたりしなければ、なかなか逮捕するのが難しいわけです。
そんなところを考えると、あえて自分から自首すると言うのがちょっと不可解な部分なんですよね。
私が考える、幾つかの可能性としては

1)ストレスなどで突発的に猫を虐待してしまい、心底反省して自首した場合。

2)動画をネットに上げていて、逮捕されるのは時間の問題とみて、自首した場合。

3)猫を虐待する自分を制御できなくなり、自分が怖くなって自首した場合。

4)生活に行き詰まり、刑務所に入りたい場合。

4)については、初犯で自首ならば執行猶予や罰金刑など収監される可能性は低い事を考えると、ちょっと無いかな?
なので1)から3)のどれかと言うあたりだろうか?

このあたりは、供述を待つしかないですね。

続報を待ちましょう。

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2021/02/20

世田谷一家殺害事件再考その205(20年末特番まとめ4「外国人説」)

未解決事件SP
世田谷一家殺人事件
20年目のスクープ
~3つの影を持つ男~

***初めに(ASKAのコメント)***
番組内容には主要な5項目があります。
§1.物取り犯説
§2.怨恨説
§3.外国人説
§4.複数犯説(実行犯は反社会性人格障害)
§5.犯人の父親のDNAについて

今回は外国人説について取り上げます。
取材メモについては、別記事で解説しています。
番組を実際に見てください。この番組はかなり詳細に事件を再現しています。
事件簿の記事ではそれらを全て書き出す事はできません。
実際に番組を視聴して、参考に事件簿の記事を読んだいただいた方が理解が深まると思います。

長文注意です。
********************

成城警察署元署長
土田猛(73歳)
世田谷の事件で検視を担当。
2005年から事件を管轄する成城警察署の署長を務めた人物。

事件の捜査に携わり、遺族とも深く向き合ってきた人物。
時効制度の廃止や遺族の権利を守ることを目的に「宙の会」を結成(2009年)

外国人説
土田氏談:
同じ日本人が恨みが仮にあったとしてもここまで残酷になれるかなと思う。

「想定外の”外国人犯”説」
男はアジアのある国からやってきた若者、貧しいふるさとを出て夢と希望を胸に日本にやってきた。
戦後急速な成長を遂げアジア諸国の経済を牽引してきた日本。
豊かさを象徴する憧れの国でもあった。
しかし男がこの国で味わったのは苦しい暮らしと世間の理不尽、失望と挫折そして孤独。
やり場のない怒りはいつしか日本の社会全体に対するいびつな恨みとなって膨らんでいった。

そんな時、男が目にしたのが宮澤さん一家だった。
両親と小さな子供が二人。その光景は男の目に日本という豊かな国を象徴する典型的な家族に映った。
20世紀の終わり男は幸せの象徴を破壊して日本への復讐を果たし己の過去を清算した。
土田氏は血痕や指紋をはじめ、あらゆる遺留物を現場に残している点から見ても、犯人は身元が割れないと絶対的な自信を持つ人物、つまり外国人の可能性が高いと考えた。

土田氏談:
警察は俺に絶対迫ることができないと、今はさらば日本ということもありうるなと思う。

これまでの捜査でも外国との繋がりを感じさせる物証が複数見つかっている。
犯人は日本では珍しい韓国製の運動靴(スラセンジャー)を履き。
現場に残されたヒップバッグからはアメリカカリフォルニア州の砂も見つかっている。

そして今回犯人が外国人である可能性を科学的に示した文書があることを突き止めた。

2006年警察が極秘に行った世田谷一家殺人事件犯人のDNA鑑定の内部報告書がある。
当時、実際にDNA 鑑定を行った研究者に鑑定内容の詳細を語ってもらえることになった。

東海大学法医学教室客員教授水口清(72歳)
DNA の学会の元学会長。
水口氏談:
「(犯人の)血痕からDNAを抽出して調べました。」

鑑定を依頼されたのは、2005年8月、捜査に行き詰った警察が法医学と人類学の双方の観点からアプローチする水口氏の新たな研究に注目して依頼した。

分析したのはミトコンドリア DNA 。
母親からしか受け継ぐことのできない DNA でこれを調べれば母親の血筋がわかる。
ミトコンドリア DNA は大きく30のグループに分かれている、鑑定の結果犯人の DNA はその中のH系統に属し、さらに当時見つかったばかりの珍しい15番目のグループ H15型であることが判明した。

水口氏が当時集めることのできた全世界10686件のデータを調査した結果

水口氏談:
「見つかったのは、まずアジアの方ではインドで332人中1人、ヨーロッパで2917人中9人、日本人の中から H15型が見つからず」

当時見つかったのはこの10人だけだった。
水口氏談:
(犯人のDNAと)一番近いのはイタリアに一つ、あと検査範囲内ではボスニアにあるものは近いものが見つかっていると結論した、これは日本人に由来するもんじゃない。

水口氏は犯人の母親は日本人の系統には属さず最も可能性が高い起源はヨーロッパ系だと結論付けたとのこと。

同様に父親についても別の鑑定を行い日本、中国、韓国を含むアジア系という結論を導き出した。
水口氏がこの鑑定書を提出したのは2006年4月。
しかし警察は捜査に余談を挟むとして DNA 鑑定については公にしようとはせず非公表となった。

こんなところですね。
今回の要点は2つ
1)土田氏の外国人説
2)犯人のDNA鑑定の結果、母親はヨーロッパ系、父親はアジア系

1)の外国人説だけど、「土田氏の」と言うよりは、事件後の早い時期から言われている事だと思います。
理由は
A)「韓国製スラセンジャー」が日本国内で販売されていない事ですね。
警視庁のPDFによると
靴(スラセンジャー)、韓国製
日本サイズ27.5cm(韓国サイズ「280」)
平成10年10月から平成12年11月の間、韓国内で4,530足製造され、日本では4,000円前後で販売されたが、同サイズは日本で販売されていない

B)ヒップバッグの表面に外国製と見られる洗剤の成分がが検出された。(2005年報道)
これは硬水によく溶ける洗剤で、日本国内だとほぼ軟水と言う事で外国製と考えられていると言う事でしょうね。

C)ヒップバッグの中から発見された「砂」がカリフォルニア州の砂の可能性が高い。(2006年報道)
(三浦半島の砂はエアテックのポケットの砂ですね)

D)DNA鑑定の結果、母親はヨーロッパ系(2006年報道)

最近出てきた報道としては
E)例のハンカチの滑り止めの使い方が、中国で使われていた(2018年報道)

で、この番組の後半の目玉
F)フィリピンでもこのハンカチの使い方がされていた。

こんなところですね。
DNA鑑定については2006年報道の段階で
「過去に例がない捜査」(捜査幹部)で、かなりさかのぼった祖先が混血だった可能性も排除できない難点もあり、捜査幹部は「純粋な日本人の犯行の可能性も捨てず幅広く捜査する」としている。

と言う事です。

さて、外国人説が魅力的な点としては、現状を説明するのに都合が良い点があること。
国外逃亡していれば、現在にいたるまで警察が逮捕できない理由が説明できる事ですね。
(国内で指紋を採りまくっても、国外の犯人の指紋は見つける事ができないと言う事ですね。)

私としては「日本人がこんな残酷な犯行をできるはずがない」と言う事を裏付ける情報は無いと言う事を注意する必要があると考えています。
「日本人がこんな残酷な犯行をできるはずがない」と言うのは無意識の「正常性バイアス」が働いている可能性があります。

