新潟県新潟市母子殺人事件その3(一審判決)
一審判決は無期懲役(求刑無期懲役)です。
***判決公判(24年11月22日)***
1)新潟地裁は求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
2)裁判長は職場の同僚だった女性との不倫関係から被告が妻子を疎ましく思ったと認定し、「被害者らには何らの落ち度もない。経緯や動機にくむべき点は皆無だ」と強く非難したとのこと。
3)判決によると、21年11月7日午前、自宅で妻(当時29歳)と長女(同1歳)の首をロープで絞め窒息死させた。また同3月に妻に睡眠薬を入れた飲料水を提供し、飲んだ可能性があるのを知りながら、妻子が車で出かけるのを制止せず交通事故を起こさせて殺害しようとしたほか、同9月には妻を殺害しようと勤務先の病院から薬剤を盗んだとのこと。
4)裁判長は「2名の尊い生命が奪われた結果は誠に重大」と指摘。3月と9月の事件で殺意は無かったとする被告側の無罪主張については「死亡する可能性も認識していたと推認できる」「塩化カリウム(薬剤)を無断で持ち出した時点で殺害しようと考えていたと認めるのが相当」と退け、殺人未遂と殺人予備の罪も認定したとのこと。
塩化カリウムについての別の報道
被告人が塩化カリウムを持ち出す前に、塩化カリウムの致死量やその注射に関わること、高カリウム血症で心停止となった場合に解剖でその原因が判明するかなどにつき、約1カ月間にわたり複数回検索していたことからすれば、被告は塩化カリウムの危険性及び投与方法のみならず、これを殺害に用いた場合における犯行発覚リスクに関心を抱いていたものということができる。それらの検索と近接した時期に塩化カリウムを持ち出し、自宅に保管していたことからすれば、被告人が妻への殺害をする目的で塩化カリウムを持ち出したことが強く推認される。したがって、被告が塩化カリウムを無断で持ち出した時点で、被告人は妻を殺害しようと考えていたものと認めるのが相当であり、“殺意が認められる”とのこと。
5)被告が18年5月に結婚したのに、19年10月ごろには同僚と不倫関係にあったとし、「勾留中、被害者遺族に対する謝罪文を作成する傍らで不倫相手に恋文を送っていた」などと指摘。「妻の悔しさ、無念さ、悲しさ、絶望は筆舌に尽くし難い。長女の死も痛ましいというほかない」と強調し、「被告に有利な事情を最大限考慮しても有期懲役刑を選択すべきとは到底言えない」と非難したとのこと。
別の報道では
2人の尊い生命が奪われたという結果は誠に重大である。妻は婚姻後、間もなくして被告人による不倫や預金の使い込みがありながらも、代わらず夫婦であり続けようとし、長女の誕生後はひたむきに育児に励みつつ、新居で被告人と共に新生活を始めた矢先、被告人に裏切られ、最期は長女の目の前で命を奪われた。愛する我が子を育てることも、その成長を見届けることもできないまま命を奪われた無念さは察するに余りある。長女は、1歳になったばかりで周囲から愛され、本来父親である被告人に庇護されるべき立場にあったのに、その被告人から突然殺害されたものである。妻の悔しさ、無念さ、悲しさ、絶望は筆舌に尽くし難いものといえるし、長女の死も痛ましいというほかないと断罪したとのこと。
被害者らには何の落ち度もない。経緯や動機に汲むべき点は皆無である。また、看護師である被告人がその知識・技術および立場を悪用し、各犯行に及んだことも強い非難に値する。本件に関しては、有期刑を選択すべきとは到底言えないとしたとのこと。
6)絞殺についての報道
被告は妻に対して、背後から近づいて突如首にロープをかけ、もがく妻の抵抗を排して2、3分締め上げ、ぐったりとして鼻から血が出ていたにもかかわらず、手が震えているように見えたため、再度首を締め上げて、完全に動かなくなったことを確認した。
続けて、長女の首にロープをかけて絞め始め、眼前で苦しそうに泣く姿にも構わず2、3分間力を緩めず締め続けた結果、泣くこともできなくなってぐったりとしたにもかかわらず、鼻提灯が膨らんでいるのを見て、再度首を締め上げて、完全に動かなくなるまで続けていた。
いずれも一度締め上げているにもかかわらず、わずかでも生きている可能性を認識するや再度締め上げて息の根を止めたのであり、強固な殺意に基づく極めて悪質なものと言わなければならないとのこと。
7)偽装工作の報道
絞殺するために事前にロープを購入したり、窒息死に至る時間や血痕のぬぐい方を事前に検索するなど犯行は計画的である上、殺害後は稚拙ながらも妻による無理心中に見せかけるため、妻の携帯電話機を用いて遺書を作成したり、ロープを現場に垂らしておくなどの偽装工作も行っていたとのこと。
こんなところですね。
事件簿の活動自粛期間中の公判だったため、公判の情報の大半を見逃していました。
判決を聞くだけで、殺害された母子がかわいそうで仕方が無いですね。
よくここまで身勝手になれるのか、とあきれてしまう。
結婚した翌年には不倫を開始しているぐらいなら、どうして、結婚したのか?と聞いてみたいところですね。
殺害された奥さんも不倫やお金の使い込みに気づきながら、結婚生活をつづけようとしていたのは、生まれた子供の事を考えての事なのかもしれませんね。
しかし、やはり、結婚するべき相手ではなかったとしか思えないですね。
まー結婚の前後で男性の女性に対する態度が変化する事は珍しい事はでないかもしれません。
分岐点は夫の不倫を知った時なんでしょうね。
もしかすると、妻は不倫を知った上で、知らないふりをしていたのかもしれませんが、やはり、きっちりどうするのか?を詰問するべきだったと思います。
もしかすると、その上で、被告が「別れるから」とその場しのぎの嘘を言っていたかもしれないので、なんとも言えないところではありますが・・・
事が露見しても不倫を続けるようなら、決断するしかないのかな?
しかし、女性の側としたら、1歳の子供を抱えて、女性が一人で生活していくのは大変な事だと言う事は容易に想像できますから、決断できなかったのかもしれないですが・・・
結局、そのままの状態を続けても、母子ともに幸せになれるとは思えないので、実家や友人の力を借りてでも、決断するべきなんだろうと思います。
まーあえてその状態を続けて、時期を見て決断と言うのも方法かもしれません。
どちらが良いか?はケースバイケースなんでしょうね。
亡くなった母子のご冥福をお祈りします。
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コメント
妻は不倫を知って夫と話しをし、夫は不倫相手と別れると言い一度は別れているようですがまた不倫相手とよりを戻したと地元新聞に書いてあったと記憶しています。
投稿: | 2025/02/06 09:11
サスペンスドラマのようなストーリーですね。
無期懲役で済むものなのかとも思えるくらいに余りにも無惨で事故中心的な犯行。殺めずに離婚する選択肢があるのに何故そちらに向かわないのかは理解しかねる。結婚したのに短期間で別の人に傾くならば、その不倫相手にもすぐ飽きるだろう。偽装殺人を繰り返していたのだろうか?
投稿: AKICHI | 2025/02/17 04:13