2022/08/21

兵庫県尼崎市元妻女性殺害事件その2(一審判決)

まずは続報です。
1)2022年1月21日、神戸地検は、殺人罪などで元夫の無職男性容疑者(33)=同県西宮市=を起訴した。
鑑定留置の結果、刑事責任を問えると判断した。地検は認否を明らかにしていないとのこと。

起訴状によると、容疑者は昨年10月15日夜、尼崎市のマンション駐輪場で、住人の女性の左脇の下などを包丁で多数回突き刺し、殺害したとされる。

捜査関係者によると、同容疑者は逮捕後の調べに「復縁を望んだがかなわず、次第に憎しみに変わった」などと供述しているとのこと。

***初公判(2022年6月21日)***
1)被告は「間違いない」と起訴内容を認めたとのこと。
2)冒頭陳述で検察側は21年3月、男が尼崎市のコインランドリーでトラブルを起こして警察を呼ばれたことがきっかけとなり、同年4月から2人は別居したと説明。男は別居解消を求めたが女性は拒否し、同年6月に離婚したとのこと。

その後、男は女性が誕生日を祝われる様子を記したツイッターなどを見て腹を立てていたと指摘。事件当日、通信アプリ内で知人らとオンラインゲームを楽しもうとするやりとりを見て、幸せそうな女性を殺害しようと決意した-とした。

別の報道では
検察側は冒頭陳述で「別居の解消を拒否されて以降、危害を加えようと鉈や斧、牛刀を購入していた他、離婚が成立した後もSNSで被害者が幸せそうにしているのを見て腹を立てた」と指摘したとのこと。

3)弁護側は「被告は落ち度のない被害者を殺害したことを認め反省している。遺族に対しても家族が被害弁済を準備している」と情状酌量を求めたとのこと。

4)弁護側の被告人質問では、男が離婚前にも、危害を加えようと女性の実家を訪れていたことが判明。検察側が殺意を抱くまで腹が立った一番の理由を尋ねると、「ある日、突然出ていって連絡が取れなくなったから」とした。また、裁判官からは男の「積もり積もった」という言葉の意味を問われ、「最後まで面と向かって話せなかったこと」と答えたとのこと。

***論告求刑公判(2022年6月22日)***
1)検察側は懲役18年を求刑した。
検察側は「幸せそうな元妻への逆恨みという自己中心的かつ身勝手な動機だ」として懲役18年を求刑した。

論告で検察側は、男が牛刀(刃体約18センチ)で女性を襲う際、滑り止め付きの手袋を着用していたとし、「殺傷能力の高い凶器を力の込めやすい状態で使用した」と指摘。骨が折れるほどの傷があったことや、女性が倒れて無抵抗な状態でも刺すなど「非常に危険で執拗だった」としたとのこと。

2)弁護側は「怒りにまかせた衝動的な犯行だが、起訴内容を認め、反省している」と懲役15年が相当だと主張したとのこと。

弁護側は最終弁論で「結果は重大で悪質さは否定できない」としつつ、家族が支援を約束しているなどとして懲役15年を求めたとのこと。

3)女性の母が意見陳述し、「楽しそうに過ごしている娘が許せなかったというのはあまりにも身勝手で話にもならない」と述べた。裁判員らに対し、「今後このような悲劇が繰り返されないように抑止力を与える判決を」と訴えたとのこと。

***判決公判(2022年6月24日)***
1)裁判長は「身勝手としか言いようがない。何が問題だったのかよく考えてほしい」とし、懲役17年(求刑懲役18年)を言い渡したとのこと。

2)裁判長は、倒れ込んだ女性の背後などを10回以上突き刺し、牛刀の刃が曲がっていたことなどから「確実に殺そうという強固な殺意がある」と説明。被害者に事件を引き起こすきっかけをつくったことはないとし、「被害者に責任の一端があるかような言い方をし、反省を深めているとは言えない」と指摘したとのこと。

3)判決で裁判長は「自分本位な考え方しかできず、身勝手な怒りを募らせていく中で短絡的に粗暴で過激な行為に及んでしまう傾向が見て取れる」と指摘。被告人質問で男が何度も「分からない」という答えを繰り返したことなどに触れ、「真に反省を深めているような態度を示しているとは到底いえない」と述べたとのこと。

***補足情報***
公判のどのタイミングの情報か不明な情報です。
1)検察や判決によると、男は離婚後も女性のツイッターを見て、女性の行動を確認していた。さらに、男の家には女性が昔持っていた古いスマホが残されており、家のWi-Fiをつなげば、個人的なチャットのやりとりが見られる状態だったとのこと。

事件当日の夜、男は女性のチャットのやりとりに気付く。「(オンラインゲームの)アモアスやろうぜ」のメッセージに対し、女性が「今日のは参加予定」と返信したとのこと。

これを見た男は逆上。すぐさま家の牛刀と包丁、滑り止めの付いた手袋を手に取り、かばんに詰めた。女性宅にバイクで乗り付けて、まちぶせをし、自転車で帰ってきた女性を襲ったとのこと。

2)事件の約1年半前、男は女性と一緒に訪れた尼崎市内のコインランドリー店で、敬語を使わなかった店員に激怒。店内のテーブルを蹴飛ばして店員の太ももに当て、警察沙汰になったという。これが女性が別居を考えるきっかけとなったとのこと。

3)女性の母親は、女性が離婚前に「(男が)いつ怒り出すか、顔色を見ながらびくびくしながら生活するのは嫌だ」と話していたと明かしたとのこと。

こんなところですね。
報道が少なく、事件の経緯などが不明でしたが、離婚理由などがわかりました。
被告は普段から粗暴だったんですね。コインランドリーの店員が敬語を使わなかった程度の事で腹を立てて物にあたるなんてのは、33歳としては短慮というか、落ち着きが無いと言う事ですよね。
そして、女性の母親の証言でも、普段からビクビクして生活していたと言う事だから、これを機会に離婚しようと言うも理解できますね。

結局は離婚が原因で逆恨みして起こした事件です。
詳細が分からないけど、「友達とゲームする」って事が直接の切っ掛けだけど、離婚が成立する前にも、女性の実家に行ったりしてるし、凶器は事件よりも以前に準備している。
なので、被告人が言う「積もり積もったものがある」と言うのは、そもそも「離婚した事自体が許せない」その上で、「楽しそうにしているのが許せない」と言う事のようですね。
被告人自身の生活環境が分からないので、なんとも言えないのですが・・・仕事は会社員としか出てないけど、どんな仕事をしていたのだろうか?
普段から粗暴な面があるなら、仕事でも、そのあたりが出ていたと思うのだけど・・・会社(社会)では別人格と言うタイプの人なのかな?

一方の女性の側としては、離婚して別別に暮らして、これから人生をやり直そうとしていたわけだし、それで警戒心が薄れてしまったのかもしれませんね。
これも詳細が不明ですが、女性の住所は郵便物から調べたと言う事なので、普通に考えると、女性側から男性側に何らかの連絡を郵便物で行ったと言う事でしょうね。
あるいは、家に残した荷物を宅急便で送ってもらったと言う事なのかもしれませんけど。

スマフォを男の家に残してしまったのも、痛いですね。まー新しいスマフォがあれば問題無いと言う判断だったのかもしれませんが、やはり、情報端末は回収するなり、遠隔ロックするなりしておく必要がありましたね。
とは言え、それは、この事件の本質から見れば小さな事かもしれません。
おそらく、この被告は、スマフォが無くても、ツイッターや、あるいは噂話程度でも、何かを切っ掛けに逆上して事件を起こしていたんじゃないかな。

遠方に引っ越すと言うのも、職場や友人と離れたく無いと言うあたりを考えれば、現実的では無いですよね。
なので、「危ない」と思ったら、できるだけ、自宅や職場の住所を知られないようにする以外に方法が無いかもしれません。
基本的にストーカー対策と同じですね。
かといって、それは防御しているだけで、相手の殺意をなくす事にはならないので、根本的な対策にならないんですよね。
しかも、相手がどの程度の「悪意(殺意)」を持っているかも確認する方法が無いですからね。

