東京都墨田区高3女子殺害事件その3(その後の一審判決までの続報)
一審判決は
男性被告懲役23年(求刑:懲役25年)
女性被告懲役18年(求刑:懲役22年)
21年10月11日報道
1)東京地検は11日、群馬県渋川市の無職男性(27)、妻の女性(28)両容疑者を殺人罪と銃刀法違反で東京地裁に起訴した。
21年10月12日報道
1)警視庁は12日、群馬県渋川市の無職男性(27)、妻の女性(28)両被告(殺人罪などで起訴)を未成年者略取誘拐容疑で再逮捕した。
発表によると、2人は8月28日夕、女子生徒に「10~15分で済む」と伝えて墨田区の駐車場に呼び出し、乗用車に乗せて連れ去った疑い。夫婦は当初、殺害を認める供述をしていたが、男性被告は「弁護士が来てから話します」とし、女性被告は黙秘に転じたとのこと。
女性容疑者は当初の取り調べ段階では、「夫が女子高校生とやり取りしているのを知り、嫉妬していた」などと話していたとのこと。
21年11月01日報道
東京地検は1日、女子高校生を連れ去ったとして営利目的等略取・誘拐罪で男性容疑者(27)=殺人罪などで起訴=と妻の女性容疑者(29)=同=を追起訴した。警視庁が最初の逮捕時に適用した死体遺棄容疑は不起訴処分とした。
時系列
2019年 女子高生と男性容疑者がSNSで知り合う
2021年
02月 女性容疑者を男性容疑者が女性容疑者の自宅に連れてくる
その後 女性容疑者が元夫と離婚
05月 男性容疑者と女性容疑者が結婚
06月頃 男性容疑者と女性容疑者が渋川市の自宅に戻る
07月 男性容疑者が女子高生と一度だけ会う
07月22日
未明 男性容疑者が実家から女性容疑者宅の渋川市の自宅へ夜逃げ
07月26日 無断欠勤の理由で男性容疑者が解雇された。
08月28日
午後 LINEで女子高生を墨田区内に呼び出す
15:30頃 女子高生が外出
その後 女子高生が墨田区内の駐車場で車に乗る姿が防カメに写る。
18:30頃 母親が女子高生が帰宅しないため110番通報
その後 渋川市の容疑者の自宅で3人は一晩過ごす。
08月30日
19:20頃 長野県内で女子高生が乗った車を発見。
その後、遺体遺棄を認める。
08月31日
02:00頃 女子高生の遺体を山梨県内の小屋で発見。
午前 妻と夫を死体遺棄容疑で逮捕
09月20日 両容疑者を殺人容疑で再逮捕
10月11日 両容疑者を殺人罪と銃刀法違反で起訴
10月12日 両被告を未成年者略取誘拐容疑で再逮捕
11月01日 両被告を営利目的等略取・誘拐罪で起訴
***初公判(23年06月02日)***
1)2人は「間違いありません」と述べ、起訴内容を認めた。
2)起訴状などによると、2人は2021年8月、都内の駐車場に生徒をおびき出し、乗用車の後部座席に乗せて連れ去ったうえ、山梨県早川町の小屋で生徒の首をロープで絞め、背中をナイフで複数回刺して殺したとのこと。
3)検察側は冒頭陳述で、男性被告は19年ごろ、ツイッター上で生徒と知り合ってネットで親密なやりとりを続けた一方、20年には女性被告とも知り合い、後に結婚したと説明した。その上で、男性被告は生徒との関係が悪化して逆恨みし、女性被告も嫉妬の感情を抱いていたと指摘。連れ去った後、いったんは帰すことも検討したが、連れ去りの発覚を防ぐ口封じ目的もあって殺害に至ったと主張した。
4)女性被告の弁護側は「当時、心神耗弱の状態で責任能力がなかった」と主張したとのこと。
5)男性被告の弁護人は、被害者へ思いがもつれた結果で「計画性はなかった」と訴え、量刑で争う姿勢を示したとのこと。
***補足***
事件の経緯を簡単にまとめると
(詳細は他の報道の方が詳しいのでそちらを参照ねがいます)
事件の2年前の19年、男性被告と被害者はSNSを介して知り合った。その後、性的な動画を送り合う関係に発展した。
男性被告は被害者とのSNS上での関係を継続しながら、20年にSNSで知り合った女性被告と結婚した。男性被告の結婚後、被害者は男性被告と距離を置くようになった。そして被害者には他に交際している男性もいた。
それから男性被告は被害者から裏切られたと考え、逆恨みするようになる。事件の1カ月前の21年7月末には、男性被告は話し合いを求めて被害者の住む東京都墨田区まで会いに行った。(この時が初対面)
その時、二人は肉体関係を持つ。同時にこれを最後に2度と連絡を取らないと約束したとのこと。
しかし、男性被告は被害者への憎悪を増していった。その結果、被害者にわいせつ行為で復讐しようと計画。女性被告にも協力を求めた。女性被告は被害者を疎ましく思っていて計画に同意し、計画を進める事になった。
8月25日、女性被告のアカウントから被害者に脅して1人で来るように呼び出すメッセージを送る。
8月28日、両被告は車で被害者の自宅付近で呼び出しに応じた被害者を拉致する。その後、自宅へ戻り被害者を監禁した。
8月29日、女性被告がアルバイトで留守にしている時に、被害者を暴行して計画を果たす。女性被告がアルバイトから戻ると被害者を車に乗せていったんは被害者を家に帰す為に、静岡県に向かった。
