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2021/11/01

大阪府和泉市1歳児抗不安薬殺人事件?(逮捕送検)

大阪府和泉市の病院で昨年5月、入院中だった次女=当時(1)=に対し、治療に不要な薬物を投与したとして、大阪府警捜査1課と高石署は24日午前、母親(33)=大阪府高石市=を任意同行し、暴行の疑いで取り調べを始める事件が起きている。

次女は投与が疑われる時期の数日後に死亡。

捜査関係者によると、母親は昨年5月上旬、和泉市内の病院で、入院中の次女に何らかの方法で、薬物を摂取させた疑いが持たれているとのこと。
府警が次女の遺体を司法解剖した結果、母親に処方されていた抗不安薬の成分が検出されたとのこと。
この成分を乳幼児が大量に摂取すると、生命の危険性もあるとのこと。

次女は以前から無呼吸発作などの症状で入院を繰り返していたが、症状が安定して外泊が許された際や、病院で母親が近くにいる際に容体が急変するケースが頻発していたとのこと。

昨年2月には母親が自宅から「呼吸をしていない」と119番し、病院に搬送された。血中の酸素濃度が低下して意識がなく、以降は入院していたとのこと。

119番の約30分前には、次女の酸素濃度の異変をアラームで知らせる機器の電源が切られた形跡もあった。こうした状況から、府警は母親が次女に何らかの危害を加えた可能性があるとみて捜査していたとのこと。

捜査関係者によると、次女は生後間もない令和元年5月、無呼吸発作などの症状から大阪府南部の病院に入院。以降、母親の付き添い時や防犯カメラのない一般病棟で、原因不明の発作が起きるケースが続発したという。

不自然な容体の悪化が続いたことなどから、病院側は令和元年8月に虐待の可能性もあるとみて、管轄の児童相談所「岸和田子ども家庭センター」(同府岸和田市)に通報。同月下旬、センターは次女を一時保護したが、体に暴行の痕はなく、虐待を示す明確な状況も確認できなかったため、9月中旬に一時保護を解除した。しかし、約5カ月後の昨年2月上旬、次女は自宅で意識を失って病院に搬送、同5月に死亡した。

次女は薬物投与から間もない時期とみられる昨年5月8日に死亡した。

捜査関係者によると、母親は子供を病気にして自分に注目を集めようとする「代理ミュンヒハウゼン症候群(MSBP)」の可能性があり、府警は死亡の経緯を慎重に調べる。

逮捕容疑は昨年5月5日午前6時10分~同8日午前11時半ごろ、和泉市の大阪母子医療センターで、入院中の次女に何らかの方法で抗不安薬を投与したとしている。

薬の投与と死亡の因果関係はわかっていないとのこと。

母親は、「やっていない」と容疑を否認しているとのこと。

病院から連絡を受けた児童相談所は虐待の疑いがあるとして19年8月と昨年2月の2回にわたり、次女の入院中に母親が面会することを制限していた。2回目は死亡直前の5月6日に解除していたとのこと。

次女は昨年2月に自宅で心肺停止状態になり、母親が119番通報した。以降、脳死状態で同センターでの入院が続いていたとのこと。

薬は面会制限の解除前に投与されたとみられ、警察は母親が隠れて病院を訪れた可能性があるとみているとのこと。

大阪府高石市に住むアルバイトの33歳の母親は、去年5月、和泉市の病院で、入院中だった当時1歳の次女に対し、自らに処方されていた「抗不安薬」を投与した疑いで、逮捕、送検されたとのこと。

捜査関係者によると、次女は去年2月、心肺停止で病院に搬送されて以降、意識不明で、口から物を摂取できる状態ではなかったため、母親が自らチューブを次女の体につなぎ、薬を投与した可能性が高いとのこと。

時系列
2019年
05月   生後間もなく無呼吸発作などの症状から次女が入院
08月   病院が児相に通報、母親の面会を制限
08月下旬 次女を一時保護
09月中旬 一時保護を解除
2020年
02月   母親が119番通報。次女が搬送されたが以後入院、母親の面会を制限
05月05日06:10から08日11:30頃、抗不安薬を投与したとされる。
05月06日 母親の面会制限を解除
05月08日 次女が死亡
2021年
10月24日 母親を逮捕
10月25日 母親を送検(送検の日付が不明の為、ASKAの推定)

2021/11/03訂正
時系列の
「05月05日18:10から08日11:30頃、抗不安薬を~」を
「05月05日06:10から08日11:30頃、抗不安薬を~」に訂正

