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2024/01/04

栃木県日光市バラバラ事件その3( I とOの一審判決)

最初に登場人物
A)同じ容疑で東京都大田区生まれ、住所不定、無職の男 I (75) 懲役1年(求刑:懲役1年6ヶ月)
B)宇都宮市、無職の男 G (55) どうも不起訴と思われる
C)東京都足立区、代表社員の男 N (64) 公判中
D)死体遺棄の疑いで同市、自称アルバイト従業員の男 O (43)懲役2年6ヶ月執行猶予5年(求刑:懲役2年6ヶ月)
 
まずは続報です。
23年08月10日報道
1)8月9日、主犯格とみられる住所不定の無職、I 被告(75)と、宇都宮市の自称アルバイト従業員、O被告(43)の2人が死体損壊などの罪で起訴された。
 
23年08月30日報道
1)宇都宮地方検察庁は8月29日、切断された死体を日光市の山林に遺棄したなどとして、死体遺棄などの罪で東京・足立区の会社役員のN(64)を起訴しました。
 
起訴状などによりますと、被告はほかの男らと共謀し、2020年に切断された死体が収納されたスーツケースなどを日光市内の空き家などに隠してグラインダーで死体の一部を切り取るなどしたとされている。
 
***I と Oの初公判(23年10月11日)***
1) 切断された死体を日光市の山林に遺棄したなどとして死体遺棄などの罪に問われた住所不定・無職のI(75)と宇都宮市の無職のO(44)の初公判が11日、宇都宮地方裁判所で開かれ、2人は起訴内容を認めた。
 
起訴状によると、2人は共謀して2020年の2月から8月中旬ごろ、知人から処分を依頼された死体を空き家に隠し、電動工具で一部を切り取るなどしたとされている。
 
***Nの初公判(23年10月25日)***
1)死体遺棄などの罪に問われている会社役員の男(64)の初公判が25日、宇都宮地方裁判所で開かれ、男は「全く違う」などと無罪を主張した。
 
25日の初公判でN被告は、起訴された内容について「I 被告やO被告とは死体遺棄と死体損壊について話したことはない」などと答え無罪を主張した。
 
2)検察側は冒頭陳述で、N被告は知人のI 被告に「死体はバラバラの状態でミイラ化しているので焼却できる」などと話して、遺体を預けたうえI 被告に報酬として50万円を渡したと指摘した。
 
検察側は冒頭陳述で、男は面識のあった東京都大田区生まれ、住所不定、無職男(75)=同罪で公判中=に、「死体を1体処理すれば50万円を支払うと持ちかけた」などと説明。都内のコンテナで切断遺体の入ったスーツケースやバッグなどを引き渡したとして、共謀が成立すると指摘したとのこと。
 
3)弁護側は、「共謀した事実はない」などと無罪を主張した。
 
***I の論告求刑公判(23年10月25日)***
1)宇都宮地裁で死体遺棄と死体損壊罪に問われた東京都大田区生まれ、住所不定、無職のI (75)の論告求刑公判が開かれた。
 
2)検察側は「態様は悪質で、果たした役割も重要」として懲役1年6月を求刑した。
 
3)弁護側は共犯者を巻き込んだことを反省しているなどとして寛大な判決を求めたとのこと。
 
***I の判決公判(23年11月09日)***
1)宇都宮地方裁判所は9日、懲役1年の判決を言い渡した。
 
2)判決によりますとI 被告は別の被告らと共謀して2020年の2月から8月中旬ごろ、遺体を空き家に隠して一部を切り取り、翌年の21年12月中旬ごろ、遺体の入ったスーツケースを日光市のゴルフ場跡地の山林に投棄したということです。遺体の身元は分かっていませんが40歳から70歳くらいの男性で日本を含む東アジア人の可能性があるということ。
 
3)判決で宇都宮地裁は「犯行は死亡した人の尊厳を踏みにじる悪質な行為で、50万円の報酬欲しさから加担し刑事責任は重い」と指摘した。その一方で「被告が事件について話したことで解明が進んだ」などとして懲役1年6カ月の求刑に対して懲役1年の判決を言い渡したとのこと。
 
