« 2022年2月 | トップページ | 2022年4月 »

2022/03/27

愛知県弥富市中3男子殺害事件その2(保護処分決定)

***鑑定留置終了(22年3月10日)
生徒は3月10日から2週間、観護措置が取られ、この期間中に少年審判が開かれる見通しとのこと。

***少年審判(22年3月23日)***
名古屋家裁は23日、殺人と銃刀法違反の非行内容で送致された同学年の少年(15)を、第1種少年院送致とする保護処分を決定したとのこと。

1)少年審判では、事件の動機について、「生徒は修学旅行にスマートフォンを持ち込んだことを周囲に告げ口をされたのではないかと思い、強い疎外感を感じていた」などとした上で、「被害者が楽しそうな様子でいるのを見て怒りが湧いた」などと指摘したとのこと。

別の報道では
男子生徒の動機について「進路で不安感を強めるなどしていた上で、かねてより嫌っていた男子生徒を殺して捕まれば、辛い現状から切り離されると考えた」と指摘したとのこと。

2)「事件当時14歳という年齢などから少年院での矯正教育が相当」などとして第一種少年院に送致することを決定したとのこと。

期間については、「5年程度の相当長期間を要する」としているとのこと。

別の報道では
理由について名古屋家裁は、鑑定の結果、少年には他人の行動の理由を読み取ったり、行動を抑制したりする力に乏しいなどの特徴を持つ発達障害の一つ「自閉スペクトラム症」の影響があると認定しながらも、「理不尽かつ身勝手な動機で尊い命を奪ったことは強い非難を免れない」と指摘したとのこと。

一方で、「必ずしも深い非行性に基づくものではなく、犯行当時14歳という年齢を考えると、少年院での矯正教育が相当」としたとのこと。

第一種少年院は、「心身に著しい障害がない」少年らを対象にしていて、「犯罪的傾向が進んだ」少年らを対象にする第二種と区分されているとのこと。

こんなところですね。
動機が何だろうとは思っていたのですが、一言で言えば、「八つ当たりの現実逃避」と言うあたりでしょうか。
で、その原因の一つが、発達障害ですね。

問題はここですね。
この診断はいつ出たものなのだろうか?
何が言いたいかと言うと、この診断が事件の以前に出ているのであれば、学校を含めて少年をケアする事ができたのではないか?
そうすれば、この事件は起きなかったのではないか?と言う事です。

診断の時期が報道されていないのですが、私の推測では鑑定留置の精神鑑定の中で診断されたのではないか?と考えています。
元々、知能に影響が無い発達障害は、家族でも発見が難しいですから、もし、既に診断されていたのであれば、必要な治療やケアがされていたのではないか?と思うわけです。

もしそうであれば、この少年にも同情できる部分はありますね。
多分、なぜ、自分がそう考えてしまうのか?そう感じてしまうのか?と言う理由がわからないまま、疎外感を強めて、自分で負のスパイラルに落ち込んでいってしまったんでしょうね。

その一方で、知能には問題が無いので、善悪の判断はできたはずです。
で、審判でも指摘されているとおり「理不尽かつ身勝手な動機で尊い命を奪ったことは強い非難を免れない」となるわけですね。

この事件は防げそうで、考えると防ぐのが難しい事件のようです。
おそらく、加害少年が発達障害であると周囲が知って、接していればこの事件は防げたと思うのですが・・・・そもそも、誰もその事を知らないので、防げないんですよね。
なので、例えば、小学校の高学年になるあたりで、健康診断の一部として、問診などでのスクリーニングして、その後、希望する子供には更に詳細な診断を受けさせるみたいな形で、発見していくと言う方法が考えられるけど・・・これはこれで、難しい面がありそうな気がします。
これは、個人情報の機微情報にあたるので、学校での扱いが難しいような気もしますが・・・
もっとも、既に学校では特別支援クラスがあるからそちらと同じ運用でいけそうな気もしますが・・・生徒にも知らせないといけないので、それが理由で「いじめ」などに繋がらないか?と言う心配もありますね。

