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2025/10/15

埼玉県ふじみ野市立てこもり医師殺人事件その3(控訴審判決まで)

***初公判(23年10月26日)***
1)起訴状などによりますと、ふじみ野市の無職、男性被告(67)は、去年1月27日、母親の在宅医療を担当していた医師のSさん(44)らを自宅に呼び出した。
そして、散弾銃を発砲してSさんを殺害し、一緒にいた40代の理学療法士の男性に大けがをさせたなどとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われている。
 
2)被告は初公判で「殺意は全くありません。大けがをさせようと右足を狙ったが、銃をしっかり構えない中で引き金を引いたため、予想外の所に当たってしまった」などと述べ、殺意を否認したとのこと。
 
3)察は冒頭陳述で「被告は、母親への治療が不十分で不適切と思い込んだ。母親の死に絶望し、自殺の道連れにすることを決意した」と述べ、殺意があったと指摘したとのこと。
 
4)弁護側は「殺意は全くなかった。母の蘇生を断ったS医師に、家族の最後の望みも叶えてくれないという憤りを感じた」と述べた。
そのうえで、「Sさんの右足のひざを狙って撃ったが、銃身が上にずれ胸に弾を命中させてしまった」として、殺意は無く、Sさんについては、傷害致死と銃刀法違反に留まると主張したとのこと。
 
5)証拠調べ
被告の自宅から押収された3枚の遺書が提出され、検察官が「誤診と失態。母はSドクターに殺された」「母が亡くなり何の希望もない。あの世で母と暮らしたい」などと内容を読み上げたとのこと。
 
***第2回公判(23年10月30日)***
1)検察側が、事件当時の様子が記録された計74分間の音声データを再生した。データは、被告が録音した発砲前後の約25分のものと、立てこもり中の電話のやりとりを県警が約46分に編集したものなど。
 
2)発砲前の音声
母親の弔問に訪れた医師Sさん=当時(44)=ら7人に「胸が動いた気がした」と人工呼吸を要求した。「これ、先生が好きなエアガン」と話し、仏具のりんのような音が鳴った後、「蘇生を期待していたけど、あり得ない」と発言。直後に2発の発砲音が響いたとのこと。
「うわあー」「110番」「救急車呼んでください」との叫び声が上がり、「宏さん駄目だって」「やめろ」と制止する声の後、3発目の銃声が鳴ったとのこと。
 
3)立てこもり中の音声
捜査員に対する電話で、被告が「どうせ死ぬなら、今まで許せなかったやつらを道連れにしようとした」「腹に一物ある人たち全部を撃つつもりだったが、目的を達成できなかった」などと伝えていたとのこと。
 
別の報道では
「母のベッドの横で死ぬのが目的。生きていても仕方ない」「警察に捕まるわけにはいかない。死刑で死ねるかもしれないがそれまで留置場で生きているのがつらい」などと話す様子や、「完全にひとりぼっち。どうせ死ぬなら今まで許せなかった人たちを道連れにしようと思った」と話したとのこと。
 
***第?回公判(23年11月15日)***
1)被告人質問
被告は、散弾銃を持ち出した理由について「(前日に亡くなった)母の蘇生措置のお願いを聞いてもらえず、頭に血が上った」と説明した。
 
2)事件当日、医師が経営するクリニック関係者3人を呼び出し、母への焼香を要求したことについては、母のリハビリを断られたり、電話口での対応に問題があったりしたためと主張。「線香を上げてもらい、心の中で謝ってほしかった」と述べたとのこと。
 
3)亡くなった医師らに対しては「申し訳ないと思っている。猛省しています」と話したとのこと。
 
***第?回公判(23年11月16日)***
1)自宅に立てこもった際、自殺するつもりで睡眠薬を飲んだという被告は、警察の取り調べで殺意を認めたことについて「記憶にないです」と答えたとのこと。
 
2)検察側による被告人質問では、事件後当初のさいたま地検の調べに対し「S医師ら4人を銃で撃って殺し、自殺することを決めて遺書を作った」との供述について「覚えていない」と述べたとのこと。
 
