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2022/08/27

福岡県田川市1歳男児エアガン虐待死事件その4(母親の控訴審判決まで)

判決は懲役8年(求刑:懲役12年)です。

***母親の初公判(22年2月21日)***
1)被告は「(男児を)病院に連れて行かないといけないということは、分かりませんでした」と述べて起訴内容を否認した。

2)検察側は冒頭陳述で、被告は、男児の兄妹を病院で受診させており、介護職員の勤務経験もあることなどから、男児の保護の必要性を認識していたことを立証していくとしたとのこと。

証拠調べで検察側は、三男の遺体全身には円形の傷が71カ所、骨折が31カ所あったことを明らかにした。虐待以外の原因は考えにくいとする医師の見解を読み上げ、趣味でエアガンを持っていた男性被告が三男を撃っていたと結論づけた捜査報告書も示したとのこと。

3)弁護側は、公判前整理手続きで被告に軽度の知的障害があると認定した地裁の鑑定結果を踏まえ、男児の衰弱状態などを正確に認識できていなかったと主張したとのこと。18年12月1日未明に119番するまで病院に連れて行く必要性を分かっていなかったとして「罪を犯す意思があったとは言えず無罪」と述べたとのこと。

弁護側は「被告は知的障害があり、精神年齢が12歳で、病院に連れていかなければならないことが分からず、故意だったとは言えない」と無罪を主張したとのこと。

4)起訴状などによると、被告は夫の土木業、男性被告(26)=保護責任者遺棄致死罪などで起訴=とともに、18年10月に三男が重度の低栄養状態に陥り、翌月にかけあばら骨など多数を骨折して肺感染症を発症したにもかかわらず、医療機関を受診させず同年12月に肺炎で死亡させたとされるとのこと。

***第五回?公判(22年3月2日)***
被告人質問
弁護側
被告は「三男が骨折していることは、まったく気がつかなかった。亡くなった日に救急車を呼ぼうとしたが番号が分からず、すぐに呼べなかった」と話したとのこと。

また夫の男性被告から日常的な暴力を受けていたと証言したとのこと。

検察側
三男が死亡する直前に体温計を使った形跡があることについて質問。

被告は「心当たりがありません」と答えたとのこと。

***第六回公判(22年3月3日)***
証人尋問
裁判所が依頼した鑑定医
被告には知的障がいがあり、IQは58で精神年齢は12歳程度だったと報告した。
特に、目で見たものからの判断が苦手で「子どもの状態把握ができなかった可能性がある」とした。

一方で、男性被告からのDVなどによって、学習性無力感と呼ばれる心理状態にあり、三男の状態を認識していたものの、自分は何もできないと考え、病院へ連れて行かなかった可能性もあると指摘したとのこと。

***論告求刑公判(22年3月7日)***
1)検察側は「親として気づかないはずはなく責任は重大」として、懲役12年を求刑したとのこと。

2)検察側は論告で、被告が介護職の経験もあり、男児の兄妹を病院に連れて行っている点などから「(男児の状態を)認識する能力は十分に備えていた」と指摘。そのうえで「男児に1カ月以上も十分な栄養をとらせず、身体的、精神的に大きな苦痛を与えた」と述べたとのこと。

3)弁護側は被告に軽度の知的障害があるとした鑑定結果や鑑定医の証言から、見たことを正確に判断することが特に苦手だったと指摘。男児を病院に連れて行く必要があるとは認識できず、無罪と訴えたとのこと。

***判決公判(22年3月11日)***
1)福岡地裁は11日、懲役8年(求刑・懲役12年)を言い渡した。裁判長は「大変痛ましい犯行態様で、悪質性の程度が相当高い」と述べたとのこと。

別の報道では
「被害者の苦痛は察するにあまりあり、反省の態度も見られない」として、被告に対し懲役8年の判決を言い渡したとのこと。

別の報道では
裁判長は、兄弟が発熱した時、藍被告が診察を受けさせていたことなどに触れ、「知的障害があるからといって被害者の状態に気づくことができなかったとは言えない」と指摘。

また、「夫の男性被告にDVを受けていたことを踏まえても強い非難は免れない」とし、被告に懲役8年を言い渡したとのこと。

2)裁判長は、遺体にはエアガンで撃たれたとみられる71カ所の円形の傷があり、あばら骨が浮き出た状態だったと指摘。被告は男児の兄妹が発熱した際は診察に連れて行き、かつては介護職員として適切に業務をこなしていたことなどから、男児が病院に連れて行く状態と認識できたと判断したとのこと。

別の報道では
裁判長は「きょうだいが発熱した際に病院を受診させていたことなどから、障害があるから気づかなかったとは言えない」と指摘したとのこと。

3)言い渡し後、裁判長が「服役中に被害者についてもう少し考えていただければ」と諭したとのこと。

***控訴棄却(22年7月27日)***
控訴審判決で福岡高裁は、被告は三男の衰弱に容易に気づくことができたと認定した上で、「審理は尽くされ、判断結果にも不合理な点はない」として1審判決を支持し被告側の控訴を棄却したとのこと。

こんなところですね。
知的障害でIQが58と言う事を聞いて、別の事件の事を思い出しました。
2014年の神奈川県厚木市下荻野5歳男児餓死事件です。
5歳の男児を監禁して餓死させた事件ですが、この事件の被告(父親)のIQは69と報道されてますね。
一般的に50から70では軽度の知的障害と言われているようです。
この厚木市の事件でも被告の「死ぬとは思わなかった」と言う主張を否定して、殺人罪で有罪となってますね。。

今回の田川市の事件でも、他の子供は病院に連れて行っている上に、仕事として介護の仕事もできていたわけで、まったく異変に気付かないと言うのは、不自然な気がしますね。
とは言え、鑑定医が証言した「学習性無力感と呼ばれる心理状態にあり、三男の状態を認識していたものの、自分は何もできないと考え、病院へ連れて行かなかった可能性もある」と言う方が説得力を感じますね。
仮にそうだったとして、この事件を防ぐには、DVをする夫と結婚しない事と言う事になるのだろうか?

