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2021/07/18

福井県東尋坊少年集団暴行殺人事件その7(20歳主犯の一審判決)

判決は懲役19年(求刑:懲役19年)です。

***初公判(6月15日)***
1)検察側は冒頭陳述で、元少年は、被害者が暴力団関係者とトラブルを起こしたことに立腹し暴行を始め、警察などに暴行が発覚するのを免れるため、殺害を計画したと説明。「車でひく行為も一連の暴行の一部で、共犯としての責任を負う」と指摘した上で、「元少年はグループの意思決定をし、一連の犯行で終始主導的な役割を果たした」としたとのこと。

2)弁護側は「主導的立場の者は共犯者にもいた。元少年の指示によらず、共犯者らが自らの意思で行い、元少年の想定を超える暴行もあった」などと主張したとのこと。

3)起訴状によると、元少年は、18~20歳の少年ら5人や男性U被告(41)と共謀。19年10月17~18日、長浜市で被害者の脚を車でひくなどし、車に閉じ込めて東尋坊に向かい、同18日夜、崖から飛び降りさせ死亡させた、などとしているとのこと。

4)元少年は起訴内容をおおむね認めたとのこと。
元少年は、傷害罪の起訴内容で、被害者の脚を車でひいたとされる部分については、「(共犯者による行為であり)関与していない」と否認したとのこと。

別の報道では
殺人罪に関し「あと1時間の命」と男性に話したとする部分のみを否認し、傷害罪は男性の足を車でひいた部分だけ「関与していない」とし、他の起訴内容は認めたとのこと。

***第二回公判(6月25日)***
被告人質問
1)被告人質問で、元少年は、事件でほかに起訴された少年ら6人との関係について「けんかの強さによる力関係があり、格闘技経験がある自分の意見は通りやすかった」と述べ、「(被害者を連れ)東尋坊に行くことを決めたのは自分だ。殺害することや、暴力を止められたのも自分だと思う」などと証言したとのこと。

一方で、「対等な立場で事件を起こした」とも述べ、元少年の指示によらず共犯の少年らが自らの意思で暴行などをしたと主張したとのこと。

「今回の事件では、自分に一番責任がある」と証言したとのこと。

***論告求刑公判(6月30日)***
1)検察側は論告で、元少年が一連の犯行を主導した主犯格と指摘。その上で「目を背けたくなるさまざまな暴行を振るい、(被害者に)自ら命を絶たせるという卑劣な方法で命を奪った非道な犯行だ」と厳しく非難した。

検察側は、「元少年が中心となって東尋坊を殺害場所に決めるなど主導的な役割を果たし、懲役20年前後の量刑が妥当」としながらも、「犯行当時は少年だった」ことを考慮し、懲役19年を求刑したとのこと。

2)論告の前に被害者の母親が意見陳述し、「なぜ、息子が殺されなければならなかったのか、(元少年から)直接聞きたいという思いで1年間裁判に参加してきたが、(理由を)何も話さなかった。事件当時少年だったので無理だと分かっているが死刑を求めたい」と、話したとのこと。

3)弁護側は「殺害場所は、共犯者との話し合いで決まり、元少年一人だけに強い意思決定があったとは言えない」とし、懲役15年程度への減刑を訴えました。また元少年は、裁判の最後に、「責任は自分にある。どんな刑でも受け入れ、罪を償う」と述べたとのこと。

***判決公判(7月14日)***
1)大津地方裁判所は懲役19年の判決を言い渡した。

2)判決で大津地方裁判所は、「長時間、多人数で暴行に及んでいて、残忍で目を背けたくなるような犯行。暴力団とのトラブルも被告自らが主たる原因を作っていて、被害者には落ち度がなかった」と指摘。

その上で「被告は犯行のすべてに中心的に関与し、グループ全体の意思決定をして犯行の流れを作った。最も責任が重い」として、元少年に対し、懲役19年を言い渡したとのこと。

別の報道では
大津地裁は今年7月14日の判決で、「犯行の全ての過程に中心的に関与していた。心を殺して肉体も殺す残忍な犯行」などとして、元少年に懲役19年の有罪判決を言い渡したとのこと。

3)裁判長は、元少年がグループ全体の意思決定をしていたと認定。判決の言い渡し後、「執拗に暴行を繰り返され、どれほど苦しかったか。被害者の絶望感や痛みを想像しましたか。過ちはあまりにも重大かつ深刻で取り返しがつかない」と説諭したとのこと。

こんなところですね。
事件から時間が経過してしまったせいか、報道が少ない気がします。

暴行の内容が凄惨でもはや、拷問や処刑と行っても良いほどで、無期懲役でもやむを得ないと思いますが、当時少年だったために求刑が19年になったので、判決は減刑する事なく、満額回答したという事なんでしょうね。

仲間だった人間にこれほど凄惨な暴行がなぜできるのか?と思いますが、絆で繋がった仲間では無かったということなんでしょうね。

唯一の救いは、暴行されている被害者を助けようと、通報した知人がいたということでしょう。
結果的に救出する事はできなかったのは残念です・・・

まーこれまでも数々の似たような事件がありました。
私から言えるのは「友人と恋人、結婚相手は選べ」ということですね。

亡くなった男性のご冥福をお祈りします。

犯人7名の判決状況は
(すいません、年齢は事件当時、判決時がバラバラになっています)
A)滋賀県長浜市神照町、とび職U容疑者(当時39)・・・一審判決、懲役10年

B)主犯とび職少年(当時20) ・・・一審判決、懲役19年

C)アルバイト少年(判決時19)・・・一審判決、懲役10年以上15年以下

D)無職少年(判決時19)・・・・・・一審判決、懲役5年以上10年以下の不定期刑

E)大津市の少年(判決時18)・・・・一審判決、懲役5年以上9年6月以下の不定期刑

F)大津市の少年(判決時18)・・・・一審判決、懲役6年以上12年以下の不定期刑

G)大津市の少年(判決時18)・・・・一審判決、懲役5年以上9年6月以下の不定期刑

参考リンク
福井県東尋坊少年集団暴行殺人事件その6(40歳男性の一審判決)

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