過去のストーカー事件では自宅を引っ越しても、引っ越し先の住所を調べられて、殺害されてしまった事件もありますからね。

なので、問題が表面化すると対応が難しい状態になりますね。
ストーカー規制法などもあるけど・・・・離婚から、事件までの期間に被告からの接触は無かったのかな?
もし、度々接触があって、嫌がらせなどがあったのであれば、被害者も警戒したと思うんですよね。
でも、それが無くて、離婚の後、何もなくて安心しているところを襲われたとしたなら、対策のしようが無いですよね。

とすると、最悪のケースを想定して対策すると言う事になりますね。
1)自宅や職場の住所を知られないようにする(知られていたら、変える)
2)SNSのアカウントや電話番号を変更して、相手に情報を探られないようにする。
とは言え、これは警戒して、危機意識があってこそできる事なので、警戒してなければ、二つともやりたくない事ですよね。

結局は「相手をどう見るか?」相手を危険な人と判断できるかどうかに掛かっていると言うところでしょうか。

一見すると単純そうな事件に見えるけど、逆に対策が難しい事件なのかもしれません。

亡くなった女性のご冥福をお祈りします。

参考リンク
兵庫県尼崎市元妻女性殺害事件その1(鑑定留置まで)

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2021/11/21

兵庫県尼崎市元妻女性殺害事件その1(鑑定留置まで)

10月15日午後8時20分ごろ、兵庫県尼崎市昭和通4丁目のマンション敷地内で、「女性が背中を刺されている」と119番通報する事件が起きている。
兵庫県警によると、女性は、このマンションの住人で事務員(28)。
救急搬送されたが、まもなく死亡が確認された。女性には背中に複数の刺し傷があり、県警は殺人事件とみて、刃物を持ったままオートバイに乗って逃げた男の行方を追っているとのこと。

尼崎南署によると、警察官が駆けつけると、マンション駐輪場そばの通路で、女性が血まみれの状態でうつぶせに倒れていた。逃げた男は黒っぽい服を着て、ヘルメットはかぶっていなかったとのこと。

現場は、阪神尼崎駅から北西に約300メートルの繁華街。

現場には女性のものとみられるリュックサックが落ちており、警察は帰宅したところを襲われたとみているとのこと。

警察によりますと刺した男は20代から30代、上下とも黒っぽい服を着ていて、黒いバイクで国道2号を西へ逃げたという目撃情報があるとのこと。

別の報道では
男はスクーター型のバイクで西に逃走していて、警察は殺人事件として捜査本部を設置し、男の行方を追っているとのこと。

兵庫県警は16日、女性の身元について、このマンションに住む病院事務員、女性(28)と発表した。

警察によりますと女性は1人暮らしで、医療系の事務の仕事をしていて外出先から帰宅したところを襲われたとのこと。女性は半そでシャツにスカート姿で、マンション前の歩道から10メートルほど入った駐輪場で倒れていて、背中に複数の刺し傷があったとのこと。

女性は運ばれた病院でおよそ1時間後に亡くなったとのこと。

捜査関係者によると、バイクは県内で見つかり、16日午前に押収された。

県警は16日、事件に関与した疑いがあるとして、30代の元夫の身柄を確保した。任意で事情聴取を始めており、容疑が固まれば殺人容疑で逮捕する方針とのこと。

県警が16日に押収したバイクには血痕のようなものが付着しており、県警は元夫が逃走に使ったとみて調べているとのこと。

県警は16日、元夫で、同県西宮市の会社員男性容疑者(33)を殺人容疑で逮捕した。容疑者は「殺すつもりで刺した」と容疑を認めているとのこと。

(16日)午後9時45分に、被疑者を殺人罪で通常逮捕したとのこと。

捜査関係者によると、16日午前、同県西宮市のアパート駐輪場で、逃走に使われたとみられるバイクを発見。バイクには血が付いていたといい、捜査本部は同日午後、このアパートにいた容疑者を任意同行したとのこと。

警察は、犯行直後の時間帯に「バイクが猛スピードで国道を西に走り去った」との情報を把握していたとのこと。

容疑者の自宅からは血痕のついた包丁や服が見つかったとのこと。

警察によると、2人が離婚したのは1年以内の間で、これまでトラブルなどは把握していないということで、犯行の詳しい動機を調べているとのこと。

県警は17日、司法解剖を実施。死因は失血死だったとのこと。背中などに十カ所以上の刺し傷や切り傷があり、一部は肺に達していた。ほぼ即死だったとみられるとのこと。

捜査関係者によると、現場付近の防犯カメラの映像を解析したところ、事件直前に容疑者とみられる男がマンションの駐輪場へ続く通路に入っていく姿が写っていた。その後、自転車で帰宅した女性も駐輪場へ入り、数分後に男が1人で出てきたとのこと。

容疑者の自宅からは血液がついた刃物が見つかり、この血液を鑑定したところ女性のDNA型と一致したため、犯行に使われた凶器と断定したとのこと。

容疑者は駐輪場で女性の帰宅を待ち伏せして襲い、女性がうつぶせに倒れた後もしゃがみ込んで背中を刺し続けたとみられるとのこと。

警察によりますと、容疑者と女性は尼崎市内で同居していましたが、今年6月に離婚。警察の取り調べに対して、容疑者は『離婚後に復縁を望んだものの叶わず、恋愛感情が憎しみに変わった』という趣旨の供述をしているとのこと。

別の報道では
捜査関係者などによると、2人の結婚生活は数年間とみられ、今年に入り離婚していた。

神戸地検尼崎支部は10月29日、殺人容疑で逮捕された元夫の会社員男性容疑者(33)について、刑事責任能力を調べるため鑑定留置を始めたとのこと。

期間は2022年1月13日まで

時系列
2021年
06月   女性が容疑者と離婚
10月15日
20:20頃 119番通報
21:20頃 女性が搬送先の病院で死亡
10月16日
午前   バイクが押収
午後   元夫を任意で事情聴取
21:45  殺人容疑で逮捕
10月29日 鑑定留置を開始

こんな事件です。
事件発生から1ヶ月以上が経過していますが、詳しい事がわかりませんね。
容疑者は逮捕されていて、どうやら犯人性に疑いはなさそうですが、動機が今ひとつわかりません。
復縁を断られて犯行と言うのは昔からある事はあるんですけど・・・毎回思うのですが、殺害してしまってはもう二度と復縁する事はかなわないんですよね。
やはり、あれなんでしょうか?・・・「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」ってことなのかな?

続報を待ちましょう。

参考リンク
兵庫県尼崎市元妻女性殺害事件その2(一審判決)

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2021/07/17

静岡県沼津市女子大生殺害事件その3(一審判決)

一審判決は懲役20年(求刑:無期懲役)です。

***初公判(7月5日)***
1)検察側は冒頭陳述で、被告は、同じ大学に通っていた被害者=当時(19)=に通信アプリ「LINE」をブロックされ、逆恨みして殺害を決意したと指摘。事前に殺害場所の下見をし、自宅で段ボールを被害者に見立てて刺す練習をしていたなどと述べたとのこと。

検察側によると、被告は被害者が所属する部活動の部室に侵入、携帯番号を把握して無言電話をかけるなどしたとのこと。

検察側は被害者の体には49カ所もの刺し傷や切り傷があった」と明らかにしたとのこと。

別の報道では
冒頭陳述で検察側は、被告が大学の同級生だった被害者に一方的に好意を寄せていたと指摘。何度もラインを送信し、被害者が「他の人とラインした方がいい」と返しても、「好きな人とラインしているときが楽しいから無理」などと連絡を続けていたことを明らかにした。被告は、やりとりを断ろうとする被害者に対し、「後悔することになる。ラインのやりとりはやめないで」「無視してもいいことないよ」などとメッセージを送り、被害者は20年6月23日にラインをブロックしたとのこと。

被害者は友人に対し、「ブロックしたら、逆上して何をされるかわからない」と相談していたとのこと。

検察側は「致命傷となるけがが多数あり、救命措置が早くても死が免れない状況だった」と説明。被告は被害者を刺した後、死亡を確認するために呼吸や心拍の有無を調べていたことなども明らかにしたとのこと。