そう考えると、むしろ本人よりも周囲の人間に高い道徳感や人間性を求められると言うのがこの事件を防ぐ事が難しい理由なのかもしれませんね。

その一方で、一般社会ではどうなのか?と考えてみるですが・・・
私の感覚だと100人もいる職場や会社などでは、1人や2人は「おや?」と思う人がいるんですよね。
付き合いが長くなれば、「この人はこういう人だからこうしよう」的な対応マニュアルが周囲の各個人の中に出来てきて、その結果、周囲と調和できるようになると思うんですよね。
相性などで職場異動などもあるかもしれませんが、適材適所と言う感じになっていくと、私は感じています。
その意味では、一般社会ではなんとかうまく対応しているけど、この事件は中学生で周囲も本人も未熟だったから、重大な結果になってしまったと言う見方もできるかもしれませんね。

ただし、学校の対応に問題が無かったのか?と言うのはまた、別の話になると思います。
加害少年は「いじめ被害」を訴えていたので、学校側は指導などもしていたけど、そこでもう1歩踏み込めなかったか?と言うのが微妙な感じです。
実際は「いじめ」らしい事は無かったのでしょうが、そこでなぜ、加害少年はいじめを訴えるのか?と言うところまで考える事ができたら、もう少し展開は違ったかもしれませんね。
とは言え、「いじめ」が無くて「指導」もしているので、それで終了と言うのもやむを得ないかもしれませんね。
なので、スクールカウンセラーなどもっと専門的な人が関わる仕組みがあれば、良かったのかもしれませんね。

「八つ当たりの現実逃避」で若い命を奪われた被害者とご遺族が気の毒でなりません。
「事件は常に理不尽」だと改めて思い知らされた事件です。
亡くなられた少年のご冥福をお祈りします。

参考リンク
愛知県弥富市中3男子殺害事件(鑑定留置まで)

| | コメント (0)

2022/03/21

新潟県新潟市西区小2女児殺害事件その11(控訴審判決)

長かった控訴審が終わりました。
判決は一審「無期懲役」を支持、検察側、弁護側の控訴を棄却です。

***控訴審初公判(20年9月24日)***
1)控訴審が9月24日、東京高裁で始まりました。

2)検察側は死刑を主張。
検察側は、一審で事実全体の悪質性について正しく評価していないとして、一審と同じく、「極刑をもって臨むほかないことは明らか」と死刑を求めたとのこと。

3)弁護側は有期懲役に減刑するよう求めたとのこと。
弁護側は、一審で殺意を認定したのは事実誤認として有期懲役に減刑するよう求めたとのこと。

***控訴審第二回公判(21年3月1日)***
検察側証人尋問(リモートでの出廷)
司法解剖にあたった医師
1)一審判決で新潟地裁は、被告が女の子の首を絞めた時間について、「時間の認定はできない」としていた。

これについて、医師は証人尋問で「一審判決には法医学的に誤りがある」として、「少なくとも3分以上、あるいは4分以上首を絞めた」と改めて証言したとのこと。

***控訴審第五回公判(21年9月30日)***
被告人質問
女児の父親
被告は冒頭で立ち上がり、検察官の横に座る被害者参加代理人や遺族に向かって深々とお辞儀をしながら「このたびは私の身勝手で、巻き込んでしまい、癒えることのない深い傷を残して申し訳ありません!」と謝罪したとのこと。

Q:事件からの3年半、被告やその家族から一度も謝罪の言葉などがなかったことを明かし「本当に償いの気持ちがあるのか」と訴えたとのこと。

Q:1審が終わって2年が経過するが謝罪文が届かないことについて
A:「もっといいものが書けると弁護士に言われ続けていて、届けることができていません」と答えたとのこと。

