世田谷一家殺害事件再考その220(情報源)
ここ2回ほどの記事で、立ち退き料や引っ越しについて考えてきましたが、今回は、仮に犯人が立ち退き料を狙って犯行を行ったのだとしたら、その情報はどこから入手したのだろうか?と言う点についてかんがえみたい。
最初に結論から書いてしまうと、情報源を特定するのは情報が少ないのと、対象が広すぎるので無理ですね。
さて、それではお金の動きについて推測される時系列から考えます。
時系列情報
1999年年末 立ち退きの申請をする
A)2000年03月までに、都への土地の権利移転が完了。(おそらくこの段階で立ち退き料が支払われる)
その後
B)現在の住宅購入時の借入金などがあればその支払いをする。
C)次の物件購入の為に金融機関からの借入金が入金される。
D)次の物件の手付け金を支払う
Dー1)購入予定の土地の手付け金を支払う。(土地購入の場合)
D-2)土地付き建物の手付け金を支払う(中古物件の購入の場合)
E)残金を支払う
E-1-1)土地の場合はその後に建物の建築契約をする為に契約金を支払う。
E-2-1)入居後に残金を支払う。
F)引っ越し費用を支払う
多分こんな時系列になるのではないか?と推測します。
でわかりやすく、お金の状態でグラフ化するとこんな感じかな?
(+の数は金額の量をイメージしています)
A)++++++++++
B)++++++
C)++++++++++
D)+++++++
E)+
F)
こんな感じかと思います。何が言いたいか?と言うと、宮澤さんの手元にある資金が時間の流れの中で変化していくと言う事です。
もし、犯人が情報を入手して、計画的に犯行を行ったとするなら、目的が金銭目的であるわけだから、利益を最大化する方向で計画するだろうと推測するわけです。
そうすると二つのピークのどちらか?で計画しそうですよね。
実際の犯行はD)の後のタイミングで行われています。
で、ここから考えると、犯人が入手した情報は入金側(立ち退き料が支払われた)の情報では無いだろうと考えるわけです。
もし、入金側の情報であるなら、A)のタイミングで犯行を行うのではないだろうか?
と言うわけで、私は犯人が入手した情報は「引っ越し」の情報ではないか?と疑っています。
ちょっと補足すると、この地域の引っ越しに対して立ち退き料が払われるのは、95年に始まった立ち退きから続いている事なんですよね。
これまでに引っ越していった家の人たち(196軒)が、近所の親しい人に、これぐらい立ち退き料がもらえました。みたいない話を井戸端会議的な乗りで話したとしても、不思議なことではないだろうと思います。
そうなれば、後は噂話が広がるのにそれほど時間はかからないと思います。
すると、この周辺の住民にとって、あそこから引っ越すイコール立ち退き料を受け取っていると無意識に認識されるような状態だったのではないか?と考えています。
ただし、引っ越しの話はかなり広い範囲の人が知っている情報だと思われるので、犯人につながる情報ではないかしれませんね。
と言うのも、土地の権利の移転がされた3月の段階で、かならず引っ越す事は確定なんです。
なので、「来年の3月までには引っ越します」と言う話をどこでしていてもおかしくありません。
ただ、1年先の引っ越し先もわからない状態で、そんな話をするのは、それこそ親族以外には無いでしょうね。
すると、具体的な引っ越し先が決まってから、「何月にあそこへ引っ越します」をするようになった時が一番、情報が拡散しやすいタイミングかもしれません。
そう考えると、D)の後と言うタイミングもそれなりに説得力が出てくるかもしれませんね。
逆に言うと、D)のタイミングからE)の前までの期間が宮澤さんの手元に大きな資金の残る最後のタイミングであったとも言えます。
そう考えると、年末で金融機関が休みのタイミングは、年明けに金融機関が動き出せば、残金が支払われてしまうタイミングでもあるわけですね。
情報を入手するのが遅れた犯人にとって、残った資金を強奪するチャンスはこの時しかないとも考えられるわけです。
可能性としか言えないけれど、事件前の12月に入ったぐらいから、宮澤さん一家の中で引っ越しに対して何か普段には無い動きがなかっただろうか?
これが犯人が年末に事件を起こした理由を説明できる方法の一つかもしれませんね。
他には、単純に「引っ越すから立ち退き料を受け取っているはずだ」と言う短絡的で杜撰な犯行計画だった可能性もありますね。
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コメント
単純に「引っ越すから立ち退き料を受け取っているはずだ」と言う短絡的で杜撰な犯行計画だった可能性もありますね。
金銭目的ならこれだと思いますが隣に住んでいる両親は何故放置したのでしょうか?
金銭目的ではなく怨恨の線も是非考察お願いいたします。
投稿: | 2024/09/07 15:08
名無しさん、こんにちは
怨恨説は意外に奥が深い説なんですよね。
次回に書こうと思います。
投稿: ASKA | 2024/09/10 18:20