山梨県道志村7歳女児不明事件その13(発見された遺留品について)
さて、今回の捜索で新たに発見された情報は、前回に書きましたがこんな感じです。
発見された遺留品
長袖ハイネック、左右の靴、片足の靴下
発見された骨のような物、
29個の骨のようなものを発見、このうち9つの骨のDNA型が不明女児と一致
発見された骨の部位(報道が曖昧なので少し齟齬があるかもしれません)
頭骨、右側肩甲骨、腕の骨、足の骨、肋骨3本、右前腕部の骨、すねの骨、腰椎、腰骨、片、手指の一部、顎の骨2個、腰の骨
これを表にするとこんな感じですね。
No. | 日付 | 発見場所 | 人骨 | 部位 | 特定 | 備考 |
1 | 4月23日 | 枯れ沢の下流 | Yes | 頭骨 | △ | ミトコンドリアDNA鑑定で母子関係に矛盾なし |
2 | 4月28日 | 枯れ沢の上流100m | 右足の靴 | |||
3 | 4月29日 | 枯れ沢の上流100m | 左足の靴、片足の靴下 | |||
4 | 5月4日 | Yes | 右側肩甲骨 | Yes | 長袖ハイネック(特定されたのは肩甲骨) | |
5 | 5月5日 | 洗濯タグ | ||||
6 | 5月11日 | Yes | 腕と足の骨 | Yes | 2個 | |
7 | 5月26日 | 枯れ沢の上流100m | Yes | 肋骨3本、右前腕部の骨、右すねの骨、腰椎が1本ずつ | 人骨のような物2個 | |
8 | 5月28日 | 枯れ沢の上流100m | Yes | 人骨のような物1個 | ||
9 | 5月31日 | Yes | Yes | 人骨のような物4個(7個の内6個が人骨) | ||
10 | 6月1日 | ハイネックの中の土 | Yes | 腰骨、肩、手指の一部 | 7つが骨片で内3個が人骨 | |
11 | 6月2日 | Yes | 2つはあごの骨、1つは腰の骨 | Yes | 人骨のような物5個(内3個が人骨) | |
12 | 6月3日 | |||||
13 | 6月7日 | Yes | 人骨のような物6個(内2個が人骨) | |||
14 | 6月8日 | 枯れ沢の上流100m | ||||
15 | 6月10日 |
更に、大雑把な図にしてみるとこんな感じです。
人体を大きなパーツに分けて、発見された骨や遺留品がどの部分になるかを色付けしました。
青は骨、オレンジは衣類、靴等です。手指の骨は左右が分かりませんでしたので、右前腕部の近くと言う事で右手としています。
発見された骨の部位を見ると、胴体、頭部と体の中心に近い部分の骨のように見えます。
手足の部分が胴体より先に腐敗が進み、胴体から分離して流されてしまったとも考えられますね。
しかし、ちょっと待てよ!と思うのは、そもそも、発見された骨の数が圧倒的に少ないと言う現実を忘れちゃいけない気がします。
もちろん、それは、腐敗、風化、そして雨、風によって流され散逸してしまったと考えるのが妥当だと思います。
でも、それならより、広範囲を捜索すれば発見されるのではないか?と言う疑問が浮かんできます。
もちろん、警察だって我々が考えるような事は、当然考えていると思います。
だから、あの枯れ沢については、相当念を入れて捜索していると思います。数センチの骨片や、ミリ単位の骨片が発見されたのはその結果でしょう。
ではなぜ、発見されないのだろうか?