とは言え、DNA鑑定の結果、母親が欧州系と言うのは、この説の最大の根拠と言えますね。

概ね疑問の無い説ですが、1点だけ疑問があるとしたら「スリッパのDNA」(2011年報道)をどう説明するか?と言う事なんですよね。
この疑問は流しの窃盗犯説でも同じなんですが、土田氏の説でいくと、スリッパに犯人のDNAが付くタイミングが無いと思うんですよね。
顔見知りでないと、事件前に犯人が訪問する機会は無いと思います。
なので、流しの場合は、犯行時にスリッパを使い、その後にスリッパ置きに戻したと言う説明ぐらいしかできないと思います。

次回につづく

参考リンク
世田谷一家殺害事件再考その202(20年末特番まとめ1「取材メモ」)
世田谷一家殺害事件再考その203(20年末特番まとめ2「物取り犯説」)
世田谷一家殺害事件再考その204(20年末特番まとめ3「怨恨説」)

外国人関連情報
世田谷一家殺害事件再考その181 (警視庁HPハンカチ情報)
世田谷一家殺害事件再考その103(スリッパのDNA)
世田谷一家殺人事件再考その50(犯人の血液についてのDNA鑑定)
世田谷一家殺人事件再考その17(ヒップバックの洗剤)
世田谷一家殺人事件再考7(事件簿の初期の外国人説)


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2021/02/12

世田谷一家殺害事件再考その204(20年末特番まとめ3「怨恨説」)

未解決事件SP
世田谷一家殺人事件
20年目のスクープ
~3つの影を持つ男~

***初めに(ASKAのコメント)***
番組内容には主要な5項目があります。
§1.物取り犯説
§2.怨恨説
§3.外国人説
§4.複数犯説(実行犯は反社会性人格障害)
§5.犯人の父親のDNAについて

今回は怨恨説について取り上げます。
取材メモについては、別記事で解説しています。
番組を実際に見てください。この番組はかなり詳細に事件を再現しています。
事件簿の記事ではそれらを全て書き出す事はできません。
実際に番組を視聴して、参考に事件簿の記事を読んだいただいた方が理解が深まると思います。

長文注意です。
********************

警視庁捜査第一課
廣瀬泰教(72歳)元管理官

当時、捜査一課の管理官として指揮を執った、廣瀬氏の見立ては
(みきおさんに)「恨みをずっと持っている」「いつかやってやる」一方的な恨みによる怨恨が動機

「2000年12月30日」
男(犯人)は凶行を決意しては断念してを繰り返していた。
そして、この日、男は決意して宮澤さん宅を訪ねた。

顔見知りだった男は玄関から普通に靴を脱いで上がりこんだ。

男は年末の夜に訪ねられるぐらいの関係性を持っていた。
男は居間に招かれるとジャンパーを脱いで椅子に掛けマフラーを重ねて置いた。

そしてみきおさんは、やり残した仕事を片付けるため男を置いて1階の仕事場へ向かった。
みきおさんが1階にいくと男は隠し持っていた靴を履いた。玄関で脱いだふりをしながらみきおさんの目を盗み、懐に入れて密かに靴を持ち込んでいた。
靴を履いたのは万が一の際すぐに逃げるため。
そして土足の跡を残すことで玄関から入った顔見知りの犯行を隠す狙いがある。

男は2階の子供部屋へ向かう。
男は日ごろから礼君が夜遅くまで起きている事を知っていた。
男は礼君に騒がれないように、礼君の首を後ろから絞めて殺害する。

男は本当の目的であるみきおさんを確実に殺害するため準備に取り掛かる。

ハンカチを半分に折ると両端を結んで覆面のように顔を隠した。顔を知られているからこそ隠したい心理。
そしてあらかじめ穴を開けておいたもう一枚のハンカチで手が滑らないように包丁の柄を包む。(例の滑り止め)
ヒップバッグの底には包丁の先が貫いたとみられるたくさんの小さな穴が開いていた。

その頃1階ではみきおさんが作業を終え、男が待つ2階に上がろうとしていた、ところが遊んでいるはずの礼君がやけに静かな事が気になった、

そして2階へ上がろうとする瞬間、階段下で男にみきおさんは襲われる、

廣瀬氏曰く、そのためらいのない殺害方法からはみきおさんに最も強い恨みが感じられるとのこと。

次に男は自分の訪問を知る泰子さんの元へ向かう、そして容赦なく泰子さんとにいなちゃんを切りつける。

廣瀬氏曰く、何度も包丁を突き立てられた一家の遺体を見て単なる物取りの犯行ではないと確信したとのこと。

中二階の廊下には男が顔を隠すために使ったとみられるハンカチが両端がよじれた状態で落ちていた。

男は台所のタオルを傷にあてがい止血を試みた。

みきおさんに一方的な恨みを募らせた末、一家を惨殺した男。指紋や血の跡を躊躇することなくあちこちに残した。
男は自分に犯罪歴がなくそれらを元に身元を知られない確信があった。

絶対に捕まるわけにはいかない、男は自分の犯行を疑われないようにするための準備に取り掛かりながらアイスクリームを食べた。

男はみきおさんへの恨みを晴らすという殺害の動機を覆い隠すため物取りによる犯行を偽装しようとした。

男は2階の居間も荒らしたように見せかけ引き出しを浴室に運んだ。
一見すると理解不能で乱雑な行動、しかしその中に犯人のある性質が滲んでいた。

物取りの犯行に偽装する為、部屋中を荒らしまわる男。

引き出しを浴室へと運ぶ際、大きな引き出しはどうしても、梯子に引っかかり、中身は溢れたという、すると男はこぼれた物を全て、拾い上げ再び、浴槽へ投げ入れた。

男は粗暴で乱雑な物取りを装いながら、本来の几帳面な性格を隠し切れなかった。

顔見知りではなく物取りの犯行に見せかけた男。
捜査の目を撹乱するため次の行動に出る。

パソコンを起動させるとインターネットにアクセスした。

全てを終えた男は虚脱状態。
みきおさんの服に着替えると目の前にあるクッションに頭を預け少しの間休息した。

31日の未明。
男は玄関ではなく浴室の窓から逃走した。

逃走時すでに靴底に泥は付いておらずまた着替えて薄着だったことから窓に繊維痕もつかなかったと考えられる。

廣瀬氏の怨恨説の流れはこんな感じですね。
番組本編では要所要所で説明があるのですが、この記事はでは流れを優先して、説明を省いています。
で、ここからがその説明です。(一部文章については、読みやすくする為にASKAが編集しています)

風呂窓侵入説には問題がある。
廣瀬元管理官への取材メモ
浴室のどこにも、「土足痕」がなかった。
窓枠からも、「繊維痕」は検出されていない。

仮に浴室の窓から入ったとするならば靴は土や泥が付くはずでその痕跡が浴室のどこにもないのは不自然。
加えて浴室の窓枠には服などが擦れた際に通常であれば付着する繊維痕と呼ばれる形跡もない。

廣瀬氏談:
風呂窓侵入は自分の姿が人から見れなければやるだろう。
だけどあの公園は後ろは背中が丸見えの場所で、しかもヒップバッグには柳刃包丁を持って、ジャンバーを着込んで、雪だるまみたいな恰好になってる状態で、リスクを冒して風呂窓に登るのは疑問がある。

番組では実際にスタントマンの協力のもと、風呂窓からの侵入実験を行う。
「窓までの高さ:約3.3m 窓(1枚分):約60㎝×約40㎝」
宮澤さん宅の浴室側の壁面を精密に再現し検証を行うことにした。
「犯人とほぼ同じ服装で実験」