事件にかかる損害賠償で被告に約8000万円の支払いが決定しているにもかかわらず、一度も支払いに応じていないことも明かされた。

Q:「あなたの方から何もないので、私どもで預金口座を調査したところ、あなたの口座がふたつ判明しましたが、ひとつは残高ゼロ、もうひとつが190円。口座は誰が管理しているんですか?」

A:「記憶が確かなら母です」
Q:「であれば、0円というのは、事件後に引き出して、あなたのため、自分たちのために使ったんですか?」
A:「あーえっと、そこまで私は把握していないので、急ぎ確認します」

Q:「平気で嘘をつき、反省が乏しいあなた。『被告をサポートし、共に苦しんで償う』と言いながら、何もしない、平気で嘘をつく。それがあなたの親。誰が信用すると思いますか?」
A:「おっしゃるとおりです。可及的すみやかに確認ししかるべく……」と弁解したとのこと。

弁護士から被害者の父親への謝罪を促されると「私の命に代えても一生かけて謝罪をし、償い続けていきます。申し訳ありませんでした。」と謝罪し、土下座をしたとのこと。

また父親は「事件当日は偶然、通学路で女の子を見付けたのではなく、本当は待ち伏せしていたのではないか」と犯行の計画性についても追及したとのこと。これについて被告は「自分としてはよく使う道だった」と否定したとのこと。

この日の法廷では、控訴審で争点となっている強制わいせつ致死罪が成立するかどうかという点について、被告が逮捕後に受けた取り調べの映像が証拠として流されたとのこと。

被告は捜査段階で認めたわいせつ行為について、公判では一転して否認している。これについては「取調官に動かない証拠があると言われ、本当は覚えていなかったのに合わせてしまった」と説明したとのこと。

裁判長から今回の事件の原因について聞かれると、被告は「人を人として扱うことがあまりにも低すぎるのが原因だと思います」と答えたとのこと。

***控訴審論告求刑公判(だと思う)(21年12月16日)***
女児の母親の意見陳述
「娘を返してほしい」と述べ、「被告は娘が受けたものと同じだけの苦痛を受けるべきである」と訴えたとのこと。

別の報道では
母親は、被告が事件直前にも別の女子中学生に対するわいせつ事件で書類送検されていたことを挙げ、「人を人と思っておらず、欲望のままに娘を餌食にした」と非難したとのこと。

女児の父親の意見陳述
父親は、数日前に被告から謝罪文が届いていたことを明らかにしました。謝罪文には「私は加害者として女の子の最後を覚えています。顔や声を覚えています。女の子の最後の姿こそが私の罪なのです」と書いてあったとのこと。

父親は「内容が全く理解できない」と話し、前回の公判で被告が行った土下座や今回の謝罪文はパフォーマンスであるとして、死刑が相当だと主張したとのこと。

別の報道では
父親は1審判決で犯行の計画性が否定されたことについて、被告が犯行当日に携帯電話の位置情報サービスを切り、児童の帰宅時間帯までコンビニエンスストアで待機していたと指摘。「『殺害の計画性はなかった』は無理がある」と訴えたとのこと。

検察側
「3分以上首を絞めていて殺意があったことはあきらか」とし死刑を求刑。

弁護側
「3分以上首をしめたとは認定できず、殺意があったとはいえない」として有期刑を求めました。

***控訴審判決公判(22年3月17日)***
判決は、無期懲役とした一審判決を「相当だ」と支持し、検察側と弁護側の双方の控訴を棄却したとのこと。

判決理由
1)判決は解剖医の証言などから、被告が女児の首を少なくとも3分以上絞め続けたと判断したが、検察側が主張する「強い殺意」は認めなかったとのこと。
一審判決に続き、被告の「気絶させるために首をしめた」とする説明は否定できず、「死ぬかもしれない」と認識していた程度の殺意があったとしたとのこと。

