2022/11/29

福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その10(母親の控訴審と刑確定)

まずは続報です。
1)県の児童相談所の所長らが男の子の祖母と面会し当時の不適切な対応を謝罪していたとのこと。
福岡児童相談所は事件の1か月ほど前に自宅を訪問したものの目視だけで虐待の危険性が低いと判断。
男児の祖母が保護などを要請したものの十分な対応を取りませんでした。
母親らの1審判決では、A被告が行政機関の訪問を妨げていたことも明らかになっています。
祖母の代理人弁護士によりますと、先月末に遺族と面会した児童相談所の所長らは、「職員の経験不足だった。
亡くなった男児に話を聴くべきだった」と対応の不手際について釈明。
「本当に謝罪しても謝罪しきれない」と述べたとのこと。(10/6 報道)

2)1)の面談に対する祖母のコメントを一部抜粋して掲載します。(死亡した男児の氏名は男児と置き換えています)
Iの母です。
本年 9 月 30 日に県庁で、福岡児童相談所の現在の所長、児相の弁護士、相談第一課長、県の児童家庭課児童福祉係長と、その上司という方との面談を行いました。

今回の面談の前に、当時の篠栗町の担当者から直接きちんと説明して欲しいと依頼しましたが、当時の担当者は今、福岡児相の職員ではない、福岡児相として、組織としてお答えするという理由で、当時の担当者は面談にきませんでした。
当時の担当者に聞きたいこと、言いたいことはたくさんありますが、私はいまだに一度も当時の担当者から直接説明も謝罪も受けていません。当時、そして今も、当時の担当者が男児のことをどう考えているのかわからないままです。

今回の面談の時にも言いましたが、令和 2 年 3 月 31 日に児相に行った私が「私の孫、死なないですよね?助かりますよね?」というと、篠栗町の担当者は「大丈夫です」と言いました。後で分かったことですが、この担当者は私が 3 月 12 日に訪ねてから一度も男児を調査したり面談したりしていなかったのに、大丈夫と言ったわけです。
そのことを所長に聞くと、「そこが危機意識の低さ」と、当時の篠栗町の担当者の対応の不適切さを認めました。そして、児相も県も、申し訳なかったと謝罪されました。これは組織としての謝罪だと受け止めています。

また、男児のリスク判定を「C」にしたままだったことは、検証報告書でも言われているように、見直すべきだったそうです。この「C」のリスク判定は、児相の所内会議で決められるそうなので、担当者、所長さん(同じ苗字ですが面談した時とは別の人)たちで決めたのでしょう。児相全体で間違えた責任があると思います。面談のとき、児相の方は、男児の体重を測っていればリスク判定の見直しはあったと思うが、男児に会うことが目的化し、体重を測ることへの意識が薄らいでいたとも言いました。
児相はいつまで経っても現認確認以上の介入をするつもりはなかったんだと思います。

リスク判定を見直すタイミングは、家庭環境が変わる時、今回は男児の幼稚園退園のタイミングと、転居のタイミングになるとも言われました。ですが今回はいずれのタイミングでもリスク判定は見直されていませんでした。児相は、できることをやりませんでした。
リスク判定の見直しを行わなかったことは、「私たちも反省すべき点」と、児相の方が話していました。

この面談の途中、児相から「起こってしまったことはどうしようもない」という発言もありました。
あまりに無責任な言葉に、男児の命は児相にとって数あるケースの一つでしかないのかと、今思っても怒りしかありません。
児相に助けを求めたあの日、私にはどうすることもできず児相なら助けてくれると思いました。あなた達に子ども、孫がいるなら助けて下さい、あの子は小さいから体力がないからと言った私の気持ち、助けられた男児を助けてもらえなかった私のくやしさ、あんなむごい毎日を送らされていた男児の苦しさ、その事実を知った私の気持ちは児相にはわからないでしょう。他人事だから。ただその場しのぎで謝ればいいと思ってあんな言葉が出たのでしょう。

****控訴審初公判(10月14日)***
1)弁護側は控訴趣意書で、I被告がA被告に心理的支配(マインドコントロール)をされていたと主張。残されたI被告の2人の子供など、家族との関係を一日でも早く再構築するためにも減軽すべきだと訴えた。弁護側はマインドコントロールを研究する心理学者らの証人尋問を要求したが、高裁は却下し、被告人質問だけを採用したとのこと。

I被告は被告人質問で、控訴した理由を「一番は子供たちに一日でも早く会いたいという気持ちだった。ギリギリまで迷ったが、少しでも早く(家族に)会える可能性があるなら、と思って控訴した」と振り返った。有罪判決自体には「男児を母親として守ってあげられなかった責任だと思っている」と述べたとのこと。

2)検察側は控訴棄却を求め、即日結審したとのこと。

***判決公判(11月9日)***
1)福岡高等裁判所は9日、1審判決を支持し、控訴を棄却したとのこと。

2)福岡高等裁判所の松田俊哉裁判長は、「A被告からの心理的支配の影響があったとしても、被害者の生存に必要な程度の保護はできたはず。量刑が重すぎて不当であるとは言えない」として控訴を棄却したとのこと。

***刑確定(11月25日)***
検察と弁護側の双方が、期限の24日までに上告しなかったため、懲役5年の判決が確定したとのこと。

こんなところですね。
母親の控訴審としては、順当なところかと思います。
罪は認めるけど、子供に会いたいから刑を軽くして欲しいと言うのは、心情的には理解できるし、同情もできるけど、法律的には無理な話に見えますね。

他に興味深いのは、児相が祖母に面談して謝罪した事についての、祖母のコメントですね。
この事件では、祖母が男児の危機を児相に相談しているわけです。死の危険を伝えているにもかかわらず、担当者は男児に対して、何の確認もしていなかった。そして、その場しのぎの返事をしていた。その結果、男児は死亡してしまったと言う事ですね。

祖母にしてみれば「だから言ったじゃ無いか、あの時、確認してくれていれば」と言う気持ちになるのは当然ですね。

感情は抜きにしても、今回の不適切な対応についての検証は必要ですね。
検証は既にされていて報告書が福岡県から公表されています。これはこの餓死事件以外の2件の虐待事件を含めた検証報告書です。
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/press-release/20210806jido.html

一部を抜粋すると
3事例共通の課題
(1) 児童相談所や市町は、継続的に子どもや家族を支援し関わりながら、子どもの死亡という事態を防ぐことができなかった。

(2) 児童相談所や市町は、幼稚園の退園、離婚、転居、学校への欠席が続くなど家庭状況が大きく変わる出来事の発生といった状況の変化を踏まえた適切な支援ができていなかった。

(3) 児童相談所や市町は、子どもに対する身体的、心理的虐待が発生していないかの確認に注力し、子どもと面談し直接話を聞くことや、関係機関から子どもがどんな話をしているかの情報収集を行っていない。虐待リスクを把握するための家族全体のアセスメントができていない。

(4) 児童相談所や市町は、保護者との関係形成に苦労し、会うこと自体が目的化。このため家族の課題や困難をどうすれば軽減・解消できるかといった踏み込んだ支援ができていなかった。

(5) 何れのケースにおいても要保護児童対策地域協議会(以下「要対協」という。)で主担当機関が市町となっていた。このため、児童相談所は、子どもを虐待から守る専門機関であるにも拘わらず、市町任せとなり自ら主体的に虐待のリスク判断を行っていなかった。

気になるのはこの3)の子供と面談して直接話を聞くことが出来なかった。関係機関からの情報収集が出来ていなかった。
最後の5)の主担当機関が市町となっていたので、児童相談所は虐待リスク判断を行っていなかった。のあたりですね。

で、再発防止の提言がこちら
3 再発防止に向けた提言
(1)児童相談所と市町村の児童虐待に対する危機意識の向上
〇 市町村の要対協は、体重減少や乳幼児健診未受診など、発育状況が把握できないケースについて体重の確認を必須とする「緊急度アセスメントシート」及び「子どもの安全確認チェックリスト」の活用を徹底すること 。

○ 児童相談所は、要対協で協議された「全ての児童虐待ケース(疑われるものを含む)」について、受理会議の開催により主体的にリスク判断を行うこと。また、それに基づき市町村を指導するとともに、リスクが高い場合は児童相談所が子どもの安全を確保すること。

○ 県では、児童相談所と役割分担する「乳幼児健診未受診者に対する受診勧奨のためのルール」を定めているが、これを「子どもに会えない状態が続く場合」にも適用すること。

(2)児童相談所のアセスメント力の強化
〇 県の児童相談所においては、令和2年度から、初回の虐待通告に対し一時保護等の介入的対応を専任で行う「初動対応係」を設置している。一方、継続支援ケースで、新たに虐待情報が入った場合は、「相談支援係」がアセスメントを行っている。
今後、保護者等への継続支援中であっても、通告等により新たな情報を入手した場合は、「初動対応係」が当該家庭をアセスメントし、受理会議の開催により虐待リスクの判断を行い、躊躇なく児童の安全確保に取り組むこと。

〇 県は、「初動対応係」を家庭に対するアセスメントを行う専門チームと位置づけるとともに、その対応力を強化するため、必要な研修を実施すること。

(3)児童相談所・市町村職員の資質の向上、体制整備
〇 県は、検証事例を踏まえた課題を抱える家族への接し方、支援に係る研修や虐待の兆候に気付きにくい具体的なケースを想定した演習(ロールプレイ)等を実施し、児童福祉司等の資質向上に取り組むこと。

〇 児童相談所が虐待のリスク判断や保護者のメンタルヘルス等の支援検討にあたって、医師にいつでも相談できる体制を整備し、精神医学などの見地から意見を取り入れ、児童相談所全体のアセスメント力の強化に取り組むこと。

〇 県は、市町村が整備することとされた「子ども家庭総合支援拠点」が早急に整備されるよう様
々な機会を通じ市町村に働きかけること。

(4)要対協の機能強化
〇 市町村は、児童相談所を構成員とする要対協の実務者会議を定期的に開催すること。実務者会議の開催に当たっては、主たる支援機関、管理する目標の推移、支援策に加え、当初の支援策が滞った場合の次善の支援策が明示された資料により、進行管理を行うこと。
県は、モデルとなる
県は、モデルとなる「「進行管理進行管理表」表」を市町村に示し活用の徹底を図ること。を市町村に示し活用の徹底を図ること。

○ 県は、県は、要対協の調整担当者要対協の調整担当者等等に対し、幼稚園のに対し、幼稚園の退園、離婚、転居、学校への欠席が続く退園、離婚、転居、学校への欠席が続くなど養など養育状況が変化した場合育状況が変化した場合は、は、虐待虐待リスクが高まることをリスクが高まることを研修等を通じて周知研修等を通じて周知徹底徹底することすること。

○ 学校、幼稚園、保育所学校、幼稚園、保育所等は、要対協で支援を行っている児童の欠席が続く場合等は、要対協で支援を行っている児童の欠席が続く場合は、児童相談所及び市町村の虐待担当部局に速やかに通告等を行うこと。

こんなところですね。
課題も提言についてもその通りだと思うのですが・・・
ちょっと、気になったのは、これらの内容は現場の人は既に気付いていたのではないだろうか?と言う事です。
つまり、やらなきゃいけない事なのは知っていたし、理解していたけど、実際には出来なかったと言う事が無いのか?と言う事です。

どこの組織もあまり変わらないと思いますが、限られた予算、限られた人員で期限までに仕事をしなければならないと言う前提条件がありますよね。
そこへ、許容量以上の仕事を入れられても「出来ない」って事になる場合があります。
それでも、やらなきゃいけない場合、担当者や中間管理職のレベルで、仕事の重要度を見て間引きと言うか手抜きをしたり、調整してつじつまを合わせると言うのも、やはりどこの組織でもあると思うんですよね。

もしそうなら、組織的には別の手当が必要なのではないか?とかね。あるいは、現場の意見が上に上げにくい風土などがないのか?なんて事も気になるわけです。他にはテクノロジーを使って効率的な情報の共有とか判断とかと言うのも有りだと思います。

私は全くの門外漢で児相の事も市町村などのこの手の職場の話は分かりません。
ただ、少子化対策も重要だと思いますが、せっかく生まれた命を亡くさない事にも予算を割いても良いと思うんですよね。

亡くなった子供達のご冥福をお祈りします。

参考リンク
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その9(Aの一審判決2)

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2022/10/10

福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その9(Aの一審判決2)

Aの一審判決は懲役15年(求刑:懲役15年)です。

***第七回公判(9月7日)***
被告人質問
弁護側「I被告の通帳を預かってお金引き出すようになったいきさつは?」
A被告「Iから『仕事でお金下ろす時間ないから下ろしてきとって、引き落としがあったらいかんけん、朝イチで行って』と言われた」
弁護側「I被告にお金返した?」
A被告「やりました、返しました」

男児が死亡した時の体重は、5歳児の平均のほぼ半分の10.2キロ。

I被告の主張によると、亡くなる間際には、A被告の指示で男児にあわせて2週間以上も食事を与えられなかったとのこと。

弁護側から、亡くなる1カ月ほど前の男児について聞かれたA被告は突然、涙を流したとのこと。

弁護側「男児の体を見て感想は?」
A被告「びっくりしました。初めて体を見て…すごく…(涙を流しながら)小さくなっていて、細かったので…。ショックでした…」
弁護側「その時、I被告と話はした?」
A被告「その時、私は『何しよると?』と言いました。『食事あげてるのになんでこんなんなっとーと』と言いました」
弁護側「I被告は?」
A被告「無言でした」

<I被告の子供達からの伝言>(I被告の元夫の証人尋問の内容について)
弁護側「子供からの伝言、どう思った?」
A被告「子供は『そう言うだろうな』と思った」
弁護側「なぜ?」
A被告「IはIの子供に、私を怖い存在で植え付けていた。子供が『私のことを怖い』と言ってるのは知っていたので、あの文面で違和感はない」

