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2022/02/09

兵庫県神戸市ヤマト運輸女性刺殺事件その4(一審判決)

判決は懲役27年(求刑:懲役28年)です。
***初公判(1月21日)***
1)被告は「間違いありません」と起訴内容を認めたとのこと。

2)弁護側は「前日に会社から一方的かつ不当に解雇されたことが引き金となった」として情状酌量を求めたとのこと。

別の報道では
弁護側は、同被告は上司から十分な説明がないまま、一方的に解雇を通告されたと強調。動機の核心は「(同社の)不当な退職勧奨で抱いた激情と落胆」や、上司に対する恨みだったと主張したとのこと。

3)検察側は冒頭陳述で、被告は事件前日、男性従業員ともめごとを起こし、仲裁した女性に軽いけがをさせたため、同社を退職したと指摘。事件に至る経緯や動機について「退職の原因が被害者の2人にあると邪推した」とした上で「女性への恋愛感情が満たされなかったことや同僚男性への怒り」と述べたとのこと。

別の報道では
検察は冒頭陳述で「事件の前日に、男性従業員から仕事上の注意を受けて口論になった。会社から辞職をすすめられた被告はその場で応じ、辞職願を書いて帰った」などと当時の状況を説明したとのこと。

更に別の報道では
検察側は冒頭陳述で、被告は退職の原因が被害者ら2人にあると邪推したと指摘。弁護側は「不当解雇に対する恨みがあった」と述べた。被告は法廷で不遜な態度を繰り返し、検察官の冒頭陳述に「うそをつくな」とどなり、傍聴席に向かって「地獄に落ちやがれ」と暴言を吐いたとのこと。

4)被告は、裁判長に氏名や生年月日を尋ねられた際に「知らない」と繰り返したほか、冒頭陳述を朗読する検察官に「うそをつくんじゃねーよ、おらあ」と声を荒らげる場面もあったとのこと。

5)起訴状によると、被告は20年10月6日未明、同市北区山田町小部の同集配所駐車場で、従業員の女性=当時(47)=を包丁で複数回刺して殺害し、建物にいた男性従業員(61)も殺害しようとして軽傷を負わせたとされるとのこと。さらに、集配所の敷地で車を運転し、周辺の車14台や建物の壁に衝突。近くの路上で、駆け付けたパトカーに運転する車をぶつけたとして器物損壊などの罪にも問われているとのこと。

6)被告は逮捕後、神戸地検に送検される際、捜査車両の後部座席で、取材する報道陣に笑顔でピースサインを見せた。女性の遺族はコメントで「にやついていた」とし、「反省しているとは思えません」と記したとのこと。

***第2回?公判(1月26日)***
1)遺族の意見陳述
陳述によると、女性は重い障害のある娘の介護を20年以上続けていた。事件現場の集配所で早朝勤務していたのも、日中に娘と一緒に過ごす時間を確保するためだったとのこと。

夫は「とても明るく、どんなときも前向きで、大切な存在だった」と述べ、「裁判での被告のふてぶてしい態度を見ると、救いのない地獄にいるような気持ち」と厳罰を求めたとのこと。
母や妹の陳述書は代理人弁護士が代読したとのこと。

2)被告人質問
被告は同日の被告人質問で、女性の殺害を「なんとも思っていない」と供述。負傷した男性についても「(出所したら)殺す」などと述べたとのこと。

***論告求刑公判(1月27日)***
1)検察側は、被害者女性への一方的な恋愛感情が満たされずに及んだ危険かつ執拗な犯行だとして、懲役28年を求刑したとのこと。

別の報道では
検察は、「犯行は計画的、執拗で、強い殺意に基づく。反省の態度も認められない」と非難し、懲役28年を求刑したとのこと。

更に別の報道では
論告で検察側は「危険かつ執拗で強い殺意に基づく、計画的な犯行だった」などと指摘。被害者に落ち度は全くないとした上で、被告について「事件関係者への言動を鑑みると、反省は認められない」としたとのこと。