2)検察が求めた死刑についても、無期懲役が相当だとした一審判決を「是認できる」と説明したとのこと。

とっさに首を絞めたり手間がかからないという理由で遺体を線路に置いたりしていることから「犯行は場当たり的で偶発的だった」と指摘。「死刑を選択するにあたり重要な要素となる『計画性』が認められず、非難が一定程度弱まると言わざるをえない」と述べたとのこと。過去の裁判員裁判でわいせつ目的殺人の死刑判決がないことも考慮したとのこと。

別の報道では
判決理由で裁判長は、解剖医の証言から「首を絞めた時間は少なくとも3分以上だった」と認定したとのこと。「被告の行動は場当たり的で、犯行の発覚を防止することと、気絶させることは矛盾しない」と検察側の主張を退けた上で「『女児が死ぬかもしれない』という未必的な殺意にとどまるとはいえ、殺意が認められることは明らかだ」と結論づけたとのこと。

3)被告供述の信用性
被告人の捜査段階の供述は自然で、創作によるとは考えにくい具体性を有している。捜査官の誘導や教示で出るような内容ではなく、自ら身ぶり手ぶりを交えて自発的に発言しており、信用できるとのこと。

///補足///
公判のどのタイミングでの情報か明確では無いのですが
女児を殺害した後はなお性欲が収まらず死後の女児を凌辱したとの報道もありました。

こんなところですね。
3年越しの控訴審でした。途中でコロナ禍の影響が出たのかもしれませんが、3年は長いと思いますね。
事件の時から無計画な印象はあったのですが、ちょっと被告側のいい加減さが際立ちますね。
事件から3年一度も謝罪しておらず、控訴審の被告人質問で問いただされて、控訴審終盤になってやっと謝罪文を出すとか、しかもその内容が謝罪文になってないとか。
民事で賠償金判決が確定しているのに、まったく支払って無くて、口座を調べたら事件後にほぼ全額が引き出されていたとか。

反省の気持ちが無いと言うのは、一審判決で最後に裁判長が諭してましたが、まったく響いてないと言う事なんですよね。

結局のところ、「事件と向き合ってない」と言う事なんでしょうね。
無期懲役だけど、いずれ社会に復帰する時がきますよね。その時、ちゃんと社会に適応して生活できるのか?不安ではありますね。

まー被告にすれば、無期懲役でどうせ終わった人生だから何もやる気が起きないと言う無気力状態なのかもしれません。
しかし、公判では謝罪してなかった事の弁解などはしているので、まったく無関心と言うわけではなさそうですね。控訴もしてますし。

賠償金については、詳細がわからないので、一般論で言えば、この事件で加害者家族側もそれまでの生活はできなくなっていると思われます。
それまで住んでいた場所を離れて、仕事も変えて、生活するなかで経済的に困窮している可能性もあるので、その原因となった被告の預金を自分達の生活に使ったと言うのもあるのかな?とは思うんですよね。

見落としがちですが、事件が起きれば、被害者、被害者家族の人生を変えてしまうのはもちろん、犯人の家族の人生も変わってしまうんですよね。

事件を起こすと言うのはそういう事なんですよね。

続報を待ちましょう。

参考リンク
新潟県新潟市西区小2女児殺害事件その10(一審無期懲役)
加害者家族
反省させると犯罪者になります

| | コメント (4)

2022/03/13

埼玉県ふじみ野市立てこもり医師殺人事件(鑑定留置まで)

1月27日(木)午後9時ごろ、埼玉県ふじみ野市大井武蔵野の民家で、住人とみられる男が銃を発砲し、訪問したS医師(44)を人質に立てこもる事件が起きている。

県警は約11時間後、民家に突入し、殺人未遂容疑で男を逮捕したとのこと。
S医師(44)は救出されたが、銃で撃たれたとみられ死亡が確認されたとのこと。

県警によると、男は無職男性容疑者(66)。
猟銃を持っていたとみられるとのこと。
S医師らは弔問に訪れていたとのこと。

県警などによると、1月27日午後9時15分ごろ、「バンバンという音がした」と近隣住民から110番があったとのこと。
消防によると、男性理学療法士(41)が玄関先で倒れており、腹と胸を撃たれ重傷だが意識はあるとのこと。