***論告求刑公判(23年11月28日)***
1)検察側は論告で「一人でも多く殺害するという強固な意志を継続して持っていた」と指摘。事件前日に死亡した母親の担当医だった医師らに一方的に不満を募らせて逆恨みしたとし、「理不尽かつ自己中心的で酌量の余地はない」とした上で、「無慈悲な犯行で態様は極めて悪質」として無期懲役を求刑したとのこと。
 
2)弁護側は「発砲直前に衝動的に大けがをさせてやろうという気持ちになった」と改めて殺意を否定し、懲役15年が相当と主張したとのこと。
 
3)被告は最終意見陳述で「心から申し訳ないと思っている。猛省しています」などと用意した紙を読み上げたとのこと。
 
4)遺族の意見陳述
Sさんの父親は「反省の態度を見せない被告にに最大限の厳罰を望みます」。また、Sさんの妻も「法の許す限り長く刑務所に入ってもらいたい」と訴えたとのこと。
 
***判決公判(23年12月12日)***
1)さいたま地裁は、殺傷能力の高い銃を使い、至近距離で医師に発砲したとして殺意を認めたとのこと。死刑も視野に入れて量刑を検討したとし、死亡したのが1人であることなどから無期懲役が相当と結論付けたとのこと。
 
2)事件前に「(医師らを)断ずる」とするメモを残していたことや、至近距離から被害者の胸部や腹部に向けて連続で発砲した状況から「強固な殺意があった」と認定したとのこと。
 
3)裁判長は「医師らは被告の意向を踏まえ、最善の措置を模索して対応していた」とした上で、「母の死による喪失感を考慮しても理不尽というほかない。自ら診療した患者の家族に殺された医師の無念さは察するに余りある」と厳しく指摘したとのこと。
 
別の報道では
強固な殺意に基づく冷酷な犯行であり、介護してきた母が死亡した喪失感の大きさなどを考慮しても、「銃器による殺害を決断したことには厳しい非難が向けられる」としたとのこと。
 
4)裁判長は「母を失った悲しみが大きいのは分かるが、銃撃は許されない」と語りかけた。母の最期をみとることができた被告とは対照的に、医師は突然命を奪われたとして「(家族は)どれだけ無念だったか。しっかりと(事件を)受け止めてほしいが、振り返りが足りない」と指摘したとのこと。最後に「愚かな犯行をしっかり見つめてほしい。そこで初めてあなたの償いが始まる」と説諭したとのこと。
 
***補足(時期不明な情報)***
殺傷能力の高いスラッグ弾を使用して至近距離で発砲したことなどから、検察側は強い殺意があったと主張。
 
渡辺被告が罪に問われているのは4件。いずれも4年1月27日、自宅で
A)Sさんを射殺
B)一緒にいた医療関係の男性を銃撃し重傷を負わせた
C)散弾銃を取り上げようとした別の医療関係の男性に催涙スプレーをかけ、けがを負わせた
D)外に脱出した別の医療関係の男性に向かって発砲-となっている。
 
被告側は、A)については「膝を狙って撃ったもので、殺害するつもりはなかった」と主張。B)は銃の操作を誤ったものC)は威嚇目的-としているとのこと。
 
***控訴(23年12月13日)***
今回のさいたま地裁の判決を不服として13日付で東京高裁に控訴したとのこと。
 
***控訴審初公判(25年1月27日)***
控訴審初公判が27日、東京高裁であり、被告側は一審に続き殺意を否認した。審理は即日結審したとのこと。
 
***控訴審判決公判(25年3月11日)***
1)東京高裁は11日、無期懲役とした一審さいたま地裁の裁判員裁判判決を支持し、弁護側の控訴を棄却したとのこと。
 
2)裁判長は判決理由で、殺傷能力が高い銃で至近距離から胸部を狙ったことや、立て続けに発砲していることから、医師や理学療法士の男性らに対する殺意を認定したとのこと。
 