***O の判決公判(23年12月01日)***
1)宇都宮地方裁判所は1日、執行猶予付きの判決を言い渡した。
 
2)判決によりますとO被告は、別の被告らと共謀して2021年12月中旬ごろ遺体の入ったスーツケースなどを日光市の山林に投棄したとのこと。
 
3)1日の判決で裁判官は「共犯者から遺体処理の依頼を受け断り切れなかった」などと指摘した。
 
そして、主導的な立場ではなかったものの一連の犯行は悪質だと非難し、懲役2年6カ月の求刑に対し懲役2年6カ月、執行猶予5年の判決を言い渡したとのこと。
 
こんなところですね。
Nが公判中なのですが、次に記事を書けるのがいつになるのかわからないので、一旦ここで記事にしておきます。
とりあえず、遺体の遺棄の実行犯の I (75)とO(43)が起訴内容を認めてそれぞれ判決が出ています。
懲役1年と懲役2年6ヶ月で執行猶予5年ですね。
 
事件の経緯としては、I(75)がN(64)に仕事を紹介してもらおうとして、この遺体遺棄の仕事を持ちかけられた。
I (75)はG(55)と遺体を解体して空き家に隠していたが、最後にO(44)がゴルフ場に遺体を遺棄したという流れですね。
そして、別件でI (75)が逮捕されて、取調中にこちらの遺棄事件について自白したという事なのかな?
 
ちょっと気になったのは求刑です。遺体を損壊したI (75)は求刑が懲役1年6ヶ月で、遺体をゴルフ場に遺棄したO(44)は求刑が懲役2年6ヶ月で損壊よりも遺棄の方が罪が重くなっています。
実際の判決はI(75)が実刑でO(44)が執行猶予がついたのは実際の罪の重さを反映されたのだと思うのですが、求刑が違うのはなぜなんだろうか?と、ちょっと疑問なところかな。
損壊、遺棄の罪はそれぞれ刑法190条で懲役3年以下となっていると思うのですが・・・
 
それから、G(55)が不起訴になったのだとしたら、遺体だと知らずに解体していたという可能性があるかもしれませんね。
 
残るはN(64)の公判ですが、遺棄の実行犯のI (75)と O(44)が起訴内容を認めているので、否認しても難しいかもしれませんね。
 
続報を待ちましょう。
 

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2024/01/03

東京都羽村市同居家族殺人事件その2(一審判決)

判決は懲役7年(求刑:懲役12年)です。

***初公判(23年01月24日)***
1)無職の女性被告は2021年、都内の自宅で本人に頼まれて47歳の息子を殺害した「嘱託殺人」の罪と、その後、保釈中に身元引受人を担っていた74歳の妹を殺害した2つの罪に問われている。

2)被告は息子の事件については起訴内容を認めた一方、妹の殺害については「殺してと言われたので」と述べ、息子の事件と同様、「嘱託殺人」にあたると主張した。

3)検察側は冒頭陳述で、妹が自殺願望を示したことはなく、「保釈中に身元引受人を殺したほかに類を見ない事件だ」と指摘しました。

別の報道では
検察側は冒頭陳述で、三男には「自殺願望があった」としたものの、「被告が妹から殺してと言われた事実はなかった」と主張した。

***第X回公判(23年01月30日)***
被告人質問で2人を殺害したことについて「とんでもないことをしてしまったと思っています」「申し訳ない気持ちでいっぱいです」などと述べた。

***論告求刑公判(23年02月03日)***
1)、検察側は妹について「自らの命を絶つことを望むほどに切迫した客観的事情は確認できず、被告に殺害を嘱託したというのはあまりにも不自然」と指摘したうえで、「保釈中に身元引受人である妹を殺害した類を見ない犯行だ」として懲役12年を求刑した。

2)弁護側は「妹さんの統合失調症が悪化し、転倒による骨折で身体が不自由になっていたため『苦しいから殺して』と頼まれて殺害した」として、執行猶予付きの判決を求めました。

***判決公判(23年02月13日)***
1)、東京地裁立川支部は、女に懲役7年の実刑判決を言い渡した。

2)東京地裁立川支部は妹が被告に対し「殺して」と発言した点について「殺害を依頼してまで死のうとする切迫したものではなかった」と判断した。

そのうえで、妹については嘱託殺人ではなく、殺人罪が成立するとして、被告に懲役7年の実刑判決を言い渡した。

東京地裁は「安易な判断で短期間に2人を殺害したのは、被告人が命の大切さを軽視していたからと言わざるを得ない」と指摘した。

別の報道では
「『殺して』などの発言をきっかけに、今後、体調が悪化した妹を一人にすることへの憂慮や、妹がつらい思いをしているのであれば殺害したほうが妹のためになると自分なりに考えた結果、犯行に及んだ」