<ボスについて>
検察側「ボスについて見たことは?」
A被告「ないです」
検察側「捜査段階で『ボスに会ったことある』と話してない?取り調べで話した?」
A被告「はい」
検察側「ボスのこと見たことないんじゃないの?この話、なに?」
A被告「人違いでした、後で聞いたら」
検察側「会ってもないのに具体的に話してる、これ嘘ですね」
A被告「嘘…?」
検察側「人違いと分かって訂正してないよね?」
A被告「聞かれてないので言ってない」

<A被告が美容室についかった金額について>
検察側「志免町の美容院、2年間で80万円使った。違う?」
A被告「言われた金額の中には、私がシャンプーを買ったりとかも入っていると」
検察側「それだけお金があった?」
A被告「兄弟からも親からも助けてもらうことが多かったので、いけてました」

別の報道では
弁護側質問
制限していたとされる食事については、「I被告から生活がきついと聞いたため、親切心から食事を提供していた」と説明した。

検察側が質問。
質問は、I被告が携帯に残していた、「ほんと毎日毎日きついよ。男児もたたかれ、殴られ、罵声」というメモについて。

検察「接触しているのは、あなたじゃないの? 違うの?」
A被告「わたし以外に、誰と会っていたかわからないので」
検察「男児をたたいたことについては?」
A被告「違います」

別の報道では
検察側は、A被告が借金を抱えながらも18~20年、美容院へ50回通って約80万円を使っていたほか、大阪市の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)や大分・別府温泉などに10回ほど家族旅行をしていたと説明。これに対し、A被告は「タンス預金をしていた」と述べたとのこと。

<男児の祖母(I被告の母親)の意見陳述>
「どうして男児は死んで、A(被告)はうそをついて生きているのか。男児を返してください。それができないなら、うそはやめてください」と声を詰まらせたとのこと。

別の報道では
「娘にも責任がある。でもA被告が全てを破滅させ、男児まで奪った。男児を返してください」と訴えたとのこと。


***論告求刑公判(9月8日)***
1)証人尋問:A被告の夫
検察側からの証人尋問で、夫は、I家を訪問した際に子供たちの食事量が少なかったことや、男児が死亡する直前に心臓マッサージをしたときの状況などについて語った。

弁護側から、A被告がI被告を支配していたかどうかについて聞かれると「私はあり得ないと思います」と答えた。

別の報道では
A被告の元夫は、男児があばらが見えるほど痩せていたこと、消防に通報して救急搬送されたときの状況などを証言した。また、I被告がA被告に助けを求めてきたことについて、「普通は病院なり身内なりに連絡すると思う。おかしいですよね。普通に考えたら」と述べた。さらに、A被告がI被告を支配していたかどうか、弁護人に問われると、「あり得ないと思っています。(支配などは)考えたこともない。Iが家に来た時も普通の対等な友達にしか見えなかった」と話した。

別の報道では
弁護側:証人として出ること、お子さんに伝えてる?
A被告の夫:知ってます。いつもテレビの報道見て「違う、違う」と言ってて

またA被告の夫は、パチンコ好きのA被告のおかげでプラスの収入が多く、生活が助けられていたとも話したとのこと。

2)検察側は懲役15年を求刑した。
検察側は、「A被告はI被告が子供を守るために指示に従うしかない状況を作り、I被告を強い心理的影響下に置いていた」「I被告と意思を通じて保護責任者遺棄致死の犯罪を遂行したのは明らか」「A被告の弁解は不合理で信用できない」と述べたとのこと。

さらに検察側は「多額の金をだましとるという金銭欲の表れであり、支配欲があった。自己の欲望を満たすための身勝手な犯行で、酌量の余地はなく強く非難」「悪質極まりない。酷い仕打ちとしかいえない」「被害者は理不尽な罰をうけ、暴力を受け、勝手に食べ物を食べるとどろぼうと言われた。その苦しみや悲しみは察するに余りある」として、懲役15年を求刑したとのこと。
その上で、「被告人がいなければ事件は起きなかった。その刑事責任は母親をはるかに上回る」と説明したとのこと。

3)A被告の最後の意見陳述
金をだまし取ったということはありません。生活が苦しいと言われていたので、一生懸命助けていたつもりです。全て母親の責任だと思います。以上です。

***判決公判(9月21日)***
1)判決は懲役15年(求刑:懲役15年)
2)裁判長は、「A被告がI被告に対し夫が浮気をしているなどとウソを重ね、I被告の生活全般を実質的に支配していた」「A被告には責任があったのに、十分な食事を与えず、男児を餓死させた」などと、裁判の最大の争点となっていたA被告による支配を認定しています。

別の報道では
A被告がI被告を「支配」したと認め、「巧妙かつ悪質性の高い手口で(事件を)主導した」と指摘。動機について「強い金銭欲があったことは明らかで、I被告ら家族への悪意が背景にうかがえる。欲望のまま犯行に及び、酌量の余地は全くない」と断罪したとのこと。

判決はI被告の証言について、両被告によるLINE(ライン)のやりとりや第三者の証言など、客観的な証拠と整合し「信用性は相当に高い」と判断。A被告はI被告の証言を全面的に否定していたが、判決は「客観的な証拠に何とかつじつまを合わせて取り繕っているとしか考えられず、到底信用することができない」と退けたとのこと。

その上でI被告の証言に基づき、他のママ友や元夫を巡る裁判があり、仲裁してくれた暴力団関係者の「ボス」に支払いが必要などといううそを、A被告がI被告に吹き込んでいたと指摘。I被告の収入のほぼ全てをだまし取り、「裁判に勝つため」などとしてI家に食事制限やしつけなどさまざまなルールを課したとして「さまざまな虚言を重ねて(I被告の)人間関係を断ち、周囲から孤立させ、強い心理的影響下に置いて生活全般を実質的に支配した」と認めたとのこと。

A被告は保護責任者ではなかったが、判決はA被告がI家に提供する食事の量を減らし、I被告に男児の食事を数日間抜くよう繰り返し指示したとして「男児に十分な食事を与えない状況を作り出した」と判断。男児が重度の低栄養状態に陥ったことを知りながら、I被告への支配や指示を変えず、食料の提供もやめてI被告に男児を保護させなかったとして「I被告との共謀が優に認められる」と断定したとのこと。

最後に「不合理な弁解やI被告に責任を転嫁する供述を繰り返し、自らの責任に全く向き合っていない」とA被告を非難したとのこと。

***控訴(9月30日)***
A被告は判決を不服として、福岡高裁に控訴したとのこと。

こんなところですね。
I被告の裁判でA被告の支配が認定されてましたから、無罪は無いなと予想はしていました。
印象としては、「浅はかな悪知恵」が最悪の結果をもたらした事件だったのかな?と言うことですね。
おそらく、A被告はI被告と関わった当初はこんな事になるとは考えていなかったと思います。
その根拠としては、I被告に証拠隠滅や口止めをしているところですね。最初から計画した物なら証拠など残さないでしょう?
なので、最初は些細な嫉妬や意地悪だったのではないか?と考えています。
I被告の容姿や家庭環境などに嫉妬して、ちょっと意地悪してみようと言うつもりだったのではないかと・・・・

それが、ママ友の悪口を捏造してI被告の友人関係を破綻させる事に成功したあたりから、これは利用できるのではないか?とエスカレートしていたったのではないかな?
で、お金を搾取する為に巨額の負債を捏造したわけですね。名目は離婚の為の浮気調査や裁判費用と言う事にしたんでしょう。
この時の金額が3500万円と言う事で、本来ならI被告が「そんなに高いの?」と疑問を持つところですが、既に相談する友人も夫もいない状況になっていたので、盲目的に信じてしまったんでしょうね。

さらに、この捏造した離婚裁判でもお金の搾取に成功してしまったので、ここで完全にA被告の良心が麻痺してしまったんでしょうね。
A被告が最後に平常心に戻れるポイントはこの時点だったと思います。
結果的にI被告が離婚した事で、離婚裁判をする事なく、嘘が発覚しないまま、裁判費用(浮気調査費用)だけを搾取する事に現実との整合性が出来てしまった。
つまり、嘘が嘘で無くなったわけです。(将来的に嘘が発覚するかもしれないけど、その時はうまく言いくるめる程度と考えていたでしょうね)

なので、ここで搾取をやめれば、男児が死亡する事もなく、元の生活に戻る事ができたと思います。

ところが、最初の金額が大きすぎて、負債の返済が終わらない状態になっているのが、A被告の金銭欲を増長させてしまったのでしょうか?
ここで、離婚も成立したので、これ以上の費用は発生しないと言って、元の生活に戻ればよかったのでしょうが、一度味わった贅沢な暮らしは手放す事ができなかったんでしょうね。
思い通りになるI被告の様子を見て、支配欲も満たされて、完全に犯罪意識は消えてしまったんでしょう。

最後に男児が倒れた時、「死ぬんやない」とLINEを送ったあたり、完全に「人ごと」ですからね。
おそらく、自分は赤の他人だから、男児が死亡しても責任は親であるI被告にあると言う認識だったんでしょう。
ところが、実際に男児が死亡して、冷静に考えれば刑事事件になると直感したあたりから、保身の為に動き始めたと言うあたりでしょうか。

なので、全面否認したけど、その理由がとってつけたような理屈になってしまったんでしょうね。

この事件を防ぐ方法は大きく二つだと思います。
1)I被告側の被害者側としては、「信じる前に疑え」と言う事ですね。
私の個人的な印象ですが、日本と言う国は古来より「和を以て貴しとなす」と言う事を重要視していて、それが教育の基本にもなっていると思うんですよね。
それは、悪い事じゃないと思う。だけど、それが遠因で「性善説」が社会の基本になっている。なので、「疑うことなく信じてしまう」人が多いのではないか?と感じています。
I被告の一審判決の記事では「自立する事」と書いていますが、自分自身で判断する事を子供の教育の中でも重視して欲しいですね。

2)A被告側からの視点だと、幼少期からの人格形成がポイントかと思います。
公判の内容からみて、どうも「嘘」や「人を騙す事」に罪悪感が薄いのではないか?と思います。
こなたりは、大人になって急に変わったと言う事ではなく、幼少期から長い時間を掛けて、そのような人格になってしまったのではないか?と思うんですよね。
あるいは、過酷な生活の中で、自己防衛的にそのような人格になってしまった可能性もあるのですが、このあたりは情報が無いのでなんとも言えないですね。

3)あと、もう一つ可能性があるとしたら、A被告のお金の動きですね。
A被告の夫は証人尋問で「妻がパチンコで儲けてくる」と言う趣旨の証言をしてます。
なので、夫には「パチンコで勝った」と言ってお金を持ち帰っていたのだろうと思うのですが・・・夫はA被告と一緒にパチンコには行かなかったのかな?
もし、頻繁に一緒にパチンコをしていたら、A被告がそんなに勝っているの?と疑問を持つ事ができたかもしれませんね。
実際に、A被告がパチンコが上手い可能性もあるのですが、一般論で言えば、「客の儲けは店の損失」なわけで、毎回勝つと言うのは無理だろうと思っています。
(私はパチンコはやらないので、ホントのところはわかりませんが)
夫がA被告のお金に疑問を持てば、何か犯罪行為があるのか?と疑ったかもしれません。そうなれば、そこで犯行を止めたかもしれないですよね。

4)更にもう一つ可能性があるとしたら、児童相談所や役所、警察がどこまで家庭に踏み込めるのか?と言うあたりでしょうね。
このあたりは、専門家に議論していただきたいところですね。

些細な嘘が膨らんで一つの命を奪い、二つの家庭を不幸のどん底に突き落とす事になりました。

亡くなった男児のご冥福をお祈りします。

参考リンク
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その8(Aの一審判決1)
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その10(母親の控訴審と刑確定)
加害者家族


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2022/10/09

福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その8(Aの一審判決1)

事件を主導した「ママ友」のAの一審公判です。
情報が多いので2回に分けます。

***初公判(8月29日)***
1)起訴状によると、事件当時、母親のI被告の“ママ友”A被告(49)は、「他のママ友があなたの悪口を言っている」、「夫が浮気をしている」とI被告にウソをつくなどして、生活を実質的に支配し、食事制限などを指示していた。

3年前の2019年から2人で共謀し、2020年4月に男児を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死の罪に問われている。さらに、I被告から生活保護費など約198万円をだまし取ったとして、詐欺と窃盗の罪にも問われている。

2)「指示はしていません」「お金をだまし取ってないし、窃盗の件も頼まれて、(お金を)下ろした」と起訴内容を全面的に否認した。

3)弁護側によると、A被告は福岡県大川市で生まれ育ち、地元の高校を卒業後、一般の企業に就職。その後、何度か仕事を変え、医療機関で看護助手をしていたこともあったとのこと。

27歳で前の夫と結婚したが、工具で頭を殴られるなど家庭内暴力を受けたといい、35歳の時に家を飛び出して現在の夫と暮らし始めたとのこと。再婚後も前夫に見つかるのを恐れ、今の夫や子供たちには「ゆうな」と偽名を名乗っていたとのこと。

弁護側は、「ボス」に支払いの必要があるなどといった話は、I被告がA被告に言っていた話だとして全面的に否定。「A被告はI被告から相談を受け、嫌われるのが怖くて話題に付き合っていた」などと主張し、食事制限などの厳しいルールもA被告が指示したわけではなく、「協力を求められた」だけだと訴えたとのこと。

また、I被告から現金をだまし取ったとされたことも「『ボス』への支払いなどが頻繁にあるとしてI被告に頼まれ、A被告がI被告の口座から現金を下ろしたり、貸したりしたことはあった。I被告から現金を受け取ったこともあったが、貸した分の返済だった」などと反論したとのこと。

