茨城県境町就寝中夫婦殺人事件その22(容疑者逮捕と追い詰められた検察?)
容疑者が逮捕されました。
1)県警は5月7日、殺人の疑いで、埼玉県三郷市鷹野4丁目、無職、男性容疑者(26)=公記号偽造の罪などで起訴=を逮捕したとのこと。
県警は被害者一家との接点はなかったとみており、動機や当時の状況などを追及する。捜査に支障があるとして認否は明らかにしなかったとのこと。
2)容疑者は運転免許を所持しておらず、普段は徒歩か自転車で移動していたとみられるとのこと。
別の報道では
容疑者は運転免許を持っておらず、普段は自転車で外出をしていたことも分かった。県警は、容疑者の自宅からスポーツタイプの自転車を複数台押収。容疑者の自宅から被害者宅までの距離は約30キロで、移動に使われた可能性があるとみて調べるとのこと。
3)容疑者は自宅で硫黄約45キロなどを貯蔵したとして、昨年12月にさいたま地検が消防法違反の罪で起訴。さらに、警察手帳の記章を偽造し販売したとして、茨城県警が今年2月に公記号偽造の疑いで逮捕、3月に水戸地検が起訴していたとのこと。
4)容疑者(26)=埼玉県三郷市=が事件前に一家と面識がなかったとみられるとのこと。
5)捜査本部が置かれた境署であった記者会見では、刑事部長が冒頭、容疑者を逮捕した理由について「関係者からの聴取、現場鑑識、押収品の鑑定解析などの捜査を進め、本件に関与した疑いが強まった」と説明したとのこと。
6)逮捕まで約1年半かかった理由としては、「有力な情報がなく、被疑者と被害者の接点がなかったこと」などを挙げた。現場で何かを物色した跡はなく、容疑者と被害者とのトラブルも確認されていないとのこと。(記者会見の内容)
7)警察は、去年11月危険物である硫黄45キロを自宅で違法に所持していたとして、容疑者を逮捕していました。その後も別の事件で再逮捕し、刃物や化学薬品などおよそ600点を押収。こうした押収物の鑑定などを進めた結果、一家4人殺傷事件についても容疑者が関与した疑いが強まったとして逮捕に踏み切ったとのこと。
8)今回の事件当時、容疑者は24歳。捜査関係者によると、茨城県警が過去に同種の事件に関与した人物を調べるなかで浮上したとのこと。
茨城県警から連絡を受けた埼玉県警が調べたところ、容疑者がインターネットで刃物を購入していたことなどが判明。埼玉県警は昨年11月、殺人予備容疑で容疑者宅を家宅捜索したとのこと。
捜査関係者によると、自宅にあった刃物はサバイバルナイフをはじめ20本近く。硫黄やアルコール類など消防法上の危険物も複数あり、フラスコなどの実験器具も押収された。埼玉県警は硫黄約44キロを自宅に貯蔵したとして、容疑者を三郷市火災予防条例違反容疑で逮捕。さいたま地検は12月に消防法違反罪で起訴したとのこと。
別の報道では
自宅別棟の1階にあるという自室からは、有毒な硫化水素を発生させる原料ともなる約45キロもの硫黄のほか、猛毒のリシンを含有するトウゴマや抽出に使う薬品も見つかった。
9)捜査関係者によると事件前、容疑者がクマ撃退スプレーを購入した形跡が見つかったとのこと。
別の報道では
捜査関係者によりますと、関係者からの聞き取りや現場の鑑識活動などから容疑者が浮上。現場で検出された成分を含む「クマ撃退スプレー」を容疑者が事件の3か月前に購入していたことも判明し、その後の捜査で逮捕に至ったとのこと。
更に別の報道では
捜査関係者によると、次女の皮膚は事件直後、ただれていた。症状などから唐辛子成分の含有割合が高いスプレーが使われたとみられ、県警は該当する商品を数種類リストアップして、購入者を調査。その結果、容疑者が事件前に熊よけなどに使うスプレーをインターネットで購入していたことが、履歴から判明したとのこと。
10)その後の調べで、容疑者の自宅から、サバイバルナイフなど複数の刃物が見つかったことが新たにわかり、捜査関係者によると、これらの刃物はインターネットで購入していたとのこと。
11)事件現場に残されていた足跡に似たレインブーツを、容疑者が事件前にインターネットで購入していたとのこと。
12)容疑者が、別の事件で取り調べを受けた際、「人を殺したい衝動があるが、我慢している」などと話していたとのこと。
13)容疑者の自宅で押収されたカメラから、事件前の被害者宅周辺を撮影したとみられる動画が見つかったとのこと。茨城県警は、容疑者が現場を下見していた可能性があるとみているとのこと。
押収したカメラ(スマフォ)で消去されていたデータを復元したところ、被害者宅近くの駐車場や北側の釣り堀付近から、被害者宅を囲む樹木などを撮影したとみられる動画が見つかった。
被害者宅の周囲には事件後、規制線が張られているが、動画には規制線が映っていなかった。
このため、茨城県警では、動画は事件前に撮影された可能性が高く、容疑者が現場を下見していた可能性があるとみて調べているとのこと。
14)現場の住宅に1人分の土足の跡が残されていたとのこと。
別の報道では
被害者宅の1階脱衣所の外壁には、よじ登ったとみられる足跡があり、県警は、脱衣所の無施錠の窓が侵入経路だったとみている。建物内では、脱衣所やその周辺に足跡が残っていたが、被害者夫婦が発見された2階では確認できなかったとのこと。
