東京都足立区ツイッター殺人未遂事件(21年の事件です)
2021年11月8日、ツイッターに夫の殺害を依頼する投稿をして実行役に襲わせたとして、警視庁捜査1課は東京都足立区南花畑4、パート従業員、女性容疑者(44)を殺人未遂と住居侵入容疑で逮捕する事件が起きている。容疑者は「事件には関わっていない」と容疑を否認しているとのこと。
逮捕容疑は2021年8月7日午前2時半ごろ、自宅アパートに住所・職業不詳の男性容疑者(22)ら3容疑者を招き入れ、就寝中だった会社員の40代の夫の左胸などを刃物で刺して殺害しようとしたとしているとのこと。夫は全治約1カ月の重傷を負った。3容疑者は同年10月23日に同容疑で逮捕され、「(女性容疑者から)報酬をもらう約束をしていたが、支払われていない」などと供述しているとのこと。
同課などによると、女性容疑者は事件の数週間前に、ツイッターに「夫を殺害してほしい」という趣旨のメッセージを書き込んだとのこと。実行役の3容疑者と面識はなかったが、夫の襲撃を依頼。女性容疑者は、あらかじめ玄関の鍵を開けておくなどの準備をしていたとみられるとのこと。事件当時、女性容疑者は在宅していた。夫は「夫婦関係が悪かった」と話しているとのこと。女性容疑者は借金があったとのこと。
刺された夫は抵抗し、一命を取り留めたものの、全治およそ1カ月の重傷を負ったとのこと。
逮捕前、女性容疑者は、警視庁に「ガタガタと音がして、夫が見に行って、私は娘がいたので、そうしたら男が逃げていった」と説明していたとのこと。
しかしその後、女性容疑者と逮捕された2人の男に、SNS上の接点が浮上したとのこと。
ツイッターに応じたのは、2人の容疑者。
犯行時、残りの1人の容疑者は運転を担当していて、警視庁の調べに対し、「待っておけと言われ、待っていた」と話しているとのこと。
その後の調べによると、実行犯の2人は、風俗のスカウトの仕事仲間で知り合いだったとのこと。
運転担当は、実行犯のうちの1人が誘ったとみられ、仕事の内容を把握していなかったとのこと。
その後、容疑者2人の供述とスマホの解析から、妻である女性容疑者の関与が浮上したとのこと。
実行犯の男ら「女性容疑者にツイッターを通じて殺害を依頼された。報酬のお金をもらえるはずだった」
また、被害男性は、「妻には1,000万円を超える借金がある、妻とは夫婦仲が良くない、子どもの面倒を見ない、などと言われていた」などと話しているとのこと。
警視庁は付近の防犯カメラ映像などから3人を特定し、10月23日に同容疑で逮捕。
事件当時、女性容疑者と長女(9)が室内にいたとのこと。
女性容疑者は、ツイッターに「高額報酬」と書き込み、殺害を依頼したとみられていて、当初、容疑を否認していたが、その後の調べに、「夫が娘の面倒を見ないので、痛い目を見てもらいたいと思った。夫に仕返しをしようと思った」と容疑を認めているとのこと。
実行犯はK受刑者(22)、S被告(23)の2人。K受刑者は今年7月14日、殺人未遂の罪で懲役8年の判決が言い渡されている。
時系列
2021年
07月 女性容疑者がツイッターに夫殺害依頼の投稿をする。
08月07日 事件発生
10月23日 男性3人が逮捕される。
11月08日 女性容疑者が逮捕される。
2022年
07月14日 K男性被告、夫殺害未遂の罪で懲役8年の実刑判決
***女性被告の一審公判(22年10月)***
1)被告人は「私は主人の殺人依頼などしていません」と否認した。
2)検察側主張
去年2月、内緒にしていた1000万円以上の借金を夫に知られてしまった女性被告は、夫から厳しく金銭を管理された。夫の厳しい態度を逆恨みした女性被告はネットで「復讐代行屋」などと検索し、50万円で夫の殺害を依頼した。依頼を受けた20代の男2人のうち1人がサバイバルナイフで夫の左胸などを刺したが、夫の抵抗を受けて殺害は失敗した。
