« 2022年9月 | トップページ | 2022年11月 »

2022/10/10

福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その9(Aの一審判決2)

Aの一審判決は懲役15年(求刑:懲役15年)です。

***第七回公判(9月7日)***
被告人質問
弁護側「I被告の通帳を預かってお金引き出すようになったいきさつは?」
A被告「Iから『仕事でお金下ろす時間ないから下ろしてきとって、引き落としがあったらいかんけん、朝イチで行って』と言われた」
弁護側「I被告にお金返した?」
A被告「やりました、返しました」

男児が死亡した時の体重は、5歳児の平均のほぼ半分の10.2キロ。

I被告の主張によると、亡くなる間際には、A被告の指示で男児にあわせて2週間以上も食事を与えられなかったとのこと。

弁護側から、亡くなる1カ月ほど前の男児について聞かれたA被告は突然、涙を流したとのこと。

弁護側「男児の体を見て感想は?」
A被告「びっくりしました。初めて体を見て…すごく…(涙を流しながら)小さくなっていて、細かったので…。ショックでした…」
弁護側「その時、I被告と話はした?」
A被告「その時、私は『何しよると?』と言いました。『食事あげてるのになんでこんなんなっとーと』と言いました」
弁護側「I被告は?」
A被告「無言でした」

<I被告の子供達からの伝言>(I被告の元夫の証人尋問の内容について)
弁護側「子供からの伝言、どう思った?」
A被告「子供は『そう言うだろうな』と思った」
弁護側「なぜ?」
A被告「IはIの子供に、私を怖い存在で植え付けていた。子供が『私のことを怖い』と言ってるのは知っていたので、あの文面で違和感はない」

<ボスについて>
検察側「ボスについて見たことは?」
A被告「ないです」
検察側「捜査段階で『ボスに会ったことある』と話してない?取り調べで話した?」
A被告「はい」
検察側「ボスのこと見たことないんじゃないの?この話、なに?」
A被告「人違いでした、後で聞いたら」
検察側「会ってもないのに具体的に話してる、これ嘘ですね」
A被告「嘘…?」
検察側「人違いと分かって訂正してないよね?」
A被告「聞かれてないので言ってない」

<A被告が美容室についかった金額について>
検察側「志免町の美容院、2年間で80万円使った。違う?」
A被告「言われた金額の中には、私がシャンプーを買ったりとかも入っていると」
検察側「それだけお金があった?」
A被告「兄弟からも親からも助けてもらうことが多かったので、いけてました」

別の報道では
弁護側質問
制限していたとされる食事については、「I被告から生活がきついと聞いたため、親切心から食事を提供していた」と説明した。

検察側が質問。
質問は、I被告が携帯に残していた、「ほんと毎日毎日きついよ。男児もたたかれ、殴られ、罵声」というメモについて。

検察「接触しているのは、あなたじゃないの? 違うの?」
A被告「わたし以外に、誰と会っていたかわからないので」
検察「男児をたたいたことについては?」
A被告「違います」

別の報道では
検察側は、A被告が借金を抱えながらも18~20年、美容院へ50回通って約80万円を使っていたほか、大阪市の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)や大分・別府温泉などに10回ほど家族旅行をしていたと説明。これに対し、A被告は「タンス預金をしていた」と述べたとのこと。

<男児の祖母(I被告の母親)の意見陳述>
「どうして男児は死んで、A(被告)はうそをついて生きているのか。男児を返してください。それができないなら、うそはやめてください」と声を詰まらせたとのこと。

別の報道では
「娘にも責任がある。でもA被告が全てを破滅させ、男児まで奪った。男児を返してください」と訴えたとのこと。


***論告求刑公判(9月8日)***
1)証人尋問:A被告の夫
検察側からの証人尋問で、夫は、I家を訪問した際に子供たちの食事量が少なかったことや、男児が死亡する直前に心臓マッサージをしたときの状況などについて語った。

弁護側から、A被告がI被告を支配していたかどうかについて聞かれると「私はあり得ないと思います」と答えた。

別の報道では
A被告の元夫は、男児があばらが見えるほど痩せていたこと、消防に通報して救急搬送されたときの状況などを証言した。また、I被告がA被告に助けを求めてきたことについて、「普通は病院なり身内なりに連絡すると思う。おかしいですよね。普通に考えたら」と述べた。さらに、A被告がI被告を支配していたかどうか、弁護人に問われると、「あり得ないと思っています。(支配などは)考えたこともない。Iが家に来た時も普通の対等な友達にしか見えなかった」と話した。

別の報道では
弁護側:証人として出ること、お子さんに伝えてる?
A被告の夫:知ってます。いつもテレビの報道見て「違う、違う」と言ってて

またA被告の夫は、パチンコ好きのA被告のおかげでプラスの収入が多く、生活が助けられていたとも話したとのこと。

2)検察側は懲役15年を求刑した。
検察側は、「A被告はI被告が子供を守るために指示に従うしかない状況を作り、I被告を強い心理的影響下に置いていた」「I被告と意思を通じて保護責任者遺棄致死の犯罪を遂行したのは明らか」「A被告の弁解は不合理で信用できない」と述べたとのこと。

さらに検察側は「多額の金をだましとるという金銭欲の表れであり、支配欲があった。自己の欲望を満たすための身勝手な犯行で、酌量の余地はなく強く非難」「悪質極まりない。酷い仕打ちとしかいえない」「被害者は理不尽な罰をうけ、暴力を受け、勝手に食べ物を食べるとどろぼうと言われた。その苦しみや悲しみは察するに余りある」として、懲役15年を求刑したとのこと。
その上で、「被告人がいなければ事件は起きなかった。その刑事責任は母親をはるかに上回る」と説明したとのこと。

3)A被告の最後の意見陳述
金をだまし取ったということはありません。生活が苦しいと言われていたので、一生懸命助けていたつもりです。全て母親の責任だと思います。以上です。