こんな事件ですが、正直なところ難しい事件になりそうです。
代理ミュンヒハウゼン症候群が疑われているのですが、証拠が無いですね。
目撃者もいない。とりあえず、事実としてあるのは、「次女の遺体を司法解剖した結果、母親に処方されていた抗不安薬の成分が検出された」と言うこれだけですね。
これだけだと、母親以外が投与した可能性が否定できないと思うんですよね。この抗不安薬が特殊な物で、日本では手に入らないとか、大阪ではこの母親にしか処方されていないと言う条件がないと、ちょっと難しい気がします。
一方で、「母親以外に犯行ができる人間はいない」と言う消去法的な論法が成立するかどうか?が鍵になるかもしれませんね。

あと、気になるのは、過去にも2008年に京都で代理ミュンヒハウゼン症候群による事件が起きているのですが、この時は1歳10ヶ月の五女にたいして殺人未遂事件が起きていたのですが、次女、三女、四女も幼くして病死しています。裁判では四女を死亡させ、三女と五女を重篤な状態にしたと認定されています。

何が言いたいかと言うと、今回の事件は次女に対する事件ですが、これが最初の事件なのか?が気になるところですね。

続報を待ちましょう。

参考リンク
京都点滴汚水殺人未遂事件

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コメント

すいません。細かいですが時系列の中の
>05月05日18:10から08日11:30頃、抗不安薬を~
は本文中の記事が正しいのであれば
>05月05日06:10から08日11:30頃、抗不安薬を~
となるかと思います。

06:10と細かな時間が開示されているのでその時間に母親が病院へ来た形跡があり、疑われているのかと推察します。
2020年5月の大阪となるとコロナによる初回の緊急事態宣言下でした。病院全体として面会や来院の制限がされていたら内緒で来院しても目立つはず・・・・と思ったら、入院している子の精神面も考慮し小児病棟では面会・同室家族証が発行され両親ならば自由に面会できるとホームページに記載がありました。病棟の出入口は不審者対策でオートロックとのこと。監視カメラもありそうです。

抗不安薬に関しては、この病院の専門性から同成分の薬剤はほぼ使われていないと考えます。面会者も当時は少なかったでしょうし、本腰を入れて調べれば投与可能な人物の絞り込みは可能だと思います。
(5月6日の面会制限解除は5月5日に唐突に自発呼吸が弱まり危篤となったためでは?ならば投与されたのは5日なのでは?と邪推しています)

小児科医師の児相通報の時点で母親へアプローチできる人がいたらあるいは結果が変わっていたかもしれないとも思います。
病院内での事件防止は参考リンクの事件のように病室内にカメラなどを設置する必要があるのでしょうか。自分が入院したらと考えると、避けたいと感じてしまいますが。

投稿: つれづれ | 2021/11/03 16:20

つれづれさん、おはようございます。
いつもご指摘ありがとうございます。
急いで書いて、見直したつもりでしたが見逃してました。

カメラの話はつれづれさんのおっしゃる通り、微妙ですね。
私も入院する立場で考えると、病室にカメラは抵抗がありますね。治療に必要と言う事であれば、仕方が無いと言うあたりかなと思います。

ただ、街中の防犯カメラや、ドライブレコーダーが普及したのは事件が頻発して必要性を世の中の人が認識したからだと思うんですよね。
なので、病院内での色々な事件が増えていくと、病棟や病室にカメラを設置するのもやむを得ないと言う事になっていくかもしれませんね。

大口病院の事件も、もし病室にカメラがあれば、犯行を思いとどまったかもしれないですよね。

裁判所が逮捕状を出しているのでそれなりの根拠はあると思うのですが・・・公判でこのあたりの情報が出るんじゃないかと思いますね。

投稿: ASKA | 2021/11/06 10:01

大阪地検は11月12日、不起訴処分(起訴猶予)とした。地検は処分理由を「捜査の結果、諸状況を考慮した」とし、捜査を終結したとのこと。
「諸状況を考慮した」と言うあたりが具体的に何なのか?がわかりませんね。
まーとりあえず、この件については終結と言う事で、後は児相にお任せと言うところなんでしょうね。

投稿: ASKA | 2021/11/15 08:20

諸状況というのは不確かな状況証拠のみだったためかもしれませんね。抗不安薬成分があっても呼吸が弱まることや死亡との因果関係が明確でなかったり、投与経路を母親に構築できたのか不明だったり。

代理ミュンヒハウゼン症候群であるならば、何らかの治療介入がなされてほしいところです。

投稿: つれづれ | 2021/11/22 00:12

つれづれさん、こんばんは

そうですね、「証拠不十分」とか「嫌疑不十分」とかだとわかりやすいのですが、曖昧な表現になっているのは検察のメンツ的なところもあるのかもしれませんね。
あるいは、捜査自体が終結しているので、そもそも事件性が無いと言う事もあるのかな?
このあたりは、この後、情報が出る事は無いでしょうね。

投稿: ASKA | 2021/11/29 22:37

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