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2021/09/08

福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その6(8月10日までの報道)

続報です。
1)I容疑者から押収したスマートフォンや手帳に、A容疑者に現金を渡した日付や金額が詳細に記載されていたとのこと。
関係者によると、I容疑者は、A容疑者が見ていないときに、金額や日付だけでなく当時の状況や心境も記していたとのこと。県警は記載内容やI容疑者の供述から、架空の裁判費用などの名目で現金を繰り返し支払った経緯を把握していったとのこと。

2)現在、I容疑者は「洗脳が解けてとても苦しい」と話しているとのこと。一方、A容疑者は「I家の食事の管理は一切していない」と容疑を否認しているとのこと。

3)捜査関係者によりますと、A容疑者が取り調べに対し「I容疑者がしっかりしていないから、子どもが餓死した」と死亡は母親の責任だという趣旨の供述をしているとのこと。

4)三男は死亡する前に複数回、歩行困難などの異変が出て、I容疑者がA容疑者に伝えたにもかかわらず、A容疑者は「仮病」「寝れば治る」などと取り合わなかったとのこと。
捜査関係者らによると、三男がふらつくなどの症状が出たため、I容疑者はA容疑者に「体調が悪い」と訴えた。しかし、A容疑者は相手にせず、病院に連れて行かせなかったとのこと。
また、A容疑者は三男を名指しし、I容疑者に「一切食べさせるな」と指示していたこともわかった。三男は水だけで約10日間過ごしたこともあったとのこと。

5)三男が幼稚園に持っていく弁当は、前日の夕食を半分残したもので、19年10月ごろには幼稚園から痩せた理由を聞かれたため、A容疑者は虐待の発覚を恐れて退園させたとのこと。

長男と次男は学校給食でなんとか栄養を確保できていたが、三男が亡くなる約1カ月半前の3月初めには新型コロナウイルス感染拡大により学校が休校に。その間給食がないため家庭内の食事配分はさらに厳しくなり、三男の衰弱が進んだとみられるとのこと。

6)I容疑者によると「食品保存容器の中に詰め込まれた総菜やポテトサラダを1日で食べたら、(A容疑者に)すごく怒られた。その後、1個分を家族4人で何日かに分けて食べた」「食パンなら長男は1日3枚、次男は2枚、三男と私は半分ずつ」

7)その後の捜査で、I容疑者が「きょうも食べさせられなかったねごめんね」などと三男に向けて書いたメモが複数見つかっていた(スマホにメモが残されていた)

8)I容疑者は三男の死亡当日、三男が動かなくなった際、救急車を呼ぶより先にA容疑者に連絡していた。
I容疑者はその後、警察官に対し「床にうつ伏せに寝ていたのであおむけに戻して寝かせていた」と話し、異変には気付かなかったという趣旨の説明をしていたとのこと。
警察は、事件発覚を恐れたA容疑者がI容疑者に指示を出し、警察に説明させていた疑いがあるとみて捜査を進めているとのこと。

9)警察は、A容疑者が架空の裁判費用などの名目で、およそ1200万円を搾取し、旅行やブランド品の購入、パチンコなどに使ったとみて調べているとのこと。

10)A容疑者は、ある宗教団体の活動に熱心に参加していたとのこと。
別の報道では
I容疑者の代理人弁護士によると、A容疑者に勧められて事件当時は宗教団体に入っていたとのこと。

11)捜査関係者によりますと困窮に耐えかねたI容疑者がA容疑者に食べ物を差し入れるよう何度も懇願していたとのこと。
食事が十分にとれない中、「差し入れはないの?」というI容疑者にA容疑者は「ないよ」と答えることがあったとのこと。

12)捜査関係者によりますと、三男は病院に搬送される際、ヒトの活動に必要なエネルギーである血糖値が3mg/dlしかなかったとのこと。
医師によりますと、幼児の一般的な血糖値は空腹時で60mg/dl以上で、意識障害や体のまひなど後遺症のおそれがある「低血糖」の状態では40mg/dl以下だとのこと。これを下回るにつれ、命に危険が及ぶ可能性が高まりますが、三男の血糖値はさらに10分の1以下だったとのこと。