確かにそうかもしれないとは思うのだけど・・・ちょっと運に左右される面が大きいかもしれませんね。
女性被告側が交際の段階で男性被告(夫)がDVを行う事を予測できたか?と言うとちょっと疑問がある部分ではありますよね。
逆に男性被告側が女性被告の知的障害を知った上で結婚したのか?と言うのも分かりません。(情報がないです)
結婚後に妻の障害に気付いて、不満を募らせてDVを行うようになったと言う可能性もあるかもしれません。

その意味では運任せの対策は対策とは言えないですね。
なので、確実に防ぐには子供の健康状態を外部の人間が監視するとは言わないまでも、定期的に確認するしかないかと思うのですが・・・
この事件だと12月に三男が死亡する前の7月には3男の姿が見えないと匿名の通報があったんですよね。
他にも、その前の1月には長男への虐待の通報がありましたし、関係部署としては、虐待を注意する対象にはなっていたと思うのですが・・・
7月の段階では目視で三男にはアザなどは無かったようですから、半年ぐらいの間に急速に虐待が進んだのだと思います。

乳児健診としては1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月ぐらいがあると思うのですが、9ヶ月の健診を受診していれば、虐待の兆候(骨折)は発覚したかもしれませんね。

とにかく、積極的に健診を受診するように受診者には何らかの特定を与えるのが良いかもしれませんね。
今ならマイナポイントを利用するなら、政府のマイナンバーカードの推進方針の後押しにもなるかもしれませんね。

何にしても、密室の家庭の中で起きている事を家庭の外で知る方法が必要です。

亡くなった男児のご冥福をお祈りします。

参考リンク
福岡県田川市1歳男児エアガン虐待死事件その3(12月26日までの報道)
福岡県田川市1歳男児エアガン虐待死事件その5(父親の控訴審判決まで)

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2022/08/21

兵庫県尼崎市元妻女性殺害事件その2(一審判決)

まずは続報です。
1)2022年1月21日、神戸地検は、殺人罪などで元夫の無職男性容疑者(33)=同県西宮市=を起訴した。
鑑定留置の結果、刑事責任を問えると判断した。地検は認否を明らかにしていないとのこと。

起訴状によると、容疑者は昨年10月15日夜、尼崎市のマンション駐輪場で、住人の女性の左脇の下などを包丁で多数回突き刺し、殺害したとされる。

捜査関係者によると、同容疑者は逮捕後の調べに「復縁を望んだがかなわず、次第に憎しみに変わった」などと供述しているとのこと。

***初公判(2022年6月21日)***
1)被告は「間違いない」と起訴内容を認めたとのこと。
2)冒頭陳述で検察側は21年3月、男が尼崎市のコインランドリーでトラブルを起こして警察を呼ばれたことがきっかけとなり、同年4月から2人は別居したと説明。男は別居解消を求めたが女性は拒否し、同年6月に離婚したとのこと。

その後、男は女性が誕生日を祝われる様子を記したツイッターなどを見て腹を立てていたと指摘。事件当日、通信アプリ内で知人らとオンラインゲームを楽しもうとするやりとりを見て、幸せそうな女性を殺害しようと決意した-とした。

別の報道では
検察側は冒頭陳述で「別居の解消を拒否されて以降、危害を加えようと鉈や斧、牛刀を購入していた他、離婚が成立した後もSNSで被害者が幸せそうにしているのを見て腹を立てた」と指摘したとのこと。

3)弁護側は「被告は落ち度のない被害者を殺害したことを認め反省している。遺族に対しても家族が被害弁済を準備している」と情状酌量を求めたとのこと。

4)弁護側の被告人質問では、男が離婚前にも、危害を加えようと女性の実家を訪れていたことが判明。検察側が殺意を抱くまで腹が立った一番の理由を尋ねると、「ある日、突然出ていって連絡が取れなくなったから」とした。また、裁判官からは男の「積もり積もった」という言葉の意味を問われ、「最後まで面と向かって話せなかったこと」と答えたとのこと。

***論告求刑公判(2022年6月22日)***
1)検察側は懲役18年を求刑した。
検察側は「幸せそうな元妻への逆恨みという自己中心的かつ身勝手な動機だ」として懲役18年を求刑した。

論告で検察側は、男が牛刀(刃体約18センチ)で女性を襲う際、滑り止め付きの手袋を着用していたとし、「殺傷能力の高い凶器を力の込めやすい状態で使用した」と指摘。骨が折れるほどの傷があったことや、女性が倒れて無抵抗な状態でも刺すなど「非常に危険で執拗だった」としたとのこと。

