茨城県古河市介護施設殺人事件(鑑定留置まで)
長文注意
茨城県古河市仁連の介護老人保健施設「けやきの舎(いえ)」で入所男性の体内に空気を注入して殺害したとして、県警は2021年12月8日、殺人の疑いで、同施設の元職員で同市大和田、無職、女性容疑者(35)を逮捕する事件が起きている。
逮捕容疑は2020年7月6日午後0時半ごろ、同施設で、入所療養中の同所、無職、男性YSさん=当時(76)=の足の血管に、シリンジ(注射筒)を使って致死量の空気を注入し、空気塞栓症を発症させ、同1時25分ごろ、搬送先の栃木県内の病院で同症による急性循環気不全で死亡させた疑いとのこと。
捜査本部は捜査に支障があるとして、容疑者の認否を明らかにしていないとのこと。
捜査本部などによると、YSさんの足の血管に付けた点滴用チューブに、施設にあったシリンジを接続して空気を注入したとみられるとのこと。YSさんは寝たきりの状態ではなかったとのこと。
県警はYSさんが死亡後、司法解剖しており、不審な点が多かったことから医師や施設職員から話を聞くなどして捜査を進めていたとのこと。
別の報道では
県警は司法解剖したうえで、医療関係の有識者に確認した結果、死因は急性循環不全と特定したとしているとのこと。
容疑者は同施設に2020年4月下旬ごろから勤務。YSさんが亡くなった7月6日の勤務を最後に自主退職していたとのこと。
容疑者は2021年11月21日に牛肉など11点を万引したとして、窃盗容疑で現行犯逮捕され、起訴されていたとのこと。
殺害されたYSさんが利用していた施設は2008年に開所。2階建てで、要介護1~5に認定された主に80~90代の高齢者が、長期・短期入所やデイケアで利用しているとのこと。
捜査本部や施設関係者によると、入所者用のベッド(定員100床)は約9割が埋まり、デイケアも1日当たり100人以上が利用。事件当時もほぼ満床状態だった。入所者は主に4人部屋を利用し、YSさんは1階に入居していたとのこと。
YSさんは事件当時、4人部屋のベッドで点滴を受けていた。寝たきりなどではなく、命に危険がある状態ではなかった。容体の急変に別の職員が気づいたが、救急隊が駆けつけた時には心肺停止の状態だったとのこと。
県警によると、施設では看護師が点滴を行うことになっており、本来なら、容疑者がシリンジを扱うことはないとのこと。YSさんとのトラブルなどは、現時点で確認されていないとのこと。
容疑者が事件当時、不審な動きをしていたと同僚職員が証言したことなどから、関与が浮上したとのこと。
容疑者は看護師の資格を持ち、他の病院での勤務経験もあったが、同施設では医療行為に携わっていなかったとのこと。事件の翌日以降は出勤しておらず、自己退職したとのこと。
施設では、注射器は簡単に持ち出せないよう、管理されていたとのこと。
警察は、犯行に使われた注射器について、容疑者が看護師としての知識を悪用し、外部から持ち込んだ可能性もあるとみて捜査しているとのこと。
また、施設内での、複数の入所者の不審死についても、慎重に調べを進めているとのこと。
容疑者は古河市内のスーパーで牛肉ほか11点、税込みで5000円相当を万引き。私服警備員が犯行を確認し、店を出たところで現行犯逮捕したそうです。くしくも、逮捕された11月21日は夫とみられる人物がSNSで結婚報告を行った1年後にあたるとのこと。
これまでの調べに対し、容疑者は容疑を否認しているとのこと。
捜査関係者によると、YSさんは事件当時、施設1階の4人部屋のベッドで休んでいたが、容疑者が付近で不審な動きをしていたのを同僚が目撃。同僚から問いただされると、容疑者は退勤時間前に退職し、事件の翌日以降は出勤していなかったとのこと。捜査本部によると、同僚の証言は容疑者を逮捕する根拠の一つとなっていたとのこと。
施設職員によると
「事件の日、亡くなったYSさんの部屋で、容疑者が不審な動きをしているのを見た職員がいて、その職員が本人に『何をしていたのか』と追及したとのこと。施設としても、本人から聞き取りを行ったが、事実がわからなかったため、警察に相談し、司法解剖に至った。本人はそのことがあって退職した」とのこと。
別の報道では
捜査関係者によると、容疑者が事件当日、施設内で不審な行動をしているのを同僚の職員が目撃し、別の職員が問いただしたところ、容疑者は退職を申し出て、勤務時間が終わる前にそのまま辞めたとのこと。YSさんの血圧が急激に下がったことに巡回していた職員が気づいて、YSさんは救急搬送されたが、約1時間後に死亡したとのこと。
捜査関係者によると
容疑者(35)が当時、男性の近くで注射筒(シリンジ)のピストンを押し引きしていたとみられるとのこと。
同施設が事件当時、YSさんの死亡について自治体に必要な報告をしていなかったとのこと。