***判決公判(9月21日)***
1)判決は懲役15年(求刑:懲役15年)
2)裁判長は、「A被告がI被告に対し夫が浮気をしているなどとウソを重ね、I被告の生活全般を実質的に支配していた」「A被告には責任があったのに、十分な食事を与えず、男児を餓死させた」などと、裁判の最大の争点となっていたA被告による支配を認定しています。

別の報道では
A被告がI被告を「支配」したと認め、「巧妙かつ悪質性の高い手口で(事件を)主導した」と指摘。動機について「強い金銭欲があったことは明らかで、I被告ら家族への悪意が背景にうかがえる。欲望のまま犯行に及び、酌量の余地は全くない」と断罪したとのこと。

判決はI被告の証言について、両被告によるLINE(ライン)のやりとりや第三者の証言など、客観的な証拠と整合し「信用性は相当に高い」と判断。A被告はI被告の証言を全面的に否定していたが、判決は「客観的な証拠に何とかつじつまを合わせて取り繕っているとしか考えられず、到底信用することができない」と退けたとのこと。

その上でI被告の証言に基づき、他のママ友や元夫を巡る裁判があり、仲裁してくれた暴力団関係者の「ボス」に支払いが必要などといううそを、A被告がI被告に吹き込んでいたと指摘。I被告の収入のほぼ全てをだまし取り、「裁判に勝つため」などとしてI家に食事制限やしつけなどさまざまなルールを課したとして「さまざまな虚言を重ねて(I被告の)人間関係を断ち、周囲から孤立させ、強い心理的影響下に置いて生活全般を実質的に支配した」と認めたとのこと。

A被告は保護責任者ではなかったが、判決はA被告がI家に提供する食事の量を減らし、I被告に男児の食事を数日間抜くよう繰り返し指示したとして「男児に十分な食事を与えない状況を作り出した」と判断。男児が重度の低栄養状態に陥ったことを知りながら、I被告への支配や指示を変えず、食料の提供もやめてI被告に男児を保護させなかったとして「I被告との共謀が優に認められる」と断定したとのこと。

最後に「不合理な弁解やI被告に責任を転嫁する供述を繰り返し、自らの責任に全く向き合っていない」とA被告を非難したとのこと。

***控訴(9月30日)***
A被告は判決を不服として、福岡高裁に控訴したとのこと。

こんなところですね。
I被告の裁判でA被告の支配が認定されてましたから、無罪は無いなと予想はしていました。
印象としては、「浅はかな悪知恵」が最悪の結果をもたらした事件だったのかな?と言うことですね。
おそらく、A被告はI被告と関わった当初はこんな事になるとは考えていなかったと思います。
その根拠としては、I被告に証拠隠滅や口止めをしているところですね。最初から計画した物なら証拠など残さないでしょう?
なので、最初は些細な嫉妬や意地悪だったのではないか?と考えています。
I被告の容姿や家庭環境などに嫉妬して、ちょっと意地悪してみようと言うつもりだったのではないかと・・・・

それが、ママ友の悪口を捏造してI被告の友人関係を破綻させる事に成功したあたりから、これは利用できるのではないか?とエスカレートしていたったのではないかな?
で、お金を搾取する為に巨額の負債を捏造したわけですね。名目は離婚の為の浮気調査や裁判費用と言う事にしたんでしょう。
この時の金額が3500万円と言う事で、本来ならI被告が「そんなに高いの?」と疑問を持つところですが、既に相談する友人も夫もいない状況になっていたので、盲目的に信じてしまったんでしょうね。

さらに、この捏造した離婚裁判でもお金の搾取に成功してしまったので、ここで完全にA被告の良心が麻痺してしまったんでしょうね。
A被告が最後に平常心に戻れるポイントはこの時点だったと思います。
結果的にI被告が離婚した事で、離婚裁判をする事なく、嘘が発覚しないまま、裁判費用(浮気調査費用)だけを搾取する事に現実との整合性が出来てしまった。
つまり、嘘が嘘で無くなったわけです。(将来的に嘘が発覚するかもしれないけど、その時はうまく言いくるめる程度と考えていたでしょうね)

なので、ここで搾取をやめれば、男児が死亡する事もなく、元の生活に戻る事ができたと思います。

ところが、最初の金額が大きすぎて、負債の返済が終わらない状態になっているのが、A被告の金銭欲を増長させてしまったのでしょうか?
ここで、離婚も成立したので、これ以上の費用は発生しないと言って、元の生活に戻ればよかったのでしょうが、一度味わった贅沢な暮らしは手放す事ができなかったんでしょうね。
思い通りになるI被告の様子を見て、支配欲も満たされて、完全に犯罪意識は消えてしまったんでしょう。

最後に男児が倒れた時、「死ぬんやない」とLINEを送ったあたり、完全に「人ごと」ですからね。
おそらく、自分は赤の他人だから、男児が死亡しても責任は親であるI被告にあると言う認識だったんでしょう。
ところが、実際に男児が死亡して、冷静に考えれば刑事事件になると直感したあたりから、保身の為に動き始めたと言うあたりでしょうか。

なので、全面否認したけど、その理由がとってつけたような理屈になってしまったんでしょうね。

この事件を防ぐ方法は大きく二つだと思います。
1)I被告側の被害者側としては、「信じる前に疑え」と言う事ですね。
私の個人的な印象ですが、日本と言う国は古来より「和を以て貴しとなす」と言う事を重要視していて、それが教育の基本にもなっていると思うんですよね。
それは、悪い事じゃないと思う。だけど、それが遠因で「性善説」が社会の基本になっている。なので、「疑うことなく信じてしまう」人が多いのではないか?と感じています。
I被告の一審判決の記事では「自立する事」と書いていますが、自分自身で判断する事を子供の教育の中でも重視して欲しいですね。