2)弁護側は「怒りにまかせた衝動的な犯行だが、起訴内容を認め、反省している」と懲役15年が相当だと主張したとのこと。

弁護側は最終弁論で「結果は重大で悪質さは否定できない」としつつ、家族が支援を約束しているなどとして懲役15年を求めたとのこと。

3)女性の母が意見陳述し、「楽しそうに過ごしている娘が許せなかったというのはあまりにも身勝手で話にもならない」と述べた。裁判員らに対し、「今後このような悲劇が繰り返されないように抑止力を与える判決を」と訴えたとのこと。

***判決公判(2022年6月24日)***
1)裁判長は「身勝手としか言いようがない。何が問題だったのかよく考えてほしい」とし、懲役17年(求刑懲役18年)を言い渡したとのこと。

2)裁判長は、倒れ込んだ女性の背後などを10回以上突き刺し、牛刀の刃が曲がっていたことなどから「確実に殺そうという強固な殺意がある」と説明。被害者に事件を引き起こすきっかけをつくったことはないとし、「被害者に責任の一端があるかような言い方をし、反省を深めているとは言えない」と指摘したとのこと。

3)判決で裁判長は「自分本位な考え方しかできず、身勝手な怒りを募らせていく中で短絡的に粗暴で過激な行為に及んでしまう傾向が見て取れる」と指摘。被告人質問で男が何度も「分からない」という答えを繰り返したことなどに触れ、「真に反省を深めているような態度を示しているとは到底いえない」と述べたとのこと。

***補足情報***
公判のどのタイミングの情報か不明な情報です。
1)検察や判決によると、男は離婚後も女性のツイッターを見て、女性の行動を確認していた。さらに、男の家には女性が昔持っていた古いスマホが残されており、家のWi-Fiをつなげば、個人的なチャットのやりとりが見られる状態だったとのこと。

事件当日の夜、男は女性のチャットのやりとりに気付く。「(オンラインゲームの)アモアスやろうぜ」のメッセージに対し、女性が「今日のは参加予定」と返信したとのこと。

これを見た男は逆上。すぐさま家の牛刀と包丁、滑り止めの付いた手袋を手に取り、かばんに詰めた。女性宅にバイクで乗り付けて、まちぶせをし、自転車で帰ってきた女性を襲ったとのこと。

2)事件の約1年半前、男は女性と一緒に訪れた尼崎市内のコインランドリー店で、敬語を使わなかった店員に激怒。店内のテーブルを蹴飛ばして店員の太ももに当て、警察沙汰になったという。これが女性が別居を考えるきっかけとなったとのこと。

3)女性の母親は、女性が離婚前に「(男が)いつ怒り出すか、顔色を見ながらびくびくしながら生活するのは嫌だ」と話していたと明かしたとのこと。

こんなところですね。
報道が少なく、事件の経緯などが不明でしたが、離婚理由などがわかりました。
被告は普段から粗暴だったんですね。コインランドリーの店員が敬語を使わなかった程度の事で腹を立てて物にあたるなんてのは、33歳としては短慮というか、落ち着きが無いと言う事ですよね。
そして、女性の母親の証言でも、普段からビクビクして生活していたと言う事だから、これを機会に離婚しようと言うも理解できますね。

結局は離婚が原因で逆恨みして起こした事件です。
詳細が分からないけど、「友達とゲームする」って事が直接の切っ掛けだけど、離婚が成立する前にも、女性の実家に行ったりしてるし、凶器は事件よりも以前に準備している。
なので、被告人が言う「積もり積もったものがある」と言うのは、そもそも「離婚した事自体が許せない」その上で、「楽しそうにしているのが許せない」と言う事のようですね。
被告人自身の生活環境が分からないので、なんとも言えないのですが・・・仕事は会社員としか出てないけど、どんな仕事をしていたのだろうか?
普段から粗暴な面があるなら、仕事でも、そのあたりが出ていたと思うのだけど・・・会社(社会)では別人格と言うタイプの人なのかな?

一方の女性の側としては、離婚して別別に暮らして、これから人生をやり直そうとしていたわけだし、それで警戒心が薄れてしまったのかもしれませんね。
これも詳細が不明ですが、女性の住所は郵便物から調べたと言う事なので、普通に考えると、女性側から男性側に何らかの連絡を郵便物で行ったと言う事でしょうね。
あるいは、家に残した荷物を宅急便で送ってもらったと言う事なのかもしれませんけど。

スマフォを男の家に残してしまったのも、痛いですね。まー新しいスマフォがあれば問題無いと言う判断だったのかもしれませんが、やはり、情報端末は回収するなり、遠隔ロックするなりしておく必要がありましたね。
とは言え、それは、この事件の本質から見れば小さな事かもしれません。
おそらく、この被告は、スマフォが無くても、ツイッターや、あるいは噂話程度でも、何かを切っ掛けに逆上して事件を起こしていたんじゃないかな。

遠方に引っ越すと言うのも、職場や友人と離れたく無いと言うあたりを考えれば、現実的では無いですよね。
なので、「危ない」と思ったら、できるだけ、自宅や職場の住所を知られないようにする以外に方法が無いかもしれません。
基本的にストーカー対策と同じですね。
かといって、それは防御しているだけで、相手の殺意をなくす事にはならないので、根本的な対策にならないんですよね。
しかも、相手がどの程度の「悪意(殺意)」を持っているかも確認する方法が無いですからね。

