大阪小6女児不明誘拐事件その6(一審判決 7/16追記)
判決は懲役20年(求刑・懲役24年)です。
***第8回公判(12月23日)***
被告人質問
1)検察側は、被告宅から洗脳方法を記載した本や、「ターゲット」「子ども」と書かれたノートを押収したと明らかにしたとのこと。
検察側は、洗脳方法を記載したページにボールペンで下線や書き込みがあったと指摘。「15歳までの少女」「白馬の王子様と思わせる」などと書かれたノートも示して意味を尋ねた。被告は「覚えていません」「自作小説の設定かもしれない」などと答えたとのこと。
2)被告は、あらためて起訴内容を否認し、「2人には『児童相談所に行かないか』と繰り返し伝えたが嫌がられた」と主張したとのこと。女子中学生については「20歳になったら結婚するつもりでいた」と説明した一方、「(ネット交流サービスに悩みを投稿していた2人に)自分なりにできることをやったが、問題があったかもしれない」と述べたとのこと。
***論告求刑公判(2022年1月26日)***
検察側は誘拐の意図は明らかだとして懲役24年を求刑した。
1)論告で検察側は、被告が当初、中学生の悩みに寄り添うようにして誘って家に連れ込み、自己否定的な内容をノートに書かせたなどとして、「強度に支配し、被害者の精神的苦痛は甚大」と指摘。処罰感情も厳しいと説明した。女児誘拐は同世代の中学生を利用しており、「犯行は極めて卑劣。同種事案でも相当に悪質」と糾弾したとのこと。
別の報道では
検察側は論告で、被告が事前に書籍で他人の洗脳方法などを下調べし、その通りに実行していたと指摘。防犯カメラを避け、変装して待ち合わせ場所に来るよう女児に指示し、携帯電話の電源を切らせて家族と連絡を取れないようにするなど「計画性も高く悪質」としたとのこと。
2)最終弁論で弁護側は、被害者2人に自殺の動機があり、自宅に迎えたのは誘拐行為だったとしても、「生命に対する緊急避難に当たる」と主張。中学生とは真剣な交際だったとして性的暴行も否定した。被告が中学生を残して外出した点に触れ、「中学生は自発的な滞在を望んだ」と述べたとのこと。
別の報道では
弁護側は「(自殺をほのめかしていた2人の)命を守るために家に招き入れた」として無罪を主張した。被告は「助けるためにできるだけのことをした」と述べたとのこと。
3)最終意見陳述で被告は「少女たちには最善を尽くした」と自らの正当性を訴えたとのこと。
別の報道では
被告は最終陳述で、「親に虐待され、学校でも捨てられた少女を助けようと私はできる限りのことをした」と訴えたとのこと。
***判決公判(2022年3月22日)***
1)水戸地裁は、被告に、懲役20年(求刑・懲役24年)の実刑を言い渡した。
2)裁判長は判決で、自殺願望のある被害者2人に、被告がSNSでメッセージを送り、甘言を用いて家出を誘発したと指摘。「年少で未成熟な被害者の思慮の浅さにつけ込んだ卑劣な犯行」としたとのこと。
別の報道では
裁判長は判決理由で「会って程なくしてわいせつな行為に及び、確固たる計画に基づいている。被害者の尊厳を顧みない醜悪な行為だ」と指摘したとのこと。
その上で「被害者の未熟さにつけ込んだ卑劣な犯行。不自然な弁解を繰り返して反省もみられず、被害者家族も厳罰を望んでいる」として、長期の刑が適当だとしたとのこと。
更に別の報道では
判決は、被告が2人の被害者をそそのかして自宅に連れて行き、寝泊まりさせたこと自体が、誘拐にあたることは明らかだと認定したとのこと。
判決では、被告が女子中学生の保護に向けて具体的な行動を全く取っていなかった点を指摘し、女子小学生に対しては、携帯電話の電源を切ることや、防犯カメラの追跡から免れるため着替えを用意するようメッセージを送り、警察などの追跡をかわす策を講じていた点を指摘。「自殺を止めるためだった」との被告側の主張は成立しないと退けたとのこと。
更に更に別の報道では
判決理由で裁判長は、2少女を誘拐するなどした犯行について「確固たる計画に基づく」と指摘。2少女の心身に与えた悪影響は大きいと非難したとのこと。
さらに女子中学生に対しては、誘拐して間もなく、顔を平手で多数回殴打するなどして主従関係を強要し、「その関係性の下で各犯行が行われた」と強調。わいせつ行為などの内容についても「陰惨で目を背けたくなる」と述べたとのこと。