まずはフェンスを利用して壁際に飛び移る。
壁の電源コードに左足をかける。(ASKAのコメント:壁にある防水コンセント、風呂釜用か?)
強引に頭の方から、風呂窓へなだれ込むようにして、窓枠ギリギリ入り込む。
肝心の浴室内、果たして痕跡を残さず入ることはできるのか
最後、転がりこむようにして入った。

スタントマン談:浴室の床のタイルに足の裏をつける事なく入るのは、普通に考えて無理だと思う。
「直地するためには、どこかに足をつかないといけない」
「加えてこの窓枠かなりジャンパーが擦れていた、前面から横から全部擦りまくっていると思います」

廣瀬元管理官への取材メモ
浴室に侵入の痕跡が全くないため、犯人は玄関から入ったとしか考えられない。
つまり男は宮澤みきおさんとある程度、顔見知りだった。
年末の夜に訪ねられるほどの関係性はあった。

靴を隠して持ち込んだ理由
廣瀬氏談:
(玄関から)1階の床へ上がるところは高さがある。履いてきた靴は隠せる。本人も相当な計画をしているはず。

ヒップバッグの穴の理由
ヒップバッグの穴は逡巡し包丁を入れたまま長時間歩いたことを物語っているとのこと。
廣瀬氏談:
頭の中で、やっちゃだめなんだっていうのと、ちょっとしたことの恨みの復讐心で(葛藤した犯人が)現場の周りを歩いて行ったり来たいしている時に、ツンツンと刺してんのかなと思う。

動機が怨恨とする理由
廣瀬氏談:
(遺体の)傷口受傷の数、それからとどめを刺されてるみきおさんの方もほぼ即死に近い状態の受傷から行くと、どう見ても怨恨だと思う。

浴槽への書類の投げ入れの理由
廣瀬氏談:
そんなことは普通はしない、偽装以外に考えられない。

取材メモ
実際に廣瀬も、体格の違う複数の捜査員で検証したが、中身は必ずこぼれた。
犯人は、落とした物をわざわざ拾い、浴槽へ投げ入れた事になる。

実際に廣瀬氏も、体格の違う複数の捜査員で検証したが、中身は必ずこぼれたとのこと。
だが事件直後床には何も落ちていなかった。つまり犯人は落としたものをわざわざ浴槽へ投げ入れたことになる。

取材メモ
逃走時、すでに靴底に泥は付着していなかった。
取材メモ
着替えて薄着だったため、窓枠に「繊維痕」も付かなかった。

風呂窓逃亡の理由
廣瀬氏談:
深夜であってもあそこ(玄関)を出た瞬間に誰が見てるかわからない。そういう心理が犯人に働いたんだろうと思います。

こんなところですね。
怨恨説も当初からある説なのですが、その詳細が語られるのは、この番組が初だと思います。
そして、今回の廣瀬氏の見立てる事件のポイントは以下の4点。

1)玄関侵入
2)未明逃亡
3)物色は捜査攪乱の為の偽装
4)風呂窓逃亡

怨恨説は顔見知りでないと発生しないので、怨恨説イコール顔見知り説と言う事になります。
これまで怨恨説の詳細が出てこなかったのは、その説明がちょっと難しく、トリッキーになるからだと私は考えています。

侵入口を玄関とすると、土足の足跡が問題になります。いつ土足に履き替えるのか?
廣瀬氏の見立ては、靴を隠して持ち込んで、犯行前に履き替えたとする物ですね。
実際の犯行時には、足跡から靴を履いていた事が明らか(だと思う)なので、土足痕の泥の量が2階の方が多いと言う事を説明するにも、隠して持ち込み、2階で靴に履き替えたとする以外に説明する方法がありません。

そして、逃亡タイミングが未明と言うのは、翌日10時のネットワークアクセスは、「犯人の物ではない」と言う見立てです。
これは、動機が怨恨で、一家全員を殺害している段階で、犯人が目的を達成しているわけで、その後、長時間現場に留まる理由が無いからですね。

同じ理由で、部屋の物色も、犯人にとって目的外の行動なわけで、理由を動機の偽装、捜査の攪乱と説明しているわけです。

最後に、逃亡口は風呂窓と言うのは、犯人なら玄関から出にくいよね。と言う事なんですが・・・・
もう一つの理由として、「風呂窓下に落ち葉を踏みしめた跡が残っていた。」と言うこの情報を説明する為なのかな?と私は考えています。

「物取り犯説」の問題点(窓枠の繊維痕、浴室の足跡)などをうまく説明していると思うのですが・・・・私としてはそれでも、ちょっと違和感と言うか疑問な点があります。

番組の中で指紋、DNAを残しているのは「犯罪歴が無いので、指紋で逮捕される事はないから」と言う説明がされています。
私としては、これだけ計画的な犯行をしていて、最大の証拠になる「指紋」を残す計画を立てるのか?と言うのが疑問ではありますね。
それに、番組の中でも犯人が几帳面な性格として、落ちた引き出しの物を拾って浴槽に投げ入れている点が上げられていますよね。

もっとも、捜査の決め手が「指紋」と言うのは、日本国内での話で外国の場合はそうでも無い可能性はありますね。
日本の刑事ドラマだと、最後は指紋が一致で逮捕って言うのが、パターンになってます。刑事ドラマ好きなら、子供の頃から刷り込まれていると言っても過言では無いでしょう。

その意味では、外国人ならば、「指紋を残しても逮捕されない」と言う感覚は有りなのかもしれませんね。

しかし、もう1点、怨恨説は顔見知りである事が前提なんだけど、これまでの捜査で、交友のあった関係者からは当然、指紋を採っているはずです。
一時期、東京方面では通行人からも職質の際に世田谷事件を理由に指紋を採りまくっていたんですよね。

それなのに、犯人にたどり着けない理由は何なのか?
番組のニュアンスとしては、「それほど親しい仲ではない」と言いつつ「年末の夜に訪問できる間柄」と言っているのが微妙に矛盾しているような気もしますが・・・・

それは、置いとくとして、顔見知りなのに、捜査本部が犯人にたどり着けない理由は、捜査の手が犯人に伸びていないからですよね。
つまり、捜査本部が交友関係を追えていないところがあると言うことかな?

ただ、普通の表に出る交友関係なら捜査の手が伸びるでしょうが、そうでない場合としては、「ネットの中の交友関係」と言うことなのかもしれませんね。
みきおさんはインターネットのドメインを取得してますし、インターネット以前の「パソコン通信」の時代からパソコンを使っています。

当時は今ほど、ネット治安も悪くなくて(出会い系は結構、事件ありましたけどね)、ネットで知り合って、「オフ会」で会うって事が珍しくなかったから、そのノリで犯人を迎え入れたとしても、不思議では無いかもしれません。

ただ、メールなら履歴が残るし、携帯電話も通話履歴が残る。掲示板なんかも記録は残るので、記録が残らないところとしては、「オンラインチャット」あたりだろうか?
みきおさんが匿名(普通はハンドル名)でチャットしていて、記録に残っていなければ、そこは捜査の手が届かないかもしれませんね。

それと、気になったのがこの顔見知り怨恨説では「電話線が抜けた」理由が説明されていませんね。
強いて挙げれば、礼君、みきおさんを殺害後に、ロフトの泰子さんが通報するのを阻止する為かな?
実際には携帯電話があったようなので、携帯電話での通報は阻止できないけど・・・
あるいは、1階でみきおさんを格闘になった時に偶然抜けたと言うところか?
でも、ジャックには抜け防止があるから、「引っ張って抜けた」はちょっと無いような気がしますけど・・・

次回に続く

参考リンク
世田谷一家殺害事件再考その202(20年末特番まとめ1「取材メモ」)
世田谷一家殺害事件再考その203(20年末特番まとめ2「物取り犯説」)

