神奈川県座間市9名バラバラ事件その17(一審判決)
一審判決は死刑(求刑:死刑)です。
***判決公判(12月15日)***
1)裁判長は、9人全員が殺害を承諾していなかったと認定。「犯罪史上まれに見る悪質な犯行。SNS(会員制交流サイト)が当たり前となっている社会に大きな衝撃を与えた」などと述べ、求刑通り死刑を言い渡したとのこと。
2)裁判長は判決理由で、被害者の抵抗状況だけでは承諾がなかったと認定できないと指摘。一方で、事件に至る経緯や犯行状況に関する被告の供述は「信用性を基本的に肯定できる」としたとのこと。
その上で、被害者はいずれも被告に殺害されることを想定していなかったり、自殺の意図があったとしても、想定とはかけ離れた方法で殺害されたりしたなどとして、全員が「黙示を含め承諾はしていなかった」と認定したとのこと。
「金銭や性欲などが目的の身勝手な犯行で、精神的に弱っている被害者を誘い出す手口は巧妙で卑劣というほかない」として「死刑をもって臨むことが真にやむを得ない」と述べたとのこと。
別の報道では
量刑理由について、「重大な犯罪を約2か月の間に9回も重ねており、人命軽視の態度ははなはだしい」とし、「犯罪史上まれにみる悪質な犯行といえる」「SNSの利用が当たり前となっている社会に大きな衝撃や不安感を与えた」と述べたとのこと。
更に別の報道では
判決は、現場アパートでの被害者とのやりとりや犯行状況などについて、被告の公判での供述の大半を事実と認定したとのこと。
弁護側は「犯行態様や抵抗状況など、重要な点について変遷がみられる」としていたが、「記憶に基づく部分と推察の部分を明確に区別しており、意図的に自己の記憶に反する供述をしている様子はない」と退けたとのこと。
争点の殺害の承諾の有無については、被告の供述した被害者の抵抗状況だけでは判断できないと指摘。弁護側の主張する「黙示の承諾」があったかどうかについては、被害者ごとに殺害までの事実経過をたどりながら検討した。
1~3人目の被害者については、被告が同居相手や仕事を紹介してくれる相手だったとし、「殺害されることをおよそ想定していない」と説明。4人目と7~9人目の被害者は、被告と首つりで死ぬという趣旨のやりとりをしており、自ら被告宅に赴いていたと認めつつも、「そのタイミングや方法は、自分自身が最終的に決定することを予定していたはずだ」と承諾を否定したとのこと。
5、6人目は「(被害者の)想定とはかけ離れた方法で殺害している」とし、「いずれの被害者についても、黙示の承諾を含め、真意に基づく殺害の承諾はしていなかった」と結論付けたとのこと。
刑事責任能力に関しては、犯行態様が計画的で遺体を処理して証拠隠滅を図るなど、「一貫して合目的的な行動をとっていた」と評価。犯行に精神障害の影響はみられないとする鑑定結果を支持したとのこと。
3)被告は証言台の前に座り、じっと正面を向いたまま判決を聞いてたとのこと。
死刑を言い渡されたあと、被告は、裁判長から「聞こえましたか?」と問われると「はい、聞こえました」と答えたとのこと。
***控訴取り下げ(12月21日)***
弁護人はこの判決を不服として12月18日に控訴しましたが、東京地裁立川支部によりますと被告が12月21日、拘置所に控訴取り下げの文書を提出したとのこと。
***刑確定(1月4日)***
主任弁護人は1月5日、「もう一度、高裁で審理されるべきだと考えていたので、確定は残念だ。1月4日に本人と接見し、取り下げには後悔しないとの意向を直接確認できたので致し方ないと思う」とのコメントを出したとのこと。今後、取り下げを無効とするなどの申し立てはしない意向だとしている。
こんなところですね。
前代未聞と言われたこの事件も一審で刑が確定しました。
さてこの歴史に残る様な大事件もその動機は「楽して生活をしたいということと、楽して性欲を満たしたい」という2つだというのが精神鑑定医による分析ですね。
でも、これって男性なら誰でも持っている願望なんじゃないかな?(楽して生活をしたいをいうのは性別に関係ないですね)
そういう意味では、誰でもこの事件を起こす下地は有るということだと思うんですよね。
けれど、だからと言ってあちこちでこんな事件が起きているわけでも無いので、被告はどこかで道を間違ってしまったんでしょうね。
これまでの報道だと、高校卒業後にはスーパーのアルバイトをしていて、その後2017年27歳の時に売春に関わったとして逮捕され、有罪となってます。その後に父親に「生きている意味がない」「何のために生きているかわからない」と話して、病院にも通院して睡眠薬を処方してもらい、仕事もせずに過ごすような生活を送ってますね。
その後にSNSで首吊り士の活動を始めるようです。
本人の自殺関係の投稿は通院する前から始まっていたのですが、どうも通院の時期を境に価値観の逆転が起きてしまったのかもしれませんね。
それまでは「ルールを守って生活する」だったのが「生活する為にはルールを破っても良い」と言うような逆転が起きてしまったんでしょうね。
この流れを見ると、高校卒業後の就職が上手くいかなかったのかもしれませんね。
そもそも、精神的に満たされていれば、お金に執着するような事にはならないのではないか?と私は考えています。
就職が上手くいかなかったのは本人の学業成績の問題もあったのかもしれません。やはり勉強は大切ですねって事なんでしょうね。
就職がうまくできて、経済的に自立できていれば、この事件は起きなかったのかもしれませんね。
被告は最後は「親族に迷惑を掛けたくない」と言う事が考えられる普通の人なんですよね。
普通の人間でも「快楽殺人者は行動によって作られる」と言う事が証明された事件です。
最初はお金の為に行っていた殺人行為が、性的暴行を伴いながら繰り返す事で、「お金」ではなく「性的快楽」の為に行うように変わりました。
普通の人間も快楽を伴う殺人を繰り返す事で「快楽殺人者」になってしまうと言う事ですね。
これを考えると、動物虐待を繰り返す事で、普通の人間も変化していく可能性がある事は容易に推測できますね。
なので、「動物虐待」事件は注意していく必要があると考えています。
亡くなった9人の方のご冥福をお祈りします。
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コメント
二ヶ月の間に9人殺害ですか 端銭と性欲の為に…大久保 清の事件と本質的に似てますね。
はじめの一人だけで捕まるなり ブレーキ掛けるなりできれば、懲役で済んだのにね。
まぁその辺りは宮崎勤や勝田清孝にも共通してますが、一旦外した歯止めを取り戻す事は不可能なんでしょうね。それか味占めた手慣れが加速度的に罪を繰り返す快楽から逃げなかったのかな?
いずれにせよ単に純粋な人間みたいですね。
ASKAの事件簿は公判の様子まで記載されてるから、全容把握しやすいです。
非常に判りやすいです。
投稿: | 2023/09/05 01:08
名無しさん、おはようございます。
そうですね。1度目が発覚せず、2度目も発覚せず、3度目もとなれば、もう捕まらないと安易に快楽の方へ進んでしまったのかもしれませんね。快楽殺人者はそうして作られると言う見本のような事件だと思います。
あの事件、最後はどうなった?と言うのが出てくるので、できるだけ、公判の情報までは載せたいと思っています。
一審は結構報道されるんですが、控訴審以後になるとかなり報道が減ってしまって、見逃している事件も多いと思います。
投稿: ASKA | 2023/09/05 08:16