過去のストーカー事件では自宅を引っ越しても、引っ越し先の住所を調べられて、殺害されてしまった事件もありますからね。

なので、問題が表面化すると対応が難しい状態になりますね。
ストーカー規制法などもあるけど・・・・離婚から、事件までの期間に被告からの接触は無かったのかな?
もし、度々接触があって、嫌がらせなどがあったのであれば、被害者も警戒したと思うんですよね。
でも、それが無くて、離婚の後、何もなくて安心しているところを襲われたとしたなら、対策のしようが無いですよね。

とすると、最悪のケースを想定して対策すると言う事になりますね。
1)自宅や職場の住所を知られないようにする(知られていたら、変える)
2)SNSのアカウントや電話番号を変更して、相手に情報を探られないようにする。
とは言え、これは警戒して、危機意識があってこそできる事なので、警戒してなければ、二つともやりたくない事ですよね。

結局は「相手をどう見るか?」相手を危険な人と判断できるかどうかに掛かっていると言うところでしょうか。

一見すると単純そうな事件に見えるけど、逆に対策が難しい事件なのかもしれません。

亡くなった女性のご冥福をお祈りします。

参考リンク
兵庫県尼崎市元妻女性殺害事件その1(鑑定留置まで)

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2022/08/20

兵庫県加西市女性殺人事件その2(一審判決)

まずは続報です。
1)容疑者(35)が「女性から『子どもを産む』と告げられ、突発的に首を絞めてしまった」という趣旨の供述をしているとのこと。

2)神戸地検姫路支部は2021年11月26日、殺人罪などで交際相手の無職男性容疑者(35)を起訴した。
同支部は認否を明らかにしていない。

***初公判(2022年5月30日)***
1)被告は「私がすべてやりました」と起訴内容を認めた。
2)検察側は、被告が被害者とマッチングアプリで知り合い、妻子がいることを伝えずに交際していたと指摘。

「妊娠中の被害者に堕胎を求めたが受け入れてもらえず、身勝手極まりない、計画的な犯行に及んだ」と主張したとのこと。

3)弁護側は「凶器や遺体を隠すための準備はしておらず、計画性に乏しい犯行だった」と主張した。

4)起訴状などによりますと、被告(36)は去年10月、兵庫県姫路市内の駐車場に止めた車の中で交際相手の女性被害者(34)の首を絞めて殺害し、加西市の空き地に遺体を埋めた罪などに問われている。

***判決公判(2022年6月6日)***
1)神戸地裁姫路支部は懲役20年の判決を言い渡したとのこと。

2)裁判長は被告が結婚していることを隠して梅本さんと交際し、妊娠した被害者女性が堕胎に応じなかったために犯行に及んだとした上で「被害者に落ち度があったとは言えず自己本位で身勝手な動機」だと指摘、「下見をするなど計画性があったことも明らかで強固な殺意があった」として、懲役20年の判決を言い渡したとのこと。

別の報道では
裁判長は「男女関係を動機とする殺人事件の中でも非常に重い部類」と厳しく指摘したとのこと。

***補足情報***
公判のどの時点での情報か不明の情報です。
1)2021年6月頃、マッチングアプリで知り合う。被害者女性は真剣に結婚相手との出会いを求めていたため、当初から被告に「結婚を前提に」と告げていたとのこと。

2)2021年9月頃、被害者女性は妊娠していることを知る。その直前に、被告は一方的に連絡を絶っていた。被害者女性は探偵を雇い、被告を調べ、探偵は被告に被害者女性の妊娠を知らせたとのこと。
そこで、被告は、被害者女性と連絡をとり、「(子どもを)おろしてほしい。結婚もしない」と伝えた。
それでも被害者女性は母親に相談して、子どもを出産して一人で育てようと決意し、被告に認知するよう求めたとのこと。

3)被告は認知を拒否したため、被害者女性は弁護士に相談し、被告に強制認知など法的手段もあると告げたとのこと。

4)被告は2021年10月23日午後2時ごろ、被害者女性に、認知などについて「話し合う」と伝えて、車で連れ出した。

5)この時(殺害時)の事を被告は「被害者時尾姓のいる後部座席に移って『おなかの子どもをさわらせてほしい』と背後から、Aさんを抱きかかえ、おなかに手をあてました。自分には妻子がいたので、養育費は支払うから認知はやめてもらえないかとお願いしたが、被害者女性は『もう話し合うことはしません。すべて弁護士に任せます』と言いました」と話したとのこと。

その後、背後から首を絞めて殺害した。
「途中で被害者女性がやめてと手でたたくのを無視して絞め続けた」と話した。

この時の状況を検察側は
「被告は、怒った被害者女性に、再度、おなかの子どもをさわると背後にまわり、油断した隙に、プロレス技、チョークスリーパーをかけるように右腕を首にまわして、5分以上、絞め付けた。被告自身も『もう力が入らない限界まで絞めた』と認めている」と説明したとのこと。

6)犯行の日の朝、被告は、殺害することも考え、あらかじめ死体を遺棄する場所をスマートフォンなどで検索し、物色していた。途中、民家に置いてあるスコップも盗んでいた。

7)遺体を埋めた後、車に残されていた被害者女性のスマートフォンを別の場所に捨てるなど証拠を隠蔽したとのこと。

8)この日(犯行日)の夜、別の女性と食事の約束をしていた被告は、遺体を遺棄したことで服が泥だらけになったため、キャンセルしたとのこと。

9)被告の最終意見陳述?
「このたびは私の事件により被害者女性、ご家族、被害者女性を愛していた人すべての人々を悲しませることをしてしまった。改めて罪の重さを痛感している。これから反省と償いをしていきたい。出所したら地域のボランティア活動をして社会貢献したい」と話したとのこと。