その後、県警東入間署に別の男性(32)が「顔に催涙スプレーのようなものを掛けられた」と駆け込み、搬送されたとのこと。
この男性とS医師、理学療法士ら数人が弔問のため民家を訪れたところ、容疑者とトラブルになったとのこと。

県警の捜査員が民家の固定電話を通じて容疑者の説得に当たったところ容疑者は会話には応じ、S医師について「大丈夫だ。救出してもらいたい」と話したが、S医師と電話をかわることには応じなかったとのこと。
要求はなく、立てこもりの目的は不明とのこと。

1月28日午前8時ごろ、捜査員が突入。容疑者の身柄を確保し、逮捕したとのこと。

現場は東武東上線ふじみ野駅から南西に約2キロ離れた住宅街。

容疑者は、立てこもりのさなかに警察の説得に固定電話で応じていて、「人質は大丈夫だ」「救出してもらいたい」などと話していましたが、人質だったS医師(44)は容疑者に撃たれたとみられ、心肺停止の状態で病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されたとのこと。

人質になった医師、負傷した理学療法士や医療関係者の3人は一緒にこの民家を訪れ、事件に巻き込まれたとみられるとのこと。3人は弔問のために訪れたとの情報があるとのこと。

隣に住む男性住民(91)は2019年3月頃、現場の民家に引っ越してきた容疑者から「お袋の具合が悪くて世話をしているので、町内会などには関われない」とあいさつされたとのこと。

近隣住民らによると、容疑者は2年ほど前、現場となった民家に転居してきたとのこと。寝たきり状態に近い母親の面倒をみながら2人で暮らし、近所付き合いは少なかったとのこと。

現場となった民家の近隣に住む男性は午後9時半前、「ボン」という音を聞いて外に出ると、医療関係者とみられる男性が路上でもがきながらうずくまっていた。腹や胸の辺りに血が流れているのが見えたとのこと。

県警によると、28日朝に県警の捜査員が容疑者宅に突入した際、S医師は和室で、散弾銃で胸を撃たれた状態で倒れており、死亡が確認されたとのこと。容疑者は同じ部屋のベッドと吹き出し窓の間に隠れており、ベッドの上に散弾銃が置かれていたとのこと。

逮捕容疑は27日午後9時ごろ、殺意を持ってS医師に猟銃を発射した疑い。

同15分ごろ、「バンバンという音がした」と近隣住民から110番があり、理学療法士が玄関前で血を流して倒れていた。同25分ごろ、「顔に催涙スプレーのようなものを掛けられた」と別の男性が同署に駆け込み、病院に搬送されたとのこと。

容疑者は散弾銃を2丁所持しており、いずれも県警に届け出ていたとのこと。

警察によると容疑者は当日、理由をつけてS医師とS医師のクリニックの関係者6人を呼び出し、犯行に及んでいたとのこと。

S医師は胸を1発撃たれていて、心肺停止の状態で救急搬送されましたが、その後、死亡が確認されたとのこと。

容疑者の母親は1月26日に亡くなり、S医師が死亡確認をしていましたが、容疑者がS医師らとの間に何らかのトラブルがあり、散弾銃で撃ったとみられているとのこと。

S医師を人質に立てこもっていた和室のベッドには、26日に亡くなった容疑者の母の遺体とともに散弾銃も置かれていたとのこと。

地元医師会によると、容疑者は1人で母親を介護。昨年1月中旬ごろからS医師のクリニックの在宅医療に意見が合わず、約15回にわたり、相談を繰り返していたとのこと。

母親が亡くなる直前の1月24日にも「状態があまりよくない、食べられなくなった」とする訴えを寄せていたとのこと。

医師会によると、S医師は、ふじみ野、富士見両市と三芳町の患者約300人を担当していたとのこと。

容疑者の母親が2年前まで10年以上通った病院の関係者によると
「お母さんのことになると感情の歯止めがきかず、度々医師やスタッフにくってかかる人でした」とのこと。

県警によると、S医師は92歳になる容疑者の母親を診療し、26日に死亡確認をしていた。27日はS医師が呼び出される形で容疑者の自宅を訪れ、事件に巻き込まれたとみられるとのこと。