15)容疑者が事件前にナイフを購入していたことが分かりました。
購入ルートは捜査中とのこと。
16)容疑者がパソコンで現場付近の情報を検索していたとのこと。
動画や検索の履歴は消されていましたが、警察がデータを復元して判明したとのこと。
警察は、容疑者が現場の下見や下調べをしていた疑いがあるとみて調べているとのこと。
17)調べでは、現場周辺には犯人のものとみられる足跡が残っていたが、足跡は1人分で、海外の有名ブランドのものだったという。捜査関係者によると、この足跡と同じ種類のスニーカーを容疑者が履いている様子が事件後に確認されていたとのこと。
容疑者は20年11月、別事件で埼玉県警に逮捕されているが、その際の家宅捜索などでは、このスニーカーは見つからなかったという。茨城県警境署捜査本部は、容疑者が処分した可能性もあるとみて調べているとのこと。
別の報道では
事件現場には、家族とは違うレインブーツの足跡が残されていたが、警察のその後の調べで、容疑者が、事件前にレインブーツをインターネットで購入し、現場の足跡とほぼ一致したとのこと。
18)容疑者(26)が事件が報じられる前に、事件についてネットで検索していたとみられるとのこと。
19)逮捕直後の取り調べに対して、容疑者は容疑を否認していたとのこと。
20)県警は5月9日、容疑者を水戸地検に送検したとのこと。
21)容疑者(26)の自宅から10本以上の刃物が押収され、いずれも容疑者が使っていた部屋の中から見つかっていたとのこと。
刃物は、昨年11月に警察が別事件で家宅捜索した際に発見した。法令に違反するものではなかったが、危険薬物も発見されており、茨城県警は目的を調べるとともに、被害者家族が襲われた事件と関連があるかどうかを慎重に捜査しているとのこと。
22)容疑者が捜査線上に浮上した際、当時現場の家にいた子どもに捜査員が容疑者の顔写真を見せたところ、「犯人と目のあたりが似ていると思う」という趣旨の話をしていたとのこと。
時系列
2019年
06月頃 熊避け用スプレーをネット購入
09月 事件発生
2020年
11月 殺人予備罪で家宅捜索(600点を押収)
同月 消防法違反で逮捕(限度量以上の硫黄の所持)
12月 消防法違反でさいたま地検が起訴
2021年
02月 公記号偽造(警察手帳偽造)の疑いで逮捕
03月 水戸地検が起訴
05月07日 容疑者を殺人の疑いで逮捕
05月09日 送検
こんなところですね。
容疑者が逮捕されたので、喜ばしい反面、不安が大きいです。
この逮捕の流れは未解決事件の舞鶴女子高生殺人事件と同じ流れじゃ無いかな?
舞鶴の事件でも現場近くに住む、過去に犯罪歴のある人物が逮捕されたものの、物証が発見されずに公判で無罪判決となって、無罪が確定しました。
今回の境町の事件も、過去の犯罪歴がある人物を調べたら、ナイフをネット購入していたので、殺人予備罪で家宅捜索して、違法な物は「45キロの硫黄だけ」で消防法違反で逮捕。その後に、警察手帳の偽造の疑いで逮捕して、その後にやっと殺人罪で逮捕ですよね。
問題は、容疑者が犯行を行ったとする、物証が出ているのか?です。
現在、報道されているのは全て「状況証拠」だけですよね?
しかも、容疑者の自宅から現場まで30キロの距離があるが、その移動手段も判明していない。
報道されている情報は全て、容疑者の犯行を肯定するように見えて、その実、決定的証拠は無いと言う事には注意しなければいけないですね。
それからすでに報道されていますが、逮捕された男性は過去に通り魔事件を起こして保護処分となっています。
全容解明に期待しましょう。
(他にもツッコミたい点は色々あるのですが、次の記事を書くのでここまでにしておきます。)
参考リンク
茨城県境町就寝中夫婦殺人事件その21(田舎暮らしの経験則)
茨城県境町就寝中夫婦殺人事件その23(複数犯あるいは交換体験殺人の可能性?)
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コメント
そうですね。まさに「状況証拠の積み重ね」ですね。舞鶴の事件では無罪に、和歌山カレー毒物混入事件では有罪になりました。裁判官が「この男が殺害した決定的な証拠とは言えない」と判断するか「状況から見てこの男以外に犯行はできない」と判断するか…。せめて現場からこの男の血痕かDNAが検出されれば状況が変わってくるんでしょうけど…。マスクに帽子で夜中に襲撃された子供の証言では決定的な要素になり得ないでしょうし。
あとネット上で湯河原の殺人放火事件の犯人じゃないかと言われてるけどその時期は医療少年院に送られているから仮出所等無ければ犯人ではないと思われますね。
投稿: 裏銭 | 2021/05/10 16:48
まったく同意見ですね。
これから容疑者が犯人しか知り得ない秘密の暴露となる自白をするとか、凶器が見つかるとかの決定的な進展がない限り、舞鶴と同じ流れを辿る気がしてなりません。
ネットではこんだけ状況証拠があれば十分だろみたいな意見が大半ですが、ちょっと過去の未解決事例を知っていれば、相当危うい(現状出ている証拠だけでは)というのはわかるはずなんですけどね
投稿: ヤムチャ | 2021/05/18 16:14