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2022/07/25

山梨県道志村7歳女児不明事件その15(女児が移動できない場合)

事故説を考えた場合の問題は二つですね。
・女児が枯れ沢の上流に移動できたのか?
・女児の遺体が大規模捜索で発見されなかったのはなぜか?

今回は女児が涸れ沢の上流に移動する方法について考えます。
ただし、具体的な登山の方法などについては考えません。
(女児が枯れ沢の上流に移動するのが難しい件については「雑感」さんが詳しく紹介されてますので、そちらを読まれるのをお勧めします)

場合分けとしては
1)生前か死後か?
A)生前の場合
B)死後の場合

2)単独かそれ以外か?
あ)単独
い)犯人による
う)野生動物による
え)自然現象による

順番に考えましょう。
A-あ)生前に単独の場合      そもそも難しいので、とりあえず不可能と仮定します。
A-い)生前に犯人と移動の場合   可能ではあると思うが、かなりの困難を伴う。
A-う)生前に野生動物と移動の場合 そもそも単独で移動できないなら、無理だと思う。(野生動物に追われて逃げた場合)
A-え)生前に自然現象で移動の場合 低い場所から高い場所へ自然現象で移動するのはちょっと無理だと思う。

B-あ)死後に単独の場合      あり得ないので、今回は考えません。
B-い)死後に犯人が移動の場合   つまりは遺体を犯人が移動した場合ですね。
B-う)死後に野性動物が移動の場合 その割には全身各部の骨が発見いるので、全身を移動したなら、遺骨が一部しか発見されないのが疑問
B-え)死後に自然現象で移動の場合 A-え)との違いは遺体が上流に移動した後、自然現象で下流に流されたと言うのは有りだと思う。

なので、可能性がありそうなのが
A-い)生前に犯人と移動の場合
B-い)死後に犯人が移動の場合
B-え)死後に自然現象で移動の場合(ただし、上流への移動は犯人による)

結局のところ、B-い)とB-え)は同じ事になるので、B-い)に統合します。

A-い)生前に犯人と移動と言うのはかなり難しいと思うのですが、不可能では無いと思います。
ただ、女児に指示して女児に登らせると言うのは、単独では登れないという前提なら無理と言う事になるので、可能性としては、犯人が女児を背負ったりして移動した場合になるのかな。

いずれの場合も実はここで問題が発生します。女児は失踪直後に涸れ沢の上流に犯人と一緒に移動していると言う事になるのですが、結果的に女児は死亡し、その後、遺体を犯人が涸れ沢の上流に遺棄したのであれば、その後の大規模捜索で女児の遺体が発見されなかったのが大きな疑問となりますね。

まー、単純に捜索隊が「見逃した」という説明ができる部分ではあるのですが、このたりは実際にその現場を捜索した人でないと分からない部分ですね。

ただ、A-い)からの変化が可能性として考えられるのがA-え)ですね。
遺体は涸れ沢の「上流に埋められていた」が、「大規模捜索後に自然現象で涸れ沢に流された」と言う可能性もありそうです。
しかし、この場合は遺体の全身が発見されていないのが問題点ですね。可能性としては、「残りの部分は涸れ沢の上流に残っている」と言う事になります。
とは言え、警察もこのあたりは想定の範囲内だと思うのですが・・・

で、B-い)死後に犯人が移動した場合ですが、この説の都合のよい点は、発見された遺骨が「一部」でしかない事を説明できる点ですね。
つまり、犯人は遺骨の一部だけを涸れ沢の上流に遺棄したと説明すれば、全身の骨が発見されないのは当然と言う事になります。

ただねー・・・この場合も問題が発生します。
枯れ沢に遺棄した骨はどのタイミングで犯人が収集したのか?
つまり、白骨化する前の段階で骨だけ取り出すと言うのは、ちょっと想像できないかな?(常識を越えた犯人ならあり得るかな)
これが、解体して遺棄する為であれば、それは、過去にも事例のある事なんですが・・・だとすると、胴体部分はもっと骨が発見されて良いはずなんです。
すると、白骨化するまで待って、その一部を枯れ沢の上流に遺棄した。しかも、大規模捜索の後であれば、大規模捜索で発見されなかった事も説明できますね。

しかし、その場合、どうして一部だけ遺棄したのか?が疑問として残りますね。

で、ここでもB-い)からの変化が可能性として考えられるのがB-え)です。
犯人は上流に遺骨の全てを遺棄した(あるいは埋めた)が、その後、自然現象によってその一部が枯れ沢に流された。残りの部分は上流に残っている可能性ですね。