裁判長は「高齢の妹の行く末を案じた心情も理解できる」としつつ、2人を殺害したのは「命の大切さを軽視していたから」で「次男に支援を求めるなどして殺害という選択を避けるべきだった」と戒めたとのと。

///補足///
公判中の証言ですが、どの時点での証言かは不明
被告人質問の情報(要約)おそらく、1月30日の証言
A)三男はひきこもりで通院や近所への買い物以外では外出する事はなく、自宅でゲームなどで過ごしていた。
三男は通販(アマゾン)で服やゲームソフトなどを購入するが、三男の障害年金の6万5000円では足りずに、被告夫婦の年金から(20万から30万ほど)補填する事を繰り返していた。
そんな中、被告の夫が死亡し、年金が減額される。以前から三男の金遣いについて注意していたが、再度注意した。事件の日にアマゾンから荷物が届き、再度注意した時に、三男が自殺未遂を起こし、三男の嘱託殺人へ至る。

B)妹殺害について
妹は以前から統合失調症を持っていたが、保釈後に妹と被告が同居を初めて1ヶ月後には妹の精神状態が不安定になっていた。通院している精神かで不眠を訴えるようになっていた。9月には妹の体調は急激に悪化していた。
妹の病院の送迎などをサポートしていた被告の次男によると

「8月下旬から家の中を徘徊するようになった」
「事件の4日前には、話しかけても答えが帰ってこず、目がうつろでしっかり歩けなかった。介護が必要だと思い地域の包括支援センターに連絡をした」

事件の二日前に自宅で転倒した妹は救急搬送されたが、入院せずに自宅に戻った。しかし、一人で歩くことはできなくなっていた。

事件当日に「殺して」と被告に依頼した。

公判以外の情報(近所の住民の談)
C)被告の実家は約40年前に引っ越してきて、高齢の父親と30代の妹(次女)と三女の三人暮らしだった
三女には障害があったとのこと。20年前に父親が死亡し、5年前に三女が死亡して、実家は妹(次女)の一人暮らしになった。

D)被告一家は30年ぐらい前に実家から車で10分ほどの一軒家に住み始めた。
家は4,5年前に建て替えられていた。長男と次男は独立していて、被告と夫、三男の三人で暮らしていた。
夫は大手メーカー勤務で経済的には恵まれていたとのこと。

こんなところですね。
三男は若い頃から糖尿病で大学に進学する事もなかったようです。インスリン治療で生活できのであれば、日常生活には問題なかったと思うのですが、進学や就職は難しかったのかな?
心中もそうですが、家族殺しの事件はこれまでのたくさんあるんですよね。保険金殺人など悪意によるものも中にはあるのですが、責任感から殺害してしまう事件も多いです。
この事件も、被告の責任感が原因かもしれませんね。
自分の死後、三男が一人で生活する事はできないと判断していて、その上で、残った、長男や次男に迷惑をかけたくないと考えたのかもしれません。
そこへ、偶然にも、第二の事件が重なってしまうわけですね。妹も高齢の上に統合失調症で、自分が三男殺害の罪で刑務所に行けば、面倒を見る人がいなくなり、長男、次男に迷惑がかかると思い込んでしまったのかもしれませんね。

この事件を防ぐにはと考えると、
あ)三男についてはもう、就職させて自立させる事がポイントだと思いますね。
三男の病状がわからないので、なんともいえない部分ではあるのですが、体をあまり動かさない事務作業系とか、最悪、在宅でできるような仕事を探すという事でもよかったと思いますが・・・
まー、問題は最初ですよね。新卒で就職ならよかったけど、さすがに30代になって職務経歴ゼロとなると、就職は難しかったかもしれないですが、20代の時はどうだったのだろう?
障害年金が出ていたという事なので、障害者枠での仕事は無かったのだろうか?

い)妹については結構難しいかもしれませんね。
健常者ならば、経済的な問題はあるけど、なんらかの施設を頼る事は可能だったかもしれない。
統合失調症の高齢者で受け入れてくれる病院があるのか?という問題があるかもしれません。
そして、いつも話題になる入院費の経済的な問題がついてきます。
なので、正攻法で考えると、福祉に詳しい専門家に相談するのが正解だったのかな?