2)最終陳述
被告は「俺の体の中には11の神が宿っている。俺を裁けば世界が変わる」などと述べたとのこと。

別の報道では
最終意見陳述で被告は「事件は一方的な解雇から始まりました」などと話したとのこと。

3)弁護側は「不当な解雇による怨恨、退社に至る会社の対応が、不満や誤解を生んだ」として、懲役17年が相当と主張したとのこと。

別の報道では
弁護側は「事件前日の不当解雇で、大好きだったヤマト運輸の仕事を奪われたことが動機」と主張。「被告は被害者2人が上司と結託して退職させる口実をつくったという猜疑心が生まれ、殺害と集配所の破壊を決意した」と述べたとのこと。

***判決公判(2月3日)***
1)裁判長は「執拗かつ残忍な犯行。計画性の高さも顕著」と、懲役27年(求刑懲役28年)の判決を言い渡したとのこと。

2)裁判長は「被告は、被害者2人が結託して辞めさせるように仕向けたと思い込んだ」と認定。被告が女性に恋愛感情を持っていたとし、「愛情の裏返しとしての憎しみ」から殺害を決意したと判断したとのこと。

その上で「実際には結託はなく、被害者には何ら落ち度はない」と強調。退職時の上司の不適切な対応を受けて、被告が怒りや女性への不信感を募らせた点は認めつつも、「殺害という重大な決意には大きな飛躍があり、酌量すべき程度は小さい」としたとのこと。

別の報道では
判決理由で裁判長は動機について、「被害者女性に対する恋愛感情の裏返しとしての憎しみや、もともと抱いていた男性に対する不満が動機と考えるのが合理的だ」としたとのこと。

その上で、被告が事前に包丁を購入し、被害者女性を待ち伏せするなどしたことから、計画性の高さを指摘。犯行態様については「無防備な被害者女性を刃物で17回も突き刺すなどしており、強固な殺意に基づく執拗かつ残忍な犯行だ」と述べたとのこと。

更に別の報道では
「退社手続きの際、会社側に不適切な点もあった」として、被告に懲役27年を言い渡したとのこと。

3)判決言い渡し後、被告は「死刑にしてくれたらよかった。喜んで死んでやる」などと発言したとのこと。

4)判決で裁判長は「殺人を『何とも思わない』と述べるなど、被告に反省の態度は見られない」と指摘した後、「自分の罪を受け止めるようになってほしい」と説諭したとのこと。被告は「何のことかさっぱりだ」と応じたとのこと。

5)遺族が判決後、弁護士を通じてコメントを公表し、「(被告の)反省のない態度で最後の最後まで心を乱され、えぐられた」としたとのこと。

「求刑に近い判決であり、違和感はなかった」とする一方、「判決が出ても本人が帰ってくるわけではない」苦悩に満ちた裁判を終え、「今はただただ、亡くなった本人に会いたい。ゆっくりと裁判の報告をしてあげたい」とのこと。

こんなところですね。
事件の発生が2020年10月6日、事件から1年3ヶ月ぐらいは経過しているのですが、被告は罪に向き合っているわけでは無いようですね。
大抵の人間は裁判では罪を軽くしようとして心にも無い反省の言葉を口にするのですが、この被告はまったくそんなそぶりもなく、事件当時と同じく、自暴自棄な気持ちのままなんだなと感じました。

短気な人でも、時間が経過すれば怒りは静まり、それなりの思考をすると思うのですが、1年を経過しても怒りのボルテージは高い状態を維持しているようです。
このあたりは、本人の性格とか人格による物なんでしょうね。

この性格が事件の原因に直結しているのかもしれませんね。
この頑な性格のせいで、おそらく荷物の扱いが乱暴だった事を日常的に被害者男性に注意されていて、日頃から小さな鬱憤が蓄積されていたんでしょうね。
このあたりの気持ちはわからなくもないけど、仕事で毎日やっている事なのだから、注意されないように直す事もできたはずなんですよね。
その方がお互い毎日、顔を合わせているのだから、気持ちよく仕事ができるはずなんですよ。しかも、おそらくは、自分の仕事ぶりが自分の評価にも直結すると言うのは、普通は理解しているでしょう?