こんなところですね。
死亡が1人なので、重くても無期懲役、軽ければ有期刑と言うあたりですね。
で、この事件で重い方に傾いたのは、やはり被告に都合の良い言い訳、言い換えると身勝手に見える言い訳が被告の印象を悪くしたと言う事だと感じます。
この事件では、なんと犯行時の音声が録音記録されていましたし、更に、遺書のメモまでもが残されていて、十分に殺意が証明されているわけですね。
それに対して、覚えていないとか、足を狙ったとかが、見苦しい言い訳に見えてしまった事でしょうね。
 
事件に使用した弾丸も通常の散弾ではなく、殺傷力の高いスラック弾だった事も、言い訳感を強くさせてしまったのではないか?と感じます。
 
このあたりは、人格というか性格によるものかもしれません。
本来なら(と言う言い方も変だけど)これだけの事件を計画した段階で、覚悟を持つと思う訳です。
計画通りなら複数人を殺害する事になり、死刑は当確ですね。
一方で母親を亡くした喪失感や孤独感、将来への不安などで自殺も考えている。
このあたりを考えると、自分の死も覚悟の犯行のはずなのですが・・・事件の途中で、死ぬのが怖くなったのかな?
自殺もせずに、公判では、刑を軽くするための言い訳をしている。
 
もし、罪を認めて心から謝罪していたら、有期刑もあったかもしれないと思います。
 
で、事件の原因は何か?と考えるのですが、猟銃に執着している事が、何か事件の鍵なのかな?と感じますね。
まー普通に生活していれば、猟銃は必要が無い物ですよね。まして経済的に困窮している状態なら、最初に手放しそうな物です。
なので、事件の20年前の段階でいつか銃を使うような事を望んでいたのかもしれませんね。
 
被告の生い立ちの情報ははっきりしないけど、報道された情報だと
20年ほど前まで東京・江戸川区の都営団地で、まだ元気だった実母と2~3歳くらいの子供と同居していた。妻と思しき外国人風の女性も出入りしていたとのこと。
その後、子供はいなくなっていた。
容疑者は10年程前から埼玉県内を転々として、物流会社で働いていた
介護中心の生活で定職に就けず、頼みは母親の年金だけと言っていた。
 
生活保護を1人あたり10万円を切る程度もらっていたようだ。
 
こんな感じだけど、若い時には結婚もしていたのかな?子供がいたようですね。
結局、妻子は居なくなり、母親との2人暮らしになった。
母親の介護の為に定職につけずに、日雇いのような仕事だった。
この頃から経済的に追い詰められていったんでしょうね。
 
この時に福祉に頼る事ができれば、あるいは状況は変わっていたかもしれない。
ざっくり調べると、施設への入居金は10万円程度、月額使用料が14万円程度なのかな?
問題は月額使用料の支払いをすると、被告本人の生活が難しくなるかもしれませんね。
まー被告人自身が定職について仕事をすれば良いわけだけど、60歳を過ぎてから仕事を見つけるのはかなり厳しいだろうね。
 
なので、もっと早い、40代ぐらいの時期に決断して、仕事をできる環境を作っていれば、この事件は防げたかもしれないのかな?
情報だとこの頃は、まだ母親は介護は必要無い状態だったので、仕事をしていたはずだけど、不安定な生活と言う情報もありますね。
介護離職なのか?でも、ある程度収入があるなら、施設を利用する事もできたのでは?と思いますが、ケースバイケースなんでしょうね。
 
とは言え、そんな事を20代、30代の時に予見できるのか?と言うとそうでもないのだろうから、こんな状況に追い込まれてしまう人は、予想以上に多いかもしれない。
「運が悪い」と言う言葉で済ますことはできないし、本人の努力不足と言うのも少し酷のような気もする。
ただ、こういう人達を救済できるような社会でないと、同じような事件はこの後も起きる可能性はありますよね。
この事件で医療関係者が犠牲になったのは、被告人の身近にいて接点が多かったのが単純に理由だと思う。
一歩間違えば、役所の職員などが犠牲になっていてもおかしくないわけです。
 