2)起訴状などによると、被告は20年6月上旬ごろから、被害者にストーカー行為を行い、同27日、駐車中の車内と路上で、被害者の腹や首など複数箇所を刃渡り約15.5センチの包丁で突き刺して殺害したとされる。

3)被告は「間違いありません」と起訴内容を認めたとのこと。

4)弁護側は起訴内容を認めた上で、当時20歳で未熟さによる犯行だったと訴えたとのこと。

別の報道では
弁護側は、被告が被害者とのやりとりを「生きがいのように感じていた」と説明。被告が小学生の時に、心臓の病気でペースメーカーを入れたことを明らかにしたうえで、「ラインをブロックされると、(生活に支障がある)使えない体だけが一生残ると思った。生きがいを奪った被害者を殺害しようと考えた」と説明したとのこと。
***第二回公判(7月6日)***
被告人質問
1)被害者の父親
Q:「なぜ命を奪ったのか」
A:「被害者が幸せな将来を送ることが許せないと感じたから」

Q:「何度も刺している時何を考えていたのか」
A:「殺すことしか考えていなかった」

Q:「娘が、どうしていれば殺すことはなかったのか」
A:「ラインをブロックされなければ」

一方でいまの気持ちについては「被害者の将来・人生を奪ってしまったことは本当に重いことだと思っている」と述べたとのこと。

2)弁護側
Q:無料通信アプリ「LINE(ライン)」で被害者にメッセージを送り続けた理由は?
A:「交際は無理でも、ラインでつながっていたかった」と答えた。
また、「ラインをブロックされたくらいで人の命を奪うのは身勝手だった」と反省の言葉も口にした。

***論告求刑公判(7月8日)***
1)検察側は「人の生命や尊厳を軽視し、被害者を歪んだ支配欲を満たすための『モノ』として捉えた非人道的で残忍な行為である」として無期懲役を求刑したとのこと。

別の報道では
検察側は「包丁が欠損するほど刺した。49か所の刺し傷や切り傷があり、物を破壊するように殺害した。非人道的で甚だしい」などと指摘し、無期懲役を求刑したとのこと。

更に別の報道では
検察側は「女子大生と被告は他人同然の関係。女子大生は被告の目にとまってしまったという理由だけで殺害されたに等しい」としました。そして「ストーカー殺人としてだけでは評価しきれない悪質な犯行」だとして、無期懲役を求刑したとのこと。

2)弁護側は「ペースメーカーを付けた挫折経験によって、被告は共感性に欠ける偏った性格となり、感情のコントロールができない被告人を強くは非難できない」として有期刑が相当であると主張したとのこと。

別の報道では
弁護側は「犯した罪の大きさと向き合う努力をしている。立ち直る可能性は十分にある」とし懲役22年が相当と主張したとのこと。

被告人質問
3)裁判員の質問
「女子大生とのやり取りがあれば、バイトや勉強など頑張っていけると思った。女子大生とつながっているのは、唯一ラインだけ」
「ラインをブロックされて生きがいを奪われた」
「女子大生が幸せになるのを許せないと思った」

一方で被告は「絶対に許されることではない。遺族にも大きな傷をつけてしまった。一生かけて罪を償いたい」とも述べたとのこと。

意見陳述
4)被害者の父親
「法律の許す限り最大限重く罰してほしい。娘を返してほしい」
「家族にとって被告に対し情状酌量の余地はない。死刑にしてほしい」と述べたとのこと。

5)被告は最終陳述で、被害者参加制度で出席した被害者の父親を見て、「(無料通信アプリの)ラインをブロックしただけで人生を奪われるのは、被害者は到底理解できないと思う。遺族にも(心の)傷を負わせ、人生を奪い申し訳ありません」と頭を下げたとのこと。

***判決公判(7月13日)***
1)地裁沼津支部は被告の元大学生の男に懲役20年の判決を言い渡したとのこと。

2)判決によると被告(21)は去年6月、沼津市の路上で当時、同じ大学に通っていた19歳の女性の腹や首などを包丁で複数回刺し死亡させた。

3)「被告が単独で計画的に刃物を用いて、落ち度のない女性を殺害したストーカー殺人である。犯行は執拗で残忍というほかなく殺意は極めて強固だ」とした一方で「被告は犯行当時20歳と若く、更生の余地がある」として検察側の無期懲役の求刑に対し、懲役20年の判決を言い渡したとのこと。

4)裁判長は、被告が、段ボールを被害者に見立てて刺す練習をしていたなどと指摘し、強い殺意に基づいて刺したと非難。一方、2人の間に「一定の交流は存在した」とし、検察側の「他人同然の被害者を殺害した」との主張を退けたとのこと。

5)裁判長は事件前に業務用包丁を購入したり、段ボールを使い刺す練習をしたりしたとして「計画性は高い」と述べた。被害者にLINEをブロックされ生きがいを奪われたとする動機に関し「あまりに理不尽な逆恨みだ」としたとのこと。

別の報道では
裁判長は「LINEなどのやりとりからストーカー殺人と判断するのが妥当」とした上で、「助けを求めて逃走する被害者を追いかけて引き倒した上、死亡を確認するまで腹部などを多数回突き刺すなどし、致命傷となる傷が複数あった」と指摘。「犯行は執拗で残忍というほかなく、殺意もきわめて強固」などと量刑の理由を述べたとのこと。

更に別の報道では
被告が殺害動機を「被害者からラインをブロックされて生きがいを奪われた。明るい将来が予想される被害者が許せなかった」とした点も、「あまりに理不尽な八つ当たり」と非難。「被告は十分な反省をしているとは認められない」としたが、量刑については「若年で更生の余地があることなどを考慮した」と説明したとのこと。

こんなところですね。
まー誰かに対して、一方的に好意をよせると言うのは、普通によくある事なので、それ自体は特に変わった事では無いですよね。
問題はその好意の表現方法ですね。
普通なら相手の反応などを見ながら、少しずつ段階を踏んで進んでいく物だと思います。

それは、相手を一人の人間として尊重しているからそうなるわけですよね。

相手がどんな反応を示そうが、仮に拒否したとしても、自分の感情だけを押しつけてしまうのは、もはや恋愛感情では無いのでしょうね。

そして、それほど深い関係でも無いのに、ラインをブロックされたぐらいで、生きがいが無くなったから、奪われたから、好意を寄せていた相手を殺害するなんてのは、まさに、価値観の逆転ですね。

ただ、私としては、この言葉を額面通り受け取る事はできません。
この言葉は「鳴かぬなら、殺してしまえ、ホトトギス」と言う事でしょ?
自分の思い通りにならないなら、自分の手に入らないなら、殺してしまえと言う事だと私は解釈しています。

その上で、ペースメーカーを入れているから、人生がうまくいかないなんてのも、ただの言い訳にしか聞こえません。
ペースメーカーを入れても立派に生活している人は沢山居るでしょ?。

なので、裁判長も指摘していますが、酌量の余地など微塵もありませんね。
その意味では検察側の主張に全面的に同意です。

さて、この事件を防ぐ方法ですが、正直なところ「これが正解」と言う物はなさそうです。
ストーカーから逃げれば、身を守る事はできるでしょが、大きく生活環境を変える事になります。
やはり警察に相談してストーカーとして対応してもらうのが正攻法なんでしょうね。
ただ、それで諦めるのか?と言うのが疑問なところです。
ラインをブロックされた程度で逆ギレして殺意をもってしまうような、自己中心的な思考しかできないので、警察の介入がきっかけで殺意を持ってしまうかもしれません。

なので、ストーカーになった段階では対応が難しいと言う印象です。
となると、被告が成人する前の段階でストーカーにならないように教育するしか方法が無いと思います。
なので、対策は被害者側が行うのではなく、被告や被告の家族が行うしか方法が無いと言う事になりますね。

