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2021/03/18

竹下通り暴走無差別殺傷事件その4(一審判決)

判決は懲役18年(求刑・懲役20年)

***初公判(2月18日)***
1)起訴状などによると被告は、元日に明治神宮の参拝客を無差別に殺害しようと、ガスバーナーを取り付け火炎放射器のように改造した高圧洗浄機や、灯油を入れたポリタンクなどを車に積んだという殺人予備罪、その後、車を通行人に追突させて殺害しようと竹下通りで軽自動車を加速させながら走行し、8人に傷害を負わせたという殺人未遂罪、その直後に近づいてきた男性の顔面を殴ったという傷害罪に問われているとのこと。

2)罪状認否で殺人予備については「最初はそうするつもりでしたけど、寸前になってやめました」と否認、殺人未遂について「1人目をはねたときフロントガラスにへばりついてジグザグ運転になり、前が見えなかった」と否認したとのこと。

別の報道では
被告は罪状認否で、「1人でも多くはねようと思っていたが、途中から前がよく見えなかった」などと述べた。一方、逃走時の傷害罪については争わない姿勢を示したとのこと。

3)動機についてこう述べた。
「無力化された死刑囚が殺されることが許せなくて、制度を支持している国民を狙いました。当時はそう思っていました」

4)弁護人は「統合失調症の影響で、当時は心神喪失の状態だった」として無罪を主張した。

別の報道では
弁護側の冒頭陳述によると、被告は中学時代に水泳部に所属して大阪府大会に出場。学業も好成績だったが、中学2年の頃からアルコール依存症の父親に暴力を振るわれるようになった。高校進学後には母親に「学校で『臭い』といわれている」と相談するなど、被害妄想の症状が出始めていたといい、弁護側は「周囲が精神障害に気づかず放置されて症状が悪化し、人格や考えがむしばまれた」と主張したとのこと。

事件当時は善悪の区別がつかなくなっていたと主張したとのこと。

5)検察側は冒頭陳述で、被告が「死刑制度を支持する国民が許せない」と考えて明治神宮での無差別大量殺人を計画し、30年7月のオウム真理教幹部13人の死刑執行を機に計画を加速させたと指摘。自動車教習所に通って運転免許を取得し、火炎放射器を自作するための高圧洗浄機などを購入したとし、「8人全員への殺意があり、完全な責任能力があった」と主張したとのこと。

別の報道では
検察側冒頭陳述によると、死刑制度反対の思想を持っていた被告は、死刑制度そのものや、それを支持する国民を狙い大量殺人を企てるなかで「大勢の人がいる明治神宮で無差別殺人を行おう」と考えるようになったとのこと。

そんななか、2018年7月、地下鉄サリン事件などで死刑が確定していたオウム真理教の元代表や幹部らの死刑が執行される。これにより被告は「ますます死刑制度を支持する国民が許せないと思う気持ちになった」とのこと。

***論告求刑公判(3月3日)***
1)検察側は、「事故の後遺症で、一生介護が必要な生活を強いられることになった被害者もいる」「『死刑制度に反対する』という主張からテロを起こして一般人を犠牲にするという動機は身勝手極まりなく、強い非難に値する」と指摘し、懲役20年を求刑した。

2)弁護側は、「統合失調症の影響がある」として無罪を主張しました。

***判決公判(3月17日)***
1)懲役18年(求刑・懲役20年)の判決を言い渡した。
裁判長は「結果は重大で深刻。人命軽視も甚だしい」と述べたとのこと。

2)火炎放射器を使った犯行計画を車の暴走に変更したことを挙げ、「無差別大量殺人を意図していた点では一貫しており、被害者全員に対する殺意があった」と認定したとのこと。

刑事責任能力についても、統合失調症が動機の形成や犯行の計画・準備に一定の影響を与えたとしつつ、「精神障害の圧倒的な影響によって罪を犯したものではなく、完全な責任能力を有していた」と結論づけた。

別の報道では
判決は、被告が死刑制度に反対しており、18年7月にオウム真理教の幹部らの死刑が執行されたことを引き金に、制度を容認する国民への大量無差別殺人を決意したと認定したとのこと。

犯行動機が生じた過程には統合失調症の影響があったと指摘したとのこと。

ただ、事件の半年前から現場の地図を入手するなど計画的に準備を進めていた点を踏まえれば、症状の影響は限定的だったとして完全責任能力を認定。幅の狭い道路でブレーキを踏まずに時速約50キロまで加速していたことから、8人全員に対する殺意も認められると結論付けた

更に別の報道では
「計画性の高さは顕著で、人命軽視甚だしく、身勝手極まりない」「単独の通り魔・無差別殺人未遂事件の中でも、特に重い部類に位置づけられる」としたとのこと

更に別の報道では
「一般人を標的として、著名な場所で起こった事件。社会に与えた影響も大きく、模倣性も高い」

こんなところですね。
まー時々理解不能な事件が起きます。
死刑制度に反対と言うのは、特に死刑制度に限らず、何事も、「賛成」「反対」「興味なし」と言う意見を各個人がそれぞれの判断で持つわけだから、それが悪いわけでは無いのですが、そこから自分の意見に反対する人間は全て殺害すると言う結論になる「飛躍」がすごいですね。

動機については、統合失調症の影響が少し(限定的に)あったと言う事ですが・・・
弁護側の冒頭陳述だと、高校時代から被害妄想が出ていたと言う事なんですが、それは統合失調症の症状の一つと言う事なのだろうか?

気になるのは、被告はいつから統合失調症だったのか?と言う事です。
なぜなら、統合失調症を治療していればこの事件は起きなかったのではないか?と思うわけです。

被告は高校に入学すると、被害妄想が現れ始めた。母親にも『臭いと言われる』『“???(被告の姓) 臭い”と検索すると自分のことが書いてある』などと相談したものの、そうした事実はなかったようです。その後も妄想に悩まされ、東京の専門学校に入学したものの、数カ月で退学。18年4月に大阪の大学に入り直した頃には、死刑制度を許せなくなったとのこと。

動機の死刑制度反対になった2018年4月頃にはなっていたと言う事だから、妄想が出始めた高校時代あたりに統合失調症になっていたけど、どうも、その時点で統合失調症と言う言葉が出てきていないので、診断や治療はされていなかったのかな?

急性期症状の発作などがあれば、それがきっかけで受診するでしょうから、それほど悪い状態では無かったんでしょうね。

ただし、動機の形成に一定の影響はあったが、それは限定的で、完全責任能力が認められています。
なので、治療していれば、動機が形成されなかったとまでは言えないかもしれません。

とは言え、結果が重大です。8人が重軽傷。
打撲や捻挫など全治1週間の被害者もいる一方で、高次脳機能障害を負い、入院加療500日を超える被害者もいる。

死人が出てもおかしくないし、高次脳機能障害だと一生、後遺症に苦しむかもしれません。

そこを考えると、以前にも書きましたが、定期健康診断にメンタル面の検診を加えて、症状の軽い段階で治療に結びつけていくと言う事にすれば、少しは事件を減らす事につながるかもしれませんね。

まー、自己申告による問診でスクリーニングして、怪しいところを面談と言うあたりでしょうか。

高校時代に妄想を相談された母親も、まさか、5年後にこんな事件を起こすとは予想できなかったでしょうね。
やはり、おかしいと思ったら、早い段階で受診させるのが良いのかもしれませんね。

参考リンク
竹下通り暴走無差別殺傷事件その3(続報)

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