弁護側の説明内容
I被告は、Aにとって久しぶりの本当の友達だった。I被告とはウマの合う関係だった
夫に対する強い不満があり、離婚調停をしていてボスという人物に相談していると聞いた
ボスに依頼して裁判費用を支払っていると聞いた
裁判費用の支払いや借金を依頼され、その返済として金銭を受け取ったことはあるが、それ以外はない
家の中にボスが監視カメラを設置している、と聞いた
I被告はかなり苦労しているようで協力を求められることもあった
I被告の話は過激な内容でまゆつばものの話であったが、何か意見を言えば嫌われると思っていた


4)検察側は冒頭陳述で、A被告がさまざまなうそをI被告に吹き込み生活を支配したなどとして、I被告の判決内容に沿うような主張を展開した。その上で、A被告は「裁判で勝つために質素な生活をしないといけない」として、I家にさまざまなルールを課し、食事内容も制限。しつけにも介入して死亡した男児に暴力を振るい、つまみ食いなどをしないようI被告に見張るよう指示したと指摘したとのこと。

検察側が列挙した嘘
「ママ友が(母親であるI被告の)悪口を言っている」
「ママ友から慰謝料請求されて、ボスが金を払うことで解決してくれた」
「ボスがママ友からお金を請求する裁判をしてくれている。手続き費用がかかる」
「裁判で勝つために、監視カメラで見られている。さまざまなルールを守って生活すべし」
「夫が浮気している」

***第二回公判(8月30日)***
証人尋問
1)I被告とA被告の2人の共通の友人(ママ友の女性)
女性はI被告について…「徐々にしゃべらなくなりいつも下を向いているような状態で、明るいIさんじゃなくなった」と話たとのこと。

I被告に度々借金を頼まれ合わせて11万5千円を貸したことなどを証言したとのこと。

検察との問答
検察:「どういった経緯で貸しましたか?」
ママ友:「AさんがIさんに『お金借りるんやけ、ちゃんと言わなよ』と言って、Iさんが正座をしました」
検察:「誰がどう返済しましたか?」
ママ友:「Aさんが持ってきました」
検察:「A被告が持ってきた理由は」
ママ友:「Aさんが預かったから」

I被告が借金に訪れる際には、ほぼ毎回A被告が同席していたとのこと。

このママ友は、衰弱した様子の男児を目にしていて、頭痛を訴える男児に対しA被告がこう話しているのを聞いていたとのこと。

ママ友の証言
「目に見える症状じゃないし本当か分からん。嘘つくときもあるもんね」

検察:「男児の様子は?」
ママ友:「立ち上がるのもきつそう、何かにつかまらないと立てないようでゆっくりと立ち上がっていました」

男児が亡くなってすぐ、A被告はこんなことを言い出したとのこと。

ママ友の証言
「Iさんとのラインを消してるから消しとった方がいいよ」
「ラインの復元ってできるんかね?」

証人のママ友は、A被告に証拠隠滅ともとれる依頼をされたと証言したとのこと。

2)男児が通った幼稚園の教諭や行政機関の職員
男児は19年11月まで幼稚園に通い、A被告が送り迎えをしていた。
男児は同9月ごろから体重が減るようになり、心配した教諭が同10月にI家を訪れたが、I被告と一緒にいたA被告が応対。「お母さん(I被告)はうつ病。今はそっとしておいて」などと言われ、I被告とはほとんど話せなかったとのこと。

そのため、園からI被告に面会希望の手紙を出したところ、A被告から電話があり「対人恐怖症なのに、連れて来いというのか」などと大声で抗議されたとのこと。

園から連絡を受けた町教委の職員も同12月、I家を訪問した。その後、A被告から町役場に「母親は対人恐怖症で嫌がっているのに、なぜ来るのか」などと抗議の電話が寄せられたとのこと。

20年4月には、I被告の生活保護の事務手続きで、県のケースワーカーがI家を訪問しようとした。携帯電話の料金が払えなかったI被告に代わり、連絡先となっていたA被告にケースワーカーが電話したところ、新型コロナの感染拡大を背景に「コロナがまん延しているのに来て、感染したら補償してくれるのか」と怒鳴られたとのこと。

***第三回公判(8月31日)***
証人尋問
I被告
A被告との関係性についての証言
検察側:「今までのママ友とタイプは?」
I被告:「違いました」
検察側:「下ネタ言ったりは?」
I被告:「2人で言って、2人で笑ってって感じでした」
検察側:「付き合いは濃くなった?」
I被告:「濃くなりました」

旦那の浮気についての証言
検察側:「旦那が浮気していることについては?」
I被告:「一度も思ったことはなかった。やっぱり言ってくることがリアルなので。(A被告が)状況をリアルタイムで報告してくるんです」
検察側:「信じた?」
I被告:「信じちゃいました。夫が許せなくなりました」
検察側:「浮気を旦那に問いただしたことは?」
I被告:「ありません。Aが『夫がしてないって言うのはわかっとうし、ボスの調査は相手には言うなって言われてる』と」

食事についての証言
I被告:「Aがチンで作れるものに、タッパーにおかずを入れて持ってきてくれるように。6か7個ありました」
検察側:「量は」
I被告:「最初は3個で3日分でしたが、徐々に3個作ったら1週間もたせろとか、間隔が狭まっていきました。(主食は)朝と昼はパンを1枚ずつ。途中から朝昼で1枚に減りました」

空腹で男児が、つまみ食いをしたところ…。

I被告:「『お前は何でできんのか。お前は5歳じゃない。お前は飯食うな。絶対に食わせん。ママがいいって言っても食わせん』と。男児は謝っていましたが、Aは男児の肩口を持ち、床にあるマットレスに投げつけた。うわーっと思いましたが、ボスがカメラで見てるので何も言えなくて…」

被告人質問
弁護側:「ボスとあなたは面識がある?」
A被告:「ありません」
弁護側:「さんのボスとは?」
A被告:「男性の方と聞いていました。一緒になりたいと思っていると聞きましたけど、詳しい名前とかは聞いたことがないです」
弁護側:「朝昼食パン1枚など、Iさんに指示をしたことは?」
A被告:「ありません。実際見ていません。食事の分け方をどうやって食べるとか、Iの子どもたちを見るということはなかったので分かりません」
弁護側:「男児を投げたことは?」
A被告:「頬のところにあざができていたので『どうしたと?』と聞いたら『ママにたたかれた』と。実際にIに暴力を振るわれるのは見ました」

***第四回公判(9月1日)***
証人尋問:母親(I被告、控訴中)
(役場の家庭訪問について)
1)町役場の人に男児を友達の家に預けていますと言ったのはウソで、A被告にそう言わないといかんよと言われていた
2)家庭訪問などで男児をしゃべらせるなとA被告から言われていた。お腹すいたとか、ご飯を抜かれていたことをポロっと言ってしまうかもしれないと言っていた。(拒否の判断はA被告がした)。(理由は当時の生活状況やご飯を食べられてないことを私がポロっと言っちゃうんじゃないかとA被告が恐れていたんじゃないかなと思う)

(精神的な支配について)
3)A被告から毎日頭ごなしに怒られ、罵声を浴び、一日中正座で謝り、精神的には病んでいた
4)男児がどろぼう(盗み食いのことを互いにこう呼んでいた)しないように食材を持って寝ろとか寝ないで見張ってろと言われ、考える力がなくなって判断がつかなかった
5)自分の中でどうしようもなかった、相談するところがなかった

(困窮について)
6)車は売った。10万円ぐらい返ってきたがA被告に渡した
7)携帯電話は料金が支払えず使えなかったったのでA被告の電話を使っていた

(自身や子供の食事について)
8)みんなおなかが空いていた
9)A被告に提供してもらう食事の量は減っていった
10)前はプラスチック容器3つもらって3日分と言われていたが、それが1週間分とか期間が長くなった
11)子供たちは昔みたいにわんわんさわぐことはなくなったし、大きく体を動かすことはなくなっていった
12)男児は3月2日~11日までの10日間、3月18日~24日までの7日間食事抜きが続いたが、これは勝手に食べ物を食べた罰?

母親のI被告:
そう。ボスからの伝言で「あんたたち4人は感謝の気持ちが足りん。ご飯もらえるのは当たり前と思うな」と言われていた。4人で座って手を合わせて「きょうもご飯を作ってもらって、ありがとうございます。いただきます」と言って食べていた。食べ終わった時も「おいしかったです。ごちそうさまでした」と言わなきゃいけなかったので毎日言った。

A被告は毎日家に来ていた。来る度に男児を自分のところに呼んで『X!お腹を見せて』と。Aは『ほらお前が言うことを聞かないからご飯を抜かれるからこんなにお腹が引っ込んでいるだろ。こうなったのはママのせい』と言っていました。

A被告の弁護人:
A被告のウソを疑問に思わずに信じたのはなぜか?

母親のI被告:
「A被告の言うことを真に受けた、信じたのは、本当のようにスラスラと言うんです。わかんないと思いますけど、聞いてる方も魔法にかかっちゃうような。わかんないですよね、魔法にかかっちゃうようになる」とのこと。

***第五回公判(9月2日)***
証人尋問:母親のI被告(控訴中)
男児が亡くなった当日の様子

検察官の「この日朝食は食べなかった?」という問いに対しI被告は「はい」と答えると、「どうして?」という問いに、「食べるものがなかったからです」と答えた。

男児は歩く様子も普通ではなく、夕方には頭が痛いと言って倒れ込んだといいます。I被告は、「『S、S』と声をかけたら、丸まっている手から顔だけ右に向けました。そのときに男児が私の顔を見て、『ママごめんね』といって、また顔を戻しました」と述べた。

男児の様子がおかしいとI被告はA被告に助けを求めますが、「(A被告が)『S』と声をかけて、足の裏を手でつついて反応を確かめました。Aは『大丈夫、様子見!ご飯炊いとかないかんよ』と言っていました。」

その日の夜、男児が呼吸をしていないことに気づいたI被告でしたが、慌てて電話した先は119番ではなくA被告でした。

検察官の「救急車を呼ばなかった?」という質問に「はい」と答えたI被告は、「どうしてしなかった?」という問いに対して「Aと“ボス”の許可を得ないといけない。勝手に救急車を呼ぶ行動をすることはできないと思いました」と答えた。

男児が亡くなったあと、A被告は口止めや証拠隠滅を図ったと言います。I被告は、「『夫の浮気のことは言うな」と(A被告に)言われました」と証言し、検察官の「Aからスマホについて何か言われていました?」という問いには、「『処分せろ、証拠消せ』と言われてました」と述べた。

さらに、実際には存在しなかった“ボス”についても「『“ボス”は男と言え、パチンコで出会った、私が追っかけていると言え』と言われました」と証言した。

男児が亡くなってからも、兄弟を児童相談所から引き取ったりする名目で、A被告に金を巻き上げられたと主張した。

次第に疑問を持ち始めたI被告は、A被告に対し『警察に正直に話す』と伝えたといいます。これに対する検察官の「Aはどんな様子でした」という質問に、I被告は「必死でした、言ったらダメという反応でした」と答えた。

別の報道では(I被告の証言)
A被告(I被告への証人尋問より)
「あんたは警察に捕まるけん。警察は大体、朝くるけん。朝起きたら『おはよう』と(ラインを)打って。『おはよう』が無くなったら捕まったと思うけん」

A被告(I被告への証人尋問より)
「スマートフォンを処分しろ!証拠消せ!」

I被告への証人尋問
検察側「(スマホは)処分した?」
I被告「トンカチで画面を割ってAの家に持っていきました」

さらに、男児が亡くなった3カ月後、I被告が密かにICレコーダーで録音したという「A被告との会話の内容」が検察側の証拠として示された。

ICレコーダーで録音されたA被告とI被告のやりとり
I被告「ボスにも会えんと?」
A被告「会えん。うちも会えんもん」
I被告「スーパーで会っても話しかけたらダメ?」
A被告「だめやね。もう話しかけるなってボスが言っとるけんね」
I被告「(ボスは)警察に呼ばれよると?」
A被告「呼ばれたって言いよった」

I被告は既にこのころ、男児の死亡について警察から事情を聞かれ始めていたとのこと。

検察側「なぜこれを聞いた?」
I被告「ボスがいないと分かっていたので、反応を聞いた。嘘ついているな、としか思わなかった」

***第六回公判(9月5日)***
被告人質問
弁護側「男児が亡くなった当日、実際に様子を見て、どういう状態と思った?」
A被告「(I被告に)『昼寝した?』と聞いたら、『していない』と言ったので『眠いから寝てるのかもね』と(I被告に)言った」
弁護側「『病院行きなさい』とか『救急車呼びなさい』とか言おうと思わなかった?」
A被告「その時は思わなかった。以前にも『病院に行ったら?』と何回も(I被告に)言っていたけど、全然行動に移さなかったので言わなかった」

証人尋問(I被告の元夫)
検察側「家計の管理は?」
I被告の元夫「元妻は無駄遣いもなく子供のために貯金をコツコツするタイプでした」
検察側「目立っておかしいところは?」
I被告の元夫「離婚半年前までは特に(なかった)」

I被告と元夫が離婚したのは男児が餓死する約1年前の2019年5月。その半年ほど前からI被告の態度が急変し、多額の現金を口座から引き出していたほか、唐突に「離婚話」を持ち出してきたとのこと。

検察側「(2018年12月に)口座の確認をした?」
I被告の元夫「あり得ない額をおろしていた」
検察側「どのくらい?」
I被告の元夫「200万から300万くらい」
検察側「問いただした?」
I被告の元夫「最初は『生活費』と言っていたが、問いただしたら『裁判』と。それ以上は言わなかった」
検察側「I被告は離婚の理由については?」
I被告の元夫「私が『マザコンだから』と。誰ひとり賛成する人はおらず説得したが、(I被告は)話を聞いてくれませんでした」

