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2022/08/27

福岡県田川市1歳男児エアガン虐待死事件その4(母親の控訴審判決まで)

判決は懲役8年(求刑:懲役12年)です。

***母親の初公判(22年2月21日)***
1)被告は「(男児を)病院に連れて行かないといけないということは、分かりませんでした」と述べて起訴内容を否認した。

2)検察側は冒頭陳述で、被告は、男児の兄妹を病院で受診させており、介護職員の勤務経験もあることなどから、男児の保護の必要性を認識していたことを立証していくとしたとのこと。

証拠調べで検察側は、三男の遺体全身には円形の傷が71カ所、骨折が31カ所あったことを明らかにした。虐待以外の原因は考えにくいとする医師の見解を読み上げ、趣味でエアガンを持っていた男性被告が三男を撃っていたと結論づけた捜査報告書も示したとのこと。

3)弁護側は、公判前整理手続きで被告に軽度の知的障害があると認定した地裁の鑑定結果を踏まえ、男児の衰弱状態などを正確に認識できていなかったと主張したとのこと。18年12月1日未明に119番するまで病院に連れて行く必要性を分かっていなかったとして「罪を犯す意思があったとは言えず無罪」と述べたとのこと。

弁護側は「被告は知的障害があり、精神年齢が12歳で、病院に連れていかなければならないことが分からず、故意だったとは言えない」と無罪を主張したとのこと。

4)起訴状などによると、被告は夫の土木業、男性被告(26)=保護責任者遺棄致死罪などで起訴=とともに、18年10月に三男が重度の低栄養状態に陥り、翌月にかけあばら骨など多数を骨折して肺感染症を発症したにもかかわらず、医療機関を受診させず同年12月に肺炎で死亡させたとされるとのこと。

***第五回?公判(22年3月2日)***
被告人質問
弁護側
被告は「三男が骨折していることは、まったく気がつかなかった。亡くなった日に救急車を呼ぼうとしたが番号が分からず、すぐに呼べなかった」と話したとのこと。

また夫の男性被告から日常的な暴力を受けていたと証言したとのこと。

検察側
三男が死亡する直前に体温計を使った形跡があることについて質問。

被告は「心当たりがありません」と答えたとのこと。

***第六回公判(22年3月3日)***
証人尋問
裁判所が依頼した鑑定医
被告には知的障がいがあり、IQは58で精神年齢は12歳程度だったと報告した。
特に、目で見たものからの判断が苦手で「子どもの状態把握ができなかった可能性がある」とした。

一方で、男性被告からのDVなどによって、学習性無力感と呼ばれる心理状態にあり、三男の状態を認識していたものの、自分は何もできないと考え、病院へ連れて行かなかった可能性もあると指摘したとのこと。

***論告求刑公判(22年3月7日)***
1)検察側は「親として気づかないはずはなく責任は重大」として、懲役12年を求刑したとのこと。

2)検察側は論告で、被告が介護職の経験もあり、男児の兄妹を病院に連れて行っている点などから「(男児の状態を)認識する能力は十分に備えていた」と指摘。そのうえで「男児に1カ月以上も十分な栄養をとらせず、身体的、精神的に大きな苦痛を与えた」と述べたとのこと。

3)弁護側は被告に軽度の知的障害があるとした鑑定結果や鑑定医の証言から、見たことを正確に判断することが特に苦手だったと指摘。男児を病院に連れて行く必要があるとは認識できず、無罪と訴えたとのこと。

***判決公判(22年3月11日)***
1)福岡地裁は11日、懲役8年(求刑・懲役12年)を言い渡した。裁判長は「大変痛ましい犯行態様で、悪質性の程度が相当高い」と述べたとのこと。

別の報道では
「被害者の苦痛は察するにあまりあり、反省の態度も見られない」として、被告に対し懲役8年の判決を言い渡したとのこと。

別の報道では
裁判長は、兄弟が発熱した時、藍被告が診察を受けさせていたことなどに触れ、「知的障害があるからといって被害者の状態に気づくことができなかったとは言えない」と指摘。