私たちは思っているよりも、事件は身近にあると言う事を、忘れないように生活しなければなりませんね。
 

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埼玉県ふじみ野市立てこもり医師殺人事件その2(起訴まで)

22年6月5日報道
22年6月2日、さいたま地検は医師を殺害した容疑などで送検された66歳の男の刑事責任能力の有無を調べるおよそ3ヶ月間の鑑定留置を終了した。
今後、起訴するかどうかを検討する。
 
22年6月10日報道
県警は10日、無職、男性容疑者(66)=殺人容疑などで送検=を殺人未遂、傷害などの疑いで再逮捕した。殺人未遂容疑について「殺意はありません」と否認する一方、傷害容疑は認めているとのこと。
 
再逮捕容疑は1月27日午後9時ごろ、同市大井武蔵野の自宅で、医療相談員の男性(33)の顔に催涙スプレーをかけ、角膜症など2週間のけがをさせたとしている。また、直後に自宅の室内から、路上にいた別の医療相談員の男性(43)に散弾銃1発を発砲し、殺害しようとした容疑。
銃弾は当たらず、けがはなかったとのこと。
 
県警によると、容疑者は2021年秋にネットで催涙スプレーを購入。事件当時ズボンのポケットに隠し持っていた。(護身用と説明している)
 
22年6月13日報道
埼玉県警は6月10日、殺人未遂や傷害などの疑いで渡邊容疑者を再逮捕。同月12日にさいたま地検に送検した。
 
22年7月4日報道
さいたま地検は7月1日、容疑者を殺人などの疑いで起訴した。精神鑑定の結果「刑事責任を問える」と判断されたとのこと。
 
時系列
2000年  1丁目の散弾銃の所持が認められる、レミントンM870を購入するが失業により、代金の一部未納
2008年  2丁目の散弾銃の所持が認められる
2012年頃 埼玉県内を転々としはじめる。
2017年頃? 容疑者の母親をS医師のクリニックで訪問介護を行う。
2019年03月頃 容疑者一家が現場住宅に転居してきた。
2020年11月 散弾銃所持許可の更新手続きを行う
2021年秋 ネットで催涙スプレーを購入
2022年
01月24日 容疑者が医師会に電話で相談
01月26日
16:00頃 容疑者の母親が死亡、S医師が死亡確認
01月27日
21:15頃 「バンバンと言う音がした」と近隣住民が110番通報。
21:25頃 市入間署に男性(32)が催涙スプレーのような物を掛けられたと駆け込む
01月28日
08:00頃 捜査員が突入、容疑者を逮捕、S医師は心肺停止の状態で搬送
01月29日 容疑を殺人に変えて送検
02月18日 理学療法士への殺人未遂容疑で再逮捕
03月03日 鑑定留置を開始(3ヶ月の予定)
06月02日 鑑定留置を終了
06月10日 殺人未遂、傷害の容疑で再逮捕
06月12日 地検に送検
07月01日 殺人などの容疑で起訴
 
こんなところですね。
次回は一審の情報になります。
ここまでで気になるのは、銃への執着ですね。お金が無くて、代金の一部が未払いと言う状態にもかかわらず、散弾銃を手放さずに、更新手続きもしている。
銃の所持は規制が厳しく、定期的に銃弾を消費するなど、維持費がかかるはずで、経済的に厳しい容疑者にとって、維持するのは結構大変だったと思うのですが・・・
なぜ手放さなかったのか?銃の暴力性に魅せられた部分でもあったのかな?それとも事件をぼんやりと予感でもしていたのかな?
 