2)A被告側からの視点だと、幼少期からの人格形成がポイントかと思います。
公判の内容からみて、どうも「嘘」や「人を騙す事」に罪悪感が薄いのではないか?と思います。
こなたりは、大人になって急に変わったと言う事ではなく、幼少期から長い時間を掛けて、そのような人格になってしまったのではないか?と思うんですよね。
あるいは、過酷な生活の中で、自己防衛的にそのような人格になってしまった可能性もあるのですが、このあたりは情報が無いのでなんとも言えないですね。

3)あと、もう一つ可能性があるとしたら、A被告のお金の動きですね。
A被告の夫は証人尋問で「妻がパチンコで儲けてくる」と言う趣旨の証言をしてます。
なので、夫には「パチンコで勝った」と言ってお金を持ち帰っていたのだろうと思うのですが・・・夫はA被告と一緒にパチンコには行かなかったのかな?
もし、頻繁に一緒にパチンコをしていたら、A被告がそんなに勝っているの?と疑問を持つ事ができたかもしれませんね。
実際に、A被告がパチンコが上手い可能性もあるのですが、一般論で言えば、「客の儲けは店の損失」なわけで、毎回勝つと言うのは無理だろうと思っています。
(私はパチンコはやらないので、ホントのところはわかりませんが)
夫がA被告のお金に疑問を持てば、何か犯罪行為があるのか?と疑ったかもしれません。そうなれば、そこで犯行を止めたかもしれないですよね。

4)更にもう一つ可能性があるとしたら、児童相談所や役所、警察がどこまで家庭に踏み込めるのか?と言うあたりでしょうね。
このあたりは、専門家に議論していただきたいところですね。

些細な嘘が膨らんで一つの命を奪い、二つの家庭を不幸のどん底に突き落とす事になりました。

亡くなった男児のご冥福をお祈りします。

参考リンク
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その8(Aの一審判決1)
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その10(母親の控訴審と刑確定)
加害者家族


| | コメント (0)

2022/10/09

福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その8(Aの一審判決1)

事件を主導した「ママ友」のAの一審公判です。
情報が多いので2回に分けます。

***初公判(8月29日)***
1)起訴状によると、事件当時、母親のI被告の“ママ友”A被告(49)は、「他のママ友があなたの悪口を言っている」、「夫が浮気をしている」とI被告にウソをつくなどして、生活を実質的に支配し、食事制限などを指示していた。

3年前の2019年から2人で共謀し、2020年4月に男児を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死の罪に問われている。さらに、I被告から生活保護費など約198万円をだまし取ったとして、詐欺と窃盗の罪にも問われている。

2)「指示はしていません」「お金をだまし取ってないし、窃盗の件も頼まれて、(お金を)下ろした」と起訴内容を全面的に否認した。

3)弁護側によると、A被告は福岡県大川市で生まれ育ち、地元の高校を卒業後、一般の企業に就職。その後、何度か仕事を変え、医療機関で看護助手をしていたこともあったとのこと。

27歳で前の夫と結婚したが、工具で頭を殴られるなど家庭内暴力を受けたといい、35歳の時に家を飛び出して現在の夫と暮らし始めたとのこと。再婚後も前夫に見つかるのを恐れ、今の夫や子供たちには「ゆうな」と偽名を名乗っていたとのこと。

弁護側は、「ボス」に支払いの必要があるなどといった話は、I被告がA被告に言っていた話だとして全面的に否定。「A被告はI被告から相談を受け、嫌われるのが怖くて話題に付き合っていた」などと主張し、食事制限などの厳しいルールもA被告が指示したわけではなく、「協力を求められた」だけだと訴えたとのこと。

また、I被告から現金をだまし取ったとされたことも「『ボス』への支払いなどが頻繁にあるとしてI被告に頼まれ、A被告がI被告の口座から現金を下ろしたり、貸したりしたことはあった。I被告から現金を受け取ったこともあったが、貸した分の返済だった」などと反論したとのこと。

弁護側の説明内容
I被告は、Aにとって久しぶりの本当の友達だった。I被告とはウマの合う関係だった
夫に対する強い不満があり、離婚調停をしていてボスという人物に相談していると聞いた
ボスに依頼して裁判費用を支払っていると聞いた
裁判費用の支払いや借金を依頼され、その返済として金銭を受け取ったことはあるが、それ以外はない
家の中にボスが監視カメラを設置している、と聞いた
I被告はかなり苦労しているようで協力を求められることもあった
I被告の話は過激な内容でまゆつばものの話であったが、何か意見を言えば嫌われると思っていた


4)検察側は冒頭陳述で、A被告がさまざまなうそをI被告に吹き込み生活を支配したなどとして、I被告の判決内容に沿うような主張を展開した。その上で、A被告は「裁判で勝つために質素な生活をしないといけない」として、I家にさまざまなルールを課し、食事内容も制限。しつけにも介入して死亡した男児に暴力を振るい、つまみ食いなどをしないようI被告に見張るよう指示したと指摘したとのこと。

検察側が列挙した嘘
「ママ友が(母親であるI被告の)悪口を言っている」
「ママ友から慰謝料請求されて、ボスが金を払うことで解決してくれた」
「ボスがママ友からお金を請求する裁判をしてくれている。手続き費用がかかる」
「裁判で勝つために、監視カメラで見られている。さまざまなルールを守って生活すべし」
「夫が浮気している」

***第二回公判(8月30日)***
証人尋問
1)I被告とA被告の2人の共通の友人(ママ友の女性)
女性はI被告について…「徐々にしゃべらなくなりいつも下を向いているような状態で、明るいIさんじゃなくなった」と話たとのこと。

I被告に度々借金を頼まれ合わせて11万5千円を貸したことなどを証言したとのこと。

検察との問答
検察:「どういった経緯で貸しましたか?」
ママ友:「AさんがIさんに『お金借りるんやけ、ちゃんと言わなよ』と言って、Iさんが正座をしました」
検察:「誰がどう返済しましたか?」
ママ友:「Aさんが持ってきました」
検察:「A被告が持ってきた理由は」
ママ友:「Aさんが預かったから」