I被告の親族を含め誰ひとり納得しない中、A被告のみが離婚を後押ししていたと元夫は証言した。

A被告(I被告の元夫の証言より)
「早く離婚してあげた方がいいんじゃない?」

元夫は「離婚するほかなかった」と当時の状況をふり返った後、A被告が持ち出したとされる「浮気話」を全て否定した。

I被告の元夫(I被告の長男・次男からの伝言として)
「被告人(A被告)の言うことは全て嘘。指示していないと本人は言っているが、僕たちは指示されて、ろくに食事も与えられず、長い間苦しい思いをした。母親の言っていることが真実だから」

証人尋問(I被告、控訴中)
様々な嘘によって生活保護費を含む多額の現金をだまし取られていたとされるI被告は、子供たちを家に残しA被告に連れられてパチンコに出かけた際の様子を証言した。

I被告「私は1万(円)もらって1円パチンコ、Aは4円パチンコ、3時間、4時間いた」
裁判員「男児を残してパチンコに。どんな気持ちだった?」
I被告「帰りたいと思いました。パチンコに行っても負けることで、Aから怒られる。『台を選べ!』とか。帰りたいと思っていた」

別の報道では
被告人質問でA被告は、亡くなる前に横たわっていた男児の様子について、「呼びかけると『んー』と声を出しました。寝ていると思いました」と述べた。

A被告はこの日、I被告から男児の異変を知らせる連絡を受け、I被告の自宅を訪れていた。

当時、救急車を呼ばなかった理由については、「以前も(男児の)体調が悪いときに『救急車呼んだら』と言っていましたが、(I被告が)行動に移さなかったので言いませんでした」と述べた。

このように語ったA被告ですが、I被告の自宅に到着する前には、男児について『死ぬんやない』というメッセージをI被告に送っていました。これについては問われると、「コロナにかかったら死ぬんやない?という気持ちで送りました」と答えたとのこと。

第六回公判までです。
ICレコーダーで録音していたりしたんですね。
いつもの事ですが、公判は情報量が多くて全てを書き出す事ができません。詳細が知りたい方は別途、報道や公判記録などを読む事をお勧めします。
私の印象だと、家計を妻に任せている家庭がそうでない家庭よりも多いと思います。
なので、夫がどのぐらいのお金を何に妻が使っているのか?を知るのは難しいですよね。
多分、通帳を見て「おや?」と疑問を持つまで異変に気付かないかもしれませんね。
(その逆で夫が使途不明なお金の使い方をしても、妻は気付けないでしょうね)

I被告の離婚の経緯が分かったけど、もし、本当に離婚裁判になったらどうなっていたのだろう?
A被告としては、おそらく本当に離婚裁判になるとは予想していないはずなんですよね。
もし、そうなれば、浮気の証拠を出さないといけないわけで、これはこれで困った状態になりますよね。
しかも、離婚裁判の裁判費用が本当に発生するわけで、I被告から搾取できる金額が減ってしまう。
その時、おそらく弁護士を頼んで裁判になると思うけど、弁護士には離婚理由などの詳細を話すはずだし、その時点で弁護士が不審に思うかもしれない。

タラレバだけど、もし、ここで本当に離婚裁判になっていたら、この事件の結果は変わっていたかもしれませんね。

次回に続く

参考リンク
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その7(母親の一審判決)
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その9(Aの一審判決2)

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2022/08/27

福岡県田川市1歳男児エアガン虐待死事件その4(母親の控訴審判決まで)

判決は懲役8年(求刑:懲役12年)です。

***母親の初公判(22年2月21日)***
1)被告は「(男児を)病院に連れて行かないといけないということは、分かりませんでした」と述べて起訴内容を否認した。

2)検察側は冒頭陳述で、被告は、男児の兄妹を病院で受診させており、介護職員の勤務経験もあることなどから、男児の保護の必要性を認識していたことを立証していくとしたとのこと。

証拠調べで検察側は、三男の遺体全身には円形の傷が71カ所、骨折が31カ所あったことを明らかにした。虐待以外の原因は考えにくいとする医師の見解を読み上げ、趣味でエアガンを持っていた男性被告が三男を撃っていたと結論づけた捜査報告書も示したとのこと。

3)弁護側は、公判前整理手続きで被告に軽度の知的障害があると認定した地裁の鑑定結果を踏まえ、男児の衰弱状態などを正確に認識できていなかったと主張したとのこと。18年12月1日未明に119番するまで病院に連れて行く必要性を分かっていなかったとして「罪を犯す意思があったとは言えず無罪」と述べたとのこと。

弁護側は「被告は知的障害があり、精神年齢が12歳で、病院に連れていかなければならないことが分からず、故意だったとは言えない」と無罪を主張したとのこと。

4)起訴状などによると、被告は夫の土木業、男性被告(26)=保護責任者遺棄致死罪などで起訴=とともに、18年10月に三男が重度の低栄養状態に陥り、翌月にかけあばら骨など多数を骨折して肺感染症を発症したにもかかわらず、医療機関を受診させず同年12月に肺炎で死亡させたとされるとのこと。

***第五回?公判(22年3月2日)***
被告人質問
弁護側
被告は「三男が骨折していることは、まったく気がつかなかった。亡くなった日に救急車を呼ぼうとしたが番号が分からず、すぐに呼べなかった」と話したとのこと。

また夫の男性被告から日常的な暴力を受けていたと証言したとのこと。

検察側
三男が死亡する直前に体温計を使った形跡があることについて質問。

被告は「心当たりがありません」と答えたとのこと。

***第六回公判(22年3月3日)***
証人尋問
裁判所が依頼した鑑定医
被告には知的障がいがあり、IQは58で精神年齢は12歳程度だったと報告した。
特に、目で見たものからの判断が苦手で「子どもの状態把握ができなかった可能性がある」とした。

一方で、男性被告からのDVなどによって、学習性無力感と呼ばれる心理状態にあり、三男の状態を認識していたものの、自分は何もできないと考え、病院へ連れて行かなかった可能性もあると指摘したとのこと。

***論告求刑公判(22年3月7日)***
1)検察側は「親として気づかないはずはなく責任は重大」として、懲役12年を求刑したとのこと。

2)検察側は論告で、被告が介護職の経験もあり、男児の兄妹を病院に連れて行っている点などから「(男児の状態を)認識する能力は十分に備えていた」と指摘。そのうえで「男児に1カ月以上も十分な栄養をとらせず、身体的、精神的に大きな苦痛を与えた」と述べたとのこと。

3)弁護側は被告に軽度の知的障害があるとした鑑定結果や鑑定医の証言から、見たことを正確に判断することが特に苦手だったと指摘。男児を病院に連れて行く必要があるとは認識できず、無罪と訴えたとのこと。

***判決公判(22年3月11日)***
1)福岡地裁は11日、懲役8年(求刑・懲役12年)を言い渡した。裁判長は「大変痛ましい犯行態様で、悪質性の程度が相当高い」と述べたとのこと。

別の報道では
「被害者の苦痛は察するにあまりあり、反省の態度も見られない」として、被告に対し懲役8年の判決を言い渡したとのこと。

別の報道では
裁判長は、兄弟が発熱した時、藍被告が診察を受けさせていたことなどに触れ、「知的障害があるからといって被害者の状態に気づくことができなかったとは言えない」と指摘。

また、「夫の男性被告にDVを受けていたことを踏まえても強い非難は免れない」とし、被告に懲役8年を言い渡したとのこと。

2)裁判長は、遺体にはエアガンで撃たれたとみられる71カ所の円形の傷があり、あばら骨が浮き出た状態だったと指摘。被告は男児の兄妹が発熱した際は診察に連れて行き、かつては介護職員として適切に業務をこなしていたことなどから、男児が病院に連れて行く状態と認識できたと判断したとのこと。

別の報道では
裁判長は「きょうだいが発熱した際に病院を受診させていたことなどから、障害があるから気づかなかったとは言えない」と指摘したとのこと。

3)言い渡し後、裁判長が「服役中に被害者についてもう少し考えていただければ」と諭したとのこと。

***控訴棄却(22年7月27日)***
控訴審判決で福岡高裁は、被告は三男の衰弱に容易に気づくことができたと認定した上で、「審理は尽くされ、判断結果にも不合理な点はない」として1審判決を支持し被告側の控訴を棄却したとのこと。

こんなところですね。
知的障害でIQが58と言う事を聞いて、別の事件の事を思い出しました。
2014年の神奈川県厚木市下荻野5歳男児餓死事件です。
5歳の男児を監禁して餓死させた事件ですが、この事件の被告(父親)のIQは69と報道されてますね。
一般的に50から70では軽度の知的障害と言われているようです。
この厚木市の事件でも被告の「死ぬとは思わなかった」と言う主張を否定して、殺人罪で有罪となってますね。。

今回の田川市の事件でも、他の子供は病院に連れて行っている上に、仕事として介護の仕事もできていたわけで、まったく異変に気付かないと言うのは、不自然な気がしますね。
とは言え、鑑定医が証言した「学習性無力感と呼ばれる心理状態にあり、三男の状態を認識していたものの、自分は何もできないと考え、病院へ連れて行かなかった可能性もある」と言う方が説得力を感じますね。
仮にそうだったとして、この事件を防ぐには、DVをする夫と結婚しない事と言う事になるのだろうか?

確かにそうかもしれないとは思うのだけど・・・ちょっと運に左右される面が大きいかもしれませんね。
女性被告側が交際の段階で男性被告(夫)がDVを行う事を予測できたか?と言うとちょっと疑問がある部分ではありますよね。
逆に男性被告側が女性被告の知的障害を知った上で結婚したのか?と言うのも分かりません。(情報がないです)
結婚後に妻の障害に気付いて、不満を募らせてDVを行うようになったと言う可能性もあるかもしれません。

その意味では運任せの対策は対策とは言えないですね。
なので、確実に防ぐには子供の健康状態を外部の人間が監視するとは言わないまでも、定期的に確認するしかないかと思うのですが・・・
この事件だと12月に三男が死亡する前の7月には3男の姿が見えないと匿名の通報があったんですよね。
他にも、その前の1月には長男への虐待の通報がありましたし、関係部署としては、虐待を注意する対象にはなっていたと思うのですが・・・
7月の段階では目視で三男にはアザなどは無かったようですから、半年ぐらいの間に急速に虐待が進んだのだと思います。

乳児健診としては1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月ぐらいがあると思うのですが、9ヶ月の健診を受診していれば、虐待の兆候(骨折)は発覚したかもしれませんね。

とにかく、積極的に健診を受診するように受診者には何らかの特定を与えるのが良いかもしれませんね。
今ならマイナポイントを利用するなら、政府のマイナンバーカードの推進方針の後押しにもなるかもしれませんね。

何にしても、密室の家庭の中で起きている事を家庭の外で知る方法が必要です。

亡くなった男児のご冥福をお祈りします。

参考リンク
福岡県田川市1歳男児エアガン虐待死事件その3(12月26日までの報道)

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2022/07/19

北海道札幌市2歳女児虐待死事件その8(男女被告の上告審)

女性被告の上告審
***2021年8月2日***
最高裁第3小法廷は、札幌市で2019年、2歳の長女に食事を与えず衰弱死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の女性被告(23)の上告を棄却する決定をした。2日付。懲役9年とした一、二審判決が確定するとのこと。

男性被告の上告審
***2021年9月22日***
最高裁は9月22日、上告を棄却し、懲役13年の判決が確定するとのこと。

こんなところですね。
上告審の記事を書くのを忘れてました。
事件発生が2019年、一審が2020年、控訴審が2021年、上告審も2021年ですね。
以外に早く決着しましたね。

https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_01_02_04/index.html
こちら裁判所の「判決に対する上訴ー控訴と上告」のページから引用します。
///ここから///
上告審の裁判所が最高裁判所である場合には,原判決に,1.憲法解釈の誤りがあることと,2.法律に定められた重大な訴訟手続の違反事由があることが上告の理由となります。もっとも,最高裁判所は,原判決に判例に反する判断がある事件その他の法令の解釈に関する重要な事項を含む事件については,当事者の上告受理の申立てにより,上告審として事件を受理することができます。
///ここまで///

これをみると、憲法違反とか訴訟手続きの違反、法令違反でもなければ、最高裁は受理してくれないと言う事ですね。

だとすると、控訴審までにこれらの問題がなければ、結論は控訴審で出ていると言う事になりますね。
だから、上告して半年もたたずに、棄却が決定したと言う事かもしれませんね。

まー自分の罪(量刑)を軽くしたくて上告したのでしょうが、女性被告が23歳、男性被告が26歳(これはともに棄却時の年齢)ですが、罪と向き合う事はできたのだろうか?
どちらも、社会復帰する年齢ならまだ子供を産み育てる事ができると思いますが、次はこんな事にはならないようにして欲しいですね。

亡くなった女児のご冥福をお祈りします。
参考リンク
北海道札幌市2歳女児虐待死事件その7(男女被告の控訴審)

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2022/06/27

福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その7(母親の一審判決)

一審判決は懲役5年(求刑:懲役10年)です。
公判中の証言などは膨大なので、別途、各種報道を読まれる事をお勧めします。

***初公判(6月6日)***
起訴状などによりますと被告は、いわゆるママ友のA被告(49)と共謀し、2019年8月ごろから当時住んでいた篠栗町のマンションで被告の三男で当時5歳の男児に十分な食事を与えず翌年4月、餓死させたとされているとのこと。

1)被告は起訴内容を認めたとのこと。
2)検察側冒頭陳述
A被告が、被告を『支配』していく過程を次のように主張したとのこと。

別の『ママ友』に悪口を言われていると、A被告から架空の話を吹き込まれた被告は、周囲から孤立していった。さらにA被告は被告の夫が浮気をしているとウソをつき、夫婦が離婚するようしむけ、家庭を崩壊させていったとされているとのこと。