県などによると、介護老人保健施設で通所、入所者が死亡するような重大な事案があった際は、事故報告を市町村や家族に伝えることを県条例で定めている。同施設からは2008年の開所以降、重大な事案は現在まで報告されていないとのこと。
逮捕された元職員の女が12月10日、検察に身柄を送られたとのこと。
捜査関係者によると、YSさんに目立った外傷はなく、ベッドのシーツが乱れるといった状況も見当たらなかったとのこと。
容疑者は事件の約2カ月後の2020年9月には婚約、4カ月後の11月に結婚したとのこと。
容疑者夫婦は2021年7月、茨城県古河市に引っ越す。
12月10日、押収したのは医療や介護関係の参考書、メモ類など約70点で、事件との関連を調べるとのこと。
「けやきの舎」利用者家族によると、施設から「おわび」と題する文書が郵送されたという。文書は12月9日付で、利用者らに「ご心配をおかけしておわびする」と陳謝した上で、「捜査中であることを踏まえ、説明は控えたい。(逮捕された)職員の退職からは運営は問題なく行われている」と説明していたとのこと。
捜査関係者によると、シリンジは鍵をかけて管理されていたものの、職員であれば持ち出せる状態だったとのこと。警察は、容疑者がシリンジをどこで入手したのかなどについて慎重に捜査しているとのこと。
捜査関係者によりますと、容疑者は15年前に看護師資格を取得し、埼玉県と栃木県で3年2か月ほど看護師として勤務した経験があったとのこと。
捜査関係者によると、県警はコンピューター断層撮影法(CT)で遺体の体内を撮影。CT画像の分析で気泡を見つけた。医療の専門家らに気泡と死亡の因果関係について意見を求めたところ、気泡は点滴などの時に血中に入る空気の量を大きく上回っていることが判明したとのこと。
このため県警は、過失ではなく故意に致死量の空気が注入されたとの見方を強め、殺人事件として捜査を進めてきたとのこと。
高校の同級生の親によると「県内では唯一、5年課程で正看護師資格の取れる学校です。学費も安価で各地から看護師志望の子が集まっていた」とのこと。
高校のクラスメイトによると容疑者は実家から電車で1時間半ほどの県立高校に通い、衛生看護科と専攻科で計5年間学んだ。成績も良かった」と振り返る。
06年に卒業すると、埼玉県や栃木県内の病院で計3年間、看護師として勤務したとのこと。
結婚当初は義父母と同居していたものの、次第に関係が悪化。2021年7月、夫とともに古河市内の2階建ての借家に引っ越したとのこと。
別の報道では
「当初は、結婚した夫の両親と暮らしていたそうです。しかし、両親の財布から現金がなくなるなどの問題が頻発。家族関係が悪くなり、結婚から半年ほどして両親と別居しているとのこと。
容疑者が事件後に新たな働き口を求めて他の施設で面接を受けていたとのこと。
面接を受けた際に施設側に対して「看護の仕事も介護の仕事もできる」などと話していたとのこと。
また、履歴書には事件現場となったかつての勤務先は書かれていなかったとのこと。
捜査関係者によると、同施設では、容疑者が勤務していた2020年4~7月に、複数の入所者の不審死が確認されているとのこと。
その後の調べで、他の入所者の死亡にも容疑者が関与した疑いが浮上し、捜査本部は裏付け捜査を急いでいるとのこと。
県警の捜査本部は12月29日、注射筒(シリンジ)で体内に空気を入れる同様の方法で別の男性も殺害したとして、殺人の疑いで、同市大和田、元施設職員、女性容疑者(36)=殺人容疑で逮捕、処分保留で釈放=を再逮捕したとのこと。
再逮捕容疑は2020年5月30日午後3時半ごろ、同施設内で、入所していた同市大山、無職、男性SKさん=当時(84)=の腕につながれた点滴チューブにシリンジを使って空気を注入し、空気塞栓(そくせん)症を発症させ、同5時15分ごろ、搬送された県内の病院で、急性循環不全で殺害した疑い。県警は容疑者の認否を明らかにしていないとのこと。
県警によると、SKさんの死亡時、容疑者は看護師として勤務していた。看護師はシリンジを持ち出せる職種だった。SKさんの容体急変前、SKさんがいる1階の4人部屋に容疑者が1人で入っていくのを施設職員が目撃していたとのこと。
SKさんは昨年3月下旬、同施設に入所。介助が一部必要だったものの、会話は可能で、容体が急変する健康状態ではなかった。死亡前はベッドに横たわり、右腕に点滴を受けていたとのこと。
SKさんは当時、病死扱いとなり、検視や司法解剖は実施していなかった。搬送先の病院で実施されたコンピューター断層撮影(CT)の記録や、その後の捜査過程で得た医療関係者の意見などを基に、体内に空気を注入された疑いが強まったとのこと。
容疑者は昨年4月下旬、施設に採用され、看護師として働き、施設運営上の理由で6月中旬、介護士に職種が変更となったとのこと。この時点ではシリンジや点滴を扱う立場ではなくなっていた。
