世田谷一家殺害事件再考その217(人違い殺人の可能性は?)
前回の記事で同姓同名による人違い殺人の可能性があるかも?と書いたわけですが、今回はそのあたりについて、少し考えてみましょう。
まずは基本的な情報について押さえておきます。
とりあえず、名字の分布を教えてくれるサイトで、宮澤姓の全国分布を調べます。
A)宮澤姓の分布(2023年時点の情報)
1位 長野県(約2,500人 17.0%)
2位 東京都(約2,300人 15.6%)
3位 埼玉県(約1,900人 12.9%)
4位 神奈川県(約1,500人 10.2%)
5位 千葉県(約1,500人 10.2%)
全国には約14,700人いるようです。
東京、埼玉、神奈川、千葉に全国の宮澤さんの48.9%が集中しています。
市区町村レベルの全国順位では千葉県船橋市が4位、東京都世田谷区が7位、東京都杉並区が8位ですね。
B)宮沢姓の分布(2023年時点の情報)
1位 長野県(約19,300人 36.9%)
2位 東京都(約5,100人 9.8%)
3位 埼玉県(約3,800人 7.3%)
4位 新潟県(約3,100人 5.9%)
5位 神奈川県(約3,000人 5.7%)
6位 千葉県(約1,900人 3.6%)
全国には約52,300人いるようです。
東京、埼玉、神奈川、千葉には全国の宮沢さんの32.3%がいますね。
ただ、関東地方に日本の総人口の3分の1が集中している事を考えれば、全ての姓の3割りが関東地方にいると考えても良いでしょうね。
その意味では、宮沢さんの3割りは妥当だと思うけど、宮澤さんの約5割りは平均より多いのではないか?とも思えます。
次に同名と言う条件で考えると、「みきお」と表記する場合は極めて稀だと思います。
現在ではひらがなで命名するのはそれほど、珍しい事ではないけど、昭和31年当時だと、男子にひらがなで表記する名前をつけるのはかなり珍しい事だったでしょう。
その点で「宮澤みきお」と同姓同名と言うのはかなり可能性が低い事だと思います。
その一方で読みが「みきお」になるケースは普通にありますよね。幹夫、幹雄、幹男、樹生、実紀夫などなど。
その点から考えると、読みが「みやざわみきお」になる人物が事件当時関東地方に一人や二人いてもおかしくはないと思います。
しかし、昭和30年代でも読みが「みきお」になる名前が男子の名前ランキングの上位に入っているわけでも無いので、やはり、いてもそう多くはないと思いますね。
最後に実際に人違い殺人が起こるのだろうか?と言う事なんですが・・・
実際の事件で人違い殺人と言われているケースだと、半ぐれ集団が店にいる客の一人を集団で襲った時に、誤って、隣のテーブルにいる無関係の人間を殺害してしまった場合などでしょうか。
結局、複数で襲撃しようとした時に、相手の事を良く知る人物が現場を指揮すればよいが、そうでなければ、混乱で人違いが発生してもおかしく無いでしょうね。他には夜、暗闇での襲撃など、相手を確認できない場合などでしょうね。
とはいえ、この世田谷事件は一軒家ですから、少なくとも、住所に誤りがなければ人違いにはなりにくいと思います。
一方で、世田谷区や杉並区には宮澤姓が多いですから、指示が「世田谷区に住む「みやざわみきお」さん一家を殺害せよ」と言う物であれば、当時世田谷区に複数の「みやざわみきお」さんがいれば、人違いが発生する可能性は残りますね。
他にはターゲットは「みきお」さんとは限りませんね。「やすこ」さんがターゲットの場合も可能性はありますね。子供二人は常識的に考えるとターゲットになることは無いのかな?と思いますが。
とは言え、氏名を指定している段階で事件の指示役は宮澤さん一家と面識がある可能性が高いので、住所も指示していると思うんですよね。
逆に言うと、名前は知っていて面識もあるが、住所までは知らない関係の人間なら、会話の中で「世田谷に住んでます」と言うレベルでしか住所を知らないのであれば、「世田谷の「みやざわみきお」さんか「みやざわやすこ」さん一家を殺害しろと言う指示を出す可能性がありますね。
で勝手に実行役がターゲットを間違えてしまったと言う場合かな。
人違い事件だとしたら問題はやはり、実際に事件を指示した人物の目的と宮澤さんとの関係性と言うところでしょうね。
少しまとめると(指示役と実行犯と言う構成で考えますね)
1)指示役が宮澤さんと親しい関係なら、指示内容を誤り難い状況だけど、指示を受けた実行役が間違えると言う可能性はありますね。
2)指示の段階で人違いと言うか指示内容に誤りがあるのであれば、勘違いとか、そもそも宮澤さん一家の事を良く知らない人物が指示役の可能性がありますね。
2)について想定される指示役の状況としては
a)宮澤家の正式な住所をしらない。
b)宮澤さんのフルネームをしらない。家族構成をしらない。
とは言え、曖昧な指示だったとしても、実行犯がしっかりしていれば、不明な点は確認するはずです。
このあたりから、実行犯の状況を考えると
c)実行犯が自身で考える事を放棄している。あるいは、考える能力がない。
d)実行犯が指示役に質問で確認する事が許されないような硬直した人間関係。
e)物理的に実行犯と指示役との連絡が取りにくい状況だった。
こんなところだろうか?
a)b)の条件を満たしそうな人間関係としては
あ)ネット越しの人間関係
ネットの知り合いだと、連絡がメールや電話で済んでしまうので、住所を知る必要がありません。そして、家族構成なども話す必要が無いので、知らなくても当然と言う気がしますね。
い)仕事仲間や同僚(仕事が会社の仕事とは限りませんね。)
同僚となると可能性が低い気がします。緊急時の連絡先を社内で共有している場合だと、住所、氏名など知っているはずなんですよね。
緊急時でなくても、当時、年賀状文化がまだ盛んな時期なので、同僚が年賀状情報として住所氏名を知っている可能性は出てきます。
そのあたりを考えると、取引先の人間関係とか、ネット主体での交流をしている仕事仲間あたりだと、条件を満たしそうですね。
取引先の人間関係だと、年賀状は社名で出すでしょうから、自宅住所はしらないでしょう。
ちょっと思ったのは、d)で指示役と実行犯が上意下達的な関係の場合なら、間違った指示でも指示通りに実行してしまうことがあるかも?とか、実行犯が殺人以外に興味をもたないようなサイコパスなら、誤った指示を疑わずに実行してしまう可能性はあるのかな?と感じました。
今のところ人違い殺人の可能性を積極的に肯定する材料はないけど、完全に否定する事もできないかな。
「もしかしたら」と頭の隅においておくぐらいはしておいても良いかなと思います。
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