I被告が借金に訪れる際には、ほぼ毎回A被告が同席していたとのこと。

このママ友は、衰弱した様子の男児を目にしていて、頭痛を訴える男児に対しA被告がこう話しているのを聞いていたとのこと。

ママ友の証言
「目に見える症状じゃないし本当か分からん。嘘つくときもあるもんね」

検察:「男児の様子は?」
ママ友:「立ち上がるのもきつそう、何かにつかまらないと立てないようでゆっくりと立ち上がっていました」

男児が亡くなってすぐ、A被告はこんなことを言い出したとのこと。

ママ友の証言
「Iさんとのラインを消してるから消しとった方がいいよ」
「ラインの復元ってできるんかね?」

証人のママ友は、A被告に証拠隠滅ともとれる依頼をされたと証言したとのこと。

2)男児が通った幼稚園の教諭や行政機関の職員
男児は19年11月まで幼稚園に通い、A被告が送り迎えをしていた。
男児は同9月ごろから体重が減るようになり、心配した教諭が同10月にI家を訪れたが、I被告と一緒にいたA被告が応対。「お母さん(I被告)はうつ病。今はそっとしておいて」などと言われ、I被告とはほとんど話せなかったとのこと。

そのため、園からI被告に面会希望の手紙を出したところ、A被告から電話があり「対人恐怖症なのに、連れて来いというのか」などと大声で抗議されたとのこと。

園から連絡を受けた町教委の職員も同12月、I家を訪問した。その後、A被告から町役場に「母親は対人恐怖症で嫌がっているのに、なぜ来るのか」などと抗議の電話が寄せられたとのこと。

20年4月には、I被告の生活保護の事務手続きで、県のケースワーカーがI家を訪問しようとした。携帯電話の料金が払えなかったI被告に代わり、連絡先となっていたA被告にケースワーカーが電話したところ、新型コロナの感染拡大を背景に「コロナがまん延しているのに来て、感染したら補償してくれるのか」と怒鳴られたとのこと。

***第三回公判(8月31日)***
証人尋問
I被告
A被告との関係性についての証言
検察側:「今までのママ友とタイプは?」
I被告:「違いました」
検察側:「下ネタ言ったりは?」
I被告:「2人で言って、2人で笑ってって感じでした」
検察側:「付き合いは濃くなった?」
I被告:「濃くなりました」

旦那の浮気についての証言
検察側:「旦那が浮気していることについては?」
I被告:「一度も思ったことはなかった。やっぱり言ってくることがリアルなので。(A被告が)状況をリアルタイムで報告してくるんです」
検察側:「信じた?」
I被告:「信じちゃいました。夫が許せなくなりました」
検察側:「浮気を旦那に問いただしたことは?」
I被告:「ありません。Aが『夫がしてないって言うのはわかっとうし、ボスの調査は相手には言うなって言われてる』と」

食事についての証言
I被告:「Aがチンで作れるものに、タッパーにおかずを入れて持ってきてくれるように。6か7個ありました」
検察側:「量は」
I被告:「最初は3個で3日分でしたが、徐々に3個作ったら1週間もたせろとか、間隔が狭まっていきました。(主食は)朝と昼はパンを1枚ずつ。途中から朝昼で1枚に減りました」

空腹で男児が、つまみ食いをしたところ…。

I被告:「『お前は何でできんのか。お前は5歳じゃない。お前は飯食うな。絶対に食わせん。ママがいいって言っても食わせん』と。男児は謝っていましたが、Aは男児の肩口を持ち、床にあるマットレスに投げつけた。うわーっと思いましたが、ボスがカメラで見てるので何も言えなくて…」

被告人質問
弁護側:「ボスとあなたは面識がある?」
A被告:「ありません」
弁護側:「さんのボスとは?」
A被告:「男性の方と聞いていました。一緒になりたいと思っていると聞きましたけど、詳しい名前とかは聞いたことがないです」
弁護側:「朝昼食パン1枚など、Iさんに指示をしたことは?」
A被告:「ありません。実際見ていません。食事の分け方をどうやって食べるとか、Iの子どもたちを見るということはなかったので分かりません」
弁護側:「男児を投げたことは?」
A被告:「頬のところにあざができていたので『どうしたと?』と聞いたら『ママにたたかれた』と。実際にIに暴力を振るわれるのは見ました」

***第四回公判(9月1日)***
証人尋問:母親(I被告、控訴中)
(役場の家庭訪問について)
1)町役場の人に男児を友達の家に預けていますと言ったのはウソで、A被告にそう言わないといかんよと言われていた
2)家庭訪問などで男児をしゃべらせるなとA被告から言われていた。お腹すいたとか、ご飯を抜かれていたことをポロっと言ってしまうかもしれないと言っていた。(拒否の判断はA被告がした)。(理由は当時の生活状況やご飯を食べられてないことを私がポロっと言っちゃうんじゃないかとA被告が恐れていたんじゃないかなと思う)

(精神的な支配について)
3)A被告から毎日頭ごなしに怒られ、罵声を浴び、一日中正座で謝り、精神的には病んでいた
4)男児がどろぼう(盗み食いのことを互いにこう呼んでいた)しないように食材を持って寝ろとか寝ないで見張ってろと言われ、考える力がなくなって判断がつかなかった
5)自分の中でどうしようもなかった、相談するところがなかった

(困窮について)
6)車は売った。10万円ぐらい返ってきたがA被告に渡した
7)携帯電話は料金が支払えず使えなかったったのでA被告の電話を使っていた

(自身や子供の食事について)
8)みんなおなかが空いていた
9)A被告に提供してもらう食事の量は減っていった
10)前はプラスチック容器3つもらって3日分と言われていたが、それが1週間分とか期間が長くなった
11)子供たちは昔みたいにわんわんさわぐことはなくなったし、大きく体を動かすことはなくなっていった
12)男児は3月2日~11日までの10日間、3月18日~24日までの7日間食事抜きが続いたが、これは勝手に食べ物を食べた罰?

