2017/01/03

真犯人に告ぐ!

ASKAの事件簿のコメントでもこの本を推す声がありましたし、他にも世田谷事件を追う方がこの本を推してまして、一度は読んでみようと今回読んでみました。
実はこの本は世田谷事件についてのみ書かれた本ではなく取り上げている事件としては
1)世田谷一家殺害事件
2)金大中拉致事件
3)八王子スーパー3人射殺事件
4)「悪魔の詩」惨殺事件
5)3億円事件
6)井の頭公園バラバラ殺人事件
7)三陸ミステリー
8)徳島・自衛官変死事件
9)和歌山毒カレー事件
10)足利幼女連続殺人事件
11)国松長官狙撃事件
12)婚活不審死疑惑

と12の事件が扱われています。

で、世田谷事件については22ページが割かれています。
更に世田谷事件は2部構成で
第一章はみきおさんの両親の手記と言う感じですが、事件当日のみきおさんの父親の体験した記録となっていて、これは意外に興味深いです。
おなじように当日の体験を記録している入り江さんの本と併せて読むと、当日の警察の動きが相当、慌ただしかったのが読み取れますね。

第一章の最後に作家さんの事件の見立てが2ページほど書かれています。

第二章がこの本のメインイベントです。
他の世田谷事件の本との大きな違いは、この本ではニュースソースが明らかな点です。
この第二章では捜査本部が作成して全国の警察署に配布した「捜査資料」を下敷きにして書かれています。

これまで、私が世田谷事件を考える上で参考にした情報を信頼度順に分類すると
Sクラス:警視庁のHPに公開されている内容やビラ(PDF)ですね。
Aクラス:入り江さんの本(遺族としての記憶や事件当日の情報など)
Bクラス:その他の報道情報(ここが玉石混合なんですよね)

で今回のこの「真犯人に告ぐ!」が「捜査資料」を元に書かれているなら、Sクラスの情報と言えます。
遺体の発見時の状態のイラストなど大変参考になります。

一応ここに書かれた情報が警察の捜査資料である事のクロスチェックですが、この本に掲載されている2枚の写真(引き出しと浴槽の2枚)は別の報道チャネルからも報道されています。
2012年の年末情報でも捜査資料の流出情報として報道されていましたので、流出した捜査資料がある事は間違いなさそうですね。

この本の発行は2010年1月25日です。

今、話題の進入経路の断定された経緯などもありますので、世田谷一家殺害事件を考えてみようという方にはお勧めの一冊です。
世田谷事件以外でも、井の頭公園バラバラ事件、足利幼女連続殺人事件(北関東幼女連続誘拐殺人事件)、八王子スーパー3人射殺事件(八王子スーパーナンペイ事件)などASKAの事件簿で取り上げている事件も記載されています。

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2016/08/05

はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児

この本ですが、なにげに読んだ本としては、衝撃的でしたね。
障害にも重い軽いがあるのは知っていたのですが、現実にこんな問題があるとは思いませんでした。

健常児と障害児の境界に生まれた子供の中学入学までのドキュメンタリーですね。

日常生活に問題があるのに、療育手帳がもらえず、障害児として受け入れられないと言う子供と親の奮闘記です。

障害児に対する理解も必要だけど、この「はざまの子」にも理解が必要なんでしょうね。
社会の一員として誰もが知っておくべき問題だと思います。

読んでみて、教師なのに障害について理解してない人もいるんだなと言う事に気付かされました。あるいは、知っていて敢えてしらない振りをするポジショントークなのかもしれませんけど・・・

子供の教育や育児、障害児などに興味のある方にお勧めします。
それから、学校教育の関係者にもお勧めしたいですね。

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2016/05/27

愛着障害 子ども時代を引きずる人々

愛着障害と言う言葉は最近知りました。
あの、酒鬼薔薇事件の原因の一つとして犯人が愛着障害があったと言う報告書の報道をみた時です。
それで、いつかは関連する本を読んでみようと思っていました。

で、今回この本を読んでみました。
著者は岡田尊司さんです。岡田さんの本は以前に境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書) を読んだ事があり、本の作り方は同じで良い本だと思います。
今回の本のスタイルもこの境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書) と同じように、過去の文豪や有名人で該当するような人達の記録から、その人達の症状などを説明するスタイルです。

こんなに沢山、有名人がこの障害を持っていたと言うのはなかなか驚きですね。

大項目だけだすと
第一章 愛着障害と愛着スタイル
第二章 愛着障害が生まれる要因と背景
第三章 愛着障害の特性と病理
第四章 愛着スタイルを見分ける
第五章 愛着スタイルと対人関係、仕事、愛情
第六章 愛着障害の克服

こんな内容ですね。詳細は読んで自分自身で確認してください。
私がこの本を読んで、重要だと感じたのは、
1)愛着障害が生涯にわたり、本人の人生に影響を与える事。
  (三つ子の魂、百までと言う言葉に通じる物がありますね)

2)愛着障害が幼少期のある期間の愛着不足によって発生してしまう事。
  (だから、子育て、育児は大切なんだと再確認しました。)