ただ、その場合でも、被告の両親や家族が、この未来を予測できるのか?と言うとそれは無理だと思うんですよね。
被告は心臓病で体を使う事が不得手と言うのがコンプレックスのようですから、スポーツではなく、芸術や勉学の方面に導く事ができれば、精神的にも健全な成長を促せるのではないか?と思いますが、理想論、机上の空論でしかないかもしれませんね。

亡くなった女性のご冥福をお祈りします。

参考リンク
静岡県沼津市女子大生殺害事件その2(情報流出)

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2020/09/08

東京都杉並区女性保育士殺人事件その4(一審判決)

***初公判(8月24日)***
1)東京地裁で開かれた裁判員裁判の初公判で被告は「私は最後まで法廷で黙秘します」と述べたとのこと。
 
2)弁護側は住居侵入罪の成立は認めたが、「被告ではない第三者が殺害した」と殺人罪については無罪を主張したとのこと。
 
弁護側は、ベランダに残されたビニールひもから第三者のDNA型が検出されたと指摘。「部屋に複数人がいた可能性があり、被告の犯行とするには合理的な疑いが残る」と主張したとのこと。
 
3)検察側は冒頭陳述で、被告は15年ごろから被害者に好意を抱いていたが、被害者は距離を置いていたと指摘したとのこと。
 
別の報道では
「被告は被害者に好意を抱き、飲み会に誘うなどしていたが、被害者は避ける態度をとっていた」と指摘した。
 
 また、被告が着ていたコートから被害者の血痕が検出されたほか、被告が被害者を拘束しようとした際に使ったとみられるビニールひもも室内から見つかり、被告のDNA型が検出されたと明らかにしたとのこと。
 
別の報道では
検察側は、被害者の指先や現場に残っていた包丁の柄から被告のDNA型が検出されたとした。被告が事件後、携帯電話で「殺人の慰謝料」などと検索しており、「第三者の犯行の可能性はない」と主張したとのこと。
 
証拠調べでは、部屋から発見された手袋などの遺留物から被告のDNAが検出されたこと、被告が履いていたナイキのシューズと同一の足跡が被害者宅の屋根などから見つかっていること、そして被害者の両手指から採取された付着物からも、被害者と被告のDNAが検出されているとのこと。
 
同僚の調書によると
「事件翌日午後に被告と勤務先ですれ違うと、顔に引っ掻いた傷があることに気づいた。24日の夕方にはなかったものだった。傷は4~5センチぐらいの長さがあり、かすり傷ではなかった」
 
***論告求刑公判(8月28日)***
検察側は懲役20年を求刑したとのこと。
 
1)検察側は、「犯行は計画性があり、きわめて残忍。反省や遺族に対する謝罪が全くない」などとして懲役20年を求刑したとのこと。
 
別の報道では
検察側は「わいせつ意図がうかがわれ、計画的で残忍な犯行」と指摘し、被告に懲役20年を求刑したとのこと。
 
2)裁判には被害者の両親が出廷し、「いっときも心が安らぐことはない」「娘の部屋の荷物を片付けられずにいる」「ただただ、娘に会いたい」と述べたとのこと。
 
別の報道では
被害者の母「娘の恐ろしさは想像以上だったと思います。包丁を持った男とどう闘えばよかったのか。娘を守れなかった悔しさと罪悪感でいっぱいです」と文章を読み上げたとのこと。
 
3)裁判官「最後に言いたいことがあったら言ってください」との問いに被告は「ありません」と答えたとのこと。
 
***判決公判(9月7日)***
1)東京地裁の裁判員裁判は7日、求刑通り懲役20年(求刑懲役20年)を言い渡した。
 
2)裁判長は「強固な殺意があった。常軌を逸した行動で、被告の意思決定に酌量の余地はみじんもない」と述べたとのこと。
 
別の報道では
「被害者への感情を一方的に募らせた揚げ句に、自宅に侵入するという常軌を逸した行動に出て、身勝手極まりないうえ、謝罪の言葉を全く口にしていない」と指摘したとのこと。
 
3)裁判長は、被害者方の遺留物から被告の指紋やDNA型が見つかったことを挙げ、事件当日の被害者が刺された時間帯に、被告が被害者方にいたと認定したとのこと。
 
被害者の首に圧迫痕があり、体に多数のあざがあることから「被害者は相当程度強く抵抗した」と認めたとのこと。
 
さらに、被害者の指の爪からは抵抗した際に付着したとみられる被告のDNA型が検出されており、被告の着ていたコートに被害者の血痕が付いていたことも踏まえると、「暴行を加え、刺殺した犯人は被告であると相当強く推認される」としたとのこと。
 
被告が事件後に携帯電話で「自首」などと検索していることが推認を更に強めるとし、弁護側の主張を退けたとのこと。
 
別の報道では
弁護側の主張に対してビニールひもがベランダに持ち込まれた経緯は明らかでないと指摘。「刺殺現場の室内から第三者のDNA型は検出されていない」として弁護側の主張を退けたとのこと。
 
被害者の右手から被告のDNA型が検出されたことを認め、「被告の暴行に抵抗してDNA型が指についたと考えるのが合理的だ」とし、被告が犯人と認定したとのこと。
 
アパートを立ち去った後に履いていた靴を処分するなどしており、被告が犯人だと判断したとのこと。
 
「わいせつの意図があった」とした検察側の主張は退けたものの、被告が同じ乳児院に勤めていた被害者に好意を抱いていたと認定したとのこと。
 
被告が公判で黙秘した経緯を踏まえ、「被害者の両親は、真相を話そうとしない被告に厳しい処罰感情を持っている」と言及。求刑通りの刑は免れないと結論づけたとのこと。
 
こんなところですね。
第三者による犯行を主張すると言うのは時々ある事なのですが・・・
この事件では、さらに黙秘をしています。
もちろん黙秘すること自体は被告の権利なので間違った事をしているわけでは無いのですが・・・
これは両刃の剣と言うやつでしょうか。疑わしきは罰せずの推定無罪の原則には有利になるかもしれませんが、一旦犯人と認定されると、全く反省していないと言う事になって、量刑としては不利ですよね。
 
この事件では被告の犯行と考えた方が自然な物的証拠がありすぎて、第三者の存在を証明する物的証拠が出ないと、弁護側にはかなり不利ですよね。
 
もし、現場室内に別の靴の足跡があれば、判決は違ていたかもしれません。
でも、その場合でも共犯に認定されていたかもしれませんけど。
 
それは置いとくとしても、謎なのは動機ですね。
被害者に好意を持っていたと言うのは、間違いないでしょうが・・・
凶器は持ち込んでいないので、殺意が最初からあったわけでは無かったと思うわけです。
同時に「わいせつ目的」と言うのもちょっと微妙ですよね。判決では否定されていますし。
 
そう、何の目的で被害者宅に侵入して待ち伏せしていたのか?が分かりません。
裁判長は「常軌を逸した行動」と表現しています。
 
ここを説明できないので、被告は黙秘しているのだと思うのですが、ここを正直に話していれば、もしかすると慣例どおり求刑から1、2割の減刑はあったかもしれませんね。
 
あと、被告が被害者を(お酒を)飲みに複数回誘っていたと言うのが、公判で明らかにされています。
当初は遠回しに断っていたが、最後は完全に断っていたと言う事ですから、このあたりで諦めていれば、この事件は起きなかったと思うんです。
交際中の男性が部屋に忍び込んでいたなら、「いたずら」で済んだかもしれないけど(交際中なら忍び込む必要は無いでしょうけどね)、職場の同僚程度の人間関係で部屋に忍び込まれたら、そりゃ即通報するでしょ?「常軌を逸した行動」と言うのはこういう事ですよね。
 
この事件を防ぐとしたら?
A)住所を知られない事。
 個人情報管理が厳しくなったので、職員の住所録は職員間で公開されていないとは思うけど、その一報で「尾行」して住所を突き止められる可能性があるから、帰宅時も注意が必要ですよね。
 