容疑者から(医師会に)最後に電話があったのは1月24日とのこと。
私が話を整理して、『もう1回先生と話をしてみたら』と伝えると、『そうですか、聞いてみます』と素直に答えていましたよ。激高したりする様子もなく、淡々と話していたとのこと。

容疑者の自宅からは、散弾銃が2丁押収された。いずれも、クレー射撃などの目的で、許可を得て所持していたもとのこと。

容疑者が、散弾銃を複数回発砲し、S医師は、至近距離から撃たれていたとのこと。埼玉県警は、最初から、危害を加える目的で、S医師らを呼び出した可能性もあるとみて、動機などを追及しているとのこと。

県警は1月29日、容疑を殺人に切り替えて、容疑者をさいたま地検へ送検した。当初は県警の調べに対して黙秘していたとのこと。

殺人未遂容疑で逮捕された無職、容疑者(66)が「母が死んでしまい、この先いいことはないと思った。自殺しようと思った時に、先生やクリニックの人を殺そうと考えていた」と供述しているとのこと。

司法解剖の結果、人質になっていたS医師(44)の死因は心破裂と判明。散弾銃の銃弾1発を至近距離から胸に受け即死したとみられるとのこと。
S医師の遺体は動かされておらず、倒れていた1階玄関わきの部屋で撃たれたとみられるとのこと。

容疑者は自宅に2丁の散弾銃を所持していたが、それぞれ2000年と2008年に所持が認められ、2020年11月には更新手続きを行っていたことが判明しているとのこと。

容疑者の母親は他のクリニックで受け入れを断られ、S医師のクリニックが5~6年前から母親の訪問介護などを行っていた。容疑者はスタッフに対してクレームや罵声を浴びせることがあったとのこと。

事件は寝たきりの状態だった容疑者の母親が26日午後4時ごろに死亡したことがきっかけとなったとみられる。容疑者は母親の死亡を確認したS医師らに「焼香に来てほしい」と頼み、さらに介護などに関わった在宅医療クリニックのスタッフの名前を挙げて焼香を求めたとのこと。

27日午後9時ごろ、S医師ら7人が自宅を訪れると、母親の遺体がベッドに安置された6畳間に招き入れて「心臓マッサージをしてほしい」と蘇生措置を求めたとのこと。死亡確認から1日以上たっており、S医師は丁寧に説明して応じなかったとのこと。容疑者は持ち出した散弾銃でS医師に発砲し、理学療法士の男性(41)にも発砲、医療相談員の男性に催涙スプレーをかけ、別の医療相談員にも発砲したと供述しているとのこと。

2000年に散弾銃を販売した店の店主によると
「レミントンM870。中古を買っていただいたので6万か6万5000円の銃ですよ」
店主によると、容疑者は「失業し、お金が払えなくなった」として、代金およそ6万円のうち頭金の2万円しか支払わなかったとのこと。また、捜査関係者によりますと、押収された散弾銃2丁のうち1丁はレミントン製で、2000年に届け出が出されていたとのこと。

容疑者は自宅を訪れたS医師ら2人を撃ったあと、医療相談員に向けても発砲したと供述していますが、捜査関係者によると、2人を撃ったあと催涙スプレーをかけた医療相談員に銃を奪い取られていて、別の散弾銃でもうひとりの医療相談員に向けて撃ったとみられるとのこと。