さらにA被告は、被告の『ママ友』間のトラブルなどを解決するため、架空の裁判をでっち上げ、自分の指示に従うよう仕向けたとされているとのこと。

「裁判に勝つためには質素な生活をしなければならない」という、A被告のウソを信じた被告は、三男の食事を抜くことなどの指示に従い、結果、三男を死亡させたとされているとのこと。

A被告に支配されたとされる被告の責任について検察は「(三男の)生存を第一に担う立場なのに、安易にA被告のウソを信じ、長期にわたり飢えの苦しみを被害者に与えた」と指摘したとのこと。

3)弁護側冒頭陳述
裁判費用などの名目で被告から約1370万円をA被告が巻き上げたと主張したとのこと。

また被告とA被告は無料通信アプリLINEで多い時には1000通以上のやりとりをするなど、A被告を信頼できる人と信じ込む一方で、食事をもらうためには、A被告に言われたことをやらなければならない状況だったと説明しました。

4)被告人質問
弁護側からA被告との出会いについて問われた被告は「(A被告が)ひとりでぽつんと立っていたので声をかけた」と答えたとのこと。

また、当初に印象について被告は「(A被告は)話がおもしろくて、明るくて言うことに芯が通っていると思いました」と話したとのこと。

(被告人質問の詳細は別途報道を読んでいただいた方が良いですね)

概略としては
被告は「給料はすべてA被告に渡し、仕事を辞め生活保護を受けるようになってからもすべて渡していた」「銀行の通帳やキャッシュカードを渡し、暗証番号も伝えていた」と話したとのこと。


***第二回公判(6月7日)***
被告人質問
1)弁護側
A被告の子供たちへの暴力について聞かれると「三男の服をつかんで両手で持ち上げてクローゼットに投げました。三男は頭を打ちました」と返答したとのこと。警察や周囲に助けを求めなかった理由については「人に助けを言える感じではなかった。母も姉も周りの人がみんな敵だと思いました」と涙ながらに答えたとのこと。

(被告人質問の詳細は別途報道を読んでいただいた方が良いですね)

A被告にキャッシュカードと通帳、暗証番号を教えて事について
「抵抗どころか、必ずそうしないといけないと思っていた」

A被告の虐待についての説明で
三男が食パン5枚を食べた事に怒り、買い物袋に三男を入れて、暗闇のトイレに閉じ込めた時の説明をした。
この時、三男は失禁していたとのこと。

「給料はすべてA被告に渡し、仕事を辞め、生活保護を受けるようになってからも、すべて渡していました」と答えたとのこと。

「財布を持っておらず、トイレットペーパーが買えず、新聞紙を使っていた」とも話したとのこと。

「A被告から『子どもを見るな・触るな』と指示され、冷たい態度を取らざるを得なかった」と涙ながらに話ししたとのこと。

2)検察側
三男の体調に気付いていたか?
「まずいなとは思いました」

痩せている認識はあったか?
「痩せていく状況はわかってました」

A被告に騙されていたことをどう思う?
「本当に信じていたので、安易にだまされていたわけではありません」

子供立ちがA被告に暴力を受けたり怒られてたりするのはどう感じた?
「子供たちに怒鳴ってほしくなかった。A被告に逆らわなくても、気持ちの面で受け入れたことはなかった」

A被告の虐待の説明の流れで
検察から「病院に連れて行かないといけない認識はあったのか」と尋ねられると、被告は「ありました」と答えたとのこと。

***第三回公判(6月8日)***
被告人質問
1)検察側
LINEの文面について
「犬みたいにパンにかぶりつきよった」
「わが子ながら私怖いと言ってしまったんよ笑」

この文面を送っていた理由について、被告は「A被告に対してあなたの味方だと示さないといけなかった」と答えたとのこと。

A被告から「今後の関わりを絶つ」旨の発言をされた件についての回答
「助けてくれるのはボス(と呼ばれる人物)とA被告しかいない」
「ご飯がもらえなくなるから困る」
と返答した。

「三男が痩せていることがわかっていたけど死ぬと思ったのか」に対して
「思っていませんでした」と返答したとのこと。

2)証人尋問(被告の元夫)
死亡した後の三男を見てどう思ったか?
「面影が一切なかった。やせ細り、現実を受けとめられなかった。全くの別人だった」と返答

被告をどう思うか?
「何をやってんだと思いはしましたが、それ相応のことがあったのかなと。子供を大切にする母親なので何かあったんだと」と返答

現在長男と次男は母親について何と言っているか?
「母はだまされてしまったということで、悪くない、罪はないっていう風に言っています」と返答

被告人はA被告にだまされてこうなったということについては?
「複雑な内容なのかもしれないですけど、僕はマインドコントロールとか信じてないので、親として子供を守るのは最低限というか、当然のことだとおもうので。そこは許しません」と返答

被告については
「失ってしまった命は取り戻すことはできないし過去は変えられない。しっかり反省してほしい。最後に子供たちにとって母親は1人しかいない。長男次男は今も大好きなんだと思う。そんな子供たちにこれ以上失望させてほしくない。悲しませないためにしっかり前向いて生きて今回のことを償ってほしい」と返答したとのこと。

***第四回公判(6月9日)***
被告人質問
1)検察側
三男が死亡した時の経緯についての質問
119番通報せずにA被告に助けを求めたのは?
「出来なかった。何をするにも“ボス”とA被告の許可が必要だったんです。救急車を呼ぶのも許可がいりました」と返答

2)弁護側
三男が死亡した時の経緯についての質問
A被告に何か言われたか?
A被告は『警察に聞かれても夫の不倫のことや“ボス”のことは言ったらいかんけん』と言いました。私はそれどころではなく聞き流しました」と返答

三男の最後の言葉は?
「『ママごめんね』です」と返答

「三男にとって許せないのは、A被告か、あなた、どっちだと思いますか?」
「私だと思います」と返答

「A被告にだまされていたと気付いた時の気持ちは」?
「A被告に対する怒りもあるが自分が一番許せなかった」と返答

***第五回公判(6月10日)***
1)A被告の証人尋問
裁判長に「自身の裁判が不利になる場合は証言を拒める」と説明を受けたA被告は、検察側から「被告と面識はあるか」と問われ「はい」と答えて以降は質問に答えなかったとのこと。
三男が餓死したことについても「答えません」などと話したため、休廷などを挟み、約20分で尋問は終了したとのこと。

2)弁護側証人尋問(被告の精神鑑定を担当した心理学部の教授)
A被告は被告に対し、“出会ってから1年目は親しかった人と距離を取らせ、2年目は訴訟の恐怖とお金の要求、3年以上かけて心を完全に支配していった”、“徐々にこうした状況になったため被告も支配されていると気づかなかった”などと説明したとのこと。

検察側
「A被告が心理的支配をした目的は?」
「お金が一番大きいだろう。だから友人(被告)を陥れたのか、嫉妬だろうと思う」と返答

「支配欲は?」
「崇拝されたい、自己肯定感を高めたいという心理が働いたこともある。複合的に働いたと考えられる」と返答

弁護側
三男が死亡した時、「見る事しかできなかった」と話した理由は
「まさにマインドコントロールされていて、思考停止していた証。何より大事なのはボスの意志とA被告の歓心を買うこと。それ以上は思考できない状態だった」と返答

「(A被告への)反抗心はありながら、マインドコントロールされていた?」
「心の中では反抗、嫌だ、という感情が残っているが、A被告には全く言えない。誰にも言えないから辛い気持ちをメモに書き留めていたと言える」と返答

裁判員
「子供の食事を減らしたのは、A被告の計画だったのか?先生の考えは」
「マインドコントロールで子供の食事を奪うのは意味がない。動機に被告の苦しむ姿を見たい、というのがあったかもしれない。質素な生活を理屈に、盾にしていたので、理にかなった行動だ」と返答

***論告求刑公判(6月14日)***
検察側は6月14日、保護責任者遺棄致死の罪に問われている母親の女性被告に対し「子供の生命身体を守ることを放棄した」として懲役10年を求刑したとのこと。

1)検察側は論告で、被告は子供に十分な食事を与えず、A被告が三男に暴力を振るっても止めなかったとして「責任は極めて重い」と主張。自身の背後に暴力団関係者の「ボス」がいるなどとするA被告のうそを安易に信じ、A被告との関係維持などを三男よりも優先したとして「強く非難されるべきで、A被告からの支配の影響を過大に考慮すべきではない」としたとのこと。

その上で、連続して何日間も食事を与えないなど過酷な虐待を続けた結果、三男の体重が平均の半分ほどに痩せ細ったと指摘。「むごい仕打ちと言うほかなく、この上なく悪質だ。被害者の苦しみ、悲しみ、絶望感は察するにあまりある」などと批判したとのこと。

別の報道では
「A被告の支配の影響があったとしても行動は可能で、子供を守るべき行為を放棄した意思決定は非難すべき」として、被告に懲役10年を求刑したとのこと。

更に別の報道では
検察側は論告で、被告がA被告から支配を受けながらも、スマホのメモにA被告に対する反抗的な言葉を残すなど「自由な意思はじゅうぶんあった」と主張。亡くなる直前の三男の栄養失調や体調不良を認識しながら、必要な処置をせず「母親として、子どもの命を守る義務を果たさなかった責任は極めて重い」と指摘したとのこと。

2)弁護側は「被告は心理的支配を受けていて行動選択の幅が狭まった。(2020年4月18日、三男の異変に気付いたあと)救急車を呼ばずにA被告に連絡したのも心理的支配にあった」として情状酌量を求めたとのこと。

別の報道では
弁護側は、A被告の「巧みなうそ」で被告が心理的支配(マインドコントロール)を受け「意思や行動を誘導されていた」と反論。それでも、子供たちに食事を食べさせようとA被告に逆らわないようにしたり、食事をもらうためにA被告を訪ねて懇願したりしたとして「母としてできることを精いっぱいした」などと情状酌量を求めた。その上で「社会内で人間関係を再構築することが必要だ」として執行猶予を付けるべきだと訴えたとのこと。

弁護側の最終弁論中、被告は「三男が… 三男が亡くなったのは私の責任です。それだけです」と述べました。
弁護士が「被告が裁判中に思いをまとめてきたので、もう一度話させてください」と提案。
被告は、手元の紙を読み上げたとのこと。

私が今回起こした事件、心から悔やみ反省しています。身勝手な行動によりいろんな人をまきこんだことを反省しています。Aを信じ、母でありながら三男を守ってあげられなかった。三男には、一生謝罪しつづけます。
三男を失ったことは、私にとって何よりも辛いこと、悲しいことです。でも、三男が亡くなってしまったのは、私の責任です。
長男・次男には、弟を、当たり前の日常を奪ってしまった。これも私の責任です。子供の母として、本当に情けなかった。3人の子供たちに、本当に心から謝りたい。

子供が大好きです。とても子供たちに会いたい。長男と次男2人になったけど、私の中では3人です。もう一度、私は子供たちの母親がやりたい。もしできるなら3人の子供たちの母親としてもう一度生きてみたい。
A(被告)に声をかけたことを後悔しています。三男も亡くならず、家族5人で幸せだったと思います。Aに出会ったことは人生で最大の失敗です。

母、姉、元夫に助けられて支えられた感謝の気持ちがあります。今までの自分を振り返り、謝罪の気持ちを持つ、三男への供養をしていきます。
三男に会いたいです。X(三男の名)… ごめんね…

***判決公判(6月17日)***
裁判長は男の子の母親の女性被告(40)に懲役5年の判決を言い渡したとのこと。

1)判決理由
A)被害者の身体には脂肪がほとんど残っておらず、内臓も大きく萎縮するなどしており、その肉体的苦痛は想像を絶し、本能的な欲求が満たされず、本来頼るべき母親から十分な保護を与えられなかった被害者の辛く悲しい気持ちも計り知れない

B)本件犯行の客観面は、相当悪質な部類に属する

C)共犯者から数々の嘘によって経済的に搾取され、心理的にも支配されて、生活全般を共犯者から実質的に支配されていた被害者としての側面があり、これが本件犯行に及んだ主な要因となっていたことからすると、被告人の意思決定を強く非難することはできない

D)子供と一緒に生活したいという気持ちが強く、共犯者の指示に背くことが困難な状況にあったことを踏まえてもなお、親族に助けを求めるなどして被害者に十分な食事を与えるという生命・身体を保護する行動を取ることが期待可能であったとみるべきであり、やはり一定の非難を免れない

E)子に対する保護責任者遺棄致死事件の中で、極めて重い部類とはいえないが、執行猶予を付するほど軽い事案ということはできない
犯行を認めて、深い反省や悔悟の態度を示していること、自らの行為の結果とはいえ、大事な我が子を失い、実名で全国報道がされるなど一定の社会的制裁を受けていること、被告人の母親が今後の被告人の支援を誓っていることなど、社会復帰のため酌むべき事情が認められる

2)裁判長の説諭
以上で判決の言い渡しの手続きは終わるのですが、今回2週間、裁判に関わってこられた裁判員の方とお話しする中で、今からお話しすることを伝えたいと思います。これは判決ではありませんので、Xさん(被告の姓)が聞きたくないということでしたらやめますが、どうしますか。

被告 聞きたいです。

裁判長 じゃあ、お話しをしますね。

まず最初に、大切なお子さんを亡くされたことについて、私たち一同、お悔やみ申し上げます。

二つ目ですが、これから判決に基づいて償いをすることになりますが、Xさんがどこにいても、お子さんの母親であることは変わりはありません。罪を償って社会に戻った後は、再びお子さんの成長に寄り添える日が来ることを、私たちみんな願っています。Xさんもその日を目標に、これからの日を強く生きてほしいと思います。

