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2021/10/12

大阪府摂津市3歳児熱湯虐待死事件その1

大阪府摂津市のマンションで8月、交際相手の息子だった3歳の男児に熱湯をかけて殺害した疑いが強まったとして、大阪府警は9月22日、同居していた無職の男性容疑者(23)を殺人の疑いで逮捕する事件が起きている。

男児は以前に顔にけがをしている姿も確認され、目撃者らが虐待の疑いがあるとして行政に対応を求めていたとのこと。

捜査関係者などによると、容疑者は8月31日午後、マンション5階一室の風呂場で、男児に熱湯をかけて殺害した疑いが持たれている。

男児は全身に重度のやけどを負った状態で見つかった。容疑者と交際している母親は当時外出中だったとみられるとのこと。

容疑者は同日午後5時ごろ、「3歳の男児が浴槽内にいて意識と呼吸がない」と自ら119番した。駆け付けた救急隊員が裸のままぐったりしていた男児を病院に運んだが、間もなく死亡が確認されたとのこと。

別の報道では
救急隊員が駆けつけたところ、男児はリビングで倒れていた。すでに心肺停止状態で、頭から上半身にかけて皮膚がただれており、約1時間20分後に搬送先の病院で死亡したという。当時、母親は外出中だったとみられるとのこと。

調べに対し、「熱湯を故意に浴びせていません」と容疑を否認しているとのこと。

容疑者は昨年10月に男児の母親(23)と知り合って交際を始め、今年5月から3人で同居していた。事件当時、母親は外出していたとのこと。

容疑者は当時、府警に「うんちを漏らしておしりを洗うために風呂場に連れて行った。高温のシャワーを流して温度を上げていく遊びをしていた」などと説明したとのこと。

司法解剖の結果、男児の死因は熱傷性ショックで、高温の湯を5分以上浴びていた可能性があることが判明したとのこと。

捜査一課や摂津市消防本部によると、31日午後4時50分ごろ、容疑者が「浴室内で男児の意識がない」と119番通報した。

母親の知人女性によると、母親と容疑者が交際を始めたころから男児が通っていた保育所を休む回数が増え、今年4月ごろには、男児の頰に手でたたかれたような痕を見たという。女性が理由を尋ねると母親は「彼氏がたたいた。ばれたらあかんから、保育所は休ませている」と話したとのこと。

摂津市によると、母親は今年5月、市の担当者に「(容疑者が)手を上げて(男児に)あざができてしまった」と相談したとのこと。

担当者は母親と容疑者と面談して「決して手を上げないで」と諭し、容疑者は「わかりました」とうなずいたとのこと。

母親の友人によると「日常的にたたいている姿を(見た)。蹴ったり、怒鳴ったりは日常茶飯事。摂津市の生活保護の課に(交際相手の)男を離してほしいと言いに行った。虐待があるし、このままだったら男児が死んじゃうって(伝えていた)」とのこと。

男児の母親は夫と離婚後の2018年10月、男児とともに大阪府内の別の自治体から摂津市内に転居。20年秋ごろから松原容疑者と交際し、同居を始めたのは事件の約3カ月前だったとされる。

 知人らはマンションに遊びに行った際、松原容疑者が男児を怒鳴ったり、物を投げつけたりしている姿を目撃。顔に不自然な傷を確認したこともあった。21年6月には「虐待の可能性がある」と考え、摂津市役所の家庭児童相談課に男児の一時保護を求めていた。

 市によると、母親と男児は以前から「行政による継続的な見守りが必要な母子」とされていた経緯があり、支援担当者が毎月1~2回、母親と面会を重ねていた。

容疑者は容疑を否認していて、逮捕前の警察の調べに対しては「ふざけて、お湯の温度を徐々に上げて遊んでいた」と説明していたとのこと。

また、容疑者が逮捕前「以前にも同じ遊び方をした」と警察に話していたとのこと。。

男児の母親の知人らによると、容疑者は事件の数日後、知人らに当時の状況について「シャワーの温度は38度から上げ、最後は60度にした。その後、リビングでたばこを吸っていたら、男児が意識を失っていた」などと話していたとのこと。

母親の知人によると「『最初は38度のお湯を出して、男児がお風呂を出たり入ったり、キッチンとお風呂を出たり入ったりして、遊んでいた』と言っていて、けれど、だんだん男児が中におるのを確認しながら、『(浴室に)行く度に60度まで徐々に上げていった』って言ったんですよ。夏やのに『(浴室を)温めよう』として、お湯を出してたと。このくそ暑い8月に」

通報を受けた摂津市は、面会した母親から『問題はない』と回答され、児童相談所とも話したうえで「緊急性は高くない」と判断。男児にも目立った傷がなく、一時保護などの措置は取らなかったとのこと。

府警捜査1課によると、男児の遺体を司法解剖した結果、やけどは全身の広範囲に及び、上半身を中心に皮膚がただれていた。死因は重度のやけどに伴う熱傷性ショックで、熱湯を10分近くかけ続けられた可能性が高いことが判明。男児の遺体の状況から、熱湯をよけようとした形跡がなかったことも分かったとのこと。

