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2024/09/22

世田谷一家殺害事件再考その222(現状の整理)

現状でどの説が一番説得力があるのか?と言う事を考えると、正直なところ「どれにも説得力は無い」と言う事になりそうです。
とりあえず、整理していくと、この事件での動機は大きく二つ、
A)物取り説
B)怨恨説
になります。
外国人とか複数犯とかは結局、各説について成立するので、犯行方法のバリエーションでしかありません。

A)物取り説
A-1)この説を肯定する材料としては、実際に現場から現金が盗まれている事。
A-2)この説の疑問点は「浴槽に入れられた書類」ですね。一般的に考えて窃盗犯なら現金だけを狙うはずです。あとは現金の引き出し可能なキャッシュカードでしょうね。だから、探していた物が「暗証番号」であれば、浴槽の書類は説明できるかもしれません。
しかし、その一方で暗証番号を引き出しに無造作に入れておくなんて事は通常の感覚ではなさそうなので、暗証番号で説明するのも難しいかもしれない。

B)怨恨説
B-1)この説の肯定材料は、殺害方法が凄惨である事。
B-2)この説の疑問点は礼君が絞殺である点。怨恨だから凄惨な殺害方法になると説明するなら、礼君の絞殺が矛盾している。
だから、もし、怨恨説で説明するなら、犯人は礼君だけは優しく殺害する理由があったと言う事になるわけですが、その理由はわかりません。
その場合、犯人は礼君の事を知っていたと言う事になるので、宮澤さん一家と何らかの接点があったと考えられるでしょうね。

トリッキーと言うか偶発的な説としては
C)快楽殺人説(サイコパス説)
と言うのもありそうです。
C-1)この説の肯定材料はB-1)と同じです。
C-2)この説の疑問点もB-2)と同じですが、こちらの説は犯人と宮澤さん一家に接点が必要無い事ですね。
しかし、その一方で、類似の事件がその後発生していないと言う事が新たな疑問点として出てきます。
他には、快楽殺人なのに、遺体に装飾が無い事が疑問点ではありますね。
類似の事件の説明としては、事件後に犯人が死亡しているので類似の事件はその後発生してないと言う説明はできそうです。

こんな感じですね。
私としては、各説の疑問点を凌駕するような肯定材料が各説に無いので、どの説にも説得力が感じられないと言うところですね。
なので、指紋やDNAが一致して犯人が逮捕される事に期待しています。

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2024/09/15

世田谷一家殺害事件再考その221(二つの怨恨説)

この事件では、当初から2つの見立てが有力視されていました。窃盗説と怨恨説です。
今回はこの怨恨説について考えてみたい。

この事件の動機が怨恨ではないか?と言うのは、事件の凄惨さを見れば誰でも思いつくことなんですよね。
礼君以外はめった刺しですからね。

ただ、一言で怨恨と言うけれど、そう単純でもないのが、この事件です。
通常、怨恨と言えば、誰かに恨まれて、恨んだ人に恨まれた人が復讐の為に殺害されるような事を指すことが一般的ですね。

このような場合は非常にわかりやすい事件になりますね。
怨恨による事件としては・・・・

過去の怨恨事件のメモを参考にしてもらうとして。

基本的には何らかのトラブルにより恨まれる事になるわけで、大抵の場合は犯人と被害者の間に面識がありますね。
殺害しようとするほどの殺意を持つわけなので、秘密にしたい理由でもないかぎりは、周囲に愚痴をいったり、相談したりして、刑事さんが聞き込みをすれば、それなりの情報が出てくるわけです。

なので、被害者側の人間関係を洗えば、その中に犯人もいると言うことになります。
怨恨と言えば、こちらの怨恨説が一般的です。
で、この世田谷事件はどうか?と言うと、元管理官の廣瀬さんはこちらの説のようです。

世田谷一家殺害事件再考その204(20年末特番まとめ3「怨恨説」)