今、お話しした点が、裁判員のみなさんがXさんに伝えたいことです。

3)裁判員の会見
裁判員の1人は、被告と共犯とされる“ママ友”との関係について「支配というものがなんなのか。どうやって支配してされているのか。本当に支配されているのか。かなり判断が難しかった」と語ったとのこと。

また、5歳の男の子の餓死を防げなかったことについて「どうかしたら救えなかったのだろうか、関わっていた人が誰か救えなかったのか、行政もどうにか救えなかったのかと思って自問自答していた。二度と起こしてはいけない事件だと思う」と語ったとのこと。

こんなところですね。
A被告の影響がどの程度、認定されるか?が気になっていましたが、求刑が懲役10年に対して、判決が懲役5年なので、半分はA被告の影響があったと言う事でしょうか。

この手の洗脳系とか支配系の事件と言うのは時々起こります。珍しい事では無いんですよね。
バリエーションとしては
1)直接的な暴力による恐怖での支配
普通に考えると難しそうなんですが、暴力による恐怖と言うのは誰しもが怖いところですからね。

2)借金などによる経済的、精神的な支配
事件を見ていると、以外に多いかもしれません。
借金が一番、簡単に作られる弱みですよね。

3)善意を悪用した支配
例としては、不治の病を治すとか、除霊するとかね。
家族を救いたいと言う気持ちを悪用する場合ですね。

この事件の場合は、3)でも無いし1)でも無い、強いて分類するなら2)だと思うけど・・・
しかし、具体的な弱みは被告には当初無かったはずなんですよね。

そこで、作り話で他のママ友同士のつながりを切られて、次に嘘の浮気話で夫と離婚させられ、嘘の訴訟話へと発展していく中で支配されてしまったんですよね。
全てが嘘のようですが、被告側にもその「嘘」にすがりたい何かがあったのかもしれませんね。

とは言え、そのあたりの事は、精神鑑定をされた教授ぐらいにしか分からない事だと思うので、A被告の公判で、情報が出てきて欲しいですね。

さて、この事件を防ぐには?と考えると相当難しいかもしれませんね。
なんて言うか、防ぐ方法が見つからないんですよ。

会社の同僚やクラスメイトなどもそうかもしれませんが、「癖の強い人」はどこにでも居るので、本来なら先輩や同僚などから、「あの人は注意して」って話が出るところなので、それを聞けば警戒すると思うのですが、今回はそれ以前にその「癖の強い人」に接触してしまったような気がします。

その意味では、公判の最後に被告が読み上げた心境の「Aに出会った事は人生最大の失敗」と話しているのは腑に落ちる部分ですよね。
出会ってしまった後に、回避する方法も難しいです。
「他のママ友も、夫も親戚も全てが敵」となると、外的な要因で事件を回避する方法が無いと思うんですよね。
唯一可能性がありそうなのが、児相や警察なのですが、当の被告本人がAの同席を認めているので、児相や警察もそれを拒否する事は難しいかもしれないですよね。
それに「なぜ、こんなに貧しいのか?」と言う疑問を担当者が感じても、それを掘り下げる事は難しい気がします。

夫や親族がもっと強く出ていればと言う意見も出そうですが、ここまで洗脳されては、おそらくその効果は限定的と言うか逆効果かもしれないですね。

なので、私としては、A被告に出会う前の段階で対策する以外に方法が無いのではないか?と考えています。
具体的には、教育と言う事なんですが、分かりにくい表現ですが「自立する事」かな。
なんの事?と思われるかもしれないですが、誰しも自立しようとすれば、自分で考えて判断する事になると思うんですよね。
そうすれば、この一連の嘘の中で、自分で裏付けを調べようとすると思うんです。
浮気があるなら、浮気の相手は誰なのか?とか、訴訟があるならどんな訴訟方法なのか?とか、そもそも、ボスはなぜ訴訟費用を立て替えているのか?とか、色々と疑問が出てくると思うんですよね。

それで、嘘の一つや二つは見破れたのではないか?と思っています。
ただ、もう、洗脳が進んで疑問があっても、被告自身が調べられないようになっていたのかもしれないので、やはり早い段階が勝負だったのかもしれませんね。
具体的な弱みになる前の、ママ友の悪口、夫の浮気話の頃が回避できる最後のチャンスだったのかもしれませんね。

亡くなった男児のご冥福をお祈りします。

次はA被告の公判を待ちましょう。

参考リンク
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その6(8月10日までの報道)
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その8(Aの一審判決1)

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2022/02/16

東京都大田区蒲田3歳女児餓死事件その4(一審判決)

判決は懲役8年(求刑:懲役11年)の実刑を言い渡した。

***初公判(1月27日)***
1)被告は罪状認否で起訴事実を認めた。

2)検察側は冒頭陳述で、被告は20年5月、交際相手が鹿児島県に引っ越すのを見送った際、交際相手の知人から誘われ、同県に旅行するのを決意したと主張。事件当時の女児はおむつを2枚重ねにされ、扉の前に置いたソファによって部屋から出られないようにされていたと述べたとのこと。死亡後の女児の胃の中からは食べ物が一切見つからなかったとのこと。

検察側は、被告は17年7月の離婚後、一人で子育てをしていたが、事件前から女児を残して友人らと遊びに出かけていたとも指摘したとのこと。

別の報道では
検察側は冒頭陳述で、一人親だった被告が平成31年1月には長女を保育園に通わせなくなり、自宅に放置して外出する頻度が増えたと指摘したとのこと。

別の報道では
司法解剖の結果、長女は死亡時、胃や小腸の中は空で目がくぼんでいたほか、口の粘膜まで乾燥した状態で、体重は3歳6か月児の平均の14kgより軽い11.4kgとのこと。また、おむつを長期間着けっぱなしだったことにより、おしりの周辺などがただれ皮膚が深くむけていた場所もあったとのこと。

3)弁護側の冒頭陳述で、「被告は、仕事と育児に追われ、息抜きのために出かけていた」と主張。量刑を判断する事情として考慮するよう求めたとのこと。

別の報道では
弁護側は、被告は幼少期に母親から虐待を受けており「事件に影響している」と主張。育児に関し「誰にも相談できなかった」と訴えたとのこと。

別の報道では
弁護側は起訴内容を争わない方針を示し、被告の生い立ちを説明した。幼い頃に母親に手足を縛られたままゴミ袋に入れられたり、包丁で傷つけられたりするなどの虐待を受け、小学2年から高校卒業まで児童養護施設などで過ごしたとしたとのこと。

4)起訴状では、被告は20年5月8~11日頃、長女を自宅に残したまま、交際相手のいる鹿児島県を旅行したうえ、同6月5~13日にも、長女の食事を十分用意せずに同県に出かけ、同12~13日の間に長女を脱水と飢餓状態に陥らせて死亡させたとしているとのこと。

5)証人尋問
証人尋問には事件当時、被告と交際していた男性が出廷。「(事件当時は)兄と同居していると聞いていた」と証言したとのこと。

別の報道では
事件後に長女の存在を初めて知ったといい、「びっくりした」と証言したとのこと。

///補足///
これだけだと事件までの経緯がわかりにくいので、補足しておきます。
長女が生まれた頃、夫と3人で同居していたが、長女の出産後に夫からDV被害を受けるようになり、長女と家を出て、離婚する。
その後、飲食店のアルバイトを始め、長女を保育園に預けたが、保育費が払えず、長女を家に残して、アルバイトに行くようになる。
その後、アルバイト先の男性と長女の存在を隠して交際するようになる。夜、飲食店で2人合うようになるが、その後、コロナ禍で仕事が減った事から、交際相手が鹿児島に帰郷した。
この交際相手に誘われて鹿児島に旅行したが、断る事が出来なかったとのこと。
旅行中も長女が心肺だったが、帰りたいとは言え無かったとのこと。

***第2回公判(1月28日)***
被告の虐待経験の審理
被告が小学校2年生の夏休み、母親から受けた虐待の内容

〈母親の調書〉
「正座をさせて後ろ手でガムテープでしばり放置した。おしっこをされるのが嫌でビニール袋に入れた」
「ビニール袋に入れて数日お風呂場に入れた。娘は1人で歩けないほどになっていた」とのこと。

〈被告の証言〉
「母親から『お前は何もいわずに笑っていればいい』と言われました。最初は『嫌だ』と言ったけれど、余計に暴力を振るわれるから顔色を伺うようになった」とのこと。

別の報道では
///何回目の公判での情報か不明ですが、虐待の内容///
「口を縫われたり、包丁で刺されたり、お風呂の水で沈められたり、(ガムテープで)縛られたりしました。ビニール袋に入れられたり、目隠しをさせられたり、階段から落とされたこともありました。・・・最後に覚えているのは、包丁で刺され、ゴミ袋に入れられ、風呂場に投げられた。怖い、辛い、苦しくて、でも何も言えなかった。気づいたら病院でした」とのこと。

///補足///
初公判に比べて情報が少ないので、わかりにくいですが、被告が「嫌だ」と言う主張ができない理由、「断れない」理由がこの幼少時の虐待経験にあると言う事を弁護側は説明しているわけですね。
(鹿児島旅行で途中で帰ると言えなかった理由を説明しているわけです)

***第3回公判(1月31日)***
弁護側証人尋問
1)子どもの虐待に詳しい臨床心理学の専門家
専門家は、被告自身が子どものころに、ごみ袋に入れられ数日間風呂場に放置されるなどの虐待を母親から受けていたことについて「40年間虐待問題に関わってきたが、これほどの虐待をうけた子は3、4人しか知らない。それほど壮絶な虐待だ」と証言したとのこと。

さらに被告が虐待のトラウマに対する適切な治療を受けた記録がないとして、「適切な治療がされていれば、被告には違う人生があったと思わざるを得ない」と主張したとのこと。その上で専門家は、被告が「特定の養育者との愛着関係=アタッチメント」を形成できなかったことが事件に影響したと指摘したとのこと。

***論告求刑公判(2月1日)***
1)検察側は梯被告に対し懲役11年を求刑したとのこと。

2)検察側は論告で「交際相手に会いたいという気持ちを優先させた」と指摘。「事件以前にも長女を放置し外出を繰り返しており、常習性もある」としたとのこと。

別の報道では
検察側は論告で、「長女が最後までもがき苦しんでなくなったのは一目瞭然」であるとして「交際相手に会いたいという自己の欲求を優先させた身勝手な犯行」と指摘したとのこと。
起訴内容以外にも19回にもわたって長女を放置したまま外出したことも明らかにした上で「育児放棄を常習的に繰り返す中で起こった犯行であることは明らか」としたとのこと。

3)弁護側は「幼少期の壮絶な虐待などが原因で、事件当時は依存・愛情欲求が強い特性などがはたらいていた。懲役5年が相当だ」などと主張したとのこと。

別の報道では
弁護側は、母親からの虐待や施設で育った過去が影響し、「強い愛情欲求があり、交際男性に愛されたい自己が強く出ていた」と述べ、加えて「積極的に傷つける意図はなく、憎しみを抱いていたわけではない」などと情状酌量を求めたとのこと。

4)最終意見陳述
被告は最後に、「後悔しかないです」と涙ながらに語り、裁判は結審したとのこと。

別の報道では
最終意見陳述では「(長女に)ごめんねという思い。後悔しかない」と、涙ながらに語ったとのこと。

***判決公判(2月9日)***
1)東京地裁は、懲役8年の実刑を言い渡した(求刑は懲役11年)

2)東京地裁は、「最もそばにいて欲しかったであろう母親に助けを求めることもできないまま、ひとり衰弱していった長女のつらさと苦しみは、言葉にしがたく、悪質かつ身勝手」などと断罪したとのこと。

部屋には「一定量の食べ物が置かれていた」と認定した。
さらに、交際相手のところに遊びに行く誘いを断れなかった背景には、被告が、子どものころに受けた壮絶な虐待などにより形成された性格が、「複雑に影響を及ぼしている」と指摘。これらの事情を考慮し、懲役11年の求刑に対して、懲役8年を言い渡したとのこと。

別の報道では
裁判長は、被告には過去の虐待などから「人を信頼できず相手に本心を伝えることができない、相手の要求に過剰に応えようとする」性格傾向があり、これが事件に影響したと指摘。その上で「量刑を考える上で一定程度考慮されるべきだが、限りがある」と結論づけたとのこと。

別の報道では
事件前から自宅への放置を繰り返していたという「慣れの影響も大きい」と述べ、「最終的には被告自らが(置き去りを)判断した」と説明した。そのうえで「被告の成育歴は一定程度考慮されるべきだが、考慮の程度には限りがある」と結論付けたとのこと。

こんなところですね。
公判前の報道の印象では、シングルマザーである事が事件の大きな要因かと思っていたのですが、被告の幼少期の壮絶な虐待体験が、事件に影響していたんですね。
よく「虐待の連鎖」とは言われているけれでも、この事件ではちょっとイメージが違いますよね。
なんて言うか、不運の連鎖と言うべきなのかな・・・・

そもそもで言えば、死亡した長女の父親である夫がDVを行うような男性であった事が不運の始まりですよね。
そこから逃げ出して、長女と2人でアルバイト生活を始めたが、経済的に行き詰まり、保育園に通園させられずに、自宅に放置したまま、アルバイトをする事になってしまった。
離婚は想定外だったのでしょうが、シングルマザーで経済的に自立できるだけの能力やスキルが無かったのが2番目の不運ですね。
(シングルマザーで経済的に自立できる女性の方が少数派だと思いますので、想定の範囲内なのかな?あるいは、離婚してシングルマザーになる事を想定すると言う事の方が無理な話なのかもしれませんね。)
そして、交際相手に子供がいると本当の事を言えない性格になってしまったのが3番目の不運でしょうか。

なので、大本は幼少期の凄惨な虐待体験が原因なんですよね。

この虐待体験の結果、嫌と言えない性格になってしまった。

事件当時、被告が24歳で死亡した長女が3歳、だから21歳で結婚、出産しているわけですね。
多分、高校を18歳で卒業しているのだとしたら、高校卒業後3年で結婚、出産していると言う事になりますよね。
この最初の結婚も、この性格の為に断れなかったのかもしれませんね。

では、誰が悪いのって話をすると・・・被告を幼少期に虐待した被告の母親か?となると、それは、事件の17年も前の話なので、直接の責任は無いでしょうね。
で、今回の判決でも「最終的に本人の判断」で行っているわけだから、被告本人が一番悪いよねと言うのは、裁判長の言うとおりだと思います。
だけど、幼少期の凄惨な虐待の結果、こんな性格になってしまって、それが事件に影響しているので、情状は酌量するけど、それにも限度があると言う判決理由もその通りだと思うのだけど・・・ちょっと納得いかない部分がありますよね。

子供の側からしたら、親が幼少期に虐待されていたとしても、それで自分の子を虐待して良い理由にはならないでしょ?
子供にすれば、親自身が自分で解決しなければならない問題なんですよね。

ある意味では、それが放置された結果、起きた事件なんじゃないかな?