B)侵入対策
 1階も含めて2階以上のベランダからの侵入や玄関付近での待ち伏せの対策は必要ですね。
 
対策としてはこの二つぐらいしかないかもしれません。
職場の同僚でも「ちょっと変な人」だと思ったら、警戒する必要があるのかもしれませんね。
 
まーこれで一審判決が出たわけですが・・・控訴するのか?と言う点に注目ですね。
願わくば、控訴して控訴審では動機を話して欲しいと思います。
 
亡くなった女性のご冥福をお祈りします。

参考リンク
東京都杉並区女性保育士殺人事件その3(推測される動機)

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2019/12/29

埼玉県さいたま市大宮区交際女性殺人事件その2(一審判決)

***初公判(11月26日)***
前橋市役所元職員の男性被告26歳は、ことし1月、さいたま市大宮区宮町のビルで、交際相手の女性(当時22)の首を手で絞め、包丁で首などを刺して殺害した罪などに問われている。
 
1)被告は「彼女を死に至らしめたことは、重く受け止めています」と話した一方、「殺すつもりはなかった」と起訴内容を一部否認した。
 
2)冒頭陳述で、検察側は「一方的に恨みを募らせ、執拗な犯行で、被害結果は重大であり、全く反省していない」と指摘したとのこと。
 
検察は「被告は別れを告げられ、一方的に怒りや恨みを募らせて事件を起こした。事件の前にインターネットで『包丁』や『殺す』といったことばを検索していて計画性があった」と指摘したとのこと。
 
3)弁護側は「被告人は、誰かに後ろからタックルされ、被害者ともつれ込んで倒れた際に、持っていた包丁が刺さった可能性がある」と述べ、傷害致死罪にあたると主張したとのこと。
 
弁護側は「話し合うために女性の勤務先に行った。脅すために包丁を取り出したところを誰かに体当たりされ、包丁が当たってしまった」と傷害致死の罪にあたると主張したとのこと。
 
4)被告人質問で、検察側から事件当日、インターネットで「首を切る死ぬ」などを検索していた理由を聞かれると、被告は「人が死ぬ方法を調べるこによって、それを避ければ事態を避けられると思った」などと述べたとのこと。
 
5)弁護人から遺族に対しての思いを聞かれると「彼女のことを、遺族が大切にしていたことは彼女から聞いていたので、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と述べたとのこと。
 
***第四回公判?(11月26日?)***
(この公判情報は誤報の可能性があります。1日に4回の公判が開かれたの?)
 
1)被告人質問で弁護側に、事件当日の行動について問われると「暴力について被害届を出すと女性に言われたので、話し合うために女性の勤務先へ向かった」と説明。包丁を持ち出したことについては「普通に行っても、二人きりでの話し合いに応じてくれないと思った」としたとのこと。
 
2)検察側は男が事件前、「首切る 死ぬ」などとスマートフォンで検索していたことを指摘。男は「覚えていない。殺そうと思って調べたのではない」と答えたとのこと。
 
3)裁判官に女性の勤務先に行った理由を問われると、男は「被害届を出すことを撤回してほしかった。届け出を取り下げてもらうことで頭がいっぱいで、女性と話そうと焦っていた」と述べたとのこと。
 
 
***論告求刑公判(11月27日)***
 
1)検察側は懲役20年を求刑した。
 
2)検察側は、「執拗に交際継続を求め一方的に不満を募らせて犯行に及んだのは身勝手で強い非難に値する」と指摘したとのこと。
 
その上で、「包丁を自宅から持ち出し女性の勤務先で待ち伏せするなど、犯行は計画的で強固な殺意に基づくもの」として懲役20年を求刑したとのこと。
 
3)弁護側は「包丁は女性に見せるために持っていたのであって、目撃者に腰のあたりを蹴られて転倒し刃先が女性に当たってしまった」と述べ、「殺意はなく傷害致死罪が相当」として懲役7年を主張したとのこと。
 
4)最終意見陳述で男は「被害者が亡くなったことは事実。罪と向き合っていかなければいけないと思っている」と話したとのこと。
 
5)遺族の意見陳述
兄の意見陳述
「自分の身に大きな穴が開いたよう」と胸の内を明かしたとのこと。
 
母親の意見陳述
「わが家の大切な宝が失われ、日増しに悲しみや悔しさが募るばかり。被告を絶対に許さない」と話したとのこと。
 
***判決公判(12月2日)***
裁判長は懲役17年(求刑懲役20年)の判決を言い渡したとのこと。
 
1)裁判長は、「交際関係を解消しようとする被害者に対し、執拗に交際の継続を求め、一方的に不満を募らせて犯行に及ぶなど、動機は身勝手で厳しく非難されるべき」と指摘したとのこと。
 
別の報道では
裁判長は、自宅から包丁を持ち出して勤務先で待ち伏せた点や犯行と近接した時間に「首切る 死ぬ」などとインターネットで検索していた点から「殺意を有していたことが疑いの余地なく認められる」と指摘したとのこと。
 
首付近を突き刺すなどした犯行態様を「一方的かつ執拗で危険性が高い」としたうえで、「警察に被害届を出すと言われて怒りを覚え、殺害を決意した身勝手な動機は厳しく非難されるべき」と断じたとのこと。
 
2)「自宅から包丁を持ち出し女性を待ち伏せするなど、犯行は、突発的なものでなく計画的で強固な殺意に基づくもの」としました。
 
3)被告の家族が今後の更正について、話していることなどを考慮し、検察側の懲役20年の求刑に対し懲役17年を言い渡したとのこと。
 
 
4)どの時点(どの公判)での発言が分からないが被告側の主張
 
事件のきっかけになった女性会社員との交際関係のもつれについて、「復縁を求めてきたのは彼女の方」と指摘し、むしろ、ストーカー扱いされて警察に通報された自身が「悪者にされた」と訴えたとのこと。
 
こんなところですね。
結果をみると、検察側の完勝と言って良いと思います。
ポイントとして
1)殺意の認定(殺人罪)
2)計画性の認定
 
逆に被告側(弁護側)の主張がなんとも言い訳感が強いですね。
特に刺した言い訳が
「目撃者にタックルされて(蹴られて)倒れたはずみで刺した」と言う物ですが・・・
それで刺さったのが「首」と言うのが不自然ですよね?
刺すつもりが無いなら、反射的に避けると思うんですよね。
 
他には、公判の報道でも交際のきっかけがわかりませんでした。
被害者は高崎市の出身なので、地元の大学に進学したんでしょう。
容疑者が群馬県前橋市出身だけど、大学は筑波大学、で大学を中退して前橋市に就職
 
女性の勤務先のさいたま市ではなく、前橋市に就職したのは、女性が高崎市から通勤していると言う事なのかな?
 
交際のきっかけが知りたいですね。
 
亡くなった女性のご冥福をお祈りします。

参考リンク
埼玉県さいたま市大宮区交際女性殺人事件

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2017/02/28

東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その6(一審判決)

裁判員裁判で、東京地裁立川支部は2月28日、懲役14年6月(求刑・懲役17年)を言い渡した。

1)裁判長は「一方的な恋愛感情に基づく逆恨みの犯行で、酌むべき動機は一切ない」「理不尽な犯行に巻き込まれ、シンガー・ソングライターとしての活躍が困難となった被害者の処罰感情は強い」と述べ、懲役14年6月(求刑懲役17年)を言い渡したとの事。

裁判長は「臓器などが集中する部位を34カ所も刺すなど犯行態様は危険かつ悪質だ」と指摘、一定の計画性があり殺意は非常に強固だとした。
被害者は心的外傷後ストレス障害(PTSD)で日常生活に困難をきたしていると述べ、量刑について「最も重い部類に属するべきだ」と説明したとの事。

裁判長は判決後、裁判員からの言葉として「被害者の夢を奪った重大さを自覚してもらう必要がある。自分をコントロールし、ルールを守って社会で生活することを、身に付けてください」と述べたとの事。

2)裁判で検察側は、事前にナイフを購入していることなどから「一定の計画性があり、強い殺意があった」と主張。
「他に類を見ないほど悪質で、反社会的な犯行」として、同じような事件でのこれまでの量刑にとらわれるべきではないとした。また被害者の代理人弁護士は、無期懲役にするべきだと訴えていたとの事。

