埼玉県飯能市一家3人殺害事件その2(ここまでの印象)
とりあえず、いったん、情報を整理しよう。
(報道されている情報を私が解釈した物なので、間違っている部分もあるかもしれません)
12月25日7時過ぎ事件発生、7:15には悲鳴や火災の煙などで複数の通報があった。
被害者は現場住宅に住む外国籍の男性(69)とその妻(68)その娘(32)、娘は別居していてクリスマスの為に訪問していた。
逮捕されたのは、現場から60メートルの場所に住む独身男性(40)。
現場住宅の防犯カメラに犯行の現場が映っており、犯行直後に現場から出てきたところを、近所の住民に正面から目撃もされている。
容疑者は犯行後に自宅に戻り、籠城状態となるが、事件から15時間後に逮捕される。
また、昨年から被害者宅の車が傷つけられる器物損壊事件が6回発生。うち3回の容疑で容疑者が逮捕されているが、不起訴となっている。
被害者情報
男性は優秀な方でコンサルタントを仕事とし、日本語も流ちょうに話し、作家としても活動、複数の本も出している。人望も厚く。恨まれるような人間ではない。
娘さんは都内に別居しているが、広告代理店でクリエイターとしての仕事をしているようで、かなり優秀な方のようですね。
妻についての情報はほとんどありませんでした。
6年前に現場に引っ越してきている。
凶器と遺体の状況
鈍器による撲殺で、畑を耕すように撲殺している。凶器はハンマーのような物と思われるが、容疑者宅から複数の鈍器が押収されている。
また押収された鈍器に血液は付着していなかった。
被害者の身元発表に時間が掛かっていたのは人相が判別できないほど損壊していたとの情報あり。
犯行の概要
凶器を持参し玄関から侵入、屋内で襲撃を開始するが、屋外に逃げた被害者を追って、追撃して殺害している。
事件は数分で終わり、そのまま逃亡するが、直後に近隣住民に目撃されるが、特に興奮した様子は無かったとのこと。
容疑者の情報
高校卒業時に両親が離婚する。サッカーが上手で成績も優秀、高校時代にはモデルの仕事もしていたとのこと。
映画に興味を持ち、芸大に進学、卒業後に映画を撮り始め、2005年には短編映画祭で上映もされる。
2007年に監督して映画祭の助成も受けるが、途中で制作を中断して未完成のまま放棄。
父親によると、仕事に就いたことはなく、アルバイトで生活をしていた模様。
10年前(30歳頃)に暴力が原因で同居していた母親と姉が家を出る。
その後、一時、家は空き屋となっていたが、その後、容疑者が一人暮らしを始める。
近所づきあいは無いが、自治会費は納めていたもよう。
昨年、被害者宅で器物損壊事件を起こして、3回逮捕されるも、黙秘して、不起訴となる。不起訴の理由ははっきりしない。
父親に当てられた弁護士からの書状には、容疑者が家から引っ越す事を強く要求されている。
こんなところですね。
犯行の様子を考えると、凶器は鈍器を選んでいる点がちょっと解釈に困るところで、単純に殺人を効率的に行うなら、やはり刃物だと思うんですよね。
鈍器を選んだのは、「自分の手で破壊する」実感が欲しかったのかもしれませんね。あるいは、映画がらみだと映画「シャイニング」の凶器は「斧」だったと思う。
で、疑問点が一つ。
被害者の娘さんは別居していて、現場住宅には普段住んでいなかったのに、クリスマスを両親と過ごす為に現場の家に居たんですよね。
これは偶然なのか?
私は偶然では無いと考えています。
娘さんが在宅中の幸せなクリスマスを台無しにする為に、あえてこの日を選んだのではないか?と考えています。
では、娘さんがターゲットなのか?と言うとそうでもない、容疑者が壊したかったのは、「幸せな家庭」だったのではないだろうか?と考えています。
容疑者は成績も優秀、サッカーも上手でモデルまでできる。ある種のアイドル的な存在の時期がありました。しかし、映画監督を目指して、進むも、24歳の頃に制作中の映画を放棄して挫折。
そのまま、引きこもりのような生活を送っていた。
この15年間に何をやっていたのか?そのあたりの情報もありません。
私の勝手な印象ですが、事件の動機は単純な妬みや嫉妬だったのではないだろうか?と考えています。
映画監督を目指すも挫折して何も成果を出せていない自分、仕事もせず、おそらく生活費を援助してもらい、やっと生活できている自分に比べて、被害者男性は優秀で人望もあり、作家として本まで出している。
そして、経済的にも成功し、妻と娘と幸せな家庭をもつ被害者一家が、容疑者にはまぶしく見えていたのではないだろうか?
どんなに自分が望んでも手に入らなかった物を持つ一家に嫉妬して、いつしか、「手に入らないなら壊してしまえ」と言う憎しみというよりは破壊衝動が増幅されていったのではないだろうか?
最初はただの嫌がらせで、ガス抜きをしていたけど、逮捕されてそれも繰り返す事ができなくなった。結局、増幅された破壊衝動が限界点を超えて、事件が起きた。と言うのが現時点での私の印象です。
しかし、この説(印象)には解決されていない問題点があります。
それは、容疑者がどうやって、被害者の事を知ったのか?と言う事です。
嫉妬するにも、相手の事を知らないと嫉妬できないわけで、引きこもりでほとんと、ご近所付き合いの無い容疑者がどうやって被害者の事を知ったのか?それが分かりません。
被害者一家が引っ越してきたのが6年前です。その後、5年間は特に問題行動が起きていないので、ここ2、3年で被害者の事を知り、急速に嫉妬心が増幅されていったのではないか?と推測しています。
犯行時には特に興奮した様子もなかったので、計画的な犯行にも見えるのですが・・・ちょっと行動がちぐはぐですよね。
犯行後に自宅に逃げ帰り、籠城したのは逮捕されたくなかったからでしょうが、日曜の住宅街の真ん中で早朝から顔も隠さず(マスクはしていたみたいですが)、荒事を行う、カメラに映るのも平気と言うのは、どこか自暴自棄なのか?とも思えますね。
事が終わって、家に帰ってから「やってしまった」と後悔しながら、籠城していたのだろうか?