私としては、恨みの対象が明確であるなら、例えば、みきおさんや、泰子さんが対象であるなら、幼い礼君やにいなちゃんまで一緒に殺害するのだろうか?と言うのは一つの疑問として残りますね。
ただ、日本人的な見方としては、「残された子供が不憫」と言う感情でと言う説明はできるかもしれません。
だから礼君は絞殺だった、しかし、にいなちゃんは泰子さんと一緒に寝ていた為、刺したと言う説明だけど、それでも、にいなちゃんの殺害方法は説明できないですね。

では、もう一つの怨恨説とは何か?
それは、恨みの対象が曖昧に日本の社会全体を対象にしているような場合ですね。
これは、成城警察署元署長の土田さんの「外国人」説の背景にもなっています。

世田谷一家殺害事件再考その205(20年末特番まとめ4「外国人説」)

いわゆる「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と言う訳で、社会に対して、あるいは自分の境遇に対して強い不満や怒りを持っていて、暴走して事件を起こした時に偶然、被害者になってしまう場合ですね。

この場合は、犯人と被害者に接点や面識が無いので、被害者の周囲を調べても犯人には辿り着けません。
とは言え、この事件では、わざわざ被害者宅に忍び込み事件を起こしているので、何らかの接点はありそうです。
例えば、公園で幸せそうに遊ぶ宮澤さん一家を見て、そこに嫉妬や羨望などの負の感情を持ってしまったと言う、まったく一方的な逆恨みと言う場合ですね。
この手の事件は昔から定期的に起きていて、旧くは、津山30人殺し事件とか、秋葉原事件、京アニ事件などの通り魔事件もこれに該当すると思います。

こちらの場合、対象が広い上に被害者との接点が無いので捜査はかなり難しいと思います。
・・・とは言え、警察は諦めているわけでもないわけです。東京都内や近郊で検問や職質の時にひたすら指紋を採っているのは、犯人の残した決定的な証拠の指紋を元に地道に捜査しているわけですね。

そしてもう一つ、怨恨説の捜査が難しいのは、情報がリークされると著しい人権問題になってしまうんですよね。
まー「焼き肉店のバイト」の情報にしても、捜査本部に口止めされているにもかかわらず、マスコミにリークされてますからね。
そんな状況ではうかつに聞き込みにもいけないでしょうね。

なので、事件当初の周辺の聞き込みが不十分だったと言うのが、今更ながらに悔やまれるところですね。

このため、一般的な怨恨については捜査内容が表に出る事はほぼないでしょうね。とは言え、事件から20年以上が経過しても逮捕されないわけですから、逮捕できるだけの証拠が無いとか、あるいは、そもそも怨恨に足るような情報が無いと言う可能性もありますね。

私としては、子供達が殺されるほど恨まれる事は無いだろうと思うし、泰子さんは情報が少なすぎてなんとも言えない。一方のみきおさんは、意外に波瀾万丈な人生を歩んでいるようなので、人間関係がかなり広そうなんですよね。
しかし、なんにせよ、情報が無いので一般的な範囲でしか考える事ができないのが現状ですね。

ただ、もし、犯人と宮澤さんに面識が無いのであれば、玄関侵入説はかなり難しいと言う事は言えると思います。

こんなところでしょうか。

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2024/09/06

世田谷一家殺害事件再考その220(情報源)

ここ2回ほどの記事で、立ち退き料や引っ越しについて考えてきましたが、今回は、仮に犯人が立ち退き料を狙って犯行を行ったのだとしたら、その情報はどこから入手したのだろうか?と言う点についてかんがえみたい。
最初に結論から書いてしまうと、情報源を特定するのは情報が少ないのと、対象が広すぎるので無理ですね。
 