前回のその14で犯人が捜査範囲から外れているなら、大規模捜索後に現場にあえて遺体を遺棄する必要が無いのでは?と書きましたが、これの前提は「犯人が自分は疑われてない」と考えている場合になります。
逆に犯人が「自分は疑われる可能性がある」とか「自分は疑われる」と自覚しているなら、事件性を打ち消す為に事故を演出すると言うのは有りだと思います。

ただ、私の印象としては、詳しく書きませんが、事故を演出するには不足する部分が複数あると思います。

参考リンク
山梨県道志村7歳女児不明事件その14(犯人の住所と違和感)

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コメント

情報が不足してはいますが、いくつか腑に落ちないことがありますね。事件事故いずれの場合も遺体はかなりの高所にあった。ご本人か、下手人が登山をしたことになる。大規模な捜索でみつからなかったことは、地中に埋められていたのかな?と憶測。それも事件当日か?しかし、行方不明時は皆が探し回っていたから難しいし、誘拐なら普通はその場を離れますよね。遺体が粉砕されたのは土石流の力か?それとも下手人がそう思わせようとしたか?もっとも気になるのは遺留品。下手人の不都合なものが出てきていなのではないか?仮に事故ならこれらを全て覆すことになる。つまり、小さい子供がひとりで道なき山を登り、捜索で見つからない状態で隠れ、腐敗して何らかの理由で粉砕され下へと流された。それが偶然にも発見される。実際に現地を見ましたが想像以上に険しい地形であり、到底自ら這い上がるとは思えませんでした。仮に事件だとしても、後から遺留品を置きに来るのもリスクが高過ぎて腑に落ちないが、一つ連想したのが島根の女子大生事件であとから靴が見つかったこと。今回も不可能ではない。かつての埼玉のMのように遺骨を遺族に戻すような輩もいる。今回もその線かとの憶測も湧く。

投稿: AKICHI | 2022/07/27 05:09

後から靴などを置いた場合は科捜研が調べれば
どれくらい風雨に晒されていたのか
あるいは土砂に埋もれていたのかは
ある程度、推測がつくはずです。
なので別の場所に埋めておいて
わざわざ掘り起こして、また現場へ戻ってきて
埋め直した、とかでなければ
失踪直後から涸れ沢上流に遺体はあった、
と見るのが自然かと思います。
靴も両方発見されているわけですし。

それが犯人によって埋められた状態だったのか
遭難して力尽きただけの状態だったのか
年月が経ちすぎているため推測は困難ですが

私は女児単体による移動(遭難)の可能性も
十分にあると思っています。
実際過去の子供の失踪(遭難)事故でも
「なんでこんな離れた場所まで」とか
「なんでこんな険しい斜面で」みたいな
大人の想像のつかない行動範囲・場所で
発見された事例は多々あります。
この事件の女児も食事を終えたばかりで
体力に余裕もあっただろうし
迷いに迷って涸れ沢上域まで達した可能性は
ゼロではないかと。

そして、山にはいくつもの「死角」があります
危険過ぎて人が入れない場所も多数あります
のべで何万人を捜索に投入したところで
遭難者は見つからない時は見つからないものです
(過去の山岳事故でも発見まで数年要するなんてのザラにあります)

そして、母親の証言により、当初は発見現場とは
逆の方向を重点的に捜索していた事も原因の1つかと
思います。
別に母親に嫌疑をかけたいわけではなく
最後に目撃された方向からUターンするなり
脇道から逆方向へ行くなりして
発見現場方面へ迷い込んだ
あるいは何者かに連れ込まれたとするなら
発見現場方面への捜索は台風などが通過した
だいぶ後になるわけです。

その間に土砂などに埋もれてしまったりすれば
発見はかなり困難なものになると思います。

つまり遭難にしろ誘拐?にしろ
・捜索は実際には当初発見現場とは逆に重点が置かれていた事
・その後、台風通過などで現場がメチャメチャになった事
・発見までに数年経っているので土砂の流出や動物の食害などで遺体が分散された可能性も高いこと

などを考慮すると、必ずしも「何者かによって埋められた」だけが可能性としてあるわけではないのかな、と思います。

極端な例を言えば、あの辺、クマも出ますので
クマが自分のテリトリーまで運んで埋めた
(いわゆる土饅頭ですね)という可能性も0ではないでしょうし。

とにかくいろんな可能性が考えられるわけですが
遺骨から外傷の痕跡とか、遺品から他人のDNAとか
事件性を窺わせる何かが出てこない限り
真相はわからずじまいでしょうね

なんにせよ時間が経過し過ぎてしまったので

投稿: | 2022/08/19 13:07

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