その後、事件の発覚を恐れた両被告は被害者の殺害を決意、偶然通りかかった山小屋で男性被告が被害者を暴行後に殺害した。
ロープで首を絞めて、サバイバルナイフで背中を4カ所刺して絶命させた。
その後は、報道の通りですね。
***第2回?公判(23年06月05日)***
被告人質問
1)女性被告は被害者や遺族について「取り返しのつかないことをしてしまったと、大変申し訳なく思っています」と謝罪したとのこと。
また、被害者を殺害した時の状況について、女性被告は「男性被告から『刺そうとして刺せなかったからかわってくれ』と伝えられたので、被害者の首をロープで絞めた」と供述したとのこと。
***論告求刑公判(23年06月12日)***
1)検察側は「殺害の態様は残虐かつ卑劣」として、男性被告に懲役25年、女性被告に同22年を求刑した。
検察側は論告で、「男性被告はゆがんだ独占欲を満足させるために殺害しており身勝手。主犯なのは明らかで、責任はより重い」と非難した。女性被告については「犯行を実行したのは本人の判断だった」として完全責任能力があったと述べたとのこと。
2)弁護側は男性被告が懲役17~19年、女性被告が同12年が相当と主張したとのこと。
弁護側は「誘拐当初から殺害を計画していたわけではない」と反論。「女性被告は依存性パーソナリティー障害の影響で男性被告の意図を最優先した」と述べ、心神耗弱状態だったと主張したとのこと。
3)最終意見陳述
両被告は「申し訳ない。どんな判決も受け入れる」などと陳述したとのこと。
***判決公判(23年06月20日)***
1)判決は、男性被告については懲役23年、女性被告については懲役18年とのこと。
2)東京地裁は判決理由で、「18歳という未来ある被害者の尊い命が奪われた結果が重大であることはいうまでもない」「一連の犯行により被害者が味わった恐怖や苦痛は想像を絶するものである」と指摘したとのこと。
その上で男性被告については、「一連の犯行に至る直接的要因は妻がいるにもかかわらず、被害者との関係を維持したいという身勝手極まりない動機にあった。犯行を主導しており刑事責任は非常に重い」としたとのこと。
一方、責任能力が争点になっていた女性被告については「男性被告の思いを被害者から自らに向けさせたいという自分自身の目的のもと、自ら判断して合理的な行動を選択している」などとして「障害の影響は限定的で完全責任能力があった」と認定したとのこと。
ただ量刑については「従属的な立場だった」ことなどを考慮したとのこと。
3)遺族のコメント
「被害者の命が軽く扱われすぎている。今の日本の司法は間違っている。娘は残虐かつ卑劣な殺人にあってしまった。それに対する量刑がたった20年足らずでは平等だとは思わない。公正であるべきである。この量刑は罪に対して見合わない。刑罰が軽すぎる。」とのこと。
こんなところですね。
公判の報道が少ないのか?私が見逃していたのか?ちょっと公判の情報が少ないですね。
事件発覚当初の報道内容よりも、実際にはもっと酷い事件ですね。
特に男性被告については、なんと形容するべきか言葉が難しいけど・・・自己中な獣といったところだろうか?
逆恨みしたあげく猥褻行為で復讐しようと考え、その上、殺害の直前にも暴行するあたり、思考回路がピンク色なのではないか?と思う。
女性被告はそれを知りながら、協力と言うのも理解できないですね。そんな男とは別れるべきですね。
男性被告については、欲望に飲まれた愚か者としかいいようがない。
拉致監禁して暴行して、事件の発覚が怖くて解放できないなんて、その頭は飾りですか?と聞いてみたい。
この事件を防ぐ方法を考えると
被告側はもう、事件以前の問題で、幼少期からの人間教育をもっとしっかりする以外に方法が無いと思います。
なので被害者側での方法を考えると・・・
A)ネットでの人間関係は割り切りが必要かと思う。
素性も分からない相手に、自分の秘密(弱み)を握らせるのは絶対にNGです。その結果、脅しのネタになり、要求に応じる事になる。
B)ネットで知り合った人間に会うには、時間を掛けて見極めてから、複数人か、公開の場で会うべき。
脅されたとは言え、1人で指定の場所に会いに行くのは危険ですね。それは罠かもしれないです。
C)脅されたら、相談しましょう。
警察でなくても良いので、相談しましょう。友達にでも相談していたら、展開は変わっていたと思います。
まー18歳の高校生ですから、性善説を信じていたかもしれないけれど・・・世の中には近寄ってはいけないタイプの人がいるので、常に注意を周囲に向けておくことが必要です。
参考にはASKAの事件簿を数年分読んでもらえば、こんな理由で人が殺されてしまうのか?という信じられない理不尽な事件がいくつも起きている事に気付いてもらう事ができると思います。
今だと、小学校からネットやSNSについての教育や指導は行われているけど・・・多分、子供達はそんな現実は知らないので、危機感とか緊張感は無いのかもしれませんね。
かといって、あまりショッキングな事例をだしても萎縮させるだけだろうし、さじ加減が難しいというのはあるのかもしれませんね。
亡くなった女子校生のご冥福をお祈りします。
| 固定リンク
コメント