さて、それではお金の動きについて推測される時系列から考えます。
時系列情報
1999年年末 立ち退きの申請をする
A)2000年03月までに、都への土地の権利移転が完了。(おそらくこの段階で立ち退き料が支払われる)
その後
B)現在の住宅購入時の借入金などがあればその支払いをする。
C)次の物件購入の為に金融機関からの借入金が入金される。
D)次の物件の手付け金を支払う
Dー1)購入予定の土地の手付け金を支払う。(土地購入の場合)
D-2)土地付き建物の手付け金を支払う(中古物件の購入の場合)
E)残金を支払う
E-1-1)土地の場合はその後に建物の建築契約をする為に契約金を支払う。
E-2-1)入居後に残金を支払う。
 
F)引っ越し費用を支払う
 
多分こんな時系列になるのではないか?と推測します。
でわかりやすく、お金の状態でグラフ化するとこんな感じかな?
(+の数は金額の量をイメージしています)
 
A)++++++++++
B)++++++
C)++++++++++
D)+++++++
E)+
F)
 
こんな感じかと思います。何が言いたいか?と言うと、宮澤さんの手元にある資金が時間の流れの中で変化していくと言う事です。
もし、犯人が情報を入手して、計画的に犯行を行ったとするなら、目的が金銭目的であるわけだから、利益を最大化する方向で計画するだろうと推測するわけです。
そうすると二つのピークのどちらか?で計画しそうですよね。
実際の犯行はD)の後のタイミングで行われています。
 
で、ここから考えると、犯人が入手した情報は入金側(立ち退き料が支払われた)の情報では無いだろうと考えるわけです。
もし、入金側の情報であるなら、A)のタイミングで犯行を行うのではないだろうか?
 
と言うわけで、私は犯人が入手した情報は「引っ越し」の情報ではないか?と疑っています。
 
ちょっと補足すると、この地域の引っ越しに対して立ち退き料が払われるのは、95年に始まった立ち退きから続いている事なんですよね。
これまでに引っ越していった家の人たち(196軒)が、近所の親しい人に、これぐらい立ち退き料がもらえました。みたいない話を井戸端会議的な乗りで話したとしても、不思議なことではないだろうと思います。
そうなれば、後は噂話が広がるのにそれほど時間はかからないと思います。
すると、この周辺の住民にとって、あそこから引っ越すイコール立ち退き料を受け取っていると無意識に認識されるような状態だったのではないか?と考えています。
 
ただし、引っ越しの話はかなり広い範囲の人が知っている情報だと思われるので、犯人につながる情報ではないかしれませんね。
と言うのも、土地の権利の移転がされた3月の段階で、かならず引っ越す事は確定なんです。
なので、「来年の3月までには引っ越します」と言う話をどこでしていてもおかしくありません。
ただ、1年先の引っ越し先もわからない状態で、そんな話をするのは、それこそ親族以外には無いでしょうね。
すると、具体的な引っ越し先が決まってから、「何月にあそこへ引っ越します」をするようになった時が一番、情報が拡散しやすいタイミングかもしれません。
 
そう考えると、D)の後と言うタイミングもそれなりに説得力が出てくるかもしれませんね。
逆に言うと、D)のタイミングからE)の前までの期間が宮澤さんの手元に大きな資金の残る最後のタイミングであったとも言えます。
そう考えると、年末で金融機関が休みのタイミングは、年明けに金融機関が動き出せば、残金が支払われてしまうタイミングでもあるわけですね。
情報を入手するのが遅れた犯人にとって、残った資金を強奪するチャンスはこの時しかないとも考えられるわけです。
 
可能性としか言えないけれど、事件前の12月に入ったぐらいから、宮澤さん一家の中で引っ越しに対して何か普段には無い動きがなかっただろうか?
 
これが犯人が年末に事件を起こした理由を説明できる方法の一つかもしれませんね。
 
他には、単純に「引っ越すから立ち退き料を受け取っているはずだ」と言う短絡的で杜撰な犯行計画だった可能性もありますね。

 

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