一方の弁護側は、犯行直後に被告が119番通報していることなどを挙げ、「衝動的な犯行で計画性はない」と反論。
同じような刺傷事件での刑の重さを考慮すべきだと主張していたとの事。

3)判決前に被告に最終意見陳述の機会が与えられ、「被害者やご家族にご迷惑を掛けた上、被害者の意見陳述中に大声を出して怖い思いをさせて申し訳ない。被害者には二度と近づかない。刑務所でまっとうな人になりたい」などと述べたとの事。

4)弁護側は「明確な殺意や計画性はなかった」と情状酌量を求めたが、判決は「殺意は非常に強固。計画性も認められる」と指弾。一方で前科がなく、犯行事実を大筋で認め、謝罪や賠償を申し出ていることを考慮し、求刑から減刑したとの事。

5)裁判長は「被害者の夢を奪った重大さを自覚し更生してほしい」と説諭したとの事。

こんなところですね。
予想通りの判決でしたね。求刑が17年なので、1割引きで約15年と言うところですね。

でもなー、被告は15年経てば、元の生活に戻るけど、被害者は15年経っても、元の体には戻らないんだよね。
死亡するよりは罪は軽いよねっていう、杓子定規な印象は否めないですね。
でも、現行の法律の枠の中で考えたら、そうするしかないのかもしれませんけどね。

謝罪は反省が無くてもできるからね。そして、賠償と言っているけど、ちゃんと払うのか?ってのも問題ですよね。

とりえあず、本当に罪と向き合っているかどうかは、控訴するかと言うところに表れるかな?

約15年と言うのは被告にとっては妥当な数字かと思います。
争点の殺意は認定されていますが、ここを崩す証拠や証言は出せないと思います。

凶器は事前に準備して、「死ね、死ね、死ね」と言いながら刺して、34カ所も刺してる。
これで、殺意を否定するのは無理でしょ?
被告側としては、これ以上軽くなる要素は無いと思いますね。

一方で、検察側としては量刑を不服として、控訴する可能性が高いかな?

私としては、これまでもストーカー事件が数々起きていて、酷い事件もありました。
ストーカー事件全体の抑止効果を狙って、もう少し重い刑にしても良かったと思いますね。

参考リンク
東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その5(公判開始)

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2017/02/22

東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その5(公判開始)

初公判に先立ち昨年12月16日被害者の状況を代理人弁護士が記者会見している。
被害者は9月初旬に退院したが、現在も治療中。顔や首、手、腕に傷があり、今後、目立たないようにする手術を受ける予定との事。

被害者は、刺されたときの大量出血によって脳梗塞になり、左目の視野が狭まっている。また、右手の動きが悪く、右足の親指は動かない。
また、医師からは中度~強度のPTSDに該当するのではないかと言われているとの事。

被害者は「男の人がいると恐い、逃げられない空間が恐い」と話しており、付き添いなしでは公共交通機関を利用することができない状況との事。

今後の芸能活動については、「いまは、考えられる状況ではない」と話しているとの事。

2月20日、女性を殺害しようとした罪に問われた男の裁判員裁判が始まり、男は起訴内容を認めたとの事。

裁判は20日午前10時から始まり、被告(28)は上下黒のスーツ姿で、逮捕時よりもやせた印象で起訴内容を全面的に認めた。

被告は、芸能活動をしていた被害者の首や胸などをナイフで刺して殺害しようとした罪に問われている。裁判で、裁判長から起訴内容について「違っているところはありませんか」とたずねられると「いえ、ありません」と答えたとの事。

検察側は冒頭陳述で、「被害者に贈った腕時計と本3冊を返送されたことなどに恨みを募らせ、『死ねっ』と言いながら、被害者が動かなくなるまで刺し続けた。残忍性が高く、殺意は強固なものだった」と指摘したとの事。
弁護側は「計画的で強固な殺意はなく、突発的なものだった」と主張したとの事。

被告は被害者を何度も刺しながら、「死ね、死ね、死ね」と繰り返したと指摘されたが、表情を変えることはなかったとの事。

事件現場では最初に被害者の右腹部を刺した後、左腕を首に巻き付けさらに胸部を複数回刺したという。大量の出血で倒れ込んだ被害者の背中にさらに複数回ナイフを振り下ろしたと説明されたとの事。

弁護側は事件当日、駅で被害者を見つけて話し掛けたが無視され、衝動的に刺したと説明。自分で119番通報もしており「計画性はない」と訴えたが、ナイフは事件6日前に通信販売で購入していたとの事。

20日午後、「あと少しで死ぬところだった。犯人は許せない」などとする被害者の供述調書を検察官が読み上げたとの事。

調書で、被害者は被告(28)から結婚を迫られ、ブログに「ストーカー的志向です」と書き込まれたとし、「気持ち悪いから、怖いと感じるようになった」と恐怖を説明。事件で顔や全身に傷を負い、「生活が事件前と全く違うものになり、悔しくてたまりません」と訴えたとの事。

その上で、被告に対し「死んでしまってほしい。そうでないなら一生刑務所に入っていてほしい」と憤りをあらわにしたとの事。
他には「事件で顔に傷が残り、もう女優は無理だと思う。歌だけは奪われたくないと考え、リハビリを続けている。悔しくてたまらない」

被告は平成26年ごろに雑誌で被害者を知り、被害者が出演した舞台で花束などを贈るようになった。被害者のブログや短文投稿サイト「ツイッター」に頻繁にコメントを書き込んでいた上、舞台を終えた被害者に「付き合ってほしい」「結婚してほしい」などと話しかけていたとの事。

「プレゼントされた腕時計と本は所属事務所の方針もあって受け取ったが、気持ち悪かった。私は何度もはっきりと『交際や結婚は無理です』と意思表示をしたが、聞き入れなかった」との事。

 被告はその後も「諦めない。僕はしつこい」「憎んでほしい。愛している」「拉致監禁とか起こらないといいけど」「不必要なら本と時計を返してほしい」などとコメント。被害者は恐怖を感じ、所属事務所に届いた年賀状に記載されていた被告の自宅住所に時計と本を送り返した。警察にも相談し、対応した警視庁武蔵野署から「小金井市でのイベントの日を教えてほしい。何かあればすぐ駆けつけるから通報を」と伝えられていた。

事件当日、被告は駅で被害者を待ち伏せし、被害者の横を歩きながら「話がある」と述べた。被害者が「話はできない」と答え、通報しようとした瞬間、刺されたとの事。

被害者は「事件で普通の日常が全く変わってしまった。大好きだった演技や歌、ギターも後遺症で続けられるか分からない。出所したら今度こそ殺しにくるのではと思ってしまう。ずっと刑務所に入れておいてほしい」と結んだとの事。

21日の裁判では、犯行を目撃した女性が出廷し、「被告は常軌を逸していた」「野生の動物が獲物を仕留めているようにしか見えなかった」と当時の様子を証言したとの事。

午後から証人として出廷した被害者の母親は、リハビリについて、「娘は一生懸命ですが、『こんなの全然治らない』と泣いたり、傷を見ては悲しんでいます」と証言しました。被告に対しては「身勝手な言い分と行動で娘の心も体も傷だらけにされた」「娘はたまたま生き残っただけで殺人事件だと思っています」「娘が安心して暮らせるような判決をお願いしたいです」と涙ながらに訴えたとの事。

22日の裁判では、被告人質問が行われ、男は「プレゼントを返されて強い怒りを感じた」などと述べたとの事。
スーツ姿の被告は特に感情的になることもなく淡々とした口調で、女子大学生に対して、なぜ怒りや悲しみを抱くようになったのかを語った。

事件前の心情について「被害者のツイッターにコメントしても、僕だけ返信が来なかった」「プレゼントを送り返され、悲しみと怒りがわいた」と説明。事件前に購入したナイフを持っていた理由は「お守り。精神的な心の支えにするためだった」としたとの事。

被告は初めて被害者に会ったとき、「思ったよりも小さくてかわいいなと思った」と語った一方、プレゼントを送り返されたことについて、「すごく悲しい気持ちになった。強い怒りを感じた」と話したとの事。その後、被害者に会おうとした理由については、「自分の中でモヤモヤしていたので、ちゃんと話してふんぎりをつけたかった」と語った。