被害者女性の弁護士は、被告から、謝罪の手紙や補償などがまったくなされていないとも明かしており、「ただの自己弁護としか思えない言葉ばかりだった」と話したとのこと。

こんなところですね。
懲役20年ですね。殺害が1人(胎児は1人と計算されない)で、罪状に強の字も無いので、このあたりが限界かもしれませんね。
とは言え、女性から見れば「最低」とそしられても仕方が無い悪質さですね。
当初から体だけが目的で、妻子がいる事を隠して交際。妊娠を知らされる前に姿を消したのは目的を達成したからでしょうね。
そして、当然のように避妊もしていない。
で、身元を特定されて、認知を求められると拒否して、保身の為に殺害している。

欲望を満たす為の努力は惜しまないが、予測されるトラブルを回避する努力は何もしない。
まー自分に正直だとは言えるかもしれないけど、社会人としては失格でしょうね。
結局、この事件で被害者の家族と、自分の家族を不幸のどん底に突き落としている。

でも、この手の男性は世の中には結構いると言うのも事実なんですよね。
(男性の側には別のリスクもありますけどね、美人局とかね)
ちょっと調べれば、この手の事件が山ほど出てきますからね。

男女ともに、出会いが簡単になったけど、双方ともに相手の事をしらないところから交際が始まります。
「プロフィールの文章が正しいとは限らない」、「悪人は悪人の顔を見せずに近づいてくる」このあたりを念頭に慎重に交際して欲しいと思いますね。

亡くなった女性と生まれるはずだった命のご冥福をお祈りします。

参考リンク
兵庫県加西市女性殺人事件その1(殺人容疑で再逮捕まで)

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2022/08/15

福岡県福岡市15歳少年女性殺害事件その2(一審判決)

***初公判(7月6日)***
1)少年は事件当時15歳の中学生で、起訴内容について「間違いありません」と認めたとのこと。

2)検察側は冒頭陳述で、少年は小学生の頃から周囲への暴力を繰り返し、少年院を仮退院した後に福岡県内の更生保護施設に入ったが、抜け出したと説明。行き着いた商業施設で、性的行為目的で女性の後をつけ、殺害したと指摘した。事件の悪質性や少年院を仮退院した2日後に事件が起きたことなどを踏まえ、「保護処分は許容できない」などとして刑事罰を科すべきと主張したとのこと。

3)弁護側は少年は幼少期から親元を離れ、病院や児童自立支援施設などを転々として暮らしたとし、「家族から暴力などの虐待を受け、不適切な養育環境で育った。少年院でも適切な指導は行われなかった」と訴えた。その上で、「個別的で効果的な指導を行う少年院で、長期的で根本的な治療がされないまま社会復帰すれば、一層孤立し、非行を繰り返す可能性がある。刑罰を与えるべきではない」と反論したとのこと。

4)起訴状などによると、少年は20年8月28日夜、福岡市中央区の商業施設「MARK(マーク) IS(イズ) 福岡ももち」内の店舗で包丁2本を盗み、その後1階女子トイレで、同市の女性の首などを包丁で刺して殺害。さらに逃げる際の盾にしようと、施設内にいた女児(当時6)を包丁で脅したなどとされるとのこと。

5)検察側
幼いころから親族に虐待を受けていた少年は、小学生の時に友人の首を絞めるなど暴力問題をたびたび起こし、これまでに精神病院や医療少年院など施設を転々としていたとしました。

犯行の動機は「性的目的」で、トイレで刺した女性の傷は10カ所以上、深いもので14センチまで達していたとしているとのこと。

検察側の冒頭陳述などによると、少年は入所翌日に施設を抜け出し、コンビニで出会った若い男性に「お金に困っており、泊めてほしい」と何度も頼み込んだ。男性からは断られたものの、現金3千円を渡してくれたとのこと。

翌朝、そのお金で始発のバスに乗って福岡市・天神に向かい、偶然見かけた別の女性の後をつけているうちに事件現場の商業施設に着いたとのこと。

商業施設では、キッチン用品店で包丁2本を万引し、男子トイレの個室で刃の部分にトイレットペーパーを巻き付け、ズボンに差し込んで隠した。4階のゲームセンターに立ち寄り、エスカレーターで1階に戻った際、友人と一緒に買い物に来ていた被害者の女性を見かけ、「後を追いかけることにした」とのこと。

6)弁護側:少年が通っていた小学校の担任教諭の供述書
「何とかまっとうになってくれないか、必死に接していました。事件を聞いていつかこのような悲惨なことが起こるのではないかと思っていた。凄惨な事件を起こし、被告に関わってきた一人として責任を感じる。学校教育の限界を完全に超える存在だった」とのこと。

別の報道では
弁護側は小学4年の時に担任だった教諭の供述調書を読み上げた。少年は小学校で他の児童の首を絞めたり、教諭に「殺すぞ」と暴言を吐いたりするなど、問題行動を毎日のように繰り返したとのこと。

教諭は「(少年の家族は)問題行動に関心が薄いなど、取り巻く環境はとても厳しかった」とも指摘し、「可能な限り指導したつもりだが、学校教育の限界を超えた子どもだった」と述べたとのこと。少年は精神科病院に入院したこともあったとのこと。