以下にこれまでの情報での推理
色々な情報があったんですよね。
世田谷一家殺害事件再考その161(客人説の肯定材料)
世田谷一家殺害事件再考その159(客人説の問題点2)
世田谷一家殺害事件再考その158(客人説の問題点)
世田谷一家殺害事件再考その125(未明逃亡説急浮上)
世田谷一家殺害事件再考その117(日記と作業委託説)

以下はASKAの事件簿の有志による仮説です。(応募してくれた皆さんありがとうございました。)
今回は「顔見知り」、「怨恨」に関係しそうなところで
顔見知り1階進入説
顔見知り説と全偽装説
怨恨説
逆恨み説

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茨城女子大生殺害事件の謎!その27 (35歳共犯男性一審公判)

殺人と強姦致死の罪に問われたフィリピン国籍で主犯格だった受刑者の男R(39)の共犯として、同罪などで起訴された同国籍で住所不定、無職、元少年(35)の裁判員裁判

***初公判(1月18日)***
初公判が18日、水戸地裁で開かれた。

1)罪状認否で元少年は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

2)冒頭陳述で検察側は、元少年が受刑者の男と、もう1人の共犯とみられる男(36)=国際手配中=の3人で酒を飲んでいる際、女性を襲うことを提案したと説明。「自らの性的欲求を満たし、被害者の首を絞めるという死因に直結する行為も担った」とした上で、口封じのために殺害を決めたとし、「被害者の尊厳を踏みにじり、命を奪った犯行態様は非常に悪質」と指摘したとのこと。

3)弁護側は「元少年が殺害に積極的でなく、共犯者に凶器を渡され、促されたことが殺害の決め手だった」と主張。犯行に携わったとされる3人のうち元少年は最も若く、従属的な立場にあったとした上で「罪を償うためにフィリピンから入国し、出頭するなど反省している」と情状酌量を求めたとのこと。

別の報道では
弁護側は、殺害を決めたのは仲間だと主張し、「元少年は事件当時、来日から間もなく、(共謀したとされる3人の中で)最年少の従属的立場だった」と述べたとのこと。

4)証人尋問には、受刑者の男が出廷。事件前に元少年が2~3回にわたり「日本人女性を味見したい」と話していたと証言した。事件当日も「女でも探そうか」と女性への暴行を提案したと述べたとのこと。

別の報道では
R受刑者が証人として出廷し、「3人に上下関係はなく、兄弟のような関係」と証言した。事件の経緯について「3人で酒を飲んでいた際に、被告が『女性を探そう』と言い出した。誰かをレイプしようということだと思った」と説明したとのこと。

5)公判は28日に結審し、2月3日に判決が言い渡される予定。

6)元少年は事件後、フィリピンに帰国。茨城県警が国際手配していたところ、出頭する意思を示し、19年1月に再入国したところで逮捕した。

***第二回公判(1月19日)***
情報がありません。

***第三回公判(1月20日)***
被告人質問
1)元少年は弁護側から動機について問われ、通訳を通して「来日して日本人女性を見ていいなと思っていた。味見したいと思っていた」と説明。被害者と遺族に対しては「やってしまったことについて謝りたい。本当に後悔している」と話し、事件後に罪悪感や不安を消すために麻薬を使っていたと述べたとのこと。
元少年は「罪悪感があり、逮捕される覚悟で来日した」と述べたとのこと。

***第四回公判(1月21日)***
被告人質問
1)女子学生を乱暴後、共犯とされる主犯格で同国籍のR受刑者の男(39)=無期懲役判決確定=が「今から女を殺します」と発言したことをきっかけに、元少年が女子学生の首を絞めたとのこと。

元少年は、女子学生を刺した凶器のドライバーについて「川に捨てた」と供述。検察側は刺し傷が心臓に届くものもあったと指摘し、元少年は刺した回数を問われると「5回以上」と振り返ったとのこと。

事件を起こしたことへの思いを検察側に問われた元少年は「何も(ない)」と述べたとのこと。

検察側は、元少年が事件後、フィリピンに逃亡する前に心情を記したメモを母親宅に残し、「首謀者は共犯の2人だ」という内容だったと明らかにしたとのこと。

***論告求刑公判(1月28日)***
1)論告で検察側は、「被害者の遺体の状況から強固な殺意に基づいた残虐な犯行で、まさに鬼畜の所業と言っても過言ではない」などと指摘。また、弁護側が「男は殺害に反対していた」などと主張していることについては、「結局は自己保身のために納得して殺害を行っている」と述べ、無期懲役を求刑したとのこと。


2)弁護側は最終弁論で被告の立場は従属的とし、19年に自ら日本に戻り、罪を償う道を選んだことも真摯な反省の表れだと主張した。

別の報道では
弁護側は最終弁論で被告の立場は従属的で「殺害に必ずしも積極的ではなかった」と指摘した。

3)判決は2月3日。

***判決公判(2月3日)***
1)裁判長は無期懲役(求刑無期懲役)の判決を言い渡したとのこと。

2)裁判長は「悪質で身勝手な犯行であり、逮捕される覚悟で来日したことを踏まえても、無期懲役刑が相当」と述べたとのこと。
別の報道では
元少年が逮捕を覚悟で来日したことについては「わいせつ目的の殺人という事案の量刑傾向に照らし、無期懲役刑が相当」と酌量しなかったとのこと。


判決理由で裁判長は、元少年が共犯者2人に性的暴行を持ち掛け、自らも行為に及んだとして、「従属的な立場ではなかった」と判断した。

殺害についても「口封じのために殺害を事前に決めていた。殺意は強固だった」としたとのこと。

3)弁護側は、殺害を決めたのは仲間で、元少年は従属的立場だったと主張したが、判決は、元少年が首を絞めるなどの殺害行為を自ら実行していたと認定し、「(被告は)公判でも共犯者との間に上下関係はなかったと述べていた」として退けたとのこと。

別の報道では
裁判長は「最終的に元少年は殺害に賛成し、被害者の首を絞め、ドライバーで胸を複数回突き刺すという殺害に重要な行為を自ら行った」として、弁護側主張を退けた。

4)判決によると、元少年は主犯格で受刑者の男R(39)=無期懲役判決確定=ら同国籍の2人と共謀し、04年1月31日午前0時半ごろから同6時半ごろまでの間、阿見町付近の路上で、女子学生を車内に引き入れて乱暴して首を絞め、美浦村の清明川付近で、首を刃物で複数回切り、胸をドライバーで複数回突き刺すなどして殺害したとのこと。

こんなところですね。
罪状が殺人と強姦致死で、罪状に「強」の字が一つありますね。
死亡が一人ですが、「強」の字がついて、無期懲役よりの判決が出るのは予想されましたが、逮捕覚悟で来日した事については、酌量しませんでした。
犯行内容を見ると、暴行、殺人それぞれに主要な役割を果たしていて、主犯Rと同じ無期懲役が妥当かと思います。

逮捕覚悟で来日した事を酌量しなかった理由は
「わいせつ目的の殺人という事案の量刑傾向に照らし、無期懲役刑が相当と言う判断です。
ここは意見が分かれるところかもしれません。
もう一人の共犯者がまだ国外にいるので、そちらの出頭を促す為に、酌量すると言うのも有りかな?とも思うのですが・・・
酌量したとしても、せいぜい、有期刑の上限で懲役30年となると、あまり出頭を促す効果はないかもしれませんね。

