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2024/01/01

東京都立川市曙町派遣女性殺人事件その3(一審判決)

まずは続報です。
21年11月12日報道
東京家裁立川支部は11月11日の審判で、少年について刑事処分が相当だとして検察官に送致する決定をした。
 
 「一定の計画性及び非常に強固な殺意に基づく極めて執拗(しつよう)かつ残忍な犯行」「少年の性格や環境などをみても、刑事処分以外の措置を相当と認める事情は見いだせない」と指摘した。
 
21年11月19日報道
東京地検立川支部は11月19日、元少年を殺人などの罪で起訴した。
 
***初公判(23年11月07日)***
1)元少年の弁護側は、心神喪失で刑事責任能力がなかったとして無罪を主張した。
弁護側は「被告の自閉症スペクトラム障害が、犯行に圧倒的に影響している。責任能力はなく無罪だ」と強調。訴訟能力についても争う考えを示したとのこと。
 
2)検察側は冒頭陳述で「好意を抱いていた女性を殺害した上で、自殺しようと考えた」と指摘。被告の自閉症スペクトラム障害の影響は限定的で、完全責任能力があったと指摘した。
 
3)元少年は起訴内容について認否を答えず、不規則な発言を繰り返したため、検察側の冒頭陳述の途中で裁判長に退廷を命じられたとのこと。
 
4)起訴状によると、21年6月1日、当時19歳だった元少年は立川市曙町のホテル室内で、女性の腹などを包丁で多数回刺して殺害し、廊下で風俗店従業員の男性の腹を刺すなどして全治3カ月の傷害を負わせたとされる。
 
5)証人尋問(事件で重傷を負った風俗店店員の男性)
首を刺された際に防御した右手の甲にもけがを負い、今も指が動かないと説明し、「厳しい処罰をしてほしい」と述べたとのこと。
 
6)承認尋問(現場急行した刑事)
現場のホテルに到着すると、5階の廊下には血が飛び散っており、506号室の前には男性が倒れているのを発見した。呼びかけに応じないほど意識が混濁していた。506号室のドアには血のついた包丁が刺さっていた。ドアを解錠し中に入ると、ベッドと壁の隙間に上半身裸で全身多数の刺し傷があり、仰向けで倒れている女性を発見しました。意識はなかったとのこと。
 
6)被告の発言の内容(一部抜粋)
罪状認否では
「ウルトラのゼロ……ウルトラの……って人にすごい似てるんですけど、バイオハザード、なんか、ハリウッド、なんか……トランスフォーマーの関係で……今ちょっと悩んでて、みんな死んでる世界で南海トラフ地震に……それがいずれ目覚めて……仮面ライダーキバの……」
 
断続的にこの手の発言が続き、検察側の冒頭陳述の途中で裁判長から退廷が命じられた。
 
最終意見陳述での発言
「私はオーディン…心神喪失状態…南海トラフ…3.11の被害者の~…東日本大震災、とんでもない…間違いなく、被害者が…アベンジャーズ、見てください」
裁判長に途中で発言を制止された。
 
判決文の読み上げ中にも同様の不規則発言を繰り返し、裁判長に制止されている。
 
7)事件までの経緯(検察側冒頭陳述)
被告は中学を卒業後、普通科高校に進学したが、高校2年のときに自主退学。その後通信制の高校を卒業した。事件当時は無職で、両親や姉と暮らしていたとのこと。
 
検察側冒頭陳述によれば、被告は就職しても短期間で退職してしまうことから、「人生うまくいかない」と思い、過去に風俗でサービスを受けた被害者女性に対して好意を持っていたため、被害者女性を殺害して自殺しようと思い立ったとのこと。
 
事件前日(2021年05月31日)
風俗店に予約の電話で被害者女性を指名し、翌6月1日の15時からの予約を取った。
 
当日(2021年06月01日)
当日には風俗店事務所を訪れ、リクエストシートに希望のサービスを記入し、支払いを済ませた。
 
その後、ネットオークションで購入していた包丁と、被害者女性を盗撮するためのiPodを持参し、ホテルに入室する。
 
その後、部屋に来た被害者女性との行為の最中、被害者女性が被告による盗撮に気づき、店舗に電話でこれを報告すると、被告は包丁で被害者女性の腹部を多数回刺した。
 
その後、電話を受けた店舗の従業員がホテルの部屋まで出向き、ドアをノックすると、被告が部屋のドアを開け「プレイ中ですよ」と言い、ドアを閉めようとしたというが、従業員がドアの隙間に足を入れ、これを阻止した。すると被告はその従業員の腹部を包丁で刺し、後退りする従業員の首元や手も傷つけた。
 