また犯行当日、被害者に声をかけ、対応してもらえなかったことについて「贈った本と腕時計を返送した理由を聞こうと思ったが、話を拒絶され、絶望や悲しみを感じて刺した」と語った。その上で、犯行当時、何を考えていたか問われると、「何も考えていない」などと答えたとの事。さらにナイフで刺した後、被害者に対し「生きたいの?生きたくないの?」と声をかけたなどと述べたとの事。

被告は被害者を刺した後、「生きたいの、生きたくないの」と問いかけ、「『生きたい』と答えたように思ったので助けたいと思い、119番をした」と当時の状況を話したとの事。

22日の被告人質問で被告は、被害者に対して「申し訳ない、しかない」と述べた。その一方で、「ナイフはお守りとして買った」「『死ね』などのブログの書き込みは自分に向けたものだった」と述べた上で、「殺すつもりはなかった」と、被害者に対する殺意を否定したとの事。

検察官から、初公判では殺意を持って刺したとする起訴内容を全面的に認めていたことを指摘されると「黙秘します」と答えたとの事。

こんなところですね。
まー毎度の事ながら、ストーカー事件の被告の証言と言うのは身勝手な物が多いですね。
今回、被害者が死亡していないので、殺人未遂での裁判になるわけですね。

殺人未遂とは殺害行為に着手したが相手が死ななかった場合である。相手が怪我をしたにとどまる場合は法条競合として傷害罪ではなく殺人未遂罪のみが成立する。
(Wikiより抜粋)
法定刑は殺人罪と同じ、「死刑又は無期懲役もしくは5年以上20年以下の懲役」。
実際には死刑は無いでしょうね。

なので、殺意が無いと殺人未遂にはならないと言うのがポイントですね。殺意が無いのであれば、傷害罪になるでしょう。
傷害罪だと法定刑は「十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」。

現行犯逮捕で逮捕時に「犯行を認めていた」ので、犯行事実を争うのは無理でしょうね。
他に、責任能力も問題ないようですから、あとは量刑で争う以外に方法は無いと言うのが弁護方針なんでしょうね。

で、量刑に関わる最重要なポイントが「殺意の有無」と言う事ですね。

まー、執拗に刺してますし、「死ね、死ね、死ね」と繰り返しながら刺している事、凶器の購入が6日前だった事などを考えると、「殺意が無い」と言う主張には大きな疑問が有りますね。
それに、初公判で殺意を認めていると言う指摘に対して「黙秘」ですからね。

結局は裁判が進むにつれ、保身と言うのが脳裏に浮かんでしまうんでしょうね。
これで、罪を認めて謝罪するなら、反省し出所後は更生すると思えるんでしょうが・・・これでは、被害者の言う「出所したら、今度こそ、殺しに来る」と言う疑念も仕方が無いと思いますね。

それにしても、こんな理不尽な事件が、もしかすると「自分」や「家族」に起きるかもしれないわけですから、ストーカー事件については、制度を強化する必要があるかもしれません。
最近の報道ではストーカーに対して、警察が治療を勧めたところ、6割超が拒否、受診したのは25%との報道がありますね。
もう少し強制を強める制度にしても良いような気がしますね。

公判の行方に注目しましょう。

***お知らせ***
この事件はこれまで、「ニュース」カテゴリで扱っていましたが、今回「ストーカー」カテゴリに変更しました。

参考リンク
東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その4(過去にも事件)
東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その6(一審判決)

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2017/01/31

長崎県長崎市三景台町ストーカー女性殺人事件

1月28日(土)午前11時45分ごろ、長崎市三景台町の市道で「女性が車の中で倒れている」と通行人から110番する事件が起きている。
軽乗用車の中で長崎県諫早市多良見町、女性(28)が腹部などを刺されて意識を失っていて、病院に搬送されたが死亡した。

女性は元夫の男性(30)からのストーカー被害を昨年11月に警察に訴えていた。
110番から約1時間後、現場近くに住む元夫が自宅で首をつった状態で見つかり、その後死亡が確認された。
元夫が事件に関係しているとみて調べている。

県警によると、女性は腹部などを複数回刺され、運転席に座っていた。
足元からは凶器とみられるナイフが見つかった。軽乗用車は女性の所有だった。元夫は自殺したとみているとの事。

女性は昨年11月28日、諫早署に「ストーカー被害を受けている」と相談。その後、女性と署員が面談や電話で複数回やりとりをしていた。最後に連絡を取ったのは1月中旬で、いずれも署員は女性から「異常はない」との報告を受けていたとの事。
県警は女性に被害を防ぐ対策を指導したほか、緊急時に迅速な対応ができるよう通信指令課のシステムに女性の情報や相談内容を登録したとの事。
同署は「定期的に連絡を取っており、被害者の意向を踏まえて適切に対応した」としている。

女性が発見された三景台町はJR長崎駅から南東に約3.5キロの住宅街。

長崎署によると、女性は発見当時、運転席に座った状態で、刺し傷は複数あった。
車内からはナイフが見つかった。

女性の元夫が自殺していた家の外に「人質あり、入るな」という張り紙があったとの事。

当時、現場の家からは女性と元夫との子ども1人が保護されていたとの事。

女性は事件当日、元夫との間に生まれた2歳の息子を会わせるために元夫宅を訪ねたとみられることも分かった。県警は女性が元夫宅に息子を預け、車で帰ろうとした際に何らかのトラブルになって車内で刺されたとみているとの事。

元夫宅の玄関付近には「人質がいる。入るな」といった趣旨の文言が書かれた張り紙があった。元夫は自宅で首をつって自殺しているのが見つかっており、県警は元夫が女性を殺害した後に自殺するまでの時間を稼ごうとしたとみているとの事。

司法解剖の結果、女性の遺体の刺し傷が二十数か所に上ることがわかりました。女性の死因は「失血死」でした。

また、第一発見者が車を見つけたとき、エンジンはかかったままの状態だったとの事。

女性が昨年11月に元夫(30)からのストーカー被害を県警諫早署に相談した際、「元夫から『会いたい』などと繰り返しメールが来る。自宅に押しかけてきそうだ」と話していたとの事。同署はストーカー規制法に基づいて元夫に警告できることを伝えたが、女性は「報復が怖い。とりあえず親族と相談する」と断ったとの事。

捜査関係者らによると、女性は昨年11月28日に諫早署にストーカー被害を相談。同署は警告を断られたため、元夫とは接触せず女性に被害防止対策などを指導したとの事。

時系列
2016年11月28日 諫早署にストーカー被害を相談
2017年
01月中旬 諫早署が女性に連絡を取るが、異常なし。
01月18日
遺体発見前 女性が子供を容疑者に預ける為に容疑者の自宅を訪問
11:45頃 遺体発見、通報。
13:00頃 近くの容疑者の自宅で容疑者が首をつっているを発見。

遺体は刺し傷が20箇所もあっては、殺意満々と言う事なんでしょうね。
いわゆる、「おまえを殺して俺も死ぬ」と言う破滅型の犯行ですね。

人生これで終わったわけでも無いでしょうに、なにがそこまで、容疑者を追い詰めてしまうんでしょうね。
容疑者だって30歳でしょ?これから、やり直しは十分できる年齢ですよね。

2歳の子供がいるってのに、子供の事は全く考えずに、子供から母親と父親を奪ってしまう。

元夫と言う事なので、離婚したのでしょうが離婚の理由も知りたいですね。
こいつ無しでは生きていけない?それほどまでに愛していたのなら、離婚の理由は無いと思うけど・・・

続報を待ちましょう。

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2016/05/29

東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その4(過去にも事件)

続報です。

1)容疑者(27)=殺人未遂容疑などで送検=とみられる人物が、滋賀県でも女性とトラブルになっていたとの事。

約3年前にも都内で別の女性が容疑者について警視庁に相談していたが、武蔵野署はいずれも把握できていなかった。同署が被害者の相談を警視庁本部と共有していれば、同種の問題を事前に確認できた可能性があるとの事。