参考リンク

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2025/10/14

世田谷一家殺害事件再考その229(足跡のタイミング)

24年12月29日放送 世田谷一家殺害事件、解決の鍵の特番で出ていた現場写真で気になる事がある。
それは現場に残された足跡だ。
 
これまでも足跡については情報が出ているのだけど、今回の現場写真も既出の情報と一致していて、特に目新しい物ではなかった。
私が気になったのは、写真でしか分からない、足跡の鮮明さかな。現場写真にはくっきりと血の足跡が残っていた。
 
それが何?って事だけど、問題は足跡が少なすぎる事。そして、その足跡が残されたタイミングはいつなのか?これが疑問です。
番組を見直してもらえばわかるけど、足跡は1階の玄関から1階を通り抜け、階段で2階へ、そしてリビングの奥へ伸びているのが1本しかない。
 
これが奇妙に思えてならない。特に階段に1列しかないのはどう考えてもおかしいと思う。と言うわけで、ここのところを今回は考えてみたい。
まず、血の足跡になっているので、犯人は大きな血だまりを踏んでいると考えるのが自然だろうね。
 
この事件で血だまりのできる場所は2カ所しかない。
A)1階階段下のみきおさんの遺体付近
B)2階のリビングと子供部屋の前の廊下付近の泰子さんとにいなちゃんの遺体付近
 
A)については、1階へ降りる為には通らなければならない場所なので、1階と2階を行き来するなら毎回血だまりを踏んでいると思われる。
B)についても、リビングや子供部屋に入る為には避けられない場所で、ここでも血だまりを踏むと思われる。
 
当然、時系列で考えれば、みきおさん、泰子さん、にいなちゃんが殺害される前には血だまりは発生しないので、1人または3人の殺害後にしか、この足跡は発生しないんだよね。
 
それを踏まえて、これまで定説とされている犯行の時系列を考えてみよう。
1)子供部屋で礼君の絞殺
2)1階でみきおさんを刺殺
3)3階ロフトで泰子さん、にいなちゃんを襲撃
4)2階のキッチンで換えの包丁を入手して、2階廊下に転落した母子を刺殺
5)その後、現場を物色
6)犯行後に1階のPC前でアイスクリームを食べる
7)2階のトイレで用を足す
(6と7は順番が不明、物色は犯行直後と推測してます。)
 
ただし、これまでの報道だと、血の足跡は2階の方が多く、階段では階段の途中から2階方向の足跡が血の足跡になっているとされている。
今回の現場写真を見ると、1階の足跡も血の足跡に見えるんだよね。
 
それでは時系列
1)礼君絞殺、この時点で残される足跡は泥の足跡になりますね。
 
2)みきおさん刺殺、ここで血の足跡が発生する条件は成立するか?少し微妙。
1階にはみきおさんしか居なかったから、1階に降りる必然性が犯人には無い。つまり、仮に血だまりがあっても、そこを踏む理由が犯人には無いんですよね。
だとすると、1階と階段の血の足跡はこの後に付いたと考えた方が妥当に思える。
 
3)3階ロフトで母子襲撃、この段階では母子はベッドの上で血だまりが発生する要素が無い。
 
4)2階のキッチンで代えの包丁を入手、この段階では血だまりを踏んでないので、泥の足跡だろう。
 
4.5)2階に転落した母子を刺殺、床に倒れている被害者を刺殺している為、被害者に接近しなければ刺せないので、ここで血だまりを踏んでいる可能性がある。
(ただし、刺殺中や直後に血だまりが出来ているかは疑問)
 
5)現場を物色
5-1)近い場所から物色するなら、2階から始めるだろう。
特にこの犯人は物色した引き出しの書類を浴室の浴槽に放り込むと言う特異な行動を取っているので、リビングから浴室までの経路上にあるB)の血だまりを通るたびに踏んでいるはずなんですよね。しかし、その割にはこの経路の血の足跡が少な過ぎる。
 
5-2)1階を物色するなら、ここでも、A)の血だまりを避けられない。このタイミングで階段の血の足跡が付いたと言うのは説明できる。しかし、階段の途中からは説明できない。
 