母親のI被告:
そう。ボスからの伝言で「あんたたち4人は感謝の気持ちが足りん。ご飯もらえるのは当たり前と思うな」と言われていた。4人で座って手を合わせて「きょうもご飯を作ってもらって、ありがとうございます。いただきます」と言って食べていた。食べ終わった時も「おいしかったです。ごちそうさまでした」と言わなきゃいけなかったので毎日言った。

A被告は毎日家に来ていた。来る度に男児を自分のところに呼んで『X!お腹を見せて』と。Aは『ほらお前が言うことを聞かないからご飯を抜かれるからこんなにお腹が引っ込んでいるだろ。こうなったのはママのせい』と言っていました。

A被告の弁護人:
A被告のウソを疑問に思わずに信じたのはなぜか?

母親のI被告:
「A被告の言うことを真に受けた、信じたのは、本当のようにスラスラと言うんです。わかんないと思いますけど、聞いてる方も魔法にかかっちゃうような。わかんないですよね、魔法にかかっちゃうようになる」とのこと。

***第五回公判(9月2日)***
証人尋問:母親のI被告(控訴中)
男児が亡くなった当日の様子

検察官の「この日朝食は食べなかった?」という問いに対しI被告は「はい」と答えると、「どうして?」という問いに、「食べるものがなかったからです」と答えた。

男児は歩く様子も普通ではなく、夕方には頭が痛いと言って倒れ込んだといいます。I被告は、「『S、S』と声をかけたら、丸まっている手から顔だけ右に向けました。そのときに男児が私の顔を見て、『ママごめんね』といって、また顔を戻しました」と述べた。

男児の様子がおかしいとI被告はA被告に助けを求めますが、「(A被告が)『S』と声をかけて、足の裏を手でつついて反応を確かめました。Aは『大丈夫、様子見!ご飯炊いとかないかんよ』と言っていました。」

その日の夜、男児が呼吸をしていないことに気づいたI被告でしたが、慌てて電話した先は119番ではなくA被告でした。

検察官の「救急車を呼ばなかった?」という質問に「はい」と答えたI被告は、「どうしてしなかった?」という問いに対して「Aと“ボス”の許可を得ないといけない。勝手に救急車を呼ぶ行動をすることはできないと思いました」と答えた。

男児が亡くなったあと、A被告は口止めや証拠隠滅を図ったと言います。I被告は、「『夫の浮気のことは言うな」と(A被告に)言われました」と証言し、検察官の「Aからスマホについて何か言われていました?」という問いには、「『処分せろ、証拠消せ』と言われてました」と述べた。

さらに、実際には存在しなかった“ボス”についても「『“ボス”は男と言え、パチンコで出会った、私が追っかけていると言え』と言われました」と証言した。

男児が亡くなってからも、兄弟を児童相談所から引き取ったりする名目で、A被告に金を巻き上げられたと主張した。

次第に疑問を持ち始めたI被告は、A被告に対し『警察に正直に話す』と伝えたといいます。これに対する検察官の「Aはどんな様子でした」という質問に、I被告は「必死でした、言ったらダメという反応でした」と答えた。

別の報道では(I被告の証言)
A被告(I被告への証人尋問より)
「あんたは警察に捕まるけん。警察は大体、朝くるけん。朝起きたら『おはよう』と(ラインを)打って。『おはよう』が無くなったら捕まったと思うけん」

A被告(I被告への証人尋問より)
「スマートフォンを処分しろ!証拠消せ!」

I被告への証人尋問
検察側「(スマホは)処分した?」
I被告「トンカチで画面を割ってAの家に持っていきました」

さらに、男児が亡くなった3カ月後、I被告が密かにICレコーダーで録音したという「A被告との会話の内容」が検察側の証拠として示された。

ICレコーダーで録音されたA被告とI被告のやりとり
I被告「ボスにも会えんと?」
A被告「会えん。うちも会えんもん」
I被告「スーパーで会っても話しかけたらダメ?」
A被告「だめやね。もう話しかけるなってボスが言っとるけんね」
I被告「(ボスは)警察に呼ばれよると?」
A被告「呼ばれたって言いよった」

I被告は既にこのころ、男児の死亡について警察から事情を聞かれ始めていたとのこと。

検察側「なぜこれを聞いた?」
I被告「ボスがいないと分かっていたので、反応を聞いた。嘘ついているな、としか思わなかった」

***第六回公判(9月5日)***
被告人質問
弁護側「男児が亡くなった当日、実際に様子を見て、どういう状態と思った?」
A被告「(I被告に)『昼寝した?』と聞いたら、『していない』と言ったので『眠いから寝てるのかもね』と(I被告に)言った」
弁護側「『病院行きなさい』とか『救急車呼びなさい』とか言おうと思わなかった?」
A被告「その時は思わなかった。以前にも『病院に行ったら?』と何回も(I被告に)言っていたけど、全然行動に移さなかったので言わなかった」

証人尋問(I被告の元夫)
検察側「家計の管理は?」
I被告の元夫「元妻は無駄遣いもなく子供のために貯金をコツコツするタイプでした」
検察側「目立っておかしいところは?」
I被告の元夫「離婚半年前までは特に(なかった)」

I被告と元夫が離婚したのは男児が餓死する約1年前の2019年5月。その半年ほど前からI被告の態度が急変し、多額の現金を口座から引き出していたほか、唐突に「離婚話」を持ち出してきたとのこと。