なので、ほとんどの人は、本音でどう思っているかは別にしても、表面上は良好な関係を築こうとすると思います。
その方がいろいろな意味で自分にメリットがありますからね。

精神鑑定が無かったので、詳しい事はわからないのですが、私の印象としては、被告はこれまで人から評価されたり、信頼されたりされた事が無いのかな?と感じています。その為、職場の人間関係を作って、長く仕事をしようと言う意識が弱いように感じますね。

それが、職場の同僚や上司の注意を受け入れない事に繋がってしまったのではないか?と推測しています。

で、そんな人間を職場の管理職としては無視できなくなり、職場のトラブル(暴力事件)をきっかけに退職勧奨すると言う動きになるのも、会社としてはやむを得ないところなんでしょうね。

ただ、これまでなら、被告は退職して、別の職場に再就職をしていくと言う流れで終わったのでしょうが、ここでは、なぜか殺人事件になってしまうんですよね。

退職勧奨までの流れが被告人にとって「ハメられた」と感じるような理不尽な物(裁判では会社側の不適切な点としている部分)に怒りが高まったとしても、それだけでは説明できない気がします。

そこを埋めるピースとして「被害者女性に対する恋愛感情」が出てきて、結局、被告人にとっては「裏切り」と言う意識になってしまうんでしょうね。
「好意を寄せる女性に裏切られた」と感じて、好意が憎悪に逆転してしまったんでしょうね。

ただ、それでも、私としてはこの事件を起こすには、まだ足りない物があるような気がしています。

で、最初に戻って「性格」の問題で、少し精神的に未成熟なのではないか?と疑っています。

加えて、最後のピースはそもそも、自分の人生に生きる価値を見いだせていないのではないか?
つまり、「こんな最低の人生ならいつでも終わらせて良い」と以前から考えていたのではないだろうか?
多分、これが一番大きな要因だったのではないか?と推測しています。

一つ一つの理由だけでは、殺人事件を起こすほどの理由には成らなかったと思うのだけど、それが複数同時に起きた事で、殺人事件が起きてしまった。

これらの事から、この事件を防ぐには?と考えると、個々の理由を排除する(成立しないようにする)事ができれば良いわけなのですが、ちょっと難しいのかな?と言う印象がありますね。

と言うのも、どれも、一日や二日でそうなった物じゃないんですよね。
被告人は47歳なので、47年間の積み重ねの結果、そうなったわけで、おそらく、被告本人もなぜ、今の自分になってしまったのか?その理由はわからないのではないかな?

なので、もっと早い段階の10代、20代の時に「何かをしておくべきだった」のではないか?と思うのですが、「その何か?」が何なのかは具体的にはわからないですね。
一言で言えば「充実した人生を歩む為の何か?」なんですが、それを考えるには情報が圧倒的に不足しています。

まーいずれにせよ、人生は若いときからの積み重ねなので、若いときから「ちゃんと生きないといけないね」と言う事なんでしょうね。

一方の被害者女性については、全くの不運としか言い様がないです。
たまたま、人生の交差点で被告とすれ違った為に起きた事故のような物で、さぞ無念だったと思います。

亡くなった女性のご冥福をお祈りします。

参考リンク
兵庫県神戸市ヤマト運輸女性刺殺事件その3(続報)

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コメント

最近、一方的に好意を持たれて、理不尽な目に遭う本人や家族が犠牲になる事件が多過ぎますよね。変な人間に好意を持たれると本当に人生を狂わされる位、厄介でしょうが、だからと言って嫌な人間と好意を持たれたからと付き合うなんて出来る訳は無いですし、突き放しても、そこまで殺る人物かも見抜けないでしょうから、こればかりは防ぎようが無い本当に厄介な問題に思いますね。

投稿: 天井しる子 | 2022/02/19 19:30

天井しる子さん、こんにちは

おっしゃる通り、やっかいな事件ですよね。
まー昔から、男女交際のもつれによる事件はあったのですが、最近は一方的な思い込みで起きる事件が多くなったような気がしますね。
時代が変わったと言えばそれまでかもしれませんが、何が変わったのか?それとも変わらないのか?知りたい気はしますね。

投稿: ASKA | 2022/03/27 13:22

被告(47)は、懲役27年を言い渡した一審神戸地裁判決を不服として控訴した。
控訴は2月16日付。2月17日が期限だったとのこと。

投稿: ASKA | 2022/03/27 13:24

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