他には、そもそも、愛着障害を研究する学問があると言う事を初めて知りました。
精神分析などの大きな流れの中の支流なんでしょうね。

で、もう一つは、以前からあるAC(アダルトチルドレン)の問題行動の原因とされる幼少期の漠然とした記憶のような物と言うのは、実は、愛着障害が原因なのではないか?と言う印象も持ちました。

これから、子育てする予定の人、現在、育児中の人にはお勧めですね。

だから育児は大切だと思える一冊です。

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2016/01/28

「あの日」 小保方晴子

あのSTAP細胞騒動の、小保方さんが手記を出したとの事。

とりあえず、まだ読んでないのですが、中古が出たら購入して読んでみようかと思っています。

ただ、ちょっと、科学者としての方向性を見失ってしまったのか?
それとも、今後の生活費の為なのかは不明ですが、どうも論点がずれているように見えます。

世紀の発見とされたSTAP細胞が結局、再現されず、理研の正式見解はES細胞の混入による物とされました。

科学者として、自己の主張が正しいと主張するなら、自ら再現して論文で発表すれば良いのだと思います。

あの騒動から2年も経つんですね。
騒動の震源地として、大騒ぎされたわけで、自分自身を冷静に見る事は当時は難しかったと思うんですよね。

でも、2年もたてば、ある程度、冷静に当時の自分や周囲の人を考える事ができる頃かと思うのですが・・・

その結果がこの手記と言う事になるようですね。

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2016/01/04

世田谷一家殺人事件 15年目の新事実

さて世田谷一家殺人事件関連の本としては最新の物になりますね。
早速読んでみました。(電子書籍版を読みました。)

超簡単に概要を説明すると、
前半部分はこの事件に関する捜査の経緯と情報の整理、まとめという部分です。
これまで、何冊かこの事件の本が出版されていますが、これまでで一番よくまとまっています。
このあたりは流石ですね。

残りの部分は著者が独自取材で突き止めた事件の全容が書かれています。
なので、実行犯も特定しています。

さて、この本を読んだ感想については・・・
そうですね、この本の評価は読んだ人、それぞれで考えて欲しいです。
私としては、購入しても損にはならない本だろうと言う事は言えるかな。

私の感想ですが、この本の楽しみ方は2種類あると思います。
一つ目は、不謹慎な言い方になってしまいますが、「世田谷一家殺人事件検定本」としての価値ですね。
前にも書きましたが、この本はよくまとまっています。一部には著者はもしかしてASKAの事件簿を読んでいるのでは?と思えるほど、共鳴、共感できる部分もあります。
一方でそうでない部分もあります。

私としては、先輩が後輩に対して、世田谷一家殺人事件の検定問題を作ったから、解いてみてよ。
と言った感じで受け止めています。
多分、読む人の知識レベルでこのあたりの評価が少しずつ違ってくると思います。

初心者は本の内容に飲まれてしまうかもしれませんね。
中級者になると、ははーここは違いますね。となるでしょうし。
上級者は違いがわかった上で、なるほどと思うと思います。(必ずしも肯定の意味ではない)

2つ目は、本の書き方、作り方はこうですって部分ですね。
なるほどなーと、思いました。

で、いろいろ書いてみましたが、この本の評価は、著者自身の独自取材で得た情報をどう評価するか?
によってかなり変わると思います。
この部分は、一般人ではクロスチェックできない部分です。

なので、読んだ人が自分自身で考えて、評価してもらうのが一番良いと思いますね。

で肝心の内容の是非ですが、当然、捜査本部もこの本を読んでますから、年内にこの本に沿って、事件の解決がされれば、良し、そうならなければ、そう言う事なんでしょうね。

私が唯一残念だったのは、指紋だけでなく、どうして血液型を確認してないのか?と言う点です。
DNAは比較サンプルが無いけど、血液型は公開されているので、それは確認できたんじゃないかな?と思うわけです。実際のサンプルが入手できなくても、何等かの書類、あるいは、両親の血液型から、A型が生まれるかの検証などもできたと思いますね。

他にも突っ込みたいところはあるけど、そのあたりは、各人にお任せします。

最後に、この本を薦めるわけでは無いですが、
このASKAの事件簿を読んでいる人なら、ツボにはまる人は意外に多いと思います。

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2015/07/22

絶歌その2(どうでも良い分析)

ふと、Aはこの本で何が書きたかったのか?と言うあたりが気になって、考えてみる事にしました。
で、とりあえず、「一番書きたい事に、ページ数を割いているはず」と言う事で、各章のページを数を調べてみました。

どちらかと言うと、ASKAの事件簿としては、あまり重要な記事では無いと思いますので、この記事は忘れてもらって良いと思います。
まー、私自身の備忘録的な記事ですね。
(書き終えてから、この記事に意味があったの自分自身で疑問に思っています。ページ数に意味があるのか?と言う事さえ疑問です。まったく見当違いかもしれませんね。)

