宮城県仙台市太白区母親遺体損壊事件その3(一審判決)
2020年7月、母親の遺体を燃やしたなどとして死体損壊と遺棄の罪に問われている22歳男性の一審公判。
判決は懲役2年4ヶ月(求刑懲役3年)
***初公判(1月19日)***
1)起訴状によりますと、被告は2020年7月、母親(当時55)の遺体を自宅から車で名取市内の公園に運び、バーベキュー用のかまどで灯油を使って燃やした後、遺体の一部を袋に入れ、太白区内のごみ集積所に投棄したとされている。
2)被告は「間違いない」と起訴内容を認めました。
3)冒頭陳述で検察側は「被告は2019年から、オンラインカジノで遊ぶようになり、母親の口座から無断で数百万円を引き出し、口論になっていた」と指摘、「母親が死亡したのは自分の行動が起因すると思い、遺体を公園で焼却し、捨てることを決意した」と主張したとのこと。
別の報道では
被告は、インターネット上のカジノで遊ぶために母親の口座から340万円を引き出したことが犯行当日に母親に知られ、口論となっていたとのこと。
検察側は、被告が警察に対し、「母親と口論になり、リビングで押したら動かなくなった。1時間、部屋でゲームをして、リビングに戻ると目を開けたまま死んでいた」と供述していたことを明らかにしたとのこと。
別の報道では
事件後に警察署を訪れた際に「リビングで(被害者を)突き飛ばした。ゲームをしてから戻ると、目を開けて死んでいた」と話したとする父親の供述調書も読み上げられた。(2021/12/05 訂正 被害者名を「被害者」に訂正)
===ASKAのコメント===
母親の死の部分の供述は父親が被告から聞いた話の父親の供述と言うことのようで、ここは注意が必要ですね。
===============
4)被告の父親の証人尋問
「母親(妻)がどうして亡くなったのか、なぜ遺体を燃やして捨てなければならなかったのかを明確にしてほしい」と話したとのこと。
別の報道では
「罪を償った後は(被告の)面倒をみたいと思っている。事実を話してもらいたい」と語ったとのこと。
***論告求刑公判(2月3日)***
1)検察側は、男に懲役3年を求刑した。
検察側は、「ごみ袋や灯油などを遺体とともに車に積むなど犯行は計画的」などとして、懲役3年を求刑した。
別の報道では
検察側は「生前の姿を残さないほど、遺体を損壊するなど、残忍な犯行」と指摘し、懲役3年を求刑した。
2)弁護側は「出頭当初から警察に経緯を説明し、反省している」として寛大な判決を求めたとのこと。
3)被告人質問
被告は、「怒っている母を手で押した。2階に行き、友達と通話した後リビングに戻ると、母があおむけで倒れていた」と話しました。
遺体を焼いた理由について「警察につかまりたくなかった。ごみに出すのが最も見つかりにくいと思い、、ごみ袋に入れるため、遺体を焼き小さくしようと思った」と述べたとのこと。
検察側から「首を絞めて殺したのではないか」、「遺体の痕跡を隠そうとしたのではないか」と問われると「いいえ」と否定した。
また、弁護側から同じような犯行を繰り返さないか問われると、これまでも家族のお金を盗むことを繰り返してきたことに触れ「自信がない」と述べたとのこと。
===ASKAのコメント===
第一回公判での母親の死亡の件は被告人質問で自ら答えていますね。
===============
***判決公判(2月26日)***
1)仙台地方裁判所は、懲役2年4か月の判決を言い渡した。
2)裁判官は、「亡くなった人の尊厳を踏みにじる残虐な犯行」と指摘した上で、「母親の死亡が自分の行為によるものと考え、隠ぺいを図ろうとした動機は強い非難に値する」などとして、懲役2年4カ月の実刑判決を言い渡したとのこと。。
こんなところですね。
仙台地検は、傷害致死容疑について、勾留期限となる11月18日に処分を保留し、捜査を続けてきましたが、「犯罪事実を認めるに足りる証拠が確保できなかった」として、12月9日付で不起訴処分としたとのこと。
この為、死体損壊と遺棄の罪の公判になったわけです。
被告人質問での回答も、警察へ出頭した際の供述と一致しているので、嘘では無いのでしょうが、その通りだとすると、なんとも不幸な事件ですね。
犯行のきっかけはネットカジノで多額の浪費をした事、公判では340万と金額が出ています。
母親は美容室経営と言うことなので、口座に多額の預金があったのか?あるいは経営資金だった可能性もありますね。
一時ゲーム課金でと報道があったので、課金で短期間に数百万円を使うのか?とちょっと疑問だったのですが、ネットカジノでの負けだったようですね。
どうして、母親の口座から引き出す事ができたのか?と言うのもちょっと疑問ではありますが、同居しているので、通帳と印鑑で引き出す事は可能かもしれません。ただ・・・窓口で女性名義の通帳から男性が引き出している事に疑問が持たれる可能性はありますね。
他には、暗証番号を知っていしてカードで引き出している可能性もありますね。
ちなみに、インターネットカジノで外国の合法的な物でも、日本国内では「違法」なので注意が必要です。
340万もカジノで負けて、苦労して稼いだお金をドブに捨てるようなまねをされては、さすがに母親もキレるでしょうね。
しかも、被告人質問の内容から、これまでも家族のお金を盗んでいて、「繰り返さない自信が無い」と言っているあたり、正直なんでしょうが、ギャンブル依存症の可能性もありますね。
話がそれましたが、母親とトラブルになるのは当然の結果です。
で、母親を突き飛ばして、1時間後に死んでいたと・・・・この突き飛ばした事と死亡との因果関係が証明できないので、傷害致死は不起訴になったんでしょう。もし、遺体が焼かれずに、そのまま残っていれば、検視や司法解剖の結果、死因が特定できて、傷害致死が立証された可能性もありますが、まーたらればですね。
で、死亡している母親を見つけて、自分のせいで死亡したので、遺体を隠して失踪した事にしようとした。
遺体の処分の為に遺体を焼き、残りをゴミに出して処分したと言うことですね。
死因がわからないのですが、心臓の発作とか、脳出血とか疑われるけど、もし、即死で無いのであれば、1分後に戻って、救命処置をしていれば、助かったかもしれません。あるいは、同居人が他にいればとか・・・これも、たらればですが・・・
パニクって遺体を隠そうとした、徹夜で遺体を焼いて処理したけど、結局、冷静になったら良心の呵責に耐えられないとか、自首した理由はわかりませんが、そんなところなのかな。
と考えれば、ネットカジノが原因で母親が死亡して、その遺体を遺棄して罪人になってしまったと言う事件ですね。
人生、何が理由で道を踏み外すかわかりませんね。
これが無ければ、被告人が何の専門学校に行っているのかわかりませんが、母親の後を継いで、美容室の経営者と言う未来が手の届くところにあったのではないのかな?
人生はちゃんと生きないと、一瞬で壊れると言う見本のような事件ですね。
| 固定リンク
コメント
再度失礼いたします。
こちらの記事において、被害者の方の名前が表記されたままになっている部分があります
(「さん」で検索していただければ該当箇所が分かります)
編集の際の集成忘れかと思われます為、謹んでご報告申し上げます。
投稿: 通りすがり | 2021/12/05 13:59
通りすがりさん、こんばんは
ご指摘ありがとうございます。
訂正いたしました。
投稿: ASKA | 2021/12/05 16:44