一方の容疑者の体には熱湯を浴びたようなやけどの痕は見つからなかった。現場マンションの給湯器は台所にあるパネルで温度調節が可能で、37度から75度まで設定できるタイプ。府警は容疑者が男児の体を何らかの方法で固定し、自らの身を守りながら熱湯をかけ続けていた可能性もあるとみているとのこと。

事件の前、摂津市には複数回虐待を疑う通報が寄せられ、6月には母親の知人から「このままだと死んでしまう」と通報していた。

しかし市は、その後、容疑者への確認を一度もしていなかったとのこと。

(摂津市次世代育成部部長)「(Q交際相手に確認しなかったのはなぜ?)引き続き、子どもさん(男児)については、保育所等にも日々通われていた。お母さんからの説明を受けておりました」。

摂津市は、母親と連絡が取れていることなどを理由に「緊急性はない」と判断。

母親との面談の頻度は?
【摂津市次世代育成部】
「最近でいうと月2回以上のペースかな。心配ごとありませんか?とか、何か気になることありませんか?とか、直接交際相手からの暴力はありませんか?とか。その時々に必要な判断をして、子どもさんの生存確認と言いますか、そういうことも含めた対応をし継続した」とのこと。

容疑者が同居していることも把握しておらず、警察への通報はしていなかったとのこと。

母親とは、今年6月に第三者の通報があった日の前日にも市の担当者が面談をしてる。しかし、その時は特に変わった様子はなかったとのこと。第三者からの通報があった後も市の担当者が母親に電話をしましたが、『心当たりも心配事もない』と言っていたとのこと。

近隣住民の証言
「救急車が来る30分前ぐらいに『ぎゃあーっ』という声が2回ぐらい聞こえました。それまでも母親が叱るような声は聞いたことがありましたが、あの時の声はそれとは全然違った。驚いたとか怒られた時のような声ではなくて、痛みから出ざるをえないような、大きな“叫び声”だったんです。」とのこと。

通報は計4回
摂津市によると、最初は去年1月。男児が通っている保育所から、「あざやたんこぶがある」と報告があり、母親と面談。

しかし「思い当たる節が無い」と話したため、子供の行動に気を配るよう指導したとのこと。

今年4月、保育所から虐待が疑われる2度目の報告がありましたが、対応は指導のみ。

3度目は母親が相談。家庭訪問を行い、容疑者に対し指導し、本人も「分かりました」と話したとのこと。

心配した母親の知人は今年6月に報告。

市は情報提供についてはその都度、府吹田子ども家庭センター(児童相談所)に伝えていたという。市は「命が救えなかったことはしっかりと受け止めなければいけない」としつつ、「その時その時、適切な対応をしていた」としているとのこと。

対応を任されていたとされる吹田子ども家庭センターの児童相談所担当者は「『一時保護を検討してほしい』とか、『児相も一緒になってやっていただきたい』とか、(市からの要請は)残念ながらありませんでした」と説明したとのこと。

大阪府警は9月24日午前、男児の母親の交際相手で無職の男性容疑者(23)を殺人容疑で送検した。

容疑者と知人の会話(音声データ)
容疑者「『XXちゃん』って、リビングから呼んだんですよ。返事みたいなのがなかったから、急いで見に行って、浴室を開けたら、XXちゃんが浴槽じゃない方の床にうつぶせになってて」
知人「まず泣けへんかった? 声出さへんかった?」
容疑者「そこが、ほんまに聞こえてなくて」
知人「浴槽の扉は開いてる?」
容疑者「開いてます」

(母親の知人)
「(容疑者は)タバコ吸ったり色々してたと、リビングの方で。そしたら男児の返事が聞こえなくなったから、見に行ったら、体洗う所でうつ伏せ状態で、あわてて(母親に)電話をかけたと」

現場マンションにある給湯器は、水温を75度まで設定できるパネルが台所にあるが、3歳児の身長では届かない位置にある。事件直後に、府警がパネルの設定温度を確認した際は40度程度になっていたとのこと。

捜査関係者によると、警察が複数の医師に所見を求めたところ、男児はやけどを負ってからすぐに死亡した可能性は低いことがわかったとのこと。

容疑者が、やけどを負った桜利斗ちゃんを浴室からリビングに運んだあと数時間にわたって放置し、死亡させたとみているとのこと。

関係者によると、男児は8月25日以降、新型コロナウイルスの影響で保育園のクラスが閉鎖され登園していなかった。その後は自宅で過ごしていたとみられるとのこと。

捜査関係者によると、容疑者は救急隊が到着するまでの間、「男児の体を冷やした」と説明していたが、現場から体を冷やせるようなものは見つからなかったとのこと。

また、容疑者は事件の後、男児の母親の知人に同じ様な説明をしていたとのこと。

母親の知人女性「(救急隊員が容疑者に)『冷やすものありますか』と(電話で)話して、冷蔵庫のお茶のペットボトルを(男児の)体の上に置いたりして、『その時は心臓が動いていた』と言い出して」

捜査関係者によると、容疑者からの119番を受けた救急隊員が、裸の男児がリビングで倒れているのを発見。すでに心肺停止の状態で、死後硬直が始まっていたとみられるとのこと。