また、「夫の男性被告にDVを受けていたことを踏まえても強い非難は免れない」とし、被告に懲役8年を言い渡したとのこと。

2)裁判長は、遺体にはエアガンで撃たれたとみられる71カ所の円形の傷があり、あばら骨が浮き出た状態だったと指摘。被告は男児の兄妹が発熱した際は診察に連れて行き、かつては介護職員として適切に業務をこなしていたことなどから、男児が病院に連れて行く状態と認識できたと判断したとのこと。

別の報道では
裁判長は「きょうだいが発熱した際に病院を受診させていたことなどから、障害があるから気づかなかったとは言えない」と指摘したとのこと。

3)言い渡し後、裁判長が「服役中に被害者についてもう少し考えていただければ」と諭したとのこと。

***控訴棄却(22年7月27日)***
控訴審判決で福岡高裁は、被告は三男の衰弱に容易に気づくことができたと認定した上で、「審理は尽くされ、判断結果にも不合理な点はない」として1審判決を支持し被告側の控訴を棄却したとのこと。

こんなところですね。
知的障害でIQが58と言う事を聞いて、別の事件の事を思い出しました。
2014年の神奈川県厚木市下荻野5歳男児餓死事件です。
5歳の男児を監禁して餓死させた事件ですが、この事件の被告(父親)のIQは69と報道されてますね。
一般的に50から70では軽度の知的障害と言われているようです。
この厚木市の事件でも被告の「死ぬとは思わなかった」と言う主張を否定して、殺人罪で有罪となってますね。。

今回の田川市の事件でも、他の子供は病院に連れて行っている上に、仕事として介護の仕事もできていたわけで、まったく異変に気付かないと言うのは、不自然な気がしますね。
とは言え、鑑定医が証言した「学習性無力感と呼ばれる心理状態にあり、三男の状態を認識していたものの、自分は何もできないと考え、病院へ連れて行かなかった可能性もある」と言う方が説得力を感じますね。
仮にそうだったとして、この事件を防ぐには、DVをする夫と結婚しない事と言う事になるのだろうか?

確かにそうかもしれないとは思うのだけど・・・ちょっと運に左右される面が大きいかもしれませんね。
女性被告側が交際の段階で男性被告(夫)がDVを行う事を予測できたか?と言うとちょっと疑問がある部分ではありますよね。
逆に男性被告側が女性被告の知的障害を知った上で結婚したのか?と言うのも分かりません。(情報がないです)
結婚後に妻の障害に気付いて、不満を募らせてDVを行うようになったと言う可能性もあるかもしれません。

その意味では運任せの対策は対策とは言えないですね。
なので、確実に防ぐには子供の健康状態を外部の人間が監視するとは言わないまでも、定期的に確認するしかないかと思うのですが・・・
この事件だと12月に三男が死亡する前の7月には3男の姿が見えないと匿名の通報があったんですよね。
他にも、その前の1月には長男への虐待の通報がありましたし、関係部署としては、虐待を注意する対象にはなっていたと思うのですが・・・
7月の段階では目視で三男にはアザなどは無かったようですから、半年ぐらいの間に急速に虐待が進んだのだと思います。

乳児健診としては1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月ぐらいがあると思うのですが、9ヶ月の健診を受診していれば、虐待の兆候(骨折)は発覚したかもしれませんね。

とにかく、積極的に健診を受診するように受診者には何らかの特定を与えるのが良いかもしれませんね。
今ならマイナポイントを利用するなら、政府のマイナンバーカードの推進方針の後押しにもなるかもしれませんね。

何にしても、密室の家庭の中で起きている事を家庭の外で知る方法が必要です。

亡くなった男児のご冥福をお祈りします。

参考リンク
福岡県田川市1歳男児エアガン虐待死事件その3(12月26日までの報道)

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