更に別の報道では
「少年は、父・母・姉・兄との5人家族」
「少年は家庭環境に問題があった」
「父親からは電話でのクレームが度々あり、『お前が来い!お前の対応が悪いから子供が言うこと聞かないんだ!お前を辞めさせてやる!』と言われた」
「母親は、自分で家事ができない、料理が出来ない」
「祖父は学校運営協議会の会長でクレーマーだった」
「少年が車のドアに挟まれた時、『先生のせいにして、カードを買ってもらう、ケガが証拠になる。おじいちゃんに言って先生をやめさせる』と言うことがあった」
「少年は人間関係を冷静に見ることができる」

***第二回公判(7月7日)***
被告人質問
1)検察側
少年は商業施設の女子トイレに女性とその友人の後を付けて入り、女性と目が合った時には「どんな反応をするか興味がわいた」ので、包丁を突きつけたと説明。包丁は「自殺しようと思って盗んだ」と述べたとのこと。

トイレに入った理由は、検察側の尋問では「女性の友人に性的暴行をする意図があった」と捜査段階で供述したことを認めた。

2)弁護側
トイレに入った理由は、弁護側の質問では「取り調べが面倒で自暴自棄になり、性的な目的と言った」と説明。入った理由は「よく分からない」と答えたとのこと。

被害者については「自分の勝手な行いで、将来のことなど、いろんなことを奪ってしまって申し訳ない」と謝罪。

遺族への謝罪の言葉を問われると「特にないです」と2度繰り返し「更生したい気持ちはすごくあるが、簡単にできないと思う」とも述べたとのこと。

トイレで女性に刃物を向けた時、女性に自首を勧めらた。
この時「母親と姿が重なり、怒ってしまいました」とのこと。
「少年院を出るとき、引き取り手として母のもとへ、と話が進んでいたのに、直前になって断られて、期待した気持ちが強かったので、その気持ちが重なった」とのこと。

3)被害者遺族の代理人弁護士
少年に更生の意欲を問うと「多分、できないだろう。人は簡単に変われない。クズはクズのままだ」と述べたとのこと。

代理人弁護士は、少年が送致・移送された鹿児島家裁の少年審判で「1人ぐらい死んでも大したことない」「他人に関心が無かった」などと遺族の前で発言していたことも明かしたとのこと。

4)裁判長
少年は事件後、被害女性の遺族に宛てて2回、謝罪文を書いたといいますが、送ってはいなかった。

なぜ手紙を書いたのか?
「そうした方がいいかなと思って書いた。形として謝罪文を残した方がいいと思って書いた」と述べたとのこと。

***第三回公判(7月8日)***
弁護側証人尋問
1)罪を犯した少年について少年院送致の必要性などの調査を行う、少年鑑別所に勤める精神科医

少年に対して行われた心理鑑定書を読んだという医師は、少年の今の状態について「刑罰が刑罰にならず、被害者を思うには到らない」と述べたとのこと。

そして「親族から受けたとされる虐待のトラウマに向き合えるよう、治療を受けてから初めて反省できる」とし「いろんな刺激を与えて内省させられるのは更生施設である少年院」と証言したとのこと。

***第四回公判(7月12日)***
弁護側証人尋問
1)少年の心理鑑定をした山梨県立大の教授(臨床心理)
教授は、少年が兄から日常的に暴力を受け、母親から「死ねばいい」と言われて育ったことを挙げ、「複雑な成育環境のせいで、人の気持ちを考え、信頼することができない」と説明した。少年は保育園や小学校で周囲に暴力をふるい、10歳で児童自立支援施設に入所。その後も問題行動を繰り返し、少年院に入ったとのこと。

教授は少年が「人との温かい関係を求めながらも拒否する葛藤状態にあった」と分析。「施設も少年を腫れ物に触るような扱いをし、適切な治療をしてこなかったのではないか」とし、少年には、保護処分による「治療的養育」が必要だと述べたとのこと。

別の報道では
教授は証言で、少年が「(家庭内で)日常的・慢性的に暴力が吹き荒れていた」ほどの虐待を受けたトラウマ(心的外傷)で「共感性や罪悪感が欠如している」と指摘。自分が被害者との感覚があり、少年が「人を殺すことを何とも思わない」などと説明していたことも明かしたとのこと。

2)検察側証人尋問
教授は、少年を検察官送致(逆送)とした鹿児島家裁決定が「(少年院では)問題性の改善が著しく困難」と指摘した点について「(決定は)間違っている」と反論。少年は少年院の入所歴があるが、教授は「これまでトラウマに対する適切な処置がされていない」と証言したとのこと。

3)検察側弁護側どちらの証言か不明
鑑定の結果について「家庭環境に問題があるのだろう。40年以上虐待を見てきた私から見ても信じがたい内容の虐待行為が行われていて、極めて不適切な養育環境」だと述べたとのこと。

その上で専門家は、「少年はこれまで精神的な診療や福祉的な手当を十分に受けていない」「治療的な関わりが妥当で更生の可能性はある」などと話したとのこと。

教授は面会で少年が「自首しておけば良かった」と涙を流したと明かし、更生の可能性を示唆したとのこと。

***論告求刑公判(7月15日)***
1)検察側は「卑劣かつ冷酷、残虐な態様で、まれに見る凶悪な犯行だ」として少年法が定める不定期刑の上限となる、懲役10年以上15年以下を求刑したとのこと。

論告で検察側は、少年が盗んだ包丁を手に性的目的で女子トイレに入ったが、被害者の女性に自首を促されて逆上し、14カ所を刺したと指摘。商業施設内を逃走するため、途中で6歳の女児に馬乗りになり、包丁を突きつけて女児の母親を脅したとして「徹頭徹尾、自己中心的で自分勝手な動機だ」と指弾したとのこと。