検察側「(2018年12月に)口座の確認をした?」
I被告の元夫「あり得ない額をおろしていた」
検察側「どのくらい?」
I被告の元夫「200万から300万くらい」
検察側「問いただした?」
I被告の元夫「最初は『生活費』と言っていたが、問いただしたら『裁判』と。それ以上は言わなかった」
検察側「I被告は離婚の理由については?」
I被告の元夫「私が『マザコンだから』と。誰ひとり賛成する人はおらず説得したが、(I被告は)話を聞いてくれませんでした」

I被告の親族を含め誰ひとり納得しない中、A被告のみが離婚を後押ししていたと元夫は証言した。

A被告(I被告の元夫の証言より)
「早く離婚してあげた方がいいんじゃない?」

元夫は「離婚するほかなかった」と当時の状況をふり返った後、A被告が持ち出したとされる「浮気話」を全て否定した。

I被告の元夫(I被告の長男・次男からの伝言として)
「被告人(A被告)の言うことは全て嘘。指示していないと本人は言っているが、僕たちは指示されて、ろくに食事も与えられず、長い間苦しい思いをした。母親の言っていることが真実だから」

証人尋問(I被告、控訴中)
様々な嘘によって生活保護費を含む多額の現金をだまし取られていたとされるI被告は、子供たちを家に残しA被告に連れられてパチンコに出かけた際の様子を証言した。

I被告「私は1万(円)もらって1円パチンコ、Aは4円パチンコ、3時間、4時間いた」
裁判員「男児を残してパチンコに。どんな気持ちだった?」
I被告「帰りたいと思いました。パチンコに行っても負けることで、Aから怒られる。『台を選べ!』とか。帰りたいと思っていた」

別の報道では
被告人質問でA被告は、亡くなる前に横たわっていた男児の様子について、「呼びかけると『んー』と声を出しました。寝ていると思いました」と述べた。

A被告はこの日、I被告から男児の異変を知らせる連絡を受け、I被告の自宅を訪れていた。

当時、救急車を呼ばなかった理由については、「以前も(男児の)体調が悪いときに『救急車呼んだら』と言っていましたが、(I被告が)行動に移さなかったので言いませんでした」と述べた。

このように語ったA被告ですが、I被告の自宅に到着する前には、男児について『死ぬんやない』というメッセージをI被告に送っていました。これについては問われると、「コロナにかかったら死ぬんやない?という気持ちで送りました」と答えたとのこと。

第六回公判までです。
ICレコーダーで録音していたりしたんですね。
いつもの事ですが、公判は情報量が多くて全てを書き出す事ができません。詳細が知りたい方は別途、報道や公判記録などを読む事をお勧めします。
私の印象だと、家計を妻に任せている家庭がそうでない家庭よりも多いと思います。
なので、夫がどのぐらいのお金を何に妻が使っているのか?を知るのは難しいですよね。
多分、通帳を見て「おや?」と疑問を持つまで異変に気付かないかもしれませんね。
(その逆で夫が使途不明なお金の使い方をしても、妻は気付けないでしょうね)

I被告の離婚の経緯が分かったけど、もし、本当に離婚裁判になったらどうなっていたのだろう?
A被告としては、おそらく本当に離婚裁判になるとは予想していないはずなんですよね。
もし、そうなれば、浮気の証拠を出さないといけないわけで、これはこれで困った状態になりますよね。
しかも、離婚裁判の裁判費用が本当に発生するわけで、I被告から搾取できる金額が減ってしまう。
その時、おそらく弁護士を頼んで裁判になると思うけど、弁護士には離婚理由などの詳細を話すはずだし、その時点で弁護士が不審に思うかもしれない。

タラレバだけど、もし、ここで本当に離婚裁判になっていたら、この事件の結果は変わっていたかもしれませんね。

次回に続く

参考リンク
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その7(母親の一審判決)
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その9(Aの一審判決2)

| | コメント (0)

2022/10/02

兵庫県神戸市コンビニ店長殺人事件その2(一審判決まで)

判決は懲役24年(求刑無期懲役)です。

まずは続報から(2021年12月4日報道)
1)2021年12月3日、神戸地検は、強盗殺人・死体遺棄容疑で逮捕、送検された同店の元アルバイト店員の男(28)について強盗致死罪に切り替えて起訴した。証拠関係から殺意の認定は難しいと判断したという。また、死体遺棄容疑については不起訴とした。
神戸地検は男の犯行当時の精神状態を調べるため、6月11日から11月29日まで鑑定留置していた(期間は1回延長)。その結果、刑事責任能力は問えると判断したとのこと。

2)捜査関係者によると、男は無免許で、ハンドル操作がうまく行かずに畑に転落したとのこと。男は逮捕前の任意の事情聴取に事件への関与を認めた。その際「事件に関わった男がもう1人いる」と説明したが、そうした人物は現在も確認されていないとのこと。

時系列
2021年
数日前  男がコンビニでバイトをはじめる。
05月05日
17:15頃 コンビニ前から被害者と二人で車にる
夕方   被害者の死亡推定時刻
18:45頃 住民が衝突音を聞き、横転している乗用車を発見
この時、乗用車近くに男性店員がいた為、通報されず
20:20頃 車が転落していると通報
その後  駆けつけた署員が遺体を発見
夜    アルバイト店員の27歳の男が死体遺棄の疑いで逮捕
05月27日 強盗殺人の疑いで再逮捕
05月11日-10月18日 鑑定留置
12月03日 強盗致死罪で起訴

***初公判(2022年9月21日)***
1)起訴状によると、男は昨年5月5日午後5時半ごろから約1時間の間に、同区山田町福地の寺の駐車場で、男性の顔や両手首に粘着テープを貼るなどしてトランクに閉じ込め、現金約13万円が入った長財布や約400万円相当の乗用車など約422万円相当を奪った。さらに乗用車を運転し、近くの路上で誤って車を畑に転落させ、トランク内に放置した男性を窒息死させたとされるとのこと。