では、それを放置した責任は誰にあるのだろう?
本人にあるのだろうか?・・・・しかし、自分の性格が「嫌と言えない性格」なんて言うのは本人が自覚できるかどうかわかりませんよね。
幼少期からその性格なのだから、自分で自分の偏った性格を判断するのは難しいような気がします。

なので、残るはそれを治療や対処しなかった「社会が悪い」って事になるのかな?
現在の児童相談所が被虐待児に対するメンタル面でのケアをどの程度しているのかわからないけど、被告はこの治療をされた記録が無いようです。
虐待の専門家が40年間で3,4人しかいないほど凄惨な虐待を経験している子供に何のケアもされなかった理由が知りたいですね。

だから、この事件を防ぐにはと考えると、根本的な原因の「性格のゆがみ」を矯正する事で、防げたと思うんですよね。
何しろ、小学2年から高校卒業まで10年間を児童養護施設で生活しているので、治療する時間は十分にあったと思うんですよね。

お金が必要なら税金を使ってください。無駄な公共事業などにお金を使うぐらいなら、こちらの対策に使ってもらいたいです。

とは言え、治療する前に、そもそも、被告の母親の虐待がなければ、この事件、起きなかったんじゃないの?って問題は残りますね。

結局はこの二つが重要と言う事になるんでしょうね。
A)児童虐待の早期発見と対応
B)被虐待児童のケアや治療の充実(メンタル面を含む)

でも、これを充実させるには、児童相談所の人員の拡充が必要で、お金が必要になると言うのは間違いなさそうですね。
とは言え、モンスター対応などは、お金だけでは解決できないかもしれませんね。
野田市の事件では親に脅されて、児相が一時保護を解除してるし、学校はアンケートの回答を見せたりしている。このあたりを改善する方法は専門家に考えてもらうしかないかもしれませんね。

亡くなった女児のご冥福をお祈りします。

参考リンク
東京都大田区蒲田3歳女児餓死事件その3(言い訳)
千葉県野田市小4女児虐待死事件その1(一報)

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2021/11/01

大阪府和泉市1歳児抗不安薬殺人事件?(逮捕送検)

大阪府和泉市の病院で昨年5月、入院中だった次女=当時(1)=に対し、治療に不要な薬物を投与したとして、大阪府警捜査1課と高石署は24日午前、母親(33)=大阪府高石市=を任意同行し、暴行の疑いで取り調べを始める事件が起きている。

次女は投与が疑われる時期の数日後に死亡。

捜査関係者によると、母親は昨年5月上旬、和泉市内の病院で、入院中の次女に何らかの方法で、薬物を摂取させた疑いが持たれているとのこと。
府警が次女の遺体を司法解剖した結果、母親に処方されていた抗不安薬の成分が検出されたとのこと。
この成分を乳幼児が大量に摂取すると、生命の危険性もあるとのこと。

次女は以前から無呼吸発作などの症状で入院を繰り返していたが、症状が安定して外泊が許された際や、病院で母親が近くにいる際に容体が急変するケースが頻発していたとのこと。

昨年2月には母親が自宅から「呼吸をしていない」と119番し、病院に搬送された。血中の酸素濃度が低下して意識がなく、以降は入院していたとのこと。

119番の約30分前には、次女の酸素濃度の異変をアラームで知らせる機器の電源が切られた形跡もあった。こうした状況から、府警は母親が次女に何らかの危害を加えた可能性があるとみて捜査していたとのこと。

捜査関係者によると、次女は生後間もない令和元年5月、無呼吸発作などの症状から大阪府南部の病院に入院。以降、母親の付き添い時や防犯カメラのない一般病棟で、原因不明の発作が起きるケースが続発したという。

不自然な容体の悪化が続いたことなどから、病院側は令和元年8月に虐待の可能性もあるとみて、管轄の児童相談所「岸和田子ども家庭センター」(同府岸和田市)に通報。同月下旬、センターは次女を一時保護したが、体に暴行の痕はなく、虐待を示す明確な状況も確認できなかったため、9月中旬に一時保護を解除した。しかし、約5カ月後の昨年2月上旬、次女は自宅で意識を失って病院に搬送、同5月に死亡した。

次女は薬物投与から間もない時期とみられる昨年5月8日に死亡した。

捜査関係者によると、母親は子供を病気にして自分に注目を集めようとする「代理ミュンヒハウゼン症候群(MSBP)」の可能性があり、府警は死亡の経緯を慎重に調べる。

逮捕容疑は昨年5月5日午前6時10分~同8日午前11時半ごろ、和泉市の大阪母子医療センターで、入院中の次女に何らかの方法で抗不安薬を投与したとしている。

薬の投与と死亡の因果関係はわかっていないとのこと。

母親は、「やっていない」と容疑を否認しているとのこと。

病院から連絡を受けた児童相談所は虐待の疑いがあるとして19年8月と昨年2月の2回にわたり、次女の入院中に母親が面会することを制限していた。2回目は死亡直前の5月6日に解除していたとのこと。

次女は昨年2月に自宅で心肺停止状態になり、母親が119番通報した。以降、脳死状態で同センターでの入院が続いていたとのこと。

薬は面会制限の解除前に投与されたとみられ、警察は母親が隠れて病院を訪れた可能性があるとみているとのこと。

大阪府高石市に住むアルバイトの33歳の母親は、去年5月、和泉市の病院で、入院中だった当時1歳の次女に対し、自らに処方されていた「抗不安薬」を投与した疑いで、逮捕、送検されたとのこと。

捜査関係者によると、次女は去年2月、心肺停止で病院に搬送されて以降、意識不明で、口から物を摂取できる状態ではなかったため、母親が自らチューブを次女の体につなぎ、薬を投与した可能性が高いとのこと。

時系列
2019年
05月   生後間もなく無呼吸発作などの症状から次女が入院
08月   病院が児相に通報、母親の面会を制限
08月下旬 次女を一時保護
09月中旬 一時保護を解除
2020年
02月   母親が119番通報。次女が搬送されたが以後入院、母親の面会を制限
05月05日06:10から08日11:30頃、抗不安薬を投与したとされる。
05月06日 母親の面会制限を解除
05月08日 次女が死亡
2021年
10月24日 母親を逮捕
10月25日 母親を送検(送検の日付が不明の為、ASKAの推定)

2021/11/03訂正
時系列の
「05月05日18:10から08日11:30頃、抗不安薬を~」を
「05月05日06:10から08日11:30頃、抗不安薬を~」に訂正

こんな事件ですが、正直なところ難しい事件になりそうです。
代理ミュンヒハウゼン症候群が疑われているのですが、証拠が無いですね。
目撃者もいない。とりあえず、事実としてあるのは、「次女の遺体を司法解剖した結果、母親に処方されていた抗不安薬の成分が検出された」と言うこれだけですね。
これだけだと、母親以外が投与した可能性が否定できないと思うんですよね。この抗不安薬が特殊な物で、日本では手に入らないとか、大阪ではこの母親にしか処方されていないと言う条件がないと、ちょっと難しい気がします。
一方で、「母親以外に犯行ができる人間はいない」と言う消去法的な論法が成立するかどうか?が鍵になるかもしれませんね。

あと、気になるのは、過去にも2008年に京都で代理ミュンヒハウゼン症候群による事件が起きているのですが、この時は1歳10ヶ月の五女にたいして殺人未遂事件が起きていたのですが、次女、三女、四女も幼くして病死しています。裁判では四女を死亡させ、三女と五女を重篤な状態にしたと認定されています。

何が言いたいかと言うと、今回の事件は次女に対する事件ですが、これが最初の事件なのか?が気になるところですね。

続報を待ちましょう。

参考リンク
京都点滴汚水殺人未遂事件

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2021/10/20

滋賀県大津市妹虐待死事件その2(少年院送致まで)

大津家裁は9月17日、第1種少年院送致とする保護処分を決定した。
 
決定によると、少年は7月22日ごろから8月1日にかけて、自宅で妹の顔や腹を殴ったり、蹴ったりするなどして死亡させた。少年は公園で、「妹がジャングルジムから落ちた」と近所の住民に119番を依頼していたが、虚偽とみられるとのこと。
 
裁判官は「原則として検察官送致とすべき事案で、態様は執拗かつ悪質」と指摘したとのこと。
 
家裁決定の概要
 
A)事件の数カ月前に母や妹との同居を始めたが、7月ごろから母が家に帰らない日が増え、妹の死亡までの7日間も不在だった。児童相談所などの公的機関も少年や妹がネグレクト状態に置かれていることを認識しながら一時保護などの措置も取られることなく、少年は一人で家事や妹の世話を余儀なくされたとのこと。
 
B)少年は妹に蹴られたことをきっかけに衝動的に暴力を振るい、妹の言動を改めさせたいという動機もあいまって暴力を振るうようになったとのこと。
 
C)少年は事件まで妹に暴力を振るったことがなかったなど、暴力的な傾向が高いとはいえない。幼少期から養育者が頻繁に入れ替わり、養育者から暴力やネグレクトを受けた成育歴の中で形成された少年の未熟な性格によるものと考えられるとのこと。
 
D)事件当時、閉鎖的な空間で、精神的に不安定な妹と2人だけで過ごし、頼れる人もいないまま、慣れない家事や妹の世話をする中で、少年が感じていたストレスは相当なものだった。事件の責任を少年のみに負わせるのは酷な面があるとのこと。
 
E)少年は事件を後悔する気持ちや妹に対する罪悪感は持っているものの、事件と真摯に向き合い、自身の問題点について内省を深めるまでには至っておらず、少年が責任を自覚し、罪を償い、真に更生するためには刑事処分ではなく、保護処分を受けさせることが適切であるとのこと。
 
こんなところですね。
こんな事になってしまったのは少年だけの責任ではないよね。って事ですね。
妹は6歳で小学1年ですね。さすがに6歳だから、トイレや食事は一人でできるだろうけど、小さい頃から一緒に生活していたなら別だけど、いきなり一緒に生活して6歳児の面倒を見ると言うは無理でしょうね。
 
兄は17歳で4月から同居を始めるが、家出をして戻ったのが7月、事件が起きたのが8月だから、同居して1カ月で事件が起きている。
しかも、8月はもう夏休みで妹は1日中家にいて、面倒を見ないといけない。その上、母親は1週間も戻らない。
まーちょっと考えれば、無理だろうと思いますね。
 
裁判長が原則、検察官送致にする所を曲げて少年院送致にしたのも妥当なところかもしれません。
 
この事件を防ぐにはと考えるに、前回は事件の原因は子供二人だけで生活させてしまった事だと考えました。
視点を変えると、兄にギブアップする方法を教える事も必要だったかもしれませんね。
「もう限界だから何とかして」と母親に伝える事ができたのであれば、何か対応する事ができたかもしれません。
 
直前の7月30日には母親が近所の知り合いに頼んで、兄妹の様子を見てもらって、お金も渡しているんですよね。
この時、兄と直接会話できていれば、「もう無理」って言葉が出たかもしれませんよね。
なぜ、直接話すことができなかったのか?経済的な理由があってスマホを兄に渡してなかったのか?
 
母親も無理なら無理で誰かに頼るしかないと思うのですが、一人で背負こんでしまったのかな?
 
