和歌山県白浜町保険金殺人事件その3(二審判決)
控訴審判決は懲役19年とした一審判決を支持し、被告の控訴を棄却した。
***控訴審判決公判(24年3月4日)***
1)裁判長は、「胃の中に砂があったことは認められるが、一審の砂の量の認定には無理がある」とし、砂の量から他殺とした一審の認定は不合理だとした。
しかし、「被告は不倫発覚後、被害者の妻にやり直したいなどと説得していた際も不倫相手と暮らすなど、妻への説得が本心でないことは明らかで、保険金契約、検索履歴などから被害者を溺死に見せかけた保険金目的の殺害計画をうかがっていたことは明らか」と指摘した。
「死亡状況は計画に完全に符合していて、他殺以外の偶然に起きたこととは考えられない」として一審の懲役19年の有罪判決を支持し被告の控訴を棄却したとのこと。
別の報道では
大阪高裁は、「胃の中に砂があったことは認められるが、一審の砂の量の認定には無理がある。(多量の砂から他殺とした)認定は不合理」とした上で、「被告は不倫発覚後、被害者の妻にやり直したいなどと説得していた際も不倫相手と暮らすなど、妻への説得が本心でないことは明らか。
保険金契約、検索履歴などから被害者を溺死に見せかけて殺害しようとしていた計画を伺っていたことも明らか。死亡状況は計画に完全に符合していて、2人きりになった約20分という短時間で殺害計画と無関係に他殺以外の偶然に起きたこととは考えられない」として被告の控訴を棄却し、一審と同じ懲役19年の判決を言い渡したとのこと。
***証人尋問(日時不明)***
2審の大阪高裁では、3人の法医学者による証人尋問が行われ「胃の中の砂の存在」などについて審理されたとのこと。
詳細は不明ですが、その結果が判決に反映されていて
高裁では、1審の「多量の砂」を根拠とする殺害認定について、「砂が廃棄されて存在しない中、目撃した砂の量を認定するのには無理がある」と、量について否定した。
さらに、水難事故の専門家が主張した多量の砂を含む海水を飲み込むメカニズムについても「医学的知見に反し採用し得ない」と退けた。そして、「事故や自殺の可能性も否定できず、胃内にのみ相当量の砂が入ったのは不自然というだけで、殺人事件と判断した1審判決は不合理」と判断した。
(つまり、1審で有罪の決め手となった証拠を否定した。)
ざっくりとこんな感じです。
ASKAなりに要約すると
一審判決の決め手となった胃から出てきた「砂」の量は廃棄されていて認定するのは無理で、胃の中の相当量の砂についても不自然と言うだけで殺人の証拠とはならないと言う判断ですね。
一方で、ネットの検索履歴や多額の保険金契約、妻との離婚を約束した不倫相手と、妻との板挟み状態などの事件の背景から1審同様に「殺意をもって、海中で何らかの方法により被害者の体を押させつけて溺水させた」として被告による殺害を認定したと言うことですね。
この判決に批判もあるようだけど・・・私としては、過去には状況証拠の積み重ねで有罪となった事件もあったわけで、妥当な判決ではないかと思っています。
まー93年の日野OL不倫放火殺人事件でもそうですが、男の優柔不断な対応と言うのは、事件に直結しますね。
参考リンク
和歌山県白浜町保険金殺人事件(一審判決)
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