捜査関係者によると、男児の死因は全身の広範囲に及んだやけどに伴う熱傷性ショックで、特に頭部から上半身にかけての皮膚のただれが激しくなっていたとのこと。

容疑者が、事件から1週間後、母親の知人に次のように説明していたことがわかった。

容疑者「(救急隊が)到着したのが、(午後)4時50分くらい。(男児がやけどしたのは?)たぶん、10~15分ぐらい前」

市と児童相談所が事件約1か月前に男児の家庭について「第三者からの暴力を止められないネグレクト(育児放棄)」と判定していたことがわかった。その後も一時保護などの対応は取られず、従来通りの見守りが継続されていたとのこと。

市は7月16日、府吹田子ども家庭センター(児相)職員らと虐待が疑われる個別事案の対応を協議する会議で経緯を報告。市は、暴力を止められなかった母親の対応は、「ネグレクト」にあたると判断したと説明したとのこと。

摂津市職員との面談で母親は。虐待の事実はないと、知人たちの証言をくつがえすようなことを話した。同居していたにもかかわらず、容疑者について「週に1、2回来ている」とも説明したとされる。市は「たまに来る交際相手」と認識。「同居の実態は確認できず、(恒常的な)暴行の形跡もない」と判断したとのこと。

市長は9月28日に記者会見し、「男児の命を救えなかったことを重く受け止めている。児相に『(一時保護を含め)担当してくれ』ともっと強く言えなかったかとの思いはある」と説明。大阪府に設置される検証部会に協力するとともに、市も対応の是非について内部で調査する考えを明らかにしたとのこと。

市長は、担当者が91回にわたって母親との面談を重ねてきたとし、「自治体の役割の中でしっかりと取り組んできた」と釈明。「細心の注意を払って見守ってきたが、一時保護に至るまでの確証が得られなかった」とし、「なぜ児相に介入を強く求めなかったのかと私も思う」と悔やんだとのこと。

市などによると、今年4月28日、保育所の職員が男児の頭頂部にたんこぶを見つけた。市は母親に尋ねたが、「原因はわからない」との回答だったという。5月6日には母親から「容疑者が男児をたたいた」と相談があり、保育所が同11日に左耳付近にあざを確認した。

府のアセスメントシートの記入要領によると、たんこぶのような「原因不明の打撲傷」は、身体的虐待の疑いもありうるとみて、「重症度を判断」とされている。また「首から上における複数の打撲傷」は「最重度に該当する」との注記もある。

市は府と5月21日に開いた会議で、たんこぶについては「養育者の監護が不十分なため、けがが多い」とし、男児が自らぶつけたとの評価案を示し、府も了承した。あざもたんこぶとは関係がない単発のけがととらえ、「第三者からの身体的虐待の放置」と位置づけたとのこと。

市幹部は、昨年1月にも保育所が男児の頭にたんこぶを見つけ、母親が「目を離したすきに転んだと思う」と答えたことを踏まえたとし、「男児が自分でどこかにぶつけたのだろうと推測した」と説明したとのこと。

時系列
2018年
10月   母親が離婚後に男児と摂津市内に転居
2020年
01月   男児の保育所から報告
10月   容疑者が男児の母親と知り合い交際を始める
2021年
04月   男児の保育所から2度目の報告
05月   容疑者が3人で同居を始める
05月   母親が摂津市に容疑者が手を上げると相談(3度目の報告)
06月   知人が摂津市に男児の一時保護を求める(4度目の報告)
07月16日 市は母親はネグレクトにあたると判断したと会議で報告
08月31日
16:50頃 容疑者が119番通報
駆けつけた救急隊員が男児を搬送した。
18:10頃 男児の死亡が確認された。
09月22日 容疑者を殺人容疑で逮捕
09月24日 容疑者を殺人容疑で送検

こんなところですね。
こんな事件を見るたびに、無力だと痛感します。
こぼれ落ちていく小さな命を救えない事がやるせない。

市や児相の対応の問題の有無については検証委員会が出す答えを待つとして、我々にできる事を考えたいですね。

まずは、シングルマザーの方に知って欲しいのは、若い男と子供が二人だけになった時に事件が起きやすいと言う事ですね。
もちろん、ケースバイケースで誰でもそうなるわけは無いのですが・・・

事前に兆候としての身体的な虐待があるような場合は、警戒する必要がありますね。

一言で言ってしまえば、いつも書いている事ですが「交際相手は選べ」と言う事ですね。
子供の父親になれる男性なのか?を良く吟味して欲しいです。

そして、この事件ではどうかわかりませんが、母親が交際相手の虐待を隠蔽しようとする事も時々起きますね。
そんな時は周囲の人間が通報するしか方法がありません。
気付いたら躊躇無く、通報しましょう。
理由も無く保育園や幼稚園を休むなんてのは要注意です。
その意味ではコロナによる休校や休園などは盲点になるかもしれませんね。

亡くなった男児のご冥福をお祈りします。
今度生まれてくるときは普通の家に生まれて欲しいですね。

続報を待ちましょう

参考リンク

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