公判で少年が被害者の遺族のことを「一切考えたこともない」などと述べたことに触れ「現時点に至っても罪に向き合っていない」と批判。人が多く行き交う商業施設内で起きた事件で「社会に与えた不安も極めて大きい」とし、遺族の思いや同種事件も踏まえて求刑したと説明したとのこと。

2)弁護側は「再犯防止のためにも適切な治療が必要だ」として家裁送致のうえ、第3種(医療)少年院送致などの保護処分を求めたとのこと。

弁護側は少年が過酷な家庭環境で虐待を受けて育ったトラウマ(心的外傷)が問題行動につながっていると主張。これまで信頼できる大人がおらず、被害者の女性に近づいたのも「情緒的な関わりを漠然と求めていた」と反論したとのこと。

地裁の依頼で心理鑑定をした専門家の見解を引用し、過酷な生い立ちから少年には被害者感覚があり「刑務所に入れれば、更に被害感情を強める可能性がある」と強調。「医療少年院で治療的養育を受けさせるべきだ」と訴えたとのこと。

3)最終意見陳述?
最後に、裁判長から「何か言いたいことありますか」と問われた少年は「特にないです」と答えたとのこと。

***判決公判(7月25日)***
1)福岡地裁は求刑通り懲役10年以上15年以下の不定期刑の判決を言い渡した。

2)判決理由
裁判長は「更生の可能性が高いと見ることは困難」と指摘したとのこと。

「長期間複数の施設や少年院で処遇を受けたにもかかわらず、粗暴傾向が改善されないまま残虐な事件を引きおこしている。保護処分によって更生する可能性が高いとみることは困難である」

また、保護処分とするのが許されるかについては、「見ず知らずの被害者に対する通り魔的な、非常に残虐で凶悪な犯行で、社会に与えた影響も大きい」「人格的な未熟さや成育歴などを理由に保護処分を受けることは社会的に許容しがたい」と述べ、少年に対し懲役10年以上15年以下の不定期刑判決を言い渡したとのこと。

3)裁判長の説諭
あなたはこの法廷で「人間、クズはクズのままで、変わることはないと思う」と言いました。一方で「すぐに暴力を振るう傾向を変えたい」とも言いました。あなたは変わらなければなりませんし、変わりたいという言葉も本心だと思います。刑務所にいる長い時間の中で、被害者や遺族の痛みに正面から向き合い、心からの謝罪の心を持てるようになることを願っています。
少年は無言のままだったとのこと。

***補足***
<少年の経歴>
小3 他の児童の首を絞めるなど → 精神科病院に入院
小4 当時の担任「少年は学校教育の限界を完全に超えていた」
小5 兄とのけんかに包丁を使う → 児童自立支援施設など転々
中1 少年院に入所
中3 少年院を仮退所 → 更生保護施設を翌日脱走

***刑が確定(8月8日)***
少年側と検察側いずれも期限の8日までに控訴せず、1審の懲役10年から15年の不定期刑が確定した。

こんなところですね。
難しい事件ですね。
少年の家庭環境に問題があるのは理解できます。一方で判決理由の中で「長期間複数の施設や少年院で処遇を受けたにもかかわらず、粗暴傾向が改善されないまま残虐な事件を引きおこしている。保護処分によって更生する可能性が高いとみることは困難である」と言っているのも、理解できます。

いままで、何度も更生教育を受けてきて、結局、こんなひどい事件を起こしてしまったのだから、更生は無理ですよね。と言う事ですね。
一方の弁護側は、トラウマの治療をしないと問題の解決にならないと主張してました。
判決はこれを否定したわけですね。

弁護側の主張も理解できるのですが、結局、ここまで状態が悪化する前に「治療するべきだった」と言う事なんですよね。
その意味では、これまでの更生教育に問題が無かったのか?と言う検証が必要かと思います。

それに、根本原因の育成環境の問題をどうするのか?ですよね。
過去を変える事はできないのですが・・・小学校時代に育成環境に問題がある事は関係者は分かっていたはずです。
児童相談所は何か対応をしていたのだろうか?
結果的に小5で自立支援施設へ送られるわけですが、これが遅すぎたのではないだろうか?

正直なところ、「親ガチャ」でハズレを引いた少年には同情できる面もあると思う。
これまで適切な治療を受けれなかった事も同情できる。
しかし、だからといって、罪の無い人を理不尽な理由で殺害してしまった罪を無かった事にはできないと言う事ですね。

教育が難しいのは、子供だけ教育してもダメで、その親も教育が必要なんだけど、それには何世代も時間が必要と言う事ですよね。
「教育は文化の伝承」と誰かが言ってましたが、日本と言う国を良くするには根気強く教育していくしかないのでしょうね。

そういえば、発達障害の話は公判では触れられてなかったのかな?情報が無かったと思います。

亡くなった女性のご冥福をお祈りします。

参考リンク
福岡県福岡市15歳少年女性殺害事件
反省させると犯罪者になります
少年犯罪の深層・・・家裁調査官の視点から
少女たちの迷走-児童自立支援施設からの出発

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滋賀県守山市オーバードーズの会事件その2(一審判決)

