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2021/11/29

栃木県塩谷町ひきこもり殺人事件その2(一審判決)

一審判決は懲役14年(求刑懲役18年)

***起訴(2020年06月19日)***
宇都宮地検は19日、殺人罪などで塩谷町玉生の無職、男性容疑者(21)を起訴した。

宇都宮地検は逮捕後に鑑定留置を実施。精神鑑定の結果、刑事責任能力を問えると判断したとのこと。

***初公判(2021年11月19日)***
1)男は「2人に殺意はなかった」と起訴内容を否認したとのこと。

2)起訴状によりますと、被告は2019年12月、自宅で母親(当時45)の首や頭などをナイフで複数回刺して殺害し、当時17歳の弟もナイフで刺して全治2週間のけがをさせたとしているとのこと。

3)冒頭陳述で検察側は被告がひきこもり生活から自立するよう2人に言われたことに腹を立て犯行に及んだと経緯を説明し「母親の体にあった傷が少なくとも19カ所にのぼり、いずれも頭や首に集中していた」として強い殺意があったと指摘したとのこと。

4)弁護側は被告は犯行当時、急に家を出るよう言われ気が動転していたため「母親が死亡する可能性を認識できる状態ではなかった」と述べ、被告に適用されるのは殺人罪ではなく傷害致死に留まると訴えたとのこと。

***判決公判(2021年11月26日)***
1)宇都宮地裁は26日、懲役14年(求刑懲役18年)の判決を言い渡した。

2)裁判長は判決理由で「十分に殺傷能力のあるナイフで、頭や首などを複数回切りつけており、強い殺意に基づく極めて危険な犯行」と殺意を認めたとのこと。

また、引きこもり生活を続けていた被告が母や弟から自立を促され、家を追い出されるのではないかと不安を抱いたことから2人を殺傷したとして「被告を支えようとした母親には何の落ち度もない。厳しい非難に値する」と指摘したとのこと。

別の報道では
「全力で頭などをナイフで狙ってきた」とする弟の供述や、19カ所の損傷があった母親の遺体の状況を挙げ「客観的に見て人が死ぬ危険性が高い行為と分かっていた」と判示したとのこと。

更に別の報道では
裁判長は強い殺意に基づく極めて危険な犯行で結果は重大、被告なりに反省をしているが殺意を否認して不合理な弁解に終始し真摯な反省の態度が見られないと述べ求刑18年に対して懲役14年の判決を言い渡したとのこと。

こんなところですね。
どんな理由か報道がほとんど無くて、見逃していました。
事件発生が2019年12月18日ですから、事件から約2年での判決ですね。
公判の情報も少なくて、結局、動機が何だったのか?と言うのがはっきりしませんね。
検察側の主張は「被告がひきこもり生活から自立するよう2人に言われたことに腹を立て犯行に及んだ」と言う事ですね。
そういえば、2010年に愛知県豊川市で引きこもりの息子がネット回線を解約された事に激高して家族4人を殺傷(内1歳女児が死亡)した事件もありましたね。

今回の事件も、引きこもり生活の中で、価値観の逆転が起きて、家族と言う存在が自分を引きこもらせる為の道具のような存在になってしまったのだろうか?

このあたりを見ると、引きこもり対策は、引きこもりの初期の段階で対応した方が良さそうな気がしますね。
時間が経過すると、「自分は引きこもっても良いのだ」と言う意識になってしまい、その後は「どうして生活を変えなきゃいけないんだ」と言う事になってしまうのではないのかな?
まー実際のところは専門家の方に伺いたいですね。

引きこもりの問題は、時間が経過すれば解決する問題ではなく、時間の経過で両親が高齢化して、別の問題を起こすことになるので、日本社会の中に沈んだ静かに眠る爆弾なのかもしれませんね。

参考リンク
栃木県塩谷町ひきこもり殺人事件

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