S医師が撃たれたのは1階玄関脇の部屋で、警察は容疑者があらかじめ2階の銃保管庫から散弾銃2丁を手元に準備していたとみているとのこと。

容疑者の知人によると
容疑者の生活は、本当にお母さん中心でした。お母さんに呼ばれると、話をしている最中でも、そばへ行く。日当たりの良い部屋にお母さんのベッドを置いて、心配なので自分も同じ部屋で寝ると話していたとのこと。

男が事件当日、在宅介護サービスの事業者にも電話をかけ、自宅に呼び出そうとしていたとのこと。
立てこもり事件当日の昼過ぎ。介護サービスの事業者に電話がかかってきたとのこと。
「母が死んで今までのことを謝りたい、払ってないお金を払いたい、線香だけでもあげにきてほしい」
この事業者は、かつて、母親の在宅介護のサービスを請け負っていましたが、容疑者から「寝たきりの母を歩けるようにしろ」など理不尽な要求をされたり、ものを投げつけられたりしたため、サービス継続を断っていたとのこと。

容疑者は、20年ほど前まで東京・江戸川区の都営団地で、まだ元気だった実母と2~3歳くらいの子供と同居していた。妻と思しき外国人風の女性も出入りしていたとのこと。

当時を知る住民によると
「よく借金取りが訪れて、ドアには蹴られた跡が残っていた。ある時、容疑者が“エアガンを2千円でいいから買ってくれないか”と言うので応じたら、電気代が払えると喜んでいた。いつしか子供の姿も見なくなったので、奥さんが引き取っていったのかなと思いました」とのこと。

容疑者は10年程前から埼玉県内を転々とする、地元の不動産関係者によると
「普段は日雇い仕事をやるような作業着姿で、所沢の物流会社に勤めていると……。介護中心の生活で定職に就けず、頼みは母親の年金だけと言っていたね。家賃の保証会社に40万円を滞納し、強制執行で追い出されたこともあった」とのこと。

現在の自宅は家賃月5万円ほどの借家で、母親とともに生活保護を受けていたとのこと。
付き合いのあった近所の住民によると。
「1人あたり10万円を切る程度もらっていて、ここへ来る前から生活保護を受けていたんじゃないかな。彼らは家財道具や何やら物が多い人たちで、アパートやマンションだと入りきらないから、一戸建てを借りたんだと思います。築50年弱で古いんですけどね」とのこと。

容疑者は、2丁の散弾銃を持っていたが、その後の調べで、容疑者が散弾のほかに、殺傷能力が高い別の種類の銃弾を使用した可能性があるとのこと。

S医師は、至近距離で撃たれ、弾は体を貫通していて、警察は、強い殺意があったとみて調べているとのこと。

2月18日、容疑者(66)を殺人未遂容疑で再逮捕した。
発表によると、容疑者は1月27日午後9時頃、自宅に呼び出した理学療法士の男性(41)の上半身を散弾銃で撃ち、殺害しようとした疑い。男性は重傷を負ったが、一命をとりとめた。県警幹部によると、調べに「殺意はなかった」と容疑を否認しているとのこと。