それなら、酌量しないと言うのが正解なのかな。

主犯のRは控訴して結果、控訴棄却でした。
こちらは、控訴するかどうかわかりませんが、逮捕されれば、懲役数十年と言うのは覚悟していたわけなので、控訴しないかもしれませんね。

国際手配されているもう1人をどうやって逮捕するのか?
そちらの方が問題かもしれませんね。

亡くなった女子大生のご冥福をお祈りします。

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2021/02/09

滋賀県守山市水保町猫死骸遺棄事件

2月5日午後4時45分ごろ、滋賀県守山市水保町の女性(35)が自宅の庭で、ネコの下半身の死骸を見つけ、滋賀県警守山署に通報する事件が起きている。

こんな事件ですね。
詳細が出てきませんが、ここ数年の滋賀県の動物虐待事件にある傾向がある事に気づきました。
どうも傾向として、事件が春(2月から4月)と秋(9月から10月)に起きているようです。
全てが同一人物によるものかわかりませんが、傾向としては強く出ているように見えますね。

これから滋賀県内では動物虐待事件が頻発する恐れがおありますし、エスカレートした場合、人間が被害にあう可能性もありますので、滋賀県内の方はご注意願います。

最近の滋賀県の事件
2021年02月05日(金)滋賀県守山市水保町の民家で猫の下半身の死骸が発見される
2020年10月19日(月)滋賀県米原市で猫の胴体上部、後ろ足2本、尾が発見される。
2020年10月18日(日)滋賀県守山市で頭部、内蔵、右前足が無い猫の死骸を発見。
2020年09月14日(月)8時頃、滋賀県東近江市ひばり丘町で頭と尾を切断された猫の死骸を発見
同日 9時半頃、大津市で猫1匹の死骸と、別の猫の切断された足2本と尾の一部が発見
2020年09月06日(日)野洲市で猫の背中にボーガンが撃たれる事件が発生
2020年04月03日(金)滋賀県東近江市山路町で頭部の無い猫の死骸を発見
2020年03月15日(日)滋賀県彦根市の民家の駐車場で、猫のしっぽのようなもを発見
2020年03年09日(月)滋賀県甲賀市水口町山の民家敷地内で、ボーガンの矢が刺さったネコを発見。
2020年03月07日(土)滋賀県彦根市の空き地で猫の首なしの死骸を発見。
2020年02月10日(月)滋賀県彦根市芹川町で、通学中の中学生が側溝に猫の首を発見。
2019年10月25日(金)滋賀県長浜市八幡中山町の長浜北小の昇降口前に胴体が切断された子猫の死骸を発見。
2018年02月15日(木)長浜市平方南町の空き家の駐車場にネコの頭部を発見。
2018年02月14日(水)長浜市平方町の民家の花壇でネコの下半身が埋められていた。

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2021/02/07

世田谷一家殺害事件再考その203(20年末特番まとめ2「物取り犯説」)

未解決事件SP
世田谷一家殺人事件
20年目のスクープ
~3つの影を持つ男~

***初めに(ASKAのコメント)***
番組内容には主要な5項目があります。
§1.物取り犯説
§2.怨恨説
§3.外国人説
§4.複数犯説(実行犯は反社会性人格障害)
§5.犯人の父親のDNAについて

今回は物取り犯説について取り上げます。
取材メモについては、別記事で解説しています。
番組を実際に見てください。この番組はかなり詳細に事件を再現しています。
事件簿の記事ではそれらを全て書き出す事はできません。
実際に番組を視聴して、参考に事件簿の記事を読んだいただいた方が理解が深まると思います。

長文注意です。
********************


事件から半年後の生々しい捜査メモを入手した。
遺留指紋が27と多い、うち3個から宮澤さん一家にはいない A型の血液が検出されている。(犯人の血液型はA型)
(ASKAのコメント:2015年のNHK特番では指紋は9カ所だったけど、この大きな食い違いは何が理由か?)

かつて捜査の先頭に立った指揮官や事件に関わった専門家ら複数の関係者に2年余りにわたって取材を重ねてきた。
中でも注目するのは異なる犯人像を描く3人の元捜査関係者。

§1.警視庁捜査第一課
大峯泰廣氏 元理事官
一家皆殺しにして、その後、現金を取る。(粗暴な”物取り犯”説)

§2.警視庁捜査第一課
廣瀬泰教氏 元管理官
恨みをずっと持っている。いつかやってやる。(怨恨説)

§3.成城警察署
土田猛氏 元成城署長
警察は俺に絶対、迫ることはできないよと。日本文化の中で育った人ではない(外国人説)

§1-1)物取り犯説再現
犯人は俊敏な若い男(行動には粗暴さと幼稚さが見受けられる。)

2000年12月30日夜
夕食後、みきおさんは、一階で仕事、礼君は中二階の寝室で就寝。
少し風邪気味の泰子さんは、同じく風邪をひいたにいなちゃんを寝かしつける為、ロフトに移動。
その頃、宮澤さん宅裏手の公園に男(犯人)が現れる。
男は何度も下見を繰り返して、風呂窓が時折、換気の為に開け放たれている事も知っていた。

浴室の窓は、唯一鍵がかかっていなかった場所で、ここから侵入した可能性が最も高いと考えられたとのこと。

現場は小田急線と京王線の中間にあり、各の駅からかなり離れた場所にある。
公園に囲まれている特殊な立地からも、あらかじめ狙いをつけた計画的な犯行だったと大峯氏はみているとのこと。

さらに当時、公園には拡張計画があり宮澤家に立ち退く予定があったことも見過ごせないとのこと。

男(犯人)は宮澤さんのもとに入った多額の立ち退き料を、一家全員を殺害した上で奪おうと考えた。

男は公園側に面する浴室の窓から侵入した。(この時、一階に人の気配を感じた)
まず向かったのは(礼君が寝ている)子供部屋。
男は礼君の背後から首を絞めた、床には強く踏ん張ったことを裏付けるはっきりとした土足痕が残った。
礼君以外の三人は大量に出血、犯人も怪我をし出血しているにも関わらずこの部屋には礼君以外の血の跡が一切なかった。

この為、礼君が最初に殺されたことは間違いないとのこと。
礼君を殺害した後、男は2階の居間向かった。

ここで男は動きにくいジャンパーを脱ぎ準備を整える。
凶器として持ち込んだのは柳刃包丁。同じ型の包丁が関東地方では46の店で3500円前後で販売されていた。
包丁の先でハンカチに穴を開け特殊な方法で柄を包む。

男は次に先ほど人の気配を感じた1階に向かう。

階段には足音を忍ばせたことを思わせる横向きの足跡が残っていた
その頃パソコンに向かっていたみきおさんは、人の気配を感じ階段に近づいていった。
その瞬間、犯人に襲われる。みきおさんは突然の襲撃で声も出せない。それでも家族がいる2階に向かおうと階段を上る。

みきおさんは、下から太ももを一突きされ大動脈を切られて動けなくなった、そして、まもなく息絶えた。

みきおさんは腕で顔を覆うようにし、体を丸めてなくなっていた。腕には無数の防御創があったとのこと。

額には欠けた柳刃包丁の歯が数ミリ残っていた。

次に男が向かったのはロフト。
ロフトでは泰子さんとにいなちゃんが眠っていた。
男は二人を見るなり包丁で攻撃
布団から出ている泰子さんの顔をめがけ、男が何度も包丁を振り下ろす。泰子さんの頭を直撃したことで刃が数センチ折れた。

それに気がつくと男はロフトを降りて台所で代わりの包丁を手にした。
この時、逃げようとしてロフトから泰子さんと、にいなちゃんが降りてきた。
男は容赦なく二人を攻撃した。