被告は現場から逃亡
 
その後、被害者女性は搬送された病院で死亡し、入院した従業員も全治3か月の怪我を負った。
 
///ASKAの補足///
実はこれまでの報道では、被害者女性と被告は面識が無いとされていました。
ところが、実は、過去に接点があったということですね。
ちなみに、被告が過去に被害者女性と接点を持ったのは16歳の時のようで、このあたりは家裁の審判での証言にあるようです。
他には予約時のやりとりにもこのあたりの情報がありますね。
 
翌日(23年06月02日)
羽村市を原付バイクで走行中、捜査員に発見され逮捕された。iPodとロープを所持していたとのこと。
 
8)被告の病状(弁護側冒頭陳述)
被告は小学校の頃から担任教師に「クラスメイトとトラブルを起こす。課題についていくことができない」と指摘を受けていたが、両親はこれを放置してきたとのこと。
 
高校生のころにはトラブルが目立つようになり、複数の子に夢精の話をして周囲を戸惑わせたという。コンビニでバイトを始めたが、「スタッフとコミュニケーションが成立せず、短期間でやめる」こともあったのだそうだ。ところが両親がこれらを感知しても、サポートすることはなかったとのこと。
 
「父は『被告は子供っぽいだけ。時間が経てばなんとかなる』と言い、母はある宗教に熱心で活動が忙しく、被告と関わりを持つことがなかった。そのために(被告の)障害が見落とされ、サポートを受けられず、苦手なことを学ぶ機会が奪われてきた」とのこと。
 
事件直前のゴールデンウィーク、2月から勤め始めた会社をすぐに辞めていたことが父に発覚し、「働かざる者食うべからず」などと、激しい叱責を受ける。被告は父の言葉を間に受け、「自分は食う価値がない、生きる価値がない」と思うようになったとのこと。そして最終的に、「人生はタイムリープでやり直せる、との確信を得ていき、事件に至った」と弁護人は主張したとのこと。
 
***論告求刑公判(23年11月30日)***
1)遺族の意見陳述(被害者女性の父親)
 
「大切な娘の命を返してください!家族の幸せを返してください!」
「被告の両親にも言いたいことがあります!」
「両親にも事件について重大な責任があると確信しています。事件から2年半の間、謝罪の言葉はおろか手紙すらありません。ご苦労があったようだが、それと謝罪とは別問題です。残酷極まりない犯罪を犯した我が子を、他人事と思わず、逃げずに向き合い、最善を尽くして、最大限責任を果たして欲しい。被告だけでなく両親にも真剣に向き合って欲しい。そうでないと報われない」
 
2)検察側は懲役25年を求刑した。
3)弁護側は「心神喪失状態だった」と無罪を主張した。
 
***判決公判(23年12月14日)***
1)東京地裁立川支部は14日、懲役23年(求刑懲役25年)の判決を言い渡した。
 
2)判決理由で裁判長は、犯行時や直後の言動などから、元少年には完全責任能力があったと指摘。犯行は、生きづらさから自殺願望を抱き、女性を巻き込もうとしたものだとして「非常に残忍で悪質。動機も身勝手」と述べたとのこと。
 
別の報道では
裁判長は「ASDである被告人が、両親を含む周囲から適切な支援を受けられないまま育ち、障害の特性が社会不適応を招いて生きづらさを感じさせていたという点には同情の余地はあり、被告人を非難することはできない」とした。しかし、「ASDの特性が殺人及び殺人未遂の各犯行に直結したとは認められない」として、正当化はされず、身勝手なものとしたとのこと。
 
***補足情報***
どの公判での証言か不明な情報です。
1)証人尋問(被告人が予約をした時のやりとり)
 
男性従業員「11時半ごろ、被告の男から、6月1日にAさんを指名する予約の電話を受けた」
 
男性従業員「男は『6月1日、Aさんを指名したい』と言いました。『午後3時から空いています』と返事をすると、『午後3時から80分コースで』と、男からコースを指定してきました。その後、以前、(被害者女性と)遊んだことがあるのかを聞きました。もし2回目の指名なら、店のシステム上、『本指名』となりますから」
 
男性従業員「(被告は)『あります』と言っていました。そのため、『当日は、1時間前に確認の電話をください』と言いました。男は『わかりました』と答えていました」とのこと
 