別の報道では
検察側の冒頭陳述などによると、被告は独身時代から遊興費などがかさんで300万円ほどの借金があった。闇金融にも手を出し、結婚後には1千万円超に膨らんでいたとのこと。
家計のやりくりは被告が行っていたため夫に知られることはなかったが、事件の半年前、被告が娘を連れて家出したのがきっかけで発覚。以来、夫が代わって厳しく金銭管理を行うようになった。
仕事をしていた被告の給料はほぼ返済に回され、手元には月1万~2万円が残る程度。このころから、インターネットで「殺人依頼」などと検索するようになったとのこと。
3)弁護側主張
弁護側も、女性被告が借金をしたことは認めた。
借金が夫に知られた後、女性被告のもとに、大量の出前が届いた。闇金からの嫌がらせだったとのこと。女性被告は自殺を考え、「検出されない毒」などと検索したが、自殺は諦めたとのこと。
その後、女性被告は「なんでも屋」という存在を知り、ツイッター上で「復讐代行」というアカウントにダイレクトメッセージを送ったとのこと。
相手は、一定期間が過ぎるとメッセージが自動的に消去されるアプリ「テレグラム」でやりとりするよう指示した。
女性被告は相手に夫の不満などを漏らしたとのこと。
すると2週間ほど後、突然男2人が夫を襲ったとのこと。
弁護側は、「『復讐代行屋』とやり取りはしたが、復讐目的ではなかった。連絡相手が誤解して殺人計画を立てたかもしれない」と主張した。
***証人尋問(K受刑者)***
スカウトの仕事をしていたK受刑者はコロナ禍で金に困り、ツイッターで「#お金に困っています」と投稿すると、あるアカウントから「恨み晴らし代行」の仕事を紹介された。身元不明のそのアカウントが仲介して、去年7月中旬ごろに連絡を取り始めたのが、女性被告だったと証言した。
Q:依頼の内容は?
A:「自分の旦那を殺してほしい」という内容です。
Q:依頼の理由は?
A:自分の娘に対する言葉の暴力がひどい、見ていられないから。
Q:報酬は?
A:、50万円の報酬を提示された
Q:女性被告との連絡頻度は?
A:「ほぼ毎日ぐらいです」
Q:犯行現場(家)の状況を聞いたか?
A:「ベランダ側に面して寝室があると言われました」
***被告人質問***
検察側が証拠として女性被告の携帯電話の履歴を提出した。去年2月から「検出されない毒」「死ぬカビ」「殺人依頼 下請け」「殺し屋 探し方」「復讐代行屋」「抹殺」「裏稼業」「殺し屋」という言葉が並んでいた
なぜこのような言葉を検索したのか。女性被告は、「保険金を家族に残すために自分を殺してもらいたかった」と主張したとのこと。
Q:復讐屋と言う言葉を含むアカウントにダイレクトメッセージを送っているが、何のために送った?
A:「プロフィールに『詐欺被害解決します』と書いていたので」
「闇金(業者)の嫌がらせをどうにかしたかったです」
「闇金(業者)に嫌がらせを受けている。家庭の事情や愚痴を話しました。」
殺人依頼はしていないと主張した。
***論告求刑公判***
1)検察側は「K受刑者は刑が確定して服役中で、女性被告に責任を押し付けるメリットがありません。自分に不利なことも素直に話して有罪判決を受けています。K受刑者の証言は十分に信用できます」と主張した。
そのうえで「計画的な犯行の主犯的立場」だとして女性被告に懲役11年を求刑したとのこと。
2)弁護側は「女性被告は殺人依頼をしたことはありません。K受刑者が誤解して犯行したとみられます。検察が証拠とするK受刑者の供述は信用できません」と主張したとのこと。
3)最終意見陳述?