警察は容疑者の自宅から散弾銃の弾丸百数十発のほか、サバイバルナイフなど数十本を押収しているとのこと。

取り調べに対し「殺すつもりはなかった。人に向けて撃ったのは間違いない」と容疑を否認しているとのこと。

さいたま地検は容疑者の刑事責任能力を調べるため、3月3日からおよそ3か月間の鑑定留置を始めたことを明らかにしたとのこと。

時系列
2000年  1丁目の散弾銃の所持が認められる、レミントンM870を購入するが失業により、代金の一部未納
2008年  2丁目の散弾銃の所持が認められる
2012年頃 埼玉県内を転々としはじめる。
2017年頃? 容疑者の母親をS医師のクリニックで訪問介護を行う。
2019年03月頃 容疑者一家が現場住宅に転居してきた。
2020年11月 散弾銃所持許可の更新手続きを行う
2022年
01月24日 容疑者が医師会に電話で相談
01月26日
16:00頃 容疑者の母親が死亡、S医師が死亡確認
01月27日
21:15頃 「バンバンと言う音がした」と近隣住民が110番通報。
21:25頃 市入間署に男性(32)が催涙スプレーのような物を掛けられたと駆け込む
01月28日
08:00頃 捜査員が突入、容疑者を逮捕、S医師は心肺停止の状態で搬送
01月29日 容疑を殺人に変えて送検
02月18日 理学療法士への殺人未遂容疑で再逮捕
03月03日 鑑定留置を開始(3ヶ月の予定)

被害者と被害状況
S医師(44)    :死亡
理学療法士(41) :腹と胸を撃たれた重傷
医療関係男性(32):顔に催涙スプレーのような物を掛けられる(軽傷)
現場に向かったのが7名なので、残りの4名は無傷だったと思われます。

こんな事件ですね。
ちょっと、いろいろとわからない事が多い事件ですね。
自暴自棄になって、誰かを殺して、自分も死ぬと言う事件が時々おきますが、この事件では、容疑者は自殺する時間が十分にあったのに、自殺はしてないんですよね。
それどころか、どうも、警察が突入時には「容疑者は同じ部屋のベッドと吹き出し窓の間に隠れていた」と言うあたりが、本当に覚悟の上での事件だったのか?と言う疑問がありますね。

それから、生活保護を受けていたようで、2人で20万弱の生活費があったようですが、当然ながら生活は苦しかったように見えます。
それなのに、サバイバルナイフや散弾銃2丁と散弾銃の弾丸が百発以上も所有していたと言うのが、ちょっと解せないです。

購入した時期は20年も前かもしれないけど、その頃から銃の代金が一部未納と言う話も出ていたり、生活は安定していないようなんですよね。
この10年ぐらいでも家賃を滞納して強制退去と言う話もあったりするのだけど、それでも、猟銃2丁を手放してないのはなぜなんだろう?
そもそも、母親の介護で四六時中、母親から離れない生活をしているのに、クレー射撃を楽しむ時間もお金も無いと思うんですよね。
このあたりを考えると、いつかはわからないけど、いつか何らかの事件が起きるかもしれないと言う予感が容疑者にはあったのかもしれませんね。

で最大の謎は「母親が亡くなったから、自分も死のうと思った」と言う理由ですね。
常識的に考えれば、そんな事をする理由が無いですね。さすがに90歳の親が亡くなるならそれは老衰と言って良い話で、誰もが理解して覚悟している事だと思います。
本来なら、母親と自分は別人格で、生活もそれぞれあるわけだから、母親が亡くなったとしても、自分の人生を生きれば良いだけの話なんです。

なので、逆に考えると、「母親が亡くなると、自分が生活する事ができない」と言う状況になってしまうと言うのであれば、わからなくもないかな。
2人で20万弱の年金があったから生活できたけど、1人で10万円程度の生活保護では生活できないと言う事なのかな?
このあたりは、本人に聞かないとわからないですね。

公判でもう少し詳しい情報が出てくると思うのですが、この事件を防ぐには?と言う点で言うと、上の話の更に逆で「自分で経済的に自立した生活をすること」なんだろうと思います。
若い時期に定職について経済的に自立していれば、母親を老人施設にあずける事もできただろうし、子供とも離れる事は無かったんじゃないかな?

結局のところ、母親中心の介護生活で、介護する母親が亡くなれば、生きる目的も同時に無くしてしまって燃え尽き症候群になったのではないかな?
もし、そこに自分の人生や生活があれば、母親が亡くなっても、自分の人生を続ける事ができたのだと思うのですが・・・・
介護される母親は息子の人生をどう思っていたのでしょうね?

続報を待ちましょう。

| | コメント (0)

« 2022年2月 | トップページ | 2022年4月 »