ただ、少し視点を変えると、妹の病状が悪化したのは被告と同居を始めた時からのようにも見えるので、もし、同居しなかったら、妹はこれまで通りの生活ができたのかもしれないんですよね。
常識的に考えると、高齢の妹を一人暮らしさせるより、自分も高齢だが一緒に暮らした方が互いに助け合えると考えるのが普通だから、同居の選択は間違ってなかったとは思います。
ただ、同居開始1ヶ月程度で病状が悪化しているので、このあたり、医師に相談するなどしてもよかったかもしれないですよね。

いずれにせよ簡単に答えが出せない問題です。
まずは、一人で悩まずに誰かに相談するのが一番よい方法かもしれませんね。

参考リンク
東京都羽村市同居家族殺人事件その1(9月25日までの報道)

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2024/01/01

東京都立川市曙町派遣女性殺人事件その3(一審判決)

まずは続報です。
21年11月12日報道
東京家裁立川支部は11月11日の審判で、少年について刑事処分が相当だとして検察官に送致する決定をした。
 
 「一定の計画性及び非常に強固な殺意に基づく極めて執拗(しつよう)かつ残忍な犯行」「少年の性格や環境などをみても、刑事処分以外の措置を相当と認める事情は見いだせない」と指摘した。
 
21年11月19日報道
東京地検立川支部は11月19日、元少年を殺人などの罪で起訴した。
 
***初公判(23年11月07日)***
1)元少年の弁護側は、心神喪失で刑事責任能力がなかったとして無罪を主張した。
弁護側は「被告の自閉症スペクトラム障害が、犯行に圧倒的に影響している。責任能力はなく無罪だ」と強調。訴訟能力についても争う考えを示したとのこと。
 
2)検察側は冒頭陳述で「好意を抱いていた女性を殺害した上で、自殺しようと考えた」と指摘。被告の自閉症スペクトラム障害の影響は限定的で、完全責任能力があったと指摘した。
 
3)元少年は起訴内容について認否を答えず、不規則な発言を繰り返したため、検察側の冒頭陳述の途中で裁判長に退廷を命じられたとのこと。
 
4)起訴状によると、21年6月1日、当時19歳だった元少年は立川市曙町のホテル室内で、女性の腹などを包丁で多数回刺して殺害し、廊下で風俗店従業員の男性の腹を刺すなどして全治3カ月の傷害を負わせたとされる。
 
5)証人尋問(事件で重傷を負った風俗店店員の男性)
首を刺された際に防御した右手の甲にもけがを負い、今も指が動かないと説明し、「厳しい処罰をしてほしい」と述べたとのこと。
 
6)承認尋問(現場急行した刑事)
現場のホテルに到着すると、5階の廊下には血が飛び散っており、506号室の前には男性が倒れているのを発見した。呼びかけに応じないほど意識が混濁していた。506号室のドアには血のついた包丁が刺さっていた。ドアを解錠し中に入ると、ベッドと壁の隙間に上半身裸で全身多数の刺し傷があり、仰向けで倒れている女性を発見しました。意識はなかったとのこと。
 
6)被告の発言の内容(一部抜粋)
罪状認否では
「ウルトラのゼロ……ウルトラの……って人にすごい似てるんですけど、バイオハザード、なんか、ハリウッド、なんか……トランスフォーマーの関係で……今ちょっと悩んでて、みんな死んでる世界で南海トラフ地震に……それがいずれ目覚めて……仮面ライダーキバの……」
 
断続的にこの手の発言が続き、検察側の冒頭陳述の途中で裁判長から退廷が命じられた。
 
最終意見陳述での発言
「私はオーディン…心神喪失状態…南海トラフ…3.11の被害者の~…東日本大震災、とんでもない…間違いなく、被害者が…アベンジャーズ、見てください」
裁判長に途中で発言を制止された。
 
判決文の読み上げ中にも同様の不規則発言を繰り返し、裁判長に制止されている。
 
7)事件までの経緯(検察側冒頭陳述)
被告は中学を卒業後、普通科高校に進学したが、高校2年のときに自主退学。その後通信制の高校を卒業した。事件当時は無職で、両親や姉と暮らしていたとのこと。
 