SKさんは当時、寝たきりではなく会話もできていたが、容疑者が1人でSKさんの部屋に入る様子を同僚職員が目撃していて、直後に容体が急変していたとのこと。
2人の間にトラブルはなかったとのこと。
茨城県警捜査本部は12月30日、古河市仁連の介護老人保健施設「けやきの舎(いえ)」で2020年5月、入所中の男性=当時(84)=が体内に空気を注入され殺害された事件で、殺人の疑いで再逮捕した同市大和田、元施設職員、女性容疑者(36)=殺人容疑で逮捕、処分保留で釈放=を送検したとのこと。
SKさんの体調が急変する前、容疑者がSKさんの部屋に入っていく姿も他の職員に目撃されていた。心肺が停止したSKさんの「第一発見者」として、誰よりも早く周囲に異変を伝えていたのも容疑者だったとのこと。
SKさんが死亡した5月30日、容疑者はSKさんの担当ではなく、SKさんが入る4人部屋などがある施設内で一定の領域を担っていた。SKさんは、YSさんとは別の部屋だったとのこと。
水戸地検は2022年1月12日、殺人容疑で逮捕された同施設の元職員で同市大和田、女性容疑者(36)について、犯行時の精神状態など刑事責任能力の有無を調べる鑑定留置を開始したと発表した。期間は同日から4月22日まで。
時系列
2006年 高校を卒業、その後、3年間看護師として勤務
2020年
04月下旬頃 容疑者が現場の老人施設に看護師として勤務を始める。
05月30日
15:30頃 SKさんに空気を注入
その後、県内の病院に搬送
17:15頃 搬送先の病院で死亡
06月中旬 容疑者が介護士に職種が変更
07月06日
12:30頃 古河市の老人施設でYSに空気を注入
その後、栃木県内の病院に搬送
13:25頃 搬送先の病院で死亡
この日を最後に容疑者が自主退職する。
09月 容疑者が婚約
11月21日 容疑者の夫とみられる人物がSNSで結婚を報告
11月22日 婚姻届を提出
2021年
07月 茨城県古河市に引っ越す。
11月21日 牛肉など11点を万引きしたとして、窃盗容疑で現行犯逮捕
12月08日 殺人容疑で逮捕
12月10日 容疑者が送検、容疑者宅を家宅捜索
12月29日 SKさん殺人の容疑で再逮捕
12月30日 SKさん殺人の容疑で送検
2022年
01月12日 鑑定留置を開始、4月22日までの予定
2022/02/07 時系列の古川市2カ所を古河市に訂正(誤記です)
いばらきのものさん、ご指摘ありがとうございました。
こんな事件ですね。
病院での殺人事件というのはある種の盲点なのかもしれませんね。
死亡しても特に不審な点がなければ、検視が行われないので、事件にならない可能性が高いです。
実際に容疑者が犯行を行ったのか?は公判を待つしか無いのですが・・・一つだけ疑問があります。
容疑者は正看護師の資格を持っていたのに、2006年の卒業後に2020年4月までのざっと14年間で3年間しか看護師として働いていないのはなぜなんだろう?
調べると正看護師の平均年収は364万円で、実際の分布が多い部分はこれよりも2,30万低いようです。
一方の介護士の年収は350万前後のようです。
私の偏見だったのか、看護師の年収はもっと高いと思ってました。
看護師の場合は立場や能力によって平均よりもかなり高くもらう人がいるので、ばらつきが大きいと言うところなんでしょうね。
ただ、数字だけでみると、一般の正看護師と介護士の収入は大きく違わないので、看護師から介護士への職種変更を受け入れたのも、このあたりが理由なのかな?
話を元に戻すと、収入面に差がないので、看護師よりも介護士の方が容疑者にとっては働きやすかったのかな?
それで看護師としての勤務期間が短いと言う事なのかもしれませんね。
ただ、今回の事件が容疑者の犯行であるなら、別の理由もあるかもしれませんが・・・今の段階では判断する材料が無いですね。
あとは動機でしょうか?
大口病院の事件では、精神的につらい遺族対応を回避する為に自分の不在の時に死亡するように計画した物でした。
今回の事件では、特に生命の危機のある入所者でも無いし、手の掛かるような状態でも無い、ましてトラブルも無いと言う事なので、直接容疑者の利益に結びつく理由では無いのかもしれませんね。間接的な利益があったのかもしれませんが、このあたりは公判を待つしか無いですね。
亡くなった方のご冥福をお祈りします。
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コメント
時系列のところに古川市が2回出てきます.たぶん古河市のことだと思いますが,古川市もかつて存在したので,ご確認くださいませ.
投稿: いばらきのもの | 2022/02/07 11:26
いばらきのものさん、こんばんは
ご指摘ありがとうございます。訂正しました。
時系列部分は手打ちしていたので、誤変換していたようです。
投稿: ASKA | 2022/02/07 19:34