13)捜査関係者によると三男は亡くなる前の月、あわせて15日以上一切食事を与えられていなかったとのこと。

14)三男の祖母によると、昨年3月、I被告宅の明かりが夜も消えたままの日が続き、異変を感じて同12日に児相を訪れた。「三男は食べないと死んでしまう」と訴え、様子を確認して連絡するよう依頼したとのこと。
しかし、児相から連絡はなく、電話してもプライバシーを理由に説明してくれなかったとのこと。同31日、児相を再度訪問。「元気かだけでも教えて」「どうか孫は生かしてください」と求めたが、「ちゃんと見守りをしていきます」と回答されたとのこと。三男は、それから約20日後に亡くなったとのこと。

15)福岡地検は3月23日、十分な食事を与えなかったとして、保護責任者遺棄致死の罪で、母親のI容疑者(39)と知人のA容疑者(48)を起訴した。

同日に発表された祖母のコメント
「児相に行ってもプライバシーを理由に何も教えてもらえませんでした。プライバシーを守りつつ子どもの命を守らないと児相の意味がありません。児相を頼らずに玄関ドアを蹴破ってでも娘や孫達を救いに行けばよかったと後悔しています」とのこと。

16)福岡県は4月23日、関係機関の対応を検証する初めての会合を開いたとのこと。

17)児童相談所や自治体の対応などを検証する県の有識者検証部会が8月6日、報告書を公表した。体重減少などの兆候があったにもかかわらず、虐待リスクの判断が不十分だったと指摘したとのこと。
報告書は、19年10月以降、町や県の福祉事務所、児相が碇被告の自宅を繰り返し訪問したり電話連絡をしたりしていたにもかかわらず、「やせている」との情報があった三男の体重を不在などで確認できず、虐待のリスクも過小評価していたと指摘。また、訪問時にA被告から「I被告は体調不良で起き上がれない」などと言われて面談もできず、親族から「家に入れず子供たちと会えない」と相談を受けていたにもかかわらず、危険を認識していなかったと結論付けたとのこと。

時系列
2011年頃(推定)A容疑者が嫁ぎ先で借金を作り失踪、その後、篠栗町で再婚
2016年04月 二人が出会う
2018年05月 I容疑者に対してトラブルを捏造して示談金を要求
2018年10月 I容疑者は自由に使える現金がなくなる。
2019年05月 I容疑者が離婚
2019年06月~2020年06月まで詐欺や窃盗で現金等を搾取
2019年08月 三男の食事の量や回数を減らし始める
2019年09月 見守り対象になる
2019年秋  ガス代や家賃の滞納がはじまる
2019年10月 生活保護を申請
2020年
01月   三男が幼稚園を退園
02月   近隣住民が虐待を疑い警察に相談
03月05日 育児放棄で通告される。
03月11日 児相が家庭訪問
その後 I容疑者の親族から児相へ生存確認を相談していたが、児相は町に連絡していなかった。
03月下旬 三男が重度の低栄養状態
04月18日
18:30頃 三男が呼びかけに答えず、A容疑者に連絡
19:00過 A容疑者がI容疑者宅を訪問、三男が呼吸した事を確認して帰宅した。
22:00頃 A容疑者が「息をしていない」と再び連絡を受けて、再度訪問
22:12  A容疑者の夫が119番通報した。
23:33  三男の死亡が搬送先の病院で確認された。
その後  二人の兄弟は児相が一時保護した
その後  子供達は元夫と生活するようになる。
05月26日 A容疑者が子供を取り戻す裁判を起こすようにそそのかす
06月02日 A容疑者が架空の裁判手続きでI容疑者から葬儀代を含む現金12万を搾取
数日後  I容疑者がA容疑者の嘘に気づき、詐欺の被害届を出す
09月頃  A容疑者が3LDKで月6万5000 円のマンションに引っ越す
12月07日 A容疑者が詐欺容疑で逮捕
12月   A容疑者が詐欺容疑で起訴
2021年
03月02日 保護責任者遺棄致死で逮捕
03月03日 送検
03月23日 両容疑者を保護責任者遺棄致死で起訴

こんなところですね。
A容疑者は本当にひどい話ではあるのですが、このような人が珍しわけでは無いんですよね。
世の中にはこんな人が時々いると言う事を忘れてはいけません。
自分の周りにもいるかもしれない。そんな警戒心は忘れてほしくないですね。

事の詳細は公判で明らかとなるでしょう。
ただ、福岡県が検証をしているようですが、この教訓を今後に活かしてほしいですね。

亡くなった三男のご冥福をお祈りいたします。

続報を待ちましょう。

参考リンク
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その5(3月7日報道)
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その7(母親の一審判決)

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