検察側冒頭陳述によれば、被告は就職しても短期間で退職してしまうことから、「人生うまくいかない」と思い、過去に風俗でサービスを受けた被害者女性に対して好意を持っていたため、被害者女性を殺害して自殺しようと思い立ったとのこと。
 
事件前日(2021年05月31日)
風俗店に予約の電話で被害者女性を指名し、翌6月1日の15時からの予約を取った。
 
当日(2021年06月01日)
当日には風俗店事務所を訪れ、リクエストシートに希望のサービスを記入し、支払いを済ませた。
 
その後、ネットオークションで購入していた包丁と、被害者女性を盗撮するためのiPodを持参し、ホテルに入室する。
 
その後、部屋に来た被害者女性との行為の最中、被害者女性が被告による盗撮に気づき、店舗に電話でこれを報告すると、被告は包丁で被害者女性の腹部を多数回刺した。
 
その後、電話を受けた店舗の従業員がホテルの部屋まで出向き、ドアをノックすると、被告が部屋のドアを開け「プレイ中ですよ」と言い、ドアを閉めようとしたというが、従業員がドアの隙間に足を入れ、これを阻止した。すると被告はその従業員の腹部を包丁で刺し、後退りする従業員の首元や手も傷つけた。
 
被告は現場から逃亡
 
その後、被害者女性は搬送された病院で死亡し、入院した従業員も全治3か月の怪我を負った。
 
///ASKAの補足///
実はこれまでの報道では、被害者女性と被告は面識が無いとされていました。
ところが、実は、過去に接点があったということですね。
ちなみに、被告が過去に被害者女性と接点を持ったのは16歳の時のようで、このあたりは家裁の審判での証言にあるようです。
他には予約時のやりとりにもこのあたりの情報がありますね。
 
翌日(23年06月02日)
羽村市を原付バイクで走行中、捜査員に発見され逮捕された。iPodとロープを所持していたとのこと。
 
8)被告の病状(弁護側冒頭陳述)
被告は小学校の頃から担任教師に「クラスメイトとトラブルを起こす。課題についていくことができない」と指摘を受けていたが、両親はこれを放置してきたとのこと。
 
高校生のころにはトラブルが目立つようになり、複数の子に夢精の話をして周囲を戸惑わせたという。コンビニでバイトを始めたが、「スタッフとコミュニケーションが成立せず、短期間でやめる」こともあったのだそうだ。ところが両親がこれらを感知しても、サポートすることはなかったとのこと。
 
「父は『被告は子供っぽいだけ。時間が経てばなんとかなる』と言い、母はある宗教に熱心で活動が忙しく、被告と関わりを持つことがなかった。そのために(被告の)障害が見落とされ、サポートを受けられず、苦手なことを学ぶ機会が奪われてきた」とのこと。
 
事件直前のゴールデンウィーク、2月から勤め始めた会社をすぐに辞めていたことが父に発覚し、「働かざる者食うべからず」などと、激しい叱責を受ける。被告は父の言葉を間に受け、「自分は食う価値がない、生きる価値がない」と思うようになったとのこと。そして最終的に、「人生はタイムリープでやり直せる、との確信を得ていき、事件に至った」と弁護人は主張したとのこと。
 
***論告求刑公判(23年11月30日)***
1)遺族の意見陳述(被害者女性の父親)
 
「大切な娘の命を返してください!家族の幸せを返してください!」
「被告の両親にも言いたいことがあります!」
「両親にも事件について重大な責任があると確信しています。事件から2年半の間、謝罪の言葉はおろか手紙すらありません。ご苦労があったようだが、それと謝罪とは別問題です。残酷極まりない犯罪を犯した我が子を、他人事と思わず、逃げずに向き合い、最善を尽くして、最大限責任を果たして欲しい。被告だけでなく両親にも真剣に向き合って欲しい。そうでないと報われない」
 
2)検察側は懲役25年を求刑した。
3)弁護側は「心神喪失状態だった」と無罪を主張した。
 
***判決公判(23年12月14日)***
1)東京地裁立川支部は14日、懲役23年(求刑懲役25年)の判決を言い渡した。
 
2)判決理由で裁判長は、犯行時や直後の言動などから、元少年には完全責任能力があったと指摘。犯行は、生きづらさから自殺願望を抱き、女性を巻き込もうとしたものだとして「非常に残忍で悪質。動機も身勝手」と述べたとのこと。
 