「私は、殺人依頼などしていません。お金を渡したり受け取ったりしていません。あちこちに個人情報を流したことを後悔しています。反省しています。いろんなことに主人を巻き込んでたくさんごめんねと伝えたいです」と話したとのこと。
***判決公判(22年10月31日)***
1)判決は懲役10年
「主犯格」と認定される。「主犯格として共犯者より重い責任を負うべき」であり、自らの借金によって自由に使えるお金が制限されたことに不満を募らせ、犯行に及んだことについて「あまりに身勝手で短絡的」として、懲役10年の判決を言い渡した。
2)裁判長は、「判決が確定しているというのであるから、K受刑者が女性被告の事件への関与についてあえて虚偽の供述をする動機や利益はない」「K受刑者の供述は十分に信用できる」と述べた。
3)公判で弁護側は、殺害依頼の検索について「自分を殺してもらうためだった」などと主張したが、判決はこうした点を「不自然、不合理」と切り捨て、検索は夫を殺害するためのものだったと認定したとのこと。
検被害者の夫も出廷。「なんでこんなことをしたのか、信じられない」とうつむきがちに話し、離婚の意向を口にしたとのこと。
***補足情報***
どの時点の情報かわからない報道
察側は、被告のスマートフォンには、夫が襲撃された当日の午後に「シングルマザー」「20万円愛人契約」などと、ネットで検索した履歴が残っていたことを指摘。計画性の高さや、良心の呵責が見られない点も追及したとのこと。
被害者の夫も出廷。「なんでこんなことをしたのか、信じられない」と話し、離婚の意向を口にしたとのこと。
***S被告の一審公判(23年2月)***
交流サイト(SNS)を通じて「夫を殺して」と依頼され、実行役になり殺害しようとしたとして、殺人未遂罪に問われた男性被告(23)に対する裁判員裁判の判決で東京地裁は13日、「犯罪の証明がない」として無罪(求刑懲役10年)を言い渡した。
***S被告の二審公判(23年10月31日)***
東京高裁は31日、1審東京地裁の無罪判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。裁判長は共犯者との共謀を否定し「被告が実行行為を担ったとは認められない」と述べた。
***女性被告の控訴審(23年5月)***
6月2日に判決公判の予定なのですが、判決の報道が見つかりません。
こんなところですね。
他の事件の公判でもそうなのですが、言い訳が嘘となると、「反省してないよね」と言う事になるので、有罪になりたくないから、言い訳をするのはわかるけど、それが、荒唐無稽な物となると、かえって罪を重くする事になってしまうので、まー言い訳の内容は良く考えた方が良いでしょうね。
今回、主犯と認定されてますが、もし、公判で罪を認めて反省していたら、2,3割は割り引いてくれたかもしれませんね。
その場合でも懲役7年なので、懲役10年とさほど違いが無いと言うのもあるかもしれませんね。
しかし・・・ちょっと短絡的過ぎるかな?と思いますね。
夫は妻の1千万に及ぶ借金の返済の為に、妻の収入を充てているわけですね。まーこれは普通に考えて正当な手段だと思うわけです。
これが、住宅ローンとか、夫婦で話し合って納得の上でした借金であれば、夫も返済に協力するでしょうが、そうでは無いようですからね。
こういう反応になるのは仕方が無いところだと思います。
むしろ、この話を聞いて、離婚しない夫の方が良い人だと思うぐらいです。
夫にすれば、最悪の場合、自分が返済すると考えていたので離婚しなかったともとれます。(真意は本人に聞かないとわかりませんが)
そこを考える事ができれば、この事件は起こさなかったかもしれないですよね。
離婚していれば、おそらくは子供の親権は夫になり、女性被告は家族を失い、手に残るのは一人では返済できない借金だけですよね。
もしかすると、夫を殺害する事で、生命保険金や犯罪被害者給付金などの収入を返済に充てる予定だったのかもしれませんが・・・
他の事件も同じだと思いますが、追い詰められた時、冷静に考える事ができれば、回避できる事件も多いと思うんですよね。
ここで、周囲に相談できる人がいれば、この家族の未来は変わっていたかもしれません。
唯一被告が許せないのは、事件現場に9歳の娘と一緒にいた事ですね。
もし、犯行が成功すれば、娘は目の前で父親が殺されるところを目撃してしまう事になっていました。
被告としたら、目撃者として用意したのかもしれないけど、人の親としてどうなの?と思う部分です。
この点も含めて、正常な判断力が無かったのかもしれませんけどね。
最後にこの事件を防ごうと考えると、まずは借金をしないと言う事になりますね。
借金自体が悪いと言うよりは、その目的と借金相手ですね。
おそらくは銀行はもちろん、消費者金融なども相手にされなくなって、最後にヤミ金に手を出したのでしょうが、そこへたどり着く前に手を打つべきですね。
最近ではホストクラブで客の女性に借金させて風俗を斡旋するなど悪人がゴロゴロいますが、昔からある手口ですよね。
話が飛びましたけど、「不要な借金をしない」「弱みになるような借金をしない」と言うのが自衛の第一歩でしょうね。
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