残忍な手口から、当時、大峰氏は外国人による犯行ではないか?とも考えたとのこと。

泰子さんは、にいなちゃんを守ろうと腕を伸ばした状態で、にいなちゃんは母のそばで正座するような状態で亡くなっていた。

「犯行推定時刻、午後11時30分以降。」

男は犯行後、宮澤さん宅に長時間居座り続けた。

男は泰子さんともみ合いになった際、手に傷を負った。

男は自分のハンカチを傷口に巻いて止血した。さらに止血に使えるものを探し回る。
しかし梯子が邪魔だった。そこで梯子を「くの字」に曲げ、動線を確保しようとする。

梯子の踏み板の裏側には男が強く握ってハシゴを押し上げたと思われる血の跡がべったりと残っていた。
男は次にタオルを当てて止血した。血が止まらない男はそのままトイレに行きさらにナプキンでも止血を試みた。

大量に出血した男は意外なもので止血を試みた。侵入時にしていた手袋だ。怪我をした右手に何故か左手用の手袋をはめて握る。
手袋の内側には男の血が付着し指の部分が反対方向に反り返っていた。
ある程度止血を終えた男は、その後もこの家に居座るような行動を取り続けた。

男は冷蔵庫のアイスクリームをスプーンを使わず手で握りつぶすように食べた。

現場からは五つの遺棄された実際のアイスクリームカップが見つかっている。

男はみきおさんの仕事場兼子供の勉強部屋になっていた1階から物色を始めた。
目をつけたのは机の脇にある収納庫だった。
男は机の脇にある収納庫から引き出しを抜くと2階の浴室に運んだ。
浴室で中身を一つ一つ確認し、いらないものをちぎって浴槽に投げ込んだ。

そしてまた次の引き出しを浴室へ。
男はこの行動を何度も繰り返した。
男は家中をくまなく物色する。
男はどこかからから泰子さんの手提げバッグを探しだし、(トイレで)用を足しながら中身を探る。

居間に戻ってきた男は4つ目のアイスクリームを食べながら食器棚などの、全ての引き出しを引っ張り出す、いつしか浴槽は水をいっぱいに吸った書類や文房具などでいっぱいになっていた。
浴槽に放り込まれたのは引き出しの中身だけではない。食べ終わったアイスクリームのカップ、止血に使い血がついたナプキンとタオル、そして空の財布が二つ。
その状況は男が数時間の労力をかけてを行った異常な作業を物語っている。

大峯氏談:
浴槽にいろんな書類を投げ入れる。(それもご丁寧にちぎって捨てる。)
私はこういうことをやった星の経験はありません。

「12月31日1:18AM」
物色の合間にも男が異様な行動をとっていた。みきおさんのパソコンでインターネットに接続している。

(画面中央のアイコンをクリック)ミュージカル劇団のチケットサイトにアクセスした。
その後も物色を続けた男は現金を見つける。

しかし宮澤さん宅に多額の現金はなく男が奪ったのは塾の月謝と見られる、およそ15万円だけだった。

そして預金通帳、銀行のカード、パスポート、有効期限切れの免許証、携帯電話3台を見つけた。物色して探し出したものは7、8点にをおよんだ

男はそれらを丁寧にソファーの上と床に並べた。暗証番号を読み解いて口座にある大金を引き出すつもりだ。

血がついたラグランシャツを脱ぐと目に留まったみきおさんのトレーナーに着替える。
侵入してから7時間あまりが過ぎ、男を睡魔が襲った。

「12月31日 10:00AM」
(居間で)すっかり寝入った男。

クッションには男が眠った頭の跡が残っていた。
しかし男に焦る様子はない、5つ目のアイスクリームに手をつける。
金につながる情報をさらに探すため男は再び1階に降り、みきおさんのパソコンを操作した。
その時、電話のベルが突然鳴り始めた。鳴り止まない電話に男は電話線を抜いた、だが程なくして予想外の事態が男を襲う。

玄関の呼び鈴が鳴る。棟続きの隣の家に住むやすこさんの母春子さんだった。いつまでも起きてこず、電話しても出ない泰子さんたちを案じて訪ねてきたのだ。
「10:40~10:50AM」

男が逃走したのは侵入口と同じ浴室の窓。
その証拠に窓の下には落ち葉を強く踏みしめたような跡が残っていた。

慌てた男はあらゆるものを宮澤さん宅に残したまま消えた。

そしてこの2階の居間に物取説を唱える大峯氏が最も注目したものがある。
「床の上に身分証や銀行の通帳・カード類」
金を引き出す狙いで並べたとみる身分証や銀行の通帳などだ。しかし年末年始銀行や ATM はほとんど休止していた。

なぜ年の瀬の犯行なのか?
今も大峯氏にとっての謎とのこと。

(実際の番組の放送内容の順序と変わりますが、番組途中で飛び出しマンの話題が出ていました。順序を変えてこちらに書きます)
「犯行推定時刻、午後11時30分以降。」
当時目撃証言はあったのか?

「午後10時30分頃
公園でジョギングしていた人が夫婦喧嘩のような声を聴いた」

「午後11時30分~翌0時頃
近所の住人が「助けて」と言う悲鳴のような声を聴いたと証言」当初証言をしていました。

当時この周辺は公園の整備予定地で、立ち退く家も多く、近所の住宅はまばらでした。
また犯行があったと思われる30日から31日にかけても深夜は通行人もほとんどいなかったと思われるとのこと。

「警察が注目した目撃証言」(飛び出しマン)
そんな中、警察が大きく注目した目撃証言がある。
その人物が目撃されたのは宮澤さん宅前のこの道路。
時刻は11時35分から40分くらい、こちらの電信柱の陰から突然男が飛び出してきて通りかかった車の前を一気に走り去ったとのこと。
25歳から35歳くらいの身長180㎝近い男 ウェーブがかった髪で黒っぽい服と靴を身につけていたとのこと。
その男が宮澤家に通じる小道から急に飛び出してきてあわや車と接触しそうになったとのこと。
目撃者は行っちゃった感じの男と証言、恐怖を覚えたとのこと。この男と事件との関わりは今も注目されているが大峯氏は否定的に見ている。

大峯氏談:
私は犯人じゃないと思います。逃げるならまだしも居座るわけですから、いったん外に出る理由がない

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こんなところですね。
犯行手順については2005年の年末にNHKが報道した犯行手順と大筋で同じですね。
NHKよりも手順や状況説明が詳しかったです。

目新しい情報としては
A)止血に左手用の手袋を使った事。
B)風呂窓以外はすべて施錠されていた。
(真犯人に告ぐ!やその他の報道では、第一発見者の祖母は混乱して玄関が施錠されていたか覚えていないとされていた。)
C)カードや通帳などを床に並べていた。
これまでの報道だと、「ソファーに並べていた」だったと思います。関連してパスポートなども集めていた物の詳細が出たのは初ですね。
D)携帯電話の話はこれまで出ていませんでした。台数が3台と言うのも興味深い。
誰が何台持っていたのか?通話履歴は調べられているはずなので、そちらから不審な人物は出ていないと言う事なのかな?