あと、容疑者の背中を最後に押したのは「家の立ち退き」問題だったかもしれません。弁護士から父親に「息子の立ち退き」を要求しているぐらいなので、容疑者本人にも、それは要求していると思うんですよね。
あまり、世間を知らず、孤立して誰にも相談出来ない容疑者は、「この家を出たら、どこにも行く場所がないじゃないか」と追い詰められてしまったのかもしれませんね。
最後に、この「嫉妬」と言うのが世田谷事件の特番の「~3つの影を持つ男~」の「外国人説」に一部共通しているのではないか?と私は考えています。
なので、外国人にかぎらず、日本人でも「有り」な説だと思います。
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コメント
クリスマスの朝を恐怖で迎えた被害者家族の事を思うと、何ともいたたまれません。
幸せな家族に嫉妬はいいのですが 犯人の住んでた場所は被害者宅近隣の同じ分譲住宅地でしたね。つまり自分の家以外は幸せそうな家庭が大半の場所です。そんな場所に住んでながら嫉妬も何も無いような気もします。言い換えると女子高に一人だけ通学する男子生徒の様な違和感さえ感じます。
独り者が気楽に過ごせる場所が都会にはいくらでも存在してるから 弁護士の勧めに従ってさえいれば、不満が募ることは無かったのかと思うとやるせません。
また 被害者も6年前に引っ越して来たそうで(中古住宅?) 元の家主がどんな理由で手放したかも気になるところです。加害者も住んでない時期があったようで
ひょっとすると人違いだった可能性もありますね。
投稿: テキスタイル | 2023/03/18 11:52
世田谷事件について触れますと、この事件の第一報から時期的に世田谷事件を彷彿したのはASKAさんだけでは無いでしょう。
しばらくしてから被害者が外国人であった事、年末年始の時期で報道もトーンダウンしました。
世田谷事件も犯人が早めに火を放って火災で済ませたら 今ほどの報道にはならなかったハズです。人々の記憶からも半年程で消えてたんじゃなかろうかと思われます。
それゆえに犯行後犯人が死体とのんびり共存しながら居座った異常性が際立ってました。
当時 宮沢さんの家と公園は都市計画で立ち退きを余儀なくされ 多くのご近所さんは移転され、最後まで居残った住宅で惨劇が行われたのは有名な話です。
当初はバブルの残党 地上げ屋による 嫌がらせかと感じたのですが バブル崩壊後の不動産屋にそんな事が出来たのかは疑問です。
ただ数年前に都内では立ち退きの嫌がらせがあったことも事実です。
殺害まではしなくとも、チンピラを使い、夜中に公園で騒ぐ程度のことはあったと思われ、宮沢さん宅で必死に捜した書類も立ち退き関係書類だとすると辻褄は合ってきます。
東京オリンピック以降スケボーも市民権を得たようですが、当時はまだ不良の暇潰し程度だったハズです。
自分の居場所を奪われた報復と言う観点でも酷似してると感じます。
事件発覚後 何十年もの間、再開発事業(イオンタウンのような)は人道的見地、住民感情を踏まえ、頓挫せざる終えなくなりました。
投稿: テキスタイル | 2023/03/19 14:10
日中多くの住民に目撃され、ほぼ現行犯に近いのに「身に覚えが無い」と言い切る容疑者の姿が湯上がりのようにさっぱりした別人の印象を受けました。
身長180㎝で薄らハゲの大人しそうな顔の男がまさかの大胆な犯行、そして否定 それらは人格に問題があるのかな?
多重人格は埼玉連続幼女殺害犯の「夢の中の出来事」と同じで、もう一人の自分が表に現れたことなんでしょう。
日頃のストレスを自ら作り上げた魔物で慰めてたとも思えます。
秋田のなまはげのように鬼の形相で事を起こしたんでしょう。
なまはげは心の弱きものに取り憑く気の表れで 幼い頃から打ち消す心を養わないと呑み込まれてしまう戒めのようなもの、それは古くから伝わる人間の弱さに対する防御法なんです。
ASKAさんに限らずこの事件は年末時期で年齢も踏まえると、ひょっとしたら世田谷一家殺害犯かも?と誰もが感じました。
まさか警察も別件だから指紋照合してないとか あるのかな?
野獣死すべし、事を起こした愚か者には死刑あるのみ。
事件を起こした原因はわかりませんが、別段大した事じゃないような気もしてます、
やり場の無い怒りをぶつける対象にされた被害者家族が気の毒でなりません。
世田谷一家殺害犯もすでに死んでいるんじゃなかろうか?
ASKAさんが休業してから元首相が暗殺されたり、現首相が狙われたり(いずれも若い独り者の犯行)と犯罪も様変わりしてます。
ネットの闇バイトから強盗殺人、県議会議員による妻殺害、あげくに現役教師による強盗殺人と世の倫理が問われる事件が多発してます。
被害者にせよ加害者にせよ
多くの一般人はそんな境遇には無縁でありたいと願うばかりです。
投稿: テキスタイル | 2023/05/13 21:32