***男性被告の初公判(4月12日)***
1)被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

2)検察側は冒頭陳述で「被告は20代後半に睡眠導入剤を使用するようになった。SNSでつながった薬物を多量摂取する仲間から紹介された女子高校生に薬物を渡し、翌朝、自宅で倒れている女子高校生を発見した」と事件の状況を説明したとのこと。

3)被告は女子高校生に対する未成年者誘拐の疑いでも逮捕・送検されていましたが、大津地検は処分保留としている。

4)起訴内容
起訴状によると、被告は昨年12月10日、守山市の自宅で女性に向精神薬の錠剤約100錠を無償で譲り渡し、翌日、女性と共謀し、50錠を女子高校生に無償で譲り渡した。また、同12日、薬物の影響で抵抗できない女性の下半身を触った、としている。
(補足:準強制わいせつを行った相手は女性被告であって、死亡した女子高生ではありません)

***誘拐容疑は不起訴(4月22日)***
2人は処分保留となっていましたが、大津地検は4月22日付で不起訴処分にした。

不起訴の理由については「差し控える」とのこと。

***女性被告の初公判(6月2日)***
1)被告は起訴内容を認め、「薬の多量摂取(オーバードーズ)では死なないと思っていた」と話したとのこと。

2)検察側は冒頭陳述で「被告はそううつ病で睡眠導入剤の処方を受け、意識もうろう状態を楽しむため、SNS(交流サイト)でオーバードーズをする人らとやりとりをするようになった」と説明したとのこと。

3)弁護側は「女子高校生に害を与えようとして譲渡したものではない」と訴えたとのこと。

4)被告人質問
「(女子高校生を)呼んでしまったことを後悔している」と話したとのこと。

5)起訴内容
男(39)と共謀し、昨年12月11日、守山市の男の自宅で女子高校生に向精神薬50錠を譲り渡した。

***女性被告の判決公判(6月9日)***
1)裁判官は懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)を言い渡した。

2)裁判官は「友人が過剰摂取することを認識しつつ犯行に及んだ」と非難したとのこと。

***男性被告の論告求刑公判(7月5日)***
1)検察側は懲役4年を求刑した

2)検察側は論告で、「積極的に薬を譲渡すると言って女性らを自宅に誘い出した」と指摘したとのこと。

別の報道では
検察側は、「犯行態様の危険性が大きく、発生した結果は重大」と指摘。さらに、岐阜県の女への準強制わいせつや、同居人のカメラなどを横領した罪にも問われていることから「多様な犯罪を行っていて、規範意識が著しく低下していることから再犯の恐れがある」として懲役4年を求刑したとのこと。

3)被告人質問
「薬をどんなに飲んでも死にはしないと思っていた」と話し、薬の多量摂取(オーバードーズ)目的で知り合った女性(22)=麻薬取締法違反の罪で有罪確定=や女子高校生に向精神薬を渡したことについて、「渡すと2人がすごく喜んでくれた」と述べたとのこと。また、最初からわいせつ行為をする目的はなかった、と主張したとのこと。

***男性被告の判決公判(7月28日)***
1)懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡した。

2)大津地裁は、「2人が向精神薬を多量摂取するつもりであると認識しながら譲渡したもので、危険性の高い悪質な犯行」と指摘したとのこと。

一方で「反省の態度と謝罪の意を示している」などとして、被告に懲役3年、執行猶予5年を言い渡したとのこと。

こんなところですね。
女性被告も男性被告も執行猶予付きの判決となっています。
まー死亡するとは思わなかったと言う事で、どちらかと言うと事故に近い事件なのかもしれません。
死亡した女子高生もそうなんですが、3人が3人ともオーバードーズを望んでいたんですよね。

この事件を防ぐのが難しいのは、各人が「それを望んでいる」からなんですよね。
まー現実逃避と言えばそれまでなのですが・・・

誰でも、現実から目を背けたい時もありますよね。
人によっては、ゲームやスポーツなどに没頭するなど方法は色々あると思います。
この人達にとってはそれが「オーバードーズ」だったと言う事なんでしょうね。

そして、本人達にも悪い事をしている意識が無いようなので、自分でブレーキを掛ける事もできないでしょうね。

なので、本人達の「人生観を変えるような何か」が無いとオーバードーズを止める事は難しいかもしれませんね。

その一つの切っ掛けは「人との絆」なのかもしれません。
「自分の為に生きる」のではなく「誰かの為に生きる」と思う事ができれば、明らかに体に良くない「オーバードーズ」は「自分を思う誰かを悲しませる」と考える事ができるようになるかもしれませんね。

亡くなった女子高生のご冥福をお祈りします。

参考リンク
滋賀県守山市オーバードーズの会事件

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2022/08/08

無期限休養のお知らせ

ASKAの事件簿を読んでいただきありがとうございます。
突然のお知らせでごめんなさい。

諸般の事情により、無期限の休養を取ることにしました。
とは言え、健康上の問題とか、経済的な問題と言うわけではなく、これからの人生をより良い物にする為に、本業に全力を注ぐ為です。

まー、新規の事件を取り上げる事はしませんが、過去記事のフォローは継続する予定です。
コメントの返信などもこれまで以上に遅れるかもしれませんが、できるだけ返信しようと思います。

では、ちょっと本気出してきますね。
暑い日が続きますが、みなさんも、どうかお体にお気をつけてお過ごしくださいませ。

2022年8月8日
          ASKAより

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