動機はともかく、これまで報道されている主流の犯人の行動ですね。
PC操作の時系列なども矛盾なく説明できるわけで、当初から主流になるのもうなづける説ではあります。
この説の特徴としてあげるとしたら以下の3点
1)風呂窓侵入
2)翌日親族の訪問で慌てて逃亡
3)風呂窓逃亡

1)の風呂窓侵入については、§2の怨恨説でも出てくるけど、窓枠に繊維痕が無い事が否定する材料となっています。
一方で、土足痕の泥の量が1階よりも2階が多いというのもあって、風呂窓侵入説の肯定材料になっている。
(番組では土足痕の泥の量については触れていませんね。)
2)3)は関連していて、慌てて逃げたので、大量の遺留品を置いたまま逃げたと言う根拠となっています。

他に気になった点としては
あ)犯人は逃亡時にPCのコンセントを抜いていない。(番組ではコンセントを抜いていませんでした)
以前の報道だとPCのコンセントは抜けていたとされていて、私の提唱した「翌日のPC操作はい第一発見者によるもの」とする場合の最大の障害だったのですが、捜査本部の2014年の年末情報で発表された「未明逃亡説」の中でもこのPCのコンセントについては触れられていませんでしたから、もともとPCのコンセントは抜けていなかった(抜けていたというのは誤報)だったという事なんでしょうね。

い)みきおさんの格闘場所は1階階段付近
「真犯人に告ぐ!」でも言及されている事なので、疑う余地はなさそうですね。
ただ、番組では「声もだせない」と説明されていますね。
過去の事件簿のコメントでも「一般人がいきなり襲われて、悲鳴をあげる事は難しい」とコメントいただいていますので、それほど珍しい事ではないのでしょう。
逆に「声をだせない」からロフトの二人が事件に気づかなかったと言う説明になりますね。

う)礼君の殺害順は最初
礼君の殺害順が最初と言うのも、これまでの報道の通りですが、その根拠として
「礼君以外の三人は大量に出血、犯人も怪我をし出血しているにも関わらずこの部屋には礼君以外の血の跡が一切なかった。」
手にケガをしているのに手で扼殺(絞殺)は無いだろうと言うのも、従来から言われていた事ですね。

え)梯子は上がっていない。「く」の字に曲げられていた。
初期の報道では夜中の「バタンバタン」と言う音があってこれは梯子を上げた音ではないか?と言われてました。
ただ、入江さんの著書などにより実は「コトンコトン」で静かな夜だったと言うのが後からでています。
その意味では「梯子を上げる音(バタンバタン)」は最初から無かったと言う事なのかな?

さらに、別の報道では「梯子は壊れて上がらなくなっていた」と言うのもあるのですが、この点については、今回の番組では説明されていないようですね。

お)なぜ、年末の事件なのか。
大峯氏の最大の疑問が口座から大金を奪うのに、金融機関が休みの年末を狙うのはどうして?
と言う事なんですよね。
このあたり、入江さんの著書「この悲しみの(以下略)」にも、年明けに金融機関が開けば、犯人が動くだろうという、捜査陣の期待がうかがわれる記載がありました。

ただ、ソファーや床に全ての通帳や銀行カードを置いて犯人が逃げたのなら、口座から引き出す方法が無いのではないか?と言う素朴な疑問がありますね。
逆に言うと、捜査本部は犯人が通帳か銀行カードの幾つかを持ち去っているという確証があったのかな?
実際に犯人が持ち出していたとしても、犯人が現金の引き出しを行わなかったのは、物取り説の否定材料になるかもしれませんね。

加えてもう1つ。銀行カードの暗唱番号がわからなくても、通帳と印鑑があれば口座からお金を引き出す事ができますよね。
当時は通帳に印影が入っていたので、銀行印を探す事も可能だったはずです。
銀行窓口にいかないといけないので、リスクはありますが、通帳と印鑑を入手した段階で口座からお金を引き出す手段を犯人は手に入れている事になる。

ここが重要ですが、だとしたら、犯人が翌日まで現場に居座る理由がなくなりますよね?

「多額の現金が自宅にあるはず」と犯人が信じているのでなければ、現場に残って物色を続ける理由がありません。

普通に考えて、何千万と言う大金を自宅に保管していると言うのは、日本人の感覚としては無いかな?と思います。
例えば、支払われた多額の立ち退き料は当然、口座振り込みだったはずです。
そして、次の不動産物件の購入代金もやはり、口座振り込みで支払うはずなので、宮澤さんが現金を自宅に保管する理由は無いと思うんですよね。

なので、多額の現金が宮澤さん宅に保管されていると考える時点で、世の中の慣習を知らない若年者と言う事が言えるかもしれませんね。

だけど、他にも可能性はあるかもしれない。
犯人が求めていた物が「お金じゃない」場合ですね。

通帳と銀行印を確保した段階で犯人がほぼ目的を達成しているので、それ以上、現場で物色を続ける必要がない。
あるとしたら、犯人の目的がお金じゃなくて、目的の物が見つかってない場合になりますね。

これは、後に出てくる「複数犯説」に通じる物があるかもしれません。

ここまで考えて、大峯氏の疑問に戻るわけですが「なぜ、金融機関が休みの年末の犯行なのか?」

a)ATMから引き出すなら、暗証番号が必要で、それを聞き出す前に全員を殺害しているのは疑問ですね。
みきおさんは成人男性で犯人にとって最大の障害ですから、とにかく殺害するしかないと言うのはありそうな気がしますが、泰子さんはそうでは無いんですよね。暗証番号を聞き出す時間はあったと思います。計画的な犯行なら、ここは外せない部分ですからね。

b)通帳と印鑑で口座からお金を引き出すつもりなら、犯行直後にお金を引き出せない年末を犯人が選択したのは、犯人が年末年始に金融機関が休みと言う事を知らなかった場合と、事件が金融機関が動き出すまで発覚しないと考えている場合で、ちょっと楽天的すぎますね。犯人は銀行カードなどをもってなくて、金融機関が休みと言う事情を知らない場合か、燐家が親族で普段から行き来があると言う事をしらない場合かな。

立ち退き料を狙った物取り犯説を考えた場合、日本国内の事情を知らない外国人説にも通じるかもしれませんね。
あるいは、金融機関の事情に疎い、中高生ぐらいの若年者かな。仕事をしていて給与を口座振込でもらっているなら、銀行カードは持っていたでしょうし、金融機関が休みになると言う事も知っていたはずですからね。

次回につづく

参考リンク
世田谷一家殺害事件再考その202(20年末特番まとめ1「取材メモ」)
2005年NHK年末情報(風呂窓侵入翌日逃亡説の最初の報道)
CGで犯行手順を再現していました、録画してなかったので、詳しくは書けていません。
世田谷一家殺人事件再考その20

以下にこれまでの情報での推理
色々な情報があったんですよね。
今回の報道では、「子供部屋に礼君以外の血痕が無い」と言う事なので、殺害順は確定ですね。

世田谷一家殺害事件再考その111(2012年年末情報)
世田谷一家殺害事件再考その122(犯行順と侵入路と疑問)
世田谷一家殺害事件再考その154(ロフトの足跡問題)
世田谷一家殺害事件再考その156(指紋掌紋問題)
世田谷一家殺害事件再考その157(礼君殺害順問題)
世田谷一家殺害事件再考その170(飛び出しマンはどこへ?)