事件だから、犯人が他の部位は遺棄していないからと言う結論は少し早すぎる気がしますね。
まずは事故だった場合を考えましょう。
事故だとすれば、死亡時には全身の骨格と衣類や履き物など全てが1箇所に存在していたはずです。
遺留品や遺骨が広範囲に散らばっているのは、長い時間の間に自然現象や野生動物によって、遺骨が移動して散らばってしまったと考えるしかないですよね。
遺骨、遺留品の発見場所は枯れ沢とは言え、雨や雪解け水などが流れる斜面なので、それによって遺骨、衣類が散らばってしまったと言うのは違和感がありませんね。
でも、それだけでは、大多数の骨が発見されない事は説明できません。
単純に流されたとするには、子供とは言え、比較的大きな骨、大腿骨とか骨盤などは沢の途中に引っかかっていてもおかしく無いと思うんですよね。
一つ、ヒントになりそうなのは、発見された遺骨がほぼ全てが小さい物だったと言う点でしょうか。
特に、頭部の骨が最初に発見された物も数センチ四方だし、6月に発見された上下の顎の骨には歯が8本しかなかった。
人間の歯は親知らずは、まだ生えてないでしょうから、28本ですね。8本と言う事は顎の骨が4分割よりも小さく割れていたと言う場合なのかな?(これは根拠はありません。単純に歯だけ抜けている可能性もありますね)
これは、つまり、遺体(遺骨)は大きな衝撃や力によって、粉砕されていると言う事ではないだろうか?
自然現象と考えるなら、高所からの落下、大きな石や岩などの落石の直撃などで、遺体(遺骨)が粉砕され、小さい物はより下流に流され、比較的大きな物は岩や土砂の下に埋まっていると考えると、そう不自然では無いのかな?と思わなくもないですね。
その一方で、長袖ハイネックと靴、靴下は発見されている事をどう考えるのか?
もし、落石の直撃などを受けているなら、長袖ハイネックには、その痕跡がありそうな気がしますね。
靴については、早い段階で脱げてしまって、流されていったと言うのは有りだと思うのですが・・・それでは、逆に、発見場所が遺体に近い気がするのは、ちょっと説明ができないかな?(それならもっと下流で発見されるのでは?)
そして、衣類の中でも、長袖ハイネックと大きさが近い、ズボンが発見されていないのはなぜなのか?
長袖ハイネックが流されずに発見されたと説明するなら、ズボンも流されずに発見されないとおかしいのでは?
とは言え、遺体同様に落石の直撃を受けて、そのまま大石や岩の下になっていると言う可能性も否定はできないんですよね。
あとは、骨が小さいのは土壌の酸性度なども関係するかもしれないですね。
しかし、都市部では無いので酸性雨などは降ってないのでは?と思うのですが・・・
とりあえず、遺留品や遺骨の状態からは事故説にしろ事件説にしろ強く否定や肯定ができるほどの情報は無いのかな?
参考リンク
山梨県道志村7歳女児不明事件その12(枯れ沢の捜索終了)
山梨県道志村7歳女児不明事件その14(犯人の住所と違和感)
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コメント
土の情報はネット上にありませんが、道志村にある村営温泉施設の源泉はカルシウム・ナトリウム硫酸塩泉で、pH8.7、17.8℃のアルカリ性冷鉱泉とのことです。
当村面積の約36%(2,873ha)の森は神奈川県横浜市の水源地として保全されていることもあり、大きく酸性/アルカリ性に傾いているとは考えにくいでしょう。
足が涸れ沢上流の崖途中で引っかかり、残りの部分が落ちて衝撃を受けたという状況は事故でも事件でもありえるかと思いますが、ズボンが綿であっても3年で分解されきるのか疑問に残ります。分解されず残っていれば警察も発見するでしょうし。
やはり何かの下にあるのでしょうか。
投稿: つれづれ | 2022/07/08 23:30
つれづれさん、こんにちは
毎日、暑いですね。
酸性度の件、情報ありがとうございます。
普通に考えればpHが極端に偏っていると言うのはさなそうですね。
ズボンが発見されないのは気になるところです。
何かの下に埋まっていると考えたいところですが、警察犬も導入していて、発見されなかったのか?
もっとも、警察犬がここ掘れと合図しても、現場に重機を持ち込めず、人手では持ち上げられずに、断念している部分もあるのかな?と疑いたくはなりますね。
投稿: ASKA | 2022/07/09 08:55
先日、車で現場を通りすがりました。思ったより急峻で人が立ち入るとか登ることをとても想像し難かったです。見つかった骨がわずかなことは違和感があります。衣類もズボンは残りやすいだろうし、骨も大腿骨や骨盤など見つかりやすそうな骨が出てきていないのは不思議。
一方、犯人がいて後から遺棄したとして、見つけてもらえると思ったか?もしかすると靴がその役目だったか?最初の骨よりは後にみつかりましたがね。
投稿: AKICHI | 2022/07/20 06:14