別の報道では
裁判長は「ASDである被告人が、両親を含む周囲から適切な支援を受けられないまま育ち、障害の特性が社会不適応を招いて生きづらさを感じさせていたという点には同情の余地はあり、被告人を非難することはできない」とした。しかし、「ASDの特性が殺人及び殺人未遂の各犯行に直結したとは認められない」として、正当化はされず、身勝手なものとしたとのこと。
 
***補足情報***
どの公判での証言か不明な情報です。
1)証人尋問(被告人が予約をした時のやりとり)
 
男性従業員「11時半ごろ、被告の男から、6月1日にAさんを指名する予約の電話を受けた」
 
男性従業員「男は『6月1日、Aさんを指名したい』と言いました。『午後3時から空いています』と返事をすると、『午後3時から80分コースで』と、男からコースを指定してきました。その後、以前、(被害者女性と)遊んだことがあるのかを聞きました。もし2回目の指名なら、店のシステム上、『本指名』となりますから」
 
男性従業員「(被告は)『あります』と言っていました。そのため、『当日は、1時間前に確認の電話をください』と言いました。男は『わかりました』と答えていました」とのこと
 
2)証人尋問(精神鑑定をした医師)
不規則発言について
質問には概ね適切に対応しており、その時点では殺人等の罪に問われている状況を理解している、としたとのこと。
 
精神鑑定をした医師(上記の医師と同一かは不明)によると、「被告人はASDのほかにも、拘禁反応に罹患している」としながらも、統合失調症の発症は否定した。また弁護人の接見に応じないことなどは、拘禁反応による拒絶だった、とした。そのためこの点についても、弁護人の主張を退けた。(弁護人は。また、同手続きの記述に出頭を拒んだり、弁護人や実父による接見も拒否するなど、統合失調症を発症した疑いがあり、公判手続きを停止すべきと主張していた)
 
///ASKAの感想///
公判中の意味不明な不規則発言は、てっきり詐病かとおもったのですが、拘禁反応だったんですね。
 
こんなところですね。
ただ一度の接客で無理心中の相手に選ばれてしまうというのは、なんとも理不尽でお気の毒な話です。
被告人は高校時代にはすでに、病状について両親にも気づかれていたようですが、放置されて治療を受けることは無かったようです。
自分の病状というか特性について理解することなく、生きづらさから、自暴自棄となって拡大自殺を選択してしまうわけですよね。
 
この事件を防ぐにはと考えた場合、いつものことですが、被害者側で事件を予見することはできないと思います。
一度目の接客でトラブルがあったわけでもなく、その後もストーカー行為などがあったわけでも無いので、事件を予見することはできないですよね。
 
なので、防止するには被告側での対応しかないと思うわけです。
でこの事件の原因は何か?と考えると
A)被告自身の自閉症スペクトラム障害(直接事件の原因かというとそうでもないのが難しいところ)
B)両親が被告の症状に対して無関心で治療受けさせなかったこと。
C)被告が助けを求める場所や人がなかったか、あっても、それを頼る事ができなかったこと。
 
A)については生まれ持ったものなので、回避することは無理ですね。
問題はB)だと思います。
被告自身は学力というか知能には問題がなさそうです。なので、自分の特性を理解して治療を受けていれば、致命的に追い詰められるようなことにはならなかったのではないか?
と思うんですよね。
 
日本では精神疾患などについての偏見が強くて、世間体を気にして通院などを避けていたのかもしれませんが、現代ではうつ病は、一生に一度は罹患すると言われているぐらいで、「心の風邪」といわれているぐらいだし、気軽に受診してよいと思います。
 
C)については、有名なのが「命の電話」ですよね。他にもいろいろとあると思います。
ただ、この事件では、この手の福祉に被告はたどり着いていないんですよね。
 
被告は小学時代から、トラブルを起こしていて、結局、信頼できる人間関係を家族以外と作ることができなかったんでしょうね。
その結果、世の中には「命の電話」のようなものある事は知っていたが、家族以外を頼る事はできなかったのかもしれませんね。
 
これも結局、治療を受けていなかった結果なのかもしれません。
 
事件が起きてしまったら、犯人を罰する事はできても、被害を無かった事にはできません。
防げる事件なら防ぎたいですね。
 
理不尽に命を奪われた女性のご冥福をお祈りします。
 

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