3)判決などによると、被告は19年5月下旬ごろに当時14歳の県内の女子中学生を、同11月には当時小学6年の大阪市の女児を、それぞれ自宅に連れ去った上で、女子中学生にわいせつな行為をしたり、静止画像をデジタルカメラで撮影、保存し児童ポルノを製造したりするなどしたとのこと。
***補足情報***
どのタイミングの情報か不明ですが、公判中の情報です。
「検察によると、被告は『主従関係がいいのか。対等な夫婦のような関係がいいのか』と怒鳴って女子中学生の顔面を殴るなどの暴行を繰り返していたとのこと。
抵抗できなくなった女子中学生と、半年にわたり強制的な性交。首輪や鎖をつけ、逃げられないようにしていたとのこと。被告は、そうした様子をデジタルカメラで撮影。161点にのぼる児童ポルノを作成したとされます」とのこと。
こんなところですね。
判決でも指摘されてますが、被害者の弱みと思慮の浅さにつけ込み、甘言で誘い出した事件ですね。
自殺傾向のある女性を誘い出したあたりは、座間の9名殺人事件とも似てます。
このあたりは、過去の事例を参考に犯罪者側が研究しているんでしょうね。
とは言え、知らない人に会いに行くのは、大人でも多少は警戒したり、怖じ気づいたりする物ですが、SNSがその恐怖心や警戒心を緩めてしまうのかもしれないですね。
その上で、行き場の無いほどに追い詰められた子供に甘言で誘い出している。卑劣と言えばそれまでだけど、それだけでは、この事件は防げないんですよね。
私の考えるこの事件のポイントはシンプルに二つ
A)犯行前に犯人を逮捕する事は難しい。
B)世の中には女性や子供を狙う犯罪者が存在すると言う事実を被害者である女性や子供が認識していない。
A)はネットに匿名で犯行を匂わすような書き込みをしているなら別ですが、そうでもなければ、事件を起こすまで、誰が犯行を起こすのかを事前に予測する事は無理ですよね。
そして、仮に予測できたとしても、犯罪を犯していない段階で逮捕する事はできないですよね。
結果的に被害を事前に防ぐ事は、犯人の側からは出来ないと言う事になると思うわけです。
もっとも、そういう犯罪を起こさないように幼少期から教育していくと言う方法もあるわけですが、100%成功すを保証するのは無理だと思います。
なので、被害者側で被害に遭わないように注意していく方法でしか、実質的に被害を防ぐ方法は無いのだろうと思います。
まー、振り込め詐欺でも、ATMで携帯電話をしないと言うわかりやすい方法法で注意喚起をしてますよね。
そして、銀行やコンビニの行員さんや店員さんもそれをサポートして被害を防いでいます。
そういう実績をみてもB)と言うのは対策すれば効果があると思う部分です。
ただ、SNSやネットがここまで普及してしまうと、子供達にとっては「当たり前」の物になってしまっていて、それ自体に警戒心を持てとか、使うなと言うのは、ちょっと難しいかもしれません。
なので、交通安全の啓蒙と同じで、定期的に「こんなひどい事件があったんですよ」って話を繰り返し聞かせるしかないと思うんですよね。
まー盲目的に事件を恐れて、ネットを使わないとか、行動を制限すると言うのは行き過ぎなので、正しく恐れるぐらいになるのが理想的でしょうが、どこまで恐れるのか?その線引きと言うのが難しいところかもしれませんね。
この部分はこちらにも絡んでさじ加減の難しい部分です。
レイプ事件を考える時の注意点
2022/7/16追記
良く考えたら、もう一つ、防ぐ方法がありました。
行き場の無い子供達が犯罪者の甘言の罠に掛かる前に、別の正規の相談窓口に誘導する方法がありますね。
全員を救えるわけでは無いでしょうが、子供の間に浸透していけば、救える子供は増えるとおもいます。
文部科学省に「子供のSOS相談窓口」と言うのあるようです。無料通話なので悩んだら一度相談して欲しいですね。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm
電話番号は「0120-0-78310」、SNSでも相談できるようですし、地元の相談窓口も紹介してくれるようです。
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