2)被告は起訴内容を「大丈夫だと思います」と認めたとのこと。

3)検察側は冒頭陳述で、男は事件の数日前に被害者のコンビニ店で採用され、他の店員に売上金の管理方法を尋ねていたと指摘。事件2日前までに粘着テープを購入し、LINE(ライン)で実在しない人物のアカウントを作った上で、誘い出した被害者に「脅され、指示されている」と言って体を緊縛するなど、計画的な犯行だとしたとのこと。

また、男が運転操作を誤って車が畑に横転してからも男性を放置し、現場近くで財布を隠すなど、「犯行の態様やその後の行動は非常に危険」と述べた。また、被告の男側とは事実関係に争いがなく、量刑の争いになるとしたとのこと。

別の報道では
検察側は「粘着テープを事前に購入し、計画的に犯行に及んだ。結果が重大で責任がある」と指摘したとのこと。


4)弁護側は「男には自閉症スペクトラム障害と軽度の知的障害がある」と主張。裁判員らに「計画や行動に疑問を持ったり、うそをついていると思ったりするかもしれないが、障害の影響と考えている」と呼び掛けたとのこと。

別の報道では
弁護側は、被告には軽度の知的障害があり計画はずさんで、誤って車を転落させて予想外の結果を招いたと主張したとのこと。

更に別の報道では
弁護側は「被害者を殴ったりせず、ケガを負わせることまでは想定していなかった。計画性はない」と主張しました。

5)被告は弁護士の質問に対し「被害者は指示されているという説明を信用していた」などと主張した一方、検察側は「頼まれたからといって顔や手足に粘着テープを貼らせない」などとする被害者の次男の供述調書を読み上げたとのこと。

***補足情報***
兵庫県警によると、男は逮捕後、一貫して黙秘していた。県警は逮捕時から、刑事責任能力の有無を慎重に調べる必要があるとして、男の実名を公表しなかったが、神戸地検は鑑定留置の結果、刑事責任能力を問えると判断。逮捕から約7カ月後の昨年12月に起訴し、実名を明らかにしたとのこと。

***論告求刑公判(2022年9月27日)***
1)検察側は「身体障害のある弱者を狙った卑劣な犯行」と無期懲役を求刑したとのこと。

検察側は論告で「テープを貼って顔面を覆うなどし、(被害者の)視界や声を奪う行為は強盗の手段として危険」と指摘。「(被告は)祖母宅で生活しており、自分の小遣いが欲しくて事件に臨んだ」としたとのこと。

2)弁護側は、「テープで顔をふさいだりトランクに入れることはそれだけで死亡に直結するほど危険な行為ではない」などとして、懲役20年が相当だと主張したとのこと。

3)被告は最後に「すぐに救出していれば被害者は亡くなっていなかった。命、お金の大切さを軽く見過ぎていた」と述べたとのこと。

***判決公判(2022年9月29日)***
1)裁判長は「卑劣な計画的犯行だが、ずさんな面もみられる」などとして懲役24年(求刑無期懲役)を言い渡したとのこと。

2)裁判長は、男には精神障害があったが事件に与えた影響は軽微とし「責任を大きく低下させるものではない」と判断したとのこと。

3)被害者に抵抗させないよう第三者からの指示を装った点、事前にドライブレコーダーのカードの取り外し方を調べていた点などから「計画的犯行」と認めたとのこと。一方で「場当たり的に行動するなど、高い計画性があるとはいえない」とも述べたとのこと。

事件の発覚を恐れて被害者をトランク内に放置したことを非難したが、事故後に確認していない点などから「死亡する危険性が高いと認識していたとまで認められない」とし、同様事件の量刑傾向などから「無期懲役相当の最も重い部類に属する事案とはいえない」としたとのこと。

別の報道では
裁判長は「トランク内の被害者が声を出していたことなどから、死亡する危険性が高いと認識していたとまでは認められない」などと述べ、量刑について「最も重い部類に属する事案とはいえない」としたとのこと。

こんなところですね。
事件発覚当初の印象とは少しだけ違っていました。
死因が窒息死だったので、呼吸ができない状態にしたのだろうと推測していたのですが、どうも、ここが違うようです。
判決で「トランク内の被害者が声を出していたことなどから、死亡する危険性が高いと認識していたとまでは認められない」と言う話がでていますね。
でも、それならなぜ、窒息死したのだろう?と言うのは素朴な疑問なのですが・・・テープを巻かれただけでは、呼吸はできる状態だったけど、トランクに閉じ込められた段階で密閉度が高く、長時間の監禁で酸欠状態になり、窒息死したと言う事なのかな?

それなら、被告人の最終意見陳述?に「すぐに救出していれば被害者は亡くなっていなかった。」と言う言葉とも符号しますね。
ただ、事件の流れが分からないんですよね。どうして車で外出したのか?そして、運転できない車を運転する事になったのか?

このあたりを踏まえて、事件の内容を私なりに整理すると(推測、妄想が入ってます)
A)動機は金目当てで、店の売上金の管理方法なども事前に調べた上で、第三者に脅されている体を装って、店長に相談した。
 公判の内容から架空の人物によるLINEメッセージで脅迫された体だったのだろうと思うけど・・・この脅迫の内容が分かりません。
 店長自身に直接LINEが送られたのであれば、被告人が車に同乗して移動する意味が無いので、おそらくは、被告人のLINEに(架空の)犯人から脅迫が届いたと言う事でしょうね。
 そこに店長が関わるわけだから、脅迫内容は「店を爆破する」とか「店を放火する」とか店長が関わる内容だったのかな?
 あるいは、単純に指示通りにしないと、「自分(被告)や家族に危害を加える」と言う内容だったのかもしれません。