とりあえず、子供だけ生活するような状況を作ってしまってはいけないと思う事件でした。
 

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2021/10/12

大阪府摂津市3歳児熱湯虐待死事件その1

大阪府摂津市のマンションで8月、交際相手の息子だった3歳の男児に熱湯をかけて殺害した疑いが強まったとして、大阪府警は9月22日、同居していた無職の男性容疑者(23)を殺人の疑いで逮捕する事件が起きている。

男児は以前に顔にけがをしている姿も確認され、目撃者らが虐待の疑いがあるとして行政に対応を求めていたとのこと。

捜査関係者などによると、容疑者は8月31日午後、マンション5階一室の風呂場で、男児に熱湯をかけて殺害した疑いが持たれている。

男児は全身に重度のやけどを負った状態で見つかった。容疑者と交際している母親は当時外出中だったとみられるとのこと。

容疑者は同日午後5時ごろ、「3歳の男児が浴槽内にいて意識と呼吸がない」と自ら119番した。駆け付けた救急隊員が裸のままぐったりしていた男児を病院に運んだが、間もなく死亡が確認されたとのこと。

別の報道では
救急隊員が駆けつけたところ、男児はリビングで倒れていた。すでに心肺停止状態で、頭から上半身にかけて皮膚がただれており、約1時間20分後に搬送先の病院で死亡したという。当時、母親は外出中だったとみられるとのこと。

調べに対し、「熱湯を故意に浴びせていません」と容疑を否認しているとのこと。

容疑者は昨年10月に男児の母親(23)と知り合って交際を始め、今年5月から3人で同居していた。事件当時、母親は外出していたとのこと。

容疑者は当時、府警に「うんちを漏らしておしりを洗うために風呂場に連れて行った。高温のシャワーを流して温度を上げていく遊びをしていた」などと説明したとのこと。

司法解剖の結果、男児の死因は熱傷性ショックで、高温の湯を5分以上浴びていた可能性があることが判明したとのこと。

捜査一課や摂津市消防本部によると、31日午後4時50分ごろ、容疑者が「浴室内で男児の意識がない」と119番通報した。

母親の知人女性によると、母親と容疑者が交際を始めたころから男児が通っていた保育所を休む回数が増え、今年4月ごろには、男児の頰に手でたたかれたような痕を見たという。女性が理由を尋ねると母親は「彼氏がたたいた。ばれたらあかんから、保育所は休ませている」と話したとのこと。

摂津市によると、母親は今年5月、市の担当者に「(容疑者が)手を上げて(男児に)あざができてしまった」と相談したとのこと。

担当者は母親と容疑者と面談して「決して手を上げないで」と諭し、容疑者は「わかりました」とうなずいたとのこと。

母親の友人によると「日常的にたたいている姿を(見た)。蹴ったり、怒鳴ったりは日常茶飯事。摂津市の生活保護の課に(交際相手の)男を離してほしいと言いに行った。虐待があるし、このままだったら男児が死んじゃうって(伝えていた)」とのこと。

男児の母親は夫と離婚後の2018年10月、男児とともに大阪府内の別の自治体から摂津市内に転居。20年秋ごろから松原容疑者と交際し、同居を始めたのは事件の約3カ月前だったとされる。

 知人らはマンションに遊びに行った際、松原容疑者が男児を怒鳴ったり、物を投げつけたりしている姿を目撃。顔に不自然な傷を確認したこともあった。21年6月には「虐待の可能性がある」と考え、摂津市役所の家庭児童相談課に男児の一時保護を求めていた。

 市によると、母親と男児は以前から「行政による継続的な見守りが必要な母子」とされていた経緯があり、支援担当者が毎月1~2回、母親と面会を重ねていた。

容疑者は容疑を否認していて、逮捕前の警察の調べに対しては「ふざけて、お湯の温度を徐々に上げて遊んでいた」と説明していたとのこと。

また、容疑者が逮捕前「以前にも同じ遊び方をした」と警察に話していたとのこと。。

男児の母親の知人らによると、容疑者は事件の数日後、知人らに当時の状況について「シャワーの温度は38度から上げ、最後は60度にした。その後、リビングでたばこを吸っていたら、男児が意識を失っていた」などと話していたとのこと。

母親の知人によると「『最初は38度のお湯を出して、男児がお風呂を出たり入ったり、キッチンとお風呂を出たり入ったりして、遊んでいた』と言っていて、けれど、だんだん男児が中におるのを確認しながら、『(浴室に)行く度に60度まで徐々に上げていった』って言ったんですよ。夏やのに『(浴室を)温めよう』として、お湯を出してたと。このくそ暑い8月に」

通報を受けた摂津市は、面会した母親から『問題はない』と回答され、児童相談所とも話したうえで「緊急性は高くない」と判断。男児にも目立った傷がなく、一時保護などの措置は取らなかったとのこと。

府警捜査1課によると、男児の遺体を司法解剖した結果、やけどは全身の広範囲に及び、上半身を中心に皮膚がただれていた。死因は重度のやけどに伴う熱傷性ショックで、熱湯を10分近くかけ続けられた可能性が高いことが判明。男児の遺体の状況から、熱湯をよけようとした形跡がなかったことも分かったとのこと。

一方の容疑者の体には熱湯を浴びたようなやけどの痕は見つからなかった。現場マンションの給湯器は台所にあるパネルで温度調節が可能で、37度から75度まで設定できるタイプ。府警は容疑者が男児の体を何らかの方法で固定し、自らの身を守りながら熱湯をかけ続けていた可能性もあるとみているとのこと。

事件の前、摂津市には複数回虐待を疑う通報が寄せられ、6月には母親の知人から「このままだと死んでしまう」と通報していた。

しかし市は、その後、容疑者への確認を一度もしていなかったとのこと。

(摂津市次世代育成部部長)「(Q交際相手に確認しなかったのはなぜ?)引き続き、子どもさん(男児)については、保育所等にも日々通われていた。お母さんからの説明を受けておりました」。

摂津市は、母親と連絡が取れていることなどを理由に「緊急性はない」と判断。

母親との面談の頻度は?
【摂津市次世代育成部】
「最近でいうと月2回以上のペースかな。心配ごとありませんか?とか、何か気になることありませんか?とか、直接交際相手からの暴力はありませんか?とか。その時々に必要な判断をして、子どもさんの生存確認と言いますか、そういうことも含めた対応をし継続した」とのこと。

容疑者が同居していることも把握しておらず、警察への通報はしていなかったとのこと。

母親とは、今年6月に第三者の通報があった日の前日にも市の担当者が面談をしてる。しかし、その時は特に変わった様子はなかったとのこと。第三者からの通報があった後も市の担当者が母親に電話をしましたが、『心当たりも心配事もない』と言っていたとのこと。

近隣住民の証言
「救急車が来る30分前ぐらいに『ぎゃあーっ』という声が2回ぐらい聞こえました。それまでも母親が叱るような声は聞いたことがありましたが、あの時の声はそれとは全然違った。驚いたとか怒られた時のような声ではなくて、痛みから出ざるをえないような、大きな“叫び声”だったんです。」とのこと。

通報は計4回
摂津市によると、最初は去年1月。男児が通っている保育所から、「あざやたんこぶがある」と報告があり、母親と面談。

しかし「思い当たる節が無い」と話したため、子供の行動に気を配るよう指導したとのこと。

今年4月、保育所から虐待が疑われる2度目の報告がありましたが、対応は指導のみ。

3度目は母親が相談。家庭訪問を行い、容疑者に対し指導し、本人も「分かりました」と話したとのこと。

心配した母親の知人は今年6月に報告。

市は情報提供についてはその都度、府吹田子ども家庭センター(児童相談所)に伝えていたという。市は「命が救えなかったことはしっかりと受け止めなければいけない」としつつ、「その時その時、適切な対応をしていた」としているとのこと。

対応を任されていたとされる吹田子ども家庭センターの児童相談所担当者は「『一時保護を検討してほしい』とか、『児相も一緒になってやっていただきたい』とか、(市からの要請は)残念ながらありませんでした」と説明したとのこと。

大阪府警は9月24日午前、男児の母親の交際相手で無職の男性容疑者(23)を殺人容疑で送検した。

容疑者と知人の会話(音声データ)
容疑者「『XXちゃん』って、リビングから呼んだんですよ。返事みたいなのがなかったから、急いで見に行って、浴室を開けたら、XXちゃんが浴槽じゃない方の床にうつぶせになってて」
知人「まず泣けへんかった? 声出さへんかった?」
容疑者「そこが、ほんまに聞こえてなくて」
知人「浴槽の扉は開いてる?」
容疑者「開いてます」

(母親の知人)
「(容疑者は)タバコ吸ったり色々してたと、リビングの方で。そしたら男児の返事が聞こえなくなったから、見に行ったら、体洗う所でうつ伏せ状態で、あわてて(母親に)電話をかけたと」

現場マンションにある給湯器は、水温を75度まで設定できるパネルが台所にあるが、3歳児の身長では届かない位置にある。事件直後に、府警がパネルの設定温度を確認した際は40度程度になっていたとのこと。

捜査関係者によると、警察が複数の医師に所見を求めたところ、男児はやけどを負ってからすぐに死亡した可能性は低いことがわかったとのこと。

容疑者が、やけどを負った桜利斗ちゃんを浴室からリビングに運んだあと数時間にわたって放置し、死亡させたとみているとのこと。

関係者によると、男児は8月25日以降、新型コロナウイルスの影響で保育園のクラスが閉鎖され登園していなかった。その後は自宅で過ごしていたとみられるとのこと。

捜査関係者によると、容疑者は救急隊が到着するまでの間、「男児の体を冷やした」と説明していたが、現場から体を冷やせるようなものは見つからなかったとのこと。

また、容疑者は事件の後、男児の母親の知人に同じ様な説明をしていたとのこと。

母親の知人女性「(救急隊員が容疑者に)『冷やすものありますか』と(電話で)話して、冷蔵庫のお茶のペットボトルを(男児の)体の上に置いたりして、『その時は心臓が動いていた』と言い出して」

捜査関係者によると、容疑者からの119番を受けた救急隊員が、裸の男児がリビングで倒れているのを発見。すでに心肺停止の状態で、死後硬直が始まっていたとみられるとのこと。

捜査関係者によると、男児の死因は全身の広範囲に及んだやけどに伴う熱傷性ショックで、特に頭部から上半身にかけての皮膚のただれが激しくなっていたとのこと。

容疑者が、事件から1週間後、母親の知人に次のように説明していたことがわかった。

容疑者「(救急隊が)到着したのが、(午後)4時50分くらい。(男児がやけどしたのは?)たぶん、10~15分ぐらい前」

市と児童相談所が事件約1か月前に男児の家庭について「第三者からの暴力を止められないネグレクト(育児放棄)」と判定していたことがわかった。その後も一時保護などの対応は取られず、従来通りの見守りが継続されていたとのこと。

市は7月16日、府吹田子ども家庭センター(児相)職員らと虐待が疑われる個別事案の対応を協議する会議で経緯を報告。市は、暴力を止められなかった母親の対応は、「ネグレクト」にあたると判断したと説明したとのこと。

摂津市職員との面談で母親は。虐待の事実はないと、知人たちの証言をくつがえすようなことを話した。同居していたにもかかわらず、容疑者について「週に1、2回来ている」とも説明したとされる。市は「たまに来る交際相手」と認識。「同居の実態は確認できず、(恒常的な)暴行の形跡もない」と判断したとのこと。

市長は9月28日に記者会見し、「男児の命を救えなかったことを重く受け止めている。児相に『(一時保護を含め)担当してくれ』ともっと強く言えなかったかとの思いはある」と説明。大阪府に設置される検証部会に協力するとともに、市も対応の是非について内部で調査する考えを明らかにしたとのこと。

市長は、担当者が91回にわたって母親との面談を重ねてきたとし、「自治体の役割の中でしっかりと取り組んできた」と釈明。「細心の注意を払って見守ってきたが、一時保護に至るまでの確証が得られなかった」とし、「なぜ児相に介入を強く求めなかったのかと私も思う」と悔やんだとのこと。

市などによると、今年4月28日、保育所の職員が男児の頭頂部にたんこぶを見つけた。市は母親に尋ねたが、「原因はわからない」との回答だったという。5月6日には母親から「容疑者が男児をたたいた」と相談があり、保育所が同11日に左耳付近にあざを確認した。

府のアセスメントシートの記入要領によると、たんこぶのような「原因不明の打撲傷」は、身体的虐待の疑いもありうるとみて、「重症度を判断」とされている。また「首から上における複数の打撲傷」は「最重度に該当する」との注記もある。

市は府と5月21日に開いた会議で、たんこぶについては「養育者の監護が不十分なため、けがが多い」とし、男児が自らぶつけたとの評価案を示し、府も了承した。あざもたんこぶとは関係がない単発のけがととらえ、「第三者からの身体的虐待の放置」と位置づけたとのこと。

市幹部は、昨年1月にも保育所が男児の頭にたんこぶを見つけ、母親が「目を離したすきに転んだと思う」と答えたことを踏まえたとし、「男児が自分でどこかにぶつけたのだろうと推測した」と説明したとのこと。

時系列
2018年
10月   母親が離婚後に男児と摂津市内に転居
2020年
01月   男児の保育所から報告
10月   容疑者が男児の母親と知り合い交際を始める
2021年
04月   男児の保育所から2度目の報告
05月   容疑者が3人で同居を始める
05月   母親が摂津市に容疑者が手を上げると相談(3度目の報告)
06月   知人が摂津市に男児の一時保護を求める(4度目の報告)
07月16日 市は母親はネグレクトにあたると判断したと会議で報告
08月31日
16:50頃 容疑者が119番通報
駆けつけた救急隊員が男児を搬送した。
18:10頃 男児の死亡が確認された。
09月22日 容疑者を殺人容疑で逮捕
09月24日 容疑者を殺人容疑で送検

こんなところですね。
こんな事件を見るたびに、無力だと痛感します。
こぼれ落ちていく小さな命を救えない事がやるせない。

市や児相の対応の問題の有無については検証委員会が出す答えを待つとして、我々にできる事を考えたいですね。

まずは、シングルマザーの方に知って欲しいのは、若い男と子供が二人だけになった時に事件が起きやすいと言う事ですね。
もちろん、ケースバイケースで誰でもそうなるわけは無いのですが・・・

事前に兆候としての身体的な虐待があるような場合は、警戒する必要がありますね。

一言で言ってしまえば、いつも書いている事ですが「交際相手は選べ」と言う事ですね。
子供の父親になれる男性なのか?を良く吟味して欲しいです。

そして、この事件ではどうかわかりませんが、母親が交際相手の虐待を隠蔽しようとする事も時々起きますね。
そんな時は周囲の人間が通報するしか方法がありません。
気付いたら躊躇無く、通報しましょう。
理由も無く保育園や幼稚園を休むなんてのは要注意です。
その意味ではコロナによる休校や休園などは盲点になるかもしれませんね。

亡くなった男児のご冥福をお祈りします。
今度生まれてくるときは普通の家に生まれて欲しいですね。

続報を待ちましょう

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