滋賀県警などによると昨年12月、当時同県内在住の女性から、京都市在住の男についての相談が電話であったとの事。

後日、女性が警察署での面会を断ったため県警は捜査しなかったが、全国の都道府県警本部で閲覧できるシステムに男の名前などを登録していた。

武蔵野署は女性タレントの相談を「切迫性はない」と判断し、本部の専門部署「人身安全関連事案総合対策本部」に相談せず、警視庁は滋賀県警の相談を把握できなかった。

同署で相談を受けた担当者3人のうち、1人は対策本部出身の男性警部補だったとの事。

2)被害者の首の左側に深い刺し傷があるとの事。

3)容疑者はこの直前、「Tさんですか? お話できますか?」と被害者に声をかけたが、「急いでいるので」と返事され、犯行に及んだとの事。

4)容疑者(27)が、約3年前に当時10代でアイドル活動をしていた別の女性のブログに「殺すぞ」などと脅す書き込みをしたとして、警視庁万世橋署が脅迫などの疑いで捜査していたとの事。((2)の案件とは別件)

同署の担当者が相談内容を登録するシステムに容疑者の名前を入力することを失念し、女性タレントが刺されるまで、同容疑者が過去に同様の問題を起こしたことを把握できていなかった。登録内容は全ての警察署が見ることができ、約3年前の問題で名前が入力されていれば、女性タレントが武蔵野署に相談した際に対応が変わっていた可能性があるとの事。

捜査関係者によると、この女性はブログへの書き込みを万世橋署に相談。署が捜査した結果、容疑者が書き込んだと判明。何度か電話で呼び出したが、応じなかったという。その後書き込みが収まり、同署は立件を見送ったとの事。

システムには女性の名前や相談概要など最初に相談した時点の情報は登録されていたが、容疑者の名前は登録されていなかった。当時の担当者は「失念していた」と説明しているとの事。

5)被害者は首から大量に出血していて、現在も意識不明の重体です。
容疑者が「折りたたみナイフを事件直前に購入した」「ナイフはズボンの前側の左ポケットに入れて持ち歩いた」と供述しているとの事。

6)被害者がかけた110番の通話記録に「(会場へは)入れませんから」という本人の声が残っていたとの事。

直後に複数回の悲鳴も記録されており、警視庁は、被害者は地下のライブ会場に階段で下りようとした際、容疑者(27)(殺人未遂容疑などで送検)に襲われたとみている。

捜査関係者によると、容疑者は21日午後、JR武蔵小金井駅前で被害者を待ち伏せ。5時過ぎ、会場前の路上で被害者に「お話できますか」などと声をかけ、以前にプレゼントを送り返されたことを問いただそうとしたとの事。

こんなところですね。
警察の不手際がまたまた出てますね。
そのあたりは、検証結果を待ちたいと思います

過去にも同様の事件を起こしていたんですね。3年前ですか・・・
容疑者24歳の時ですね。この頃から鬱積した不満が渦巻いていたのかな?

実は犯行時の犯人の行動が微妙によく分かりません。
報道がイマイチはっきりしない印象です。
A)駅の近くで待ち伏せ
B)この後、被害者に声を掛けたのか?(ここで無視された?)
C)ライブ会場まで移動(被害者の後を付ける)
D)ライブ会場の前で口論になった。
E)被害者が通報したので、持っていたナイフで刺した。

続報を待ちましょう。

参考リンク
東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その3(警察のミス)
東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その5(公判開始)

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2016/05/26

東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その3(警察のミス)

続報です。

1)事件発生時に被害者から110番を受けた警視庁通信指令本部が、通報場所の位置情報を確認せず、武蔵野市にある被害者の自宅に警察官を向かわせていたことが分かった。
このため事件現場への到着が遅れた可能性がある。警視庁は手順にミスがあったことを認め、「位置情報の確認をすべきだった」としているとの事。

警視庁によると、被害者の相談を受けていた武蔵野署は、緊急時に迅速に対応するため今月20日、被害者の携帯電話番号を「110番緊急通報登録システム」に登録した。被害者は21日午後5時5分12秒に携帯電話で110番。通信指令本部がこれを受けたが、「助けて、きゃー」という悲鳴で会話にならず、担当者の呼びかけに応じなかった。通話状態は10分45秒にわたり続いたという。

この際、緊急通報登録システムの登録内容に基づき、通信指令本部に被害者の名前や武蔵野市にある自宅住所が表示された。同本部は武蔵野署に自宅に向かうよう指示。しかし、携帯電話の位置情報を手動で確認する作業を行わず、現場の場所は把握しなかったとの事。

今回のように110番の通報者が会話できない状態の場合、位置情報を確認することになっている。通信指令本部は「住所地が表示されたので、そこに確認に行かせることに集中してしまった」と釈明しているとの事。

容疑者は21日にJR武蔵小金井駅近くで被害者を待ち伏せし、午後5時過ぎに襲撃したとされる。被害者の110番から1分45秒後に、現場にいた目撃者から「男が女性の首を刺している」と110番があり、通信指令本部は小金井署に指令して現場に警察官を向かわせた。警察官が現場に到着したのは被害者の110番から約7分後の5時12分14秒だった。

今回の事態を受け警視庁は6月中にも、緊急通報登録システムに登録している電話番号から通報があった場合、自動的に位置情報が表示されるシステムを導入するとしているとの事。

2)容疑者(27)が「(犯行直前に)被害者がスマートフォンを取り出して耳に当てているのを見た」と供述していることが分かった。
被害者が110番通報していた可能性があり、警視庁小金井署は容疑者が通報を恐れ、襲いかかった疑いがあるとみて調べているとの事。

3)容疑者(27)の自宅から、被害者の写真11枚が押収されていたことがわかった。

4)容疑者(27)が「待ち伏せしていた駅で被害者を見かけ、声を掛けたが無視されたので、追いかけた」と供述している。

5)凶器の折りたたみナイフについて「インターネットで購入した」とも供述。

同署幹部によると、京都市右京区の容疑者宅からは、被害者がギターを持つ姿などの写真8枚のほか、被害者と容疑者が一緒に写った写真3枚も見つかった。

容疑者は被害者のライブ会場を度々訪れており、2人が一緒に写った写真は会場で撮影したとみられる。容疑者は被害者にファンレターも渡していたほか、今年1月17日のライブでは腕時計などをプレゼントしていた。

こんなところですね。
最初から襲うつもりで、待ち伏せて、凶器も用意していたわけだから、何もしなくても、襲われていたんでしょうが、通報されたので、その時点で襲うしかなくなったかな?

当日の時系列を見直すとこんな感じですね。
17時頃   JR武蔵小金井駅近くで被害者を待ち伏せ。
その後   被害者を見かけ、声を掛けたが無視されたので、追いかけた。
その後   ライブ会場建物付近で、被害者にプレゼントを返した理由を問い詰める。
      被害者が曖昧な返答をする。
17時5分12秒 被害者がスマフォで通報しようとした。
      (通報を受けた通信指令本部は発信者の位置確認をせずに、自宅へ急行指令を出す。)
直後    容疑者が持っていたナイフで襲う。
17時6分57秒 目撃者が女性が刺されていると通報。

何かあったら通報して欲しいと言うのが警察のアドバイスだったので、口論になったと言うか問い詰められた段階で通報しようとしたのは、言われた通りの対応ですね。
でも、駅で待ち伏せされていた事には、声を掛けられた段階で気付いているわけだから、歩きながらでも通報するとか、あるいは、ライブ会場側に男性に迎えに来てもらうように連絡するとかしていたら、状況は変わっていたかもしれませんね。

警察のミスもあったようですが、プロでも慌ててしまったんでしょうね。
多分、通報の直後に刺されていたなら、その状況の音声は通報を受けた担当者の耳には入っていたはずですから、今、正に凶行のライブ中継を聞いては、訓練された担当者も慌ててしまったんでしょうね。
システム的に改善できるのであれば、改善して欲しいですね。

参考リンク
東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その2(続報)
東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その4(過去にも事件)

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