6)1階のPC前でアイスクリームを食べるのですが、このタイミングと物色のタイミングが同一、つまり、1階に降りたのはこの1回だけとするなら、階段の足跡が1列しかないのは説明できる。
しかし、ここで食べたアイスクリームは2個あったので、1階に降りる時に2個のアイスクリームを持って降りたと言う事なのか?それとも、1個目を食べ終わった後に、再度2階にアイスクリーム取りに戻っているなら、階段の足跡は2列になるはずなんですよね。
 
7)トイレに入るルートが不明なのでなんとも言えないが、可能性は二つだろうか?
7-1)リビングからトイレに入るルート、この場合、B)の血だまりを踏むはず。
7-2)1階からトイレに入るルート、この場合、A)の血だまりを踏むはず。
7-3)ロフトからトイレに入るルート、この場合は、血だまりを踏まない。
7-4)子供部屋からトイレに入るルート、この場合は、B)の血だまりを踏むはず。
 
ただし、トイレ内には血の足跡が無い。と考えると、7-3)ロフトからのルートが濃厚なのだろうか?
 
そして、全く解決できない問題が、1階の足跡です。
もし、1階の足跡が血の足跡だとするなら、重大な問題をはらんでいる。
それは、戻りの足跡が無い事です。
玄関に向かう為にはA)の血だまりを踏むはず、そのまま玄関に向かうなら、玄関からの戻りの足跡も残るはずなんですよね。
 
この問題を解決しようとすると、説明する方法は2種類しかないかな。
あ)玄関前で靴を脱いで、戻った。
い)犯人はこのまま、玄関から逃亡した。
 
あ)については、犯人がそんな事をする理由があるだろうか?と考えないといけないね。
普通に考えれば、逃亡経路の偽装と言う事になるが、逃亡経路を偽装する理由が犯人にあるだろうか?
玄関からの逃亡なら目撃されるはず!と言う事を逆用するならあり得るが、未明逃亡なら目撃者がいるとは思えない。
そんな事を気にするなら、そもそも、大量の遺留品や指紋、血液を残すはずが無いと思うけどな。
 
い)玄関逃亡説そのままですね。犯人は未明に玄関から逃亡しているとするなら、特に異論は無いけれど、その場合は、大量の遺留品の説明をどうするか?と言う別の問題が発生する。
いー1)遺留品は全て捜査を攪乱する為の偽装。
動機や犯人像をミスリードする為なら、あり得ると思うけど、逆にそれをしなければならない犯人なら、偽装をしなければ捜査線上に必ず浮上する人物が犯人と言う事になりそうですよね。
 
いー2)まったくのノープランの場合。
まったく、捜査や証拠に対して無頓着な場合ですね。流しの外国人など、絶対に被害者から犯人に辿り着けない場合、警察に逮捕されない自信がある場合かな。ありそうな話ではありますけどね。
 
全体としてこんな感じですね。
血の足跡が少ない理由が説明できないのですが・・・・と思って検索してみると
「空気中では、血液は一般的に数分から10分以内に凝固します。」と言う情報が出てきました。
 
これを考えると、6)以降は血だまりは固まっていて、「踏んでも血の足跡にならない。」と言う事になりそうです。
逆に刺殺後、およそ30分以内に付いたのが残された血の足跡だと仮定すると、(30分と言うのは遺体から血液が流れ出る時間はそのぐらいかな?と言う憶測です。)
みきおさん刺殺直後に泰子さん、にいなちゃんを刺殺しているとすれば、その時間差は5分とか10分程度でしょうか。
ほとんど時間差は無いと考えて良いと思います。
 
そうだとしても、血の足跡が少ない気がしますね。
普通に考えると、犯行現場に長居する理由が無いですよね。
家人を殺害後は邪魔者はいないので、部屋の中を物色して、目的を達成したら、逃亡するのが普通だと思うわけです。
 