2)証人尋問(精神鑑定をした医師)
不規則発言について
質問には概ね適切に対応しており、その時点では殺人等の罪に問われている状況を理解している、としたとのこと。
 
精神鑑定をした医師(上記の医師と同一かは不明)によると、「被告人はASDのほかにも、拘禁反応に罹患している」としながらも、統合失調症の発症は否定した。また弁護人の接見に応じないことなどは、拘禁反応による拒絶だった、とした。そのためこの点についても、弁護人の主張を退けた。(弁護人は。また、同手続きの記述に出頭を拒んだり、弁護人や実父による接見も拒否するなど、統合失調症を発症した疑いがあり、公判手続きを停止すべきと主張していた)
 
///ASKAの感想///
公判中の意味不明な不規則発言は、てっきり詐病かとおもったのですが、拘禁反応だったんですね。
 
こんなところですね。
ただ一度の接客で無理心中の相手に選ばれてしまうというのは、なんとも理不尽でお気の毒な話です。
被告人は高校時代にはすでに、病状について両親にも気づかれていたようですが、放置されて治療を受けることは無かったようです。
自分の病状というか特性について理解することなく、生きづらさから、自暴自棄となって拡大自殺を選択してしまうわけですよね。
 
この事件を防ぐにはと考えた場合、いつものことですが、被害者側で事件を予見することはできないと思います。
一度目の接客でトラブルがあったわけでもなく、その後もストーカー行為などがあったわけでも無いので、事件を予見することはできないですよね。
 
なので、防止するには被告側での対応しかないと思うわけです。
でこの事件の原因は何か?と考えると
A)被告自身の自閉症スペクトラム障害(直接事件の原因かというとそうでもないのが難しいところ)
B)両親が被告の症状に対して無関心で治療受けさせなかったこと。
C)被告が助けを求める場所や人がなかったか、あっても、それを頼る事ができなかったこと。
 
A)については生まれ持ったものなので、回避することは無理ですね。
問題はB)だと思います。
被告自身は学力というか知能には問題がなさそうです。なので、自分の特性を理解して治療を受けていれば、致命的に追い詰められるようなことにはならなかったのではないか?
と思うんですよね。
 
日本では精神疾患などについての偏見が強くて、世間体を気にして通院などを避けていたのかもしれませんが、現代ではうつ病は、一生に一度は罹患すると言われているぐらいで、「心の風邪」といわれているぐらいだし、気軽に受診してよいと思います。
 
C)については、有名なのが「命の電話」ですよね。他にもいろいろとあると思います。
ただ、この事件では、この手の福祉に被告はたどり着いていないんですよね。
 
被告は小学時代から、トラブルを起こしていて、結局、信頼できる人間関係を家族以外と作ることができなかったんでしょうね。
その結果、世の中には「命の電話」のようなものある事は知っていたが、家族以外を頼る事はできなかったのかもしれませんね。
 
これも結局、治療を受けていなかった結果なのかもしれません。
 
事件が起きてしまったら、犯人を罰する事はできても、被害を無かった事にはできません。
防げる事件なら防ぎたいですね。
 
理不尽に命を奪われた女性のご冥福をお祈りします。
 

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コメント

まぁ未成年だから親の責任は重大になるわな。

初めての相手が商売女で夢中になり、通える財力なければ死ぬしか無いと考えるなんて ある意味純な子なんだが、やはり自分が可愛いから心中できない情けなさが際立つ。

親元だからバイトで精出して通えるようにするのもひとつなんだが…
親は義務として被害者親族には賠償金支払わないとならない。

店にも迷惑かけてるから 今後は振り回されるんだろ 姉さんがいるんだよな…

投稿: 地震暗鬼 | 2024/01/02 12:27

この事件、犯人が捕まってからあまり追って無かったのですが、改めてこの記事で思い出して、ざっと調べたところ記事にもある通り、過去にも客として接点があった事とか、被告の家庭環境や父親の裁判における対応などを知り、いろいろ救いのない事件だったんだな~と感じました。

もちろん身勝手な動機で殺人を起こした(当時)少年の非が大なのでしょうが、当時無職に近い状態であるにも関わらず、派遣型風俗に出す金は与えられている事、16歳当時に被害者が務める風俗店を利用している事、母親が宗教に入り浸り、父親は被告の病気に関心が無かった事、父親は事件後自分の人生が終わったなどと主張し証人喚問に応じていない事…まあ、この親あってこの子ありって感じですよね…今は拘禁反応なのか詐病なのか不明ですが、支離滅裂な証言を繰り返しているようですが、逮捕当時にかなり詳しく成り行きや動機を話しているので、心神喪失は認められないでしょう。ただどうなんでしょう、刑事だと控えめの有期刑止まりなのかな…民事でガッツリ親から搾り取って欲しいとは思いますが、亡くなってしまった被害者は戻ってこないのでやりきれないですね

投稿: | 2024/01/02 21:47

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