千葉県富津市保険金殺人事件その3(彫り師の一審判決)
一審判決は懲役18年(求刑懲役20年)です。
***初公判(1月14日)***
1)冒頭陳述で検察側は、被告がかつて主犯被告の下で働いており、主犯被告に保険金殺人計画を持ち掛けられ、事件当日は釣り中の被害者を海に突き落とす実行役を担ったと指摘。計画的な犯行で重要な役割を果たし、結果も重大だと主張したとのこと。
2)弁護側は、計画したのは主犯被告で、被告は彫師として一定の収入があったため保険金を得る目的がないと説明。事件に関与した背景として「主犯被告の手下のような存在で(断るなどの)身動きができなかった」と述べ、積極性はなかったと反論したとのこと。
3)起訴状によると、被告は主犯被告と共謀し19年1月27日午前5時25分~6時5分ごろ、富津市金谷の浜金谷港の岸壁から被害者を海に落とし、溺れさせて殺害したとされる。
4)被告は起訴内容を認めた。
***論告求刑公判(6月30日)***
1)検察側は、「本件犯行の実行役に積極的に参加し、被告なくして事件は起こりえなかった」「事前の打ち合わせ・偽装工作など犯行の前後を通して、重大かつ重要な役割を果たした」として、懲役20年を求刑したとのこと。
2)弁護側は、「被告は、計画を企てた主犯の従属的な立場にあり、積極的に実行などの提案はしていなかった」とし、懲役15年以下を主張したとのこと。
***判決公判(7月12日)***
千葉地裁は被告を実行役と認定した。
そのうえで、「実行役を買って出ていて、犯行には積極的であった」「卑劣で冷酷な犯行であり、結果は重大である」などとして、懲役18年の判決を言い渡したとのこと。
別の報道では
裁判長は、実行役を買って出て水難事故を装っており、共犯者に強要されたわけではないと判断。「卑劣で冷酷な犯行。人命軽視の態度が甚だしい」と非難した。
更に別の報道では
裁判長は、「人命軽視の態度が甚だしく身勝手極まりない」と述べた上で、「被告人は被害者を誘い出す段取りを整え、犯行後の偽装工作に関与するなど重要かつ不可欠な役割を担った」とし、被告に対し、懲役18年を言い渡したとのこと。
判決状況
主犯:一審判決無期懲役だが控訴している。
実行犯(内装工52歳):懲役10年が確定。
実行犯(彫り師):一審判決懲役18年
こんなところですね。
もう一人の実行犯が共謀関係にはない(幇助にとどまる)として懲役10年ですから、この彫り師は積極的に事件に関与している点で罪が重いと言う事ですね。
まーこの人も弁護側の言うように一定の収入があり、生活に困っていないのであれば、こんな事件に参加する事も無かったのでしょうが、どこかお金が欲しいと言うのはあったのかもしれませんね。
他には、主犯との人間関係の中で断れないと言うのもあったのかもしれませんが、誘われて事件に参加、発覚して懲役18年です。
とても、割に合わないと思うのですが・・・失敗する事は考えないのかな?
どのみち、最低な人生なら一か八かに掛けるとか、そんな感覚なのかもしれませんけど・・・
このあたりは、本人に話してもらわないとわかりませんね。
2010年の仙台市の男性教諭殺人事件を思い出しました。
男性教諭の妻が不倫して不倫相手と夫の殺害を計画(夫婦は離婚で揉めていた)、実行犯に選んだのは不倫相手に多額の借金をしていた寿司職人の男性でした。
弱みを握られて断れなかったのでしょうが、人に弱みを握られてしまってはダメって事ですね。
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