残された足跡を見る限り、1階の足跡以外は殺害に必要な足跡と、現場に他の家人がいない事を確認する為の最低限の足跡しか残されていないように思われる。
つまり、その後の行動は、血だまりが固まってから行われているとすれば辻褄があいますね。
前にも書きましたが、普通ならさっさと物色して逃走するところ、この犯人は、殺害後、物色するまでの間に空白の時間があるように思われます。
このあたりの可能性を考えると
 
ア)実行犯が主犯の指示を待っていた。
イ)実行犯が仮眠していた。
ウ)殺害後に実行犯は玄関から逃亡して、物色したのは入れ替わりに現場に入った別人の共犯者
エ)犯人は殺害時に手に怪我をしているので、その治療をしていた。
オ)実行犯が一度玄関から逃亡して、再度戻ってきて物色した場合。
 
こんなところかな?
ア)とイ)は実は両立する可能性があります。
実行犯が主犯の指示を待つ間に仮眠していたと言う場合ですね。単純に仮眠と考えると、そのまま朝まで起きない可能性があるので、純粋に仮眠と言うのはなさそうな気がします。
指示が携帯電話なら、電話の呼び出し音で目が覚めると言う事ですね。殺人現場に電話をすると言うのはちょっとどうかと思いますが、他に気にする第三者がいなければ、携帯電話のベルが鳴っても、不審に思う人はいないわけですからね。
実際に闇バイトの強盗事件でも、現場でスマホで通話しているわけなので、それほど不自然な事じゃなさそうです。
 
問題はウ)かな?このケースはこれまであまり考えてこなかったけど、実際に現場に残された、指紋や掌紋の数が少ないのも、物色した人物が指紋や足跡を残さないような装備をした別人と考えれば、説明できますね。
 
エ)については手に怪我していて、止血するまでの時間、じっとしていたと言うのは普通にありそうですね。
ただ、この場合、止血できたからと言って、怪我をしている手で、引き出しをわざわざ浴室まで運ぶのか?と言うのは少し疑問ではありますね。
エ)もア)と両立しますね。指示を待つ間、止血処置をしていたと言う場合です。
あるいは、ウ)との両立かな。止血後に別人と入れ替わって実行犯は逃走した。
 
もう一つ、エ)とオ)は両立するので、止血後に一度、治療の為に逃走して、治療後に再度、現場に戻り犯行を継続した場合もありますね。
(その場合、通院情報が無いので、事件後も病院に行かずに治療したと言う事になりますね。少なくとも近所の病院には行ってないと言う事ですね)
 
ウ)については、これをやる理由は何だろう?
普通に考えると、現場にいる実行犯に物色も任せれば良いだけですよね。そのあたりを考えると
 
a)実行犯には理解できない物、指示が難しい物(怪しい書類とか曖昧な物かな?)
b)実行犯には知られたく無い物(その情報によって実行犯から主犯が脅迫されてしまうような物)
c)実行犯に持ち逃げされてしまう可能性がある物(高額な物、現金、貴金属など)
d)アリバイ工作(この事件では、翌日逃亡説があるので、少なくとも実行犯はその時間、別の場所にいましたとアリバイを主張できる)
 
ただ、理由は分からないけど、ウ)だった場合、現場に残された遺留品は実行犯の物では無いと言う事になりますね。
止血に使った犯人の血液の付着している手袋は犯人の持ち込んだ物の可能性が高いでしょうが、それ以外は、物色の為に現場に入った共犯者の物の可能性が出てきます。
 
いろいろと考えられるけど、1階の玄関に向かう足跡を説明できるのは、ウ)とオ)ですね。
あ)でも説明できるけど、その場合、履き替えたスリッパなり、裸足の血の足跡が2階に向かうなら階段に残るはず。まー1階でA)の血だまりが固まるまで待つのであれば、説明はできるけど、1階に留まる理由が説明できない。
 
とりあえず、今回はこんなところですね。
しばらくぶりで、勘が鈍っているかもしれません。ちょっと妄想が過ぎたかな?
 
参考リンク

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