B)問題はこの後なんですよね。
 おそらくは店内で店長に相談しているはずで、用意した粘着テープも店内で使うのであれば、何も問題は無かったと思うわけです。
 ただ、なぜか、店長と2人で外出する事になってしまったんですよね。
 店長が「ここはまずいから」と場所を移そうとしたのか?あるいは、店内に別の店員がいて、店内での犯行は不可能だろうと被告が判断したのか?このあたりの情報が無いですね。
 しかし、時間的に深夜でも無いから、コンビニは営業中だったはずで、外出するから臨時休業すると言うわけにはいかなかったはずです。
 ここを考えると、店は別の店員によって営業が継続されているのだろうと推測します。この点で店内での犯行は不可能と言う判断を被告側がしたのではないか?と私は推測しています。
 これが被告にとって想定外だったのか想定内だったのか?は分かりません。

C)車で外出してから
 とりあえず、人気の無い場所に駐車して、今後の対応を相談したのでしょうね。
 ここでも疑問があって、最終的に「お金」が目的なのですが、被害者が店長とは言え、普段から大金を持ち歩く人物ではないだろうと言う事ですね。
 実際に犯行時、店長の財布には約13万円しかなかったわけです。
 そこから考えると、要求は「店の売上金を持ってこい」になるはずなんですよね。

D)どうやって店の金を持ってこさせるのか?
 被害者を拘束、監禁したのは偽の犯人に脅迫されているから協力して欲しいと言う事で店長を拘束監禁しのでしょうが・・・
 ここが最大の謎なのですが、車の運転ができる被害者を拘束監禁したら、誰が車を運転するの?
 他にも、店長の被害者が店の金の管理をアルバイトに完全に任せるとは思えないんですよね。
 推測ですが、店の金庫の鍵や番号は店長しか知らないのではないかな?
 だから、仮に店長から店に残った店員に電話しても、金庫の金を持ってこさせる事はできなかったのではないか?と推測しています。
 すると、金庫の番号を知るだろう店長の家族に電話して金を持ってこさせる事はできるでしょうが・・・その電話を聞いた家族が警察に通報する可能性は高いでしょうね。
 仮に持ってきたとしても、車の運転できない被告はお金を持ったまま、どうやって逃亡するのだろう?と言う疑問などが出てきます。

E)なぜ車の運転をするのか?
 どういう理由か被告は運転できない車を運転する事になります。
 店長も被告も携帯電話ぐらい持っているはずですから、外部への連絡や指示は携帯で出来たはずなんですよね。
 被告が運転時は被害者は拘束されて車のトランクに監禁されています。
 この時、何をしようとしたのか?が良く分からないのですが・・・どうも、この段階では被害者の財布の現金は奪っているようなんですよね。
 つまり、財布を奪ってから、店長をトランクに監禁した事になるので、この段階で店長も「おかしいぞ?」と考えたかもしれませんね。
 これは狂言強盗なんじゃない?と被害者が考えたとすれば、逃亡の為に車を運転するのは必要かもしれませんね。
 そもそもの犯行計画でいけば、全ての罪を架空の犯人に負わせる予定だったはずなのに、そこを見抜かれてしまっては、計画自体が破綻してますよね。
 ただ、犯人に「財布を持ってこい」と要求されたと言う言い訳はできるかもしれませんが・・・

F)事件の後処理をどうするつもりだったのか?
 慣れない車を運転して、どこかの場所で架空の犯人に店長の財布を渡したとして事件を終わらせるつもりだったのかもしれないけど・・・・
 それで事件が終わるわけが無いはずなんです。
 おそらく、店長は奪われた金額が小さかったとしても、次に同じが事が起こる可能性を考えて警察に通報して事件化するでしょう。
 警察が調べれば匿名のネット空間も匿名ではなくなるわけです。被告の狂言だと言う事はすぐにバレますよね。
 その意味では、そもそも、LINEの脅迫の相談をされた店長が「警察に通報しよう」として、計画自体が破綻する可能性もあるわけですよね。むしろこの可能性の方が高いかもしれませんね。
 でなければ、捜査段階で黙秘する必要がありません。架空の犯人の指示で仕方なくした事ですと供述してもおかしくないですからね。

とにかく、事件全体が疑問だらけです。
この事件を防ぐには?と考えるとかなり難しいですよね。
おそらく、被害者は雇って数日のアルバイト店員にも親身に相談に乗るような人の良い店長だったのでしょうね。
被告を同乗させて車で外出して、被告からの相談を聞いてしまったら、もう事件は無事に終わる事は無かっただろうと思います。

その意味では、被告をアルバイトとして採用するかどうかがこの事件を防ぐ最後のチャンスだったと思います。
とは言え、明らかに問題が予見できるような人物でなければ、大抵は採用されてしまうでしょうね。
なので、被害者側で事件を防ぐ事はかなり難しいと思います。
できる事としては、相談を受けた時に「店内で対応する」事ぐらいでしょうか。あとは、体力に自信が無いならアルバイトとは言え、「良く知らない人と2人きりにならない」ぐらいしか方法が無いですね。

被告側の対応としては、単純に「ちゃんと就職する」と言う事になるのでしょうが・・・それができないからアルバイトなんだよと言われると返す言葉もないですね。
そうするともっと遡って、学生時代にちゃんと勉強していればと言う事になるけど、障害がどの程度生活や学業に影響があったのか?が分からないのでなんとも言えないですね。
とは言え、被告側でできる事はもう「そこ」しか残ってないと思うんですよね。
被告の家庭が被告に遊ぶ金を潤沢に用意するなんて事は継続できるとは思えないし、そもそも「間違っている」と思うんですよね。
お金が無くなった時、結局、歯止めになる物が何も無いわけですからね。

一見ありふれた事件に見えるけど、防ぐ方法は簡単では無いですね。
亡くなった被害者のご冥福をお祈りします。

参考リンク
兵庫県神戸市コンビニ店長殺人事件

| | コメント (0)

« 2022年9月 | トップページ | 2022年11月 »