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2021/03/18

埼玉県和光市特殊詐欺男性殺人事件その2(少年の一審判決)

一審判決は懲役7年以上12年以下(求刑懲役10年以上15年以下)の不定期刑です。

***初公判(3月1日)***
1)検察側は冒頭陳述で、少年は東京都板橋区のマンションで、男性らと特殊詐欺グループの「かけ子」として活動。現場の管理役だった男性から日常的に高圧的な態度を取られていたことや、独自で詐欺行為をしていると疑われたことなどから、「不満を抱き、殺害を決意した」と指摘。殺害や死体遺棄の犯行態様についても「残虐で悪質」としたとのこと。

2)弁護側は「被告は、被害者の遺族に謝罪の手紙を送り、被害弁償も行っている。こうした点も踏まえて量刑を決めてほしい」と主張したとのこと。

3)起訴状によると、少年は去年4月、都内のマンションで、同じ特殊詐欺グループに所属していた当時31歳の男性を包丁で刺して殺害し、仲間の男と共謀して遺体を盗難車に乗せ、和光市のマンションの駐車場に放置したとのこと。

4)少年は「間違いありません」と起訴内容を認めたとのこと。

5)証人尋問
少年とともに男性の遺体を運んだ詐欺グループの仲間の男(24)=死体遺棄罪などで実刑判決=が出廷。男性が少年に偽ブランドの財布を売り付けようとするなど嫌がらせをしていたことに触れ、「少年が『もう限界。殺しちゃいそうです』などと言っていた」と証言したとのこと。

***第二回公判(3月2日)***
1)被告人質問
少年が特殊詐欺グループに加入するようになった経緯について「仕事を紹介してくれた人から、金融の仕事だと聞いて東京に来た」と説明。板橋区の拠点マンションでは、毎週日曜日の夕方から金曜日まで、他のメンバーらとともに生活し、高齢者らに電話をかける「かけ子」として活動していたとのこと。「仲間同士は偽名を名乗っていた。報酬は10%程度と聞いたが、自分が報酬をもらったことはなかった」と話したとのこと。

男性を殺害したことについては「殺害するために包丁を買った」と話した一方で、事件直前のやりとりなどは「言いたくない」と黙秘したとのこと。

***判決公判(3月11日)***
1)さいたま地裁は懲役7年以上12年以下(求刑懲役10年以上15年以下)の不定期刑を言い渡したとのこと。

2)裁判長は、少年があらかじめ購入した包丁で男性の首などを複数回突き刺し、深い傷は約11センチに及んでいることなどから、「犯行は強固な殺意に基づき、危険かつ執ようで悪質」と指摘。「被害者は無残にも車に放置され、変わり果てた姿となった。結果は重大」と述べたとのこと。

一方、少年が男性から数々の嫌がらせを受けており、「理不尽な言動が被告を追い詰めた。被害者の落ち度は大きい」と認定。他にも父親から虐待を受けるなど、犯行には「成育歴や家庭環境が一定程度影響している」としたとのこと。

その上で、両親が更生を助けると誓っていることや少年の年齢などを踏まえ、「矯正教育を受ける中で改善更生を期待する」として、懲役7~12年が相当と述べたとのこと。

3)裁判長は最後に「更生に向けて歩んで欲しい」などと述べたとのこと。

こんなところですね。
仕事を紹介されて、行ってみたら詐欺グループだったと言うことなので、同情できる点はありますね。
「報酬は10%程度と聞いたが、自分が報酬をもらったことはなかった」と言うことで、搾取されているだけの、ブラック中のブラックですね。
その上、理不尽に追い詰められているところなど、弱みにつけ込んだ、絵に描いたような卑怯ぶりです。

現在も特殊詐欺グループの中で働かされている若年者がいると思いますが、関係を断ち切らないと、一生、利用されるだけですよ。

参考リンク
埼玉県和光市特殊詐欺男性殺人事件

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