今回の特番では逃亡口は物取り犯説、怨恨説どちらも風呂窓なんだけど・・・疑問はありますね
世田谷一家殺害事件再考その189(翌日風呂窓逃亡説は崩れるか?)
世田谷一家殺害事件再考その196(手袋の矛盾)



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2021/02/03

世田谷一家殺害事件再考その202(20年末特番まとめ1「取材メモ」)

未解決事件SP
世田谷一家殺人事件
20年目のスクープ
~3つの影を持つ男~

番組では3つの説を順に説明する形で進行しているのですが、共通項目について最初に押さえた方が各説を説明しやすいので、最初に番組で紹介された取材メモをまとめます。
取材メモとなってますが、情報と推理(主観)が入り交じってますね。
大峰氏の物取り犯説ですが、動機はともかく内容としては風呂窓侵入翌日逃亡説で2005年(21/02/06訂正)のNHK年末報道から続く、いわばこの事件の主流となる説だと思います。(ただし、疑問点としては、繊維痕、浴室の足跡などがあります)

一方の廣瀬氏の顔見知り怨恨説は内容として、玄関侵入未明風呂窓逃亡説で、部分的に既出の説ですが、これまで疑問点として挙げられた点をうまく説明できるように完成度上げた説だと思います。(繊維痕、浴室の足跡、靴の持ち込みなど)

詳細はそれぞれの説についての記事で書きますが、風呂窓侵入翌日逃亡説は、「翌日のネットアクセスを犯人の操作による物」と仮定した場合、大量の遺留品が残された事を自然に説明できる点で優れています。ただし、疑問点はあります。

一方の玄関侵入未明逃亡説は「翌日のネットアクセスは犯人の操作ではない」と仮定した場合に、犯人が長居する理由が無いなら、未明に逃亡しているはずと言うことですよね。ただし、この場合、大量の遺留品を残す合理的な理由が必要です。
それを、今回は「偽装」として説明しているわけですね。

番組では他に外国人説、複数犯説についても触れているのですが、それは各記事で書きますね。

以下がメモ一覧です、(長文注意)初/既 初:この番組で初めて報道(だと思う) 既:既出の情報(だと思う)

  大峰氏の物盗り犯説    
No 取材メモ 初/既 ASKAのコメント
1 侵入口は中二階の浴室窓。網戸が公園の遊歩道に落ちていた。 裏の小道が遊歩道なのか?フェンスを越えていないのか?微妙な表現

2

浴室の窓は、唯一鍵がかかっていなかった。 玄関ドアの件を考えると、言い切ってしまってよいのか疑問
3 (大峰氏への取材メモ)犯行は計画的なものだった。
さらに、宮澤さん宅は、公園の拡張計画区域に入っており、立ち退く予定もあった。
立ち退き料目当てとする話は従来からありました。
4 テーブルには、犯人の手袋と帽子が置かれていた。 場所の詳細についてはこれまでの報道と食い違う部分もあるかも?
5 ジャンパーは椅子にかけられ、その上にマフラーが置かれていた。 場所の詳細についてはこれまでの報道と食い違う部分もあるかも?
6 凶器は柳刃包丁。
刃渡り:21cm(警視庁の公表情報により)
関東地域46の店で3500円前後で販売されていた。
 
7 ハンカチを使い、特殊な方法で包丁の柄を包んだ 例のアレで、番組の目玉につながる
8 ヒップバックはソファーの前の床に。 場所の詳細についてはこれまでの報道と食い違う部分もあるかも?
9 階段には横歩きの足跡 カニ歩きの事
10 (みきおさんは)太ももの大動脈を刺された。 傷については既出だが大動脈の部分は初かも
11 包丁の刃先が、数ミリ欠けていた。(みきおさんの額には数ミリの破片が残っていた)  
12 刃先が数cm折れた。(泰子さんを襲った時に折れた)  
13 犯人は長時間にわたり、宮澤さん宅に居座った。 翌日逃亡説
14 男は右手に深い傷を負っていた。 既出だが、断言してよいのかは微妙
15 自分のハンカチを使って止血。 既出だったと思う
16 はしごを「くの字」に曲げて動線を確保した。 はしごは壊れていたと言う報道が過去にある
17 はしごの踏み板の裏側には犯人の血の跡。  
18 タオルやナプキンで止血。 ナプキンは有名な話ですね。
19 左手用の手袋をはめ、握って止血。 これは初だと思う。
20 手袋の内側に男の血液が付着。指の部分が反り返っていた。 これは初だと思う。
21 冷蔵庫内に犯人の血痕。 これは初ですが、冷蔵庫の中のアイスを取り出しているので、考えれば当然かな
22 カップを握りつぶすように、アイスクリームを食べた。  
23 5つのアイスクリームカップを遺棄。  
24 1階の部屋から物色 判断する材料が何だったのか知りたいですね。
25 引き出しを浴室に持ち込み、中身を確認。 これも有名な話ですね。
26 浴槽に書類をちぎって投げ込んだ。 多分既出だと思います
27 トイレには、物色された泰子さんのバッグが2つ。 多分初だと思います。
28 パソコンを起動し、ミュージカル劇団のサイトにアクセス。  
29 宮澤さん宅に大金はなく、男が奪ったのは約15万円だけだった。  
30 銀行カード、パスポートなどをソファーや床に(並べた)。  
31 ラグランシャツを脱ぎ、みきおさんのトレーナーに着替える。  
32 男は、(リビングの)床で仮眠をとった。 仮眠をとった話は出ていたのですが、場所が床と言うのは初かもしれませんね
33 クッションは犯人の頭の形にへこんでいた。 これは初かも
34 電話線が抜けていた。  
35 逃走口は浴室の窓。  
36 窓下に落ち葉を踏みしめた跡が残っていた。  
  ここから廣瀬氏の顔見知り怨恨説    
37 (廣瀬氏への取材メモ)浴室のどこにも、「土足痕」がなかった。 以前に足跡の報道がありました。ただ、断言しているのは初かも
38 (廣瀬氏への取材メモ)窓枠からも、「繊維痕」は検出されていない。  
39 (廣瀬氏への取材メモ)浴室に侵入の痕跡が全くないため、犯人は玄関から入ったとしか考えられない。 これはどちらかと言うと、情報と言うよりは推理なんじゃないかな?
40 犯人は、宮澤みきおさんとある程度、顔見知りだった。 顔見知り説は以前からありました。
41 年末の夜に訪ねられるほどの関係性はあった。 顔見知りならそうなると言うことですよね。
42 靴はこっそり抱えて持ち込んだ。 これは、足跡の泥の量が2階の方が多い事の事実に合わせる為に導入された仮定だと思います。
43 靴を履いたのは、万が一の際、逃げるため。  
44 (靴を履いたのは)顔見知りの犯行を隠すためだった。  
45 ハンカチを使って、顔を覆った。 ハンカチで顔を隠したと言う報道は既出です。
46 ヒップバッグには、包丁の先が貫いた「穴」が数多く開いていた。  
47 殺害方法からは、みきおさんに最も強い恨みが感じられた。 私としては、礼君以外は無我夢中で襲っていると言う印象ですね。
48 麦茶をマグカップに注いで飲む。 既出だったと思います
49 アイスクリームを食べながら止血。 犯行の流れから考えると、こうなると言う推理なのでは?
50 物色したかのように「偽装」した。 顔見知り怨恨説は以前からあるのですが、その詳細が語られるのは初だと思います。
51 (現場検証時)引き出しの中身が床にこぼれた。  
52 (犯人は)こぼれたものを拾い、浴槽の中へ。  
53 一見、乱雑に見える現場だが、几帳面ないつ面が垣間見えた。   これは、情報と言うよりは印象ですね。
54 実際に廣瀬氏も、体格の違う複数の捜査員で検証したが、中身は必ずこぼれた。  
55 しかし事件直後、床には何も落ちていなかった。  
56 つまり犯人は、落とした物をわざわざ拾い、浴槽へ投げ入れた事になる。  
57 逃走時、すでに靴底に泥は付着していなかった。 これは浴室に足跡が無い事の説明の為の推理ですね。
58 着替えて薄着だったため、窓枠に「繊維痕」も付かなかった。 窓枠に繊維痕が無い事の説明の為の推理ですね。

2021/02/06 「2006年年末情報」を「2005年年末情報」に訂正

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