絶歌 目次(数字はページ数)
第1部
名前を失くした日 9
夜泣き      3
生きるよすが   5
池        6
それぞれの儀式  6
ちぎれた錨    9
原罪      24 精通と動物虐待、猫虐待死の回想
断絶      18 97年の女児殺害と友人に対する暴力の回想
GOD LESS NIGHT 14
蒼白き時代    2
父の涙     16 父親の紹介とその回想
ニュータウンの天使 8
精神狩猟者(マインド・ハンター) 12
咆哮      15
審判       4

第2部(括弧内の数字は書かれた対象期間です)
ふたたび空の下  4(1ヶ月)
更生保護施設  15(半月)
ジンベイさんとイモジリさん(1ヶ月) 20
最終居住先   19(8ヶ月) 退院後の最終居住先の回想と感謝
旅立ち      8(7ヶ月)
新天地     18(2年4ヶ月) 最終居住先を出て、自分で知らない土地で新しい仕事を探した時の回想と、他の殺人犯の共感
流転       5(1年5ヶ月)
居場所     30(3年3ヶ月) 溶接工場への就職と退職するまでと兄弟について
ちっぽけな答え  7(3年)
道        4(1ヶ月)
被害者のご家族の皆様へ 7

で、こうやって見てみると
第1部で一番ページ数が多いのが「原罪」の24Pです。
この原罪はこの事件の原因とされる「未分化な性衝動と攻撃性の結合・・・」に対する、事実関係や自分なりの解釈を書いているので、ある意味、この本の目玉と言える部分ですから、ページが増えるのは仕方がない事だと思います。

しかし、ちょっと分からないのが2番目のページ数(18P)の「断絶」です。
この部分は97年の女児殺害の回想と事件直前の友人への暴力の回想が書かれています。
特に、殆どが友人への暴力の回想です。
暴力性を制御できなかったと言う「言い訳」なのかな?

そして、意外なのが、3番目のページ数(16P)の「父の涙」です。
これは、Aの父親の紹介とその回想です。
父親には相当、申し訳ないと思っているのかな?
(他のページで兄弟への謝罪の言葉もあります)

第2部で一番ページ数の多いのが「居場所」の30Pでこの本の中でも一番のページ数となっています。
経済的に追い詰められて、就職した溶接工場へ就職して退職するまでの回想と兄弟へ対する謝罪。
第2部は事件後にどんな生活をしたのか?と言う事を書くパートなわけで、その意味では、Aにとって、この溶接工場での出来事や生活が一番充実していたと言う事なのかな?
それに加えて、兄弟の紹介と謝罪の文章があるので、ページ数が増えてたのかもしれませんね。

2番目にページ数が多いのが19Pの「最終居住先」。
退院後に落ち着いた、最終居住先での出来事とその回想、お世話になった方への感謝が書かれています。

3番目にページ数が多いのが18Pの「新天地」。
最終居住先を出て、自分で知らない土地で新しい仕事を探した時の回想と、他の殺人犯の一部の共感が書かれています。

この第2部はどちらかと言うと、Aが退院後にこれまで歩んできた生活の日記的な物なんですよね。
その日記にAの家族や関係した人への感謝などを綴りながら、最終的な結論の「道」へと完結していく文章なので、特に意識した物では無いのかもしれない。

ただ、本を書こうと思った時に当然、結末と言うか結論的な物は考えたはずなので、そこへ向かう演出と言うか趣向はあったかもしれませんね。

そう考えるとどうしても、違和感があるのが「ちっぽけな答え」の7Pです。
「なぜ人を殺してはいけないのか?」の回答の部分がどうしても、引っかかります。

この「ちっぽけな答え」がAがこの一連の事件に対する「答え」のはずなのですが・・・
深読みすれば、そういう事なのか?と考えられなくもないけど・・・
その「答え」で良いの?って気もする。

Aは自分でこの本を読んでどう評価したのだろうか?

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2015/06/24

絶歌 神戸連続児童殺傷事件 元少年A

絶歌


神戸連続児童殺傷事件 元少年A

この本については、賛否両論ありますね。
遺族感情からすれば、こんな本を書くことは許されない事でしょうし、この本を読んでコメントを書くと言う事もしない方が良いのかもしれないとも思います。

ただ、このASKAの事件簿はその記事の内容の殆どが殺人事件であり、件の神戸連続児童殺傷事件の少年Aと同様に少年の起こした殺人事件についても、沢山の記事を書いています。
その上、この神戸連続児童殺傷事件を日本で起きた数少ない快楽殺人事件として、何度も紹介していたりします。

そういった意味では、あまり意識した事は無いのですが、ASKAの事件簿は殺人事件の専門サイトのようになっています。
なので、このASKAの事件簿でこの本「絶歌」に対して書くコメントは他の一般サイトが書く事とは少し、意味合いが違うのかな?と思う訳です。

むしろASKAの事件簿としては、読んでコメントを書くべきだろうと思いました。

それでは、本題に入りましょう。
まず、この「絶歌」を読んだ感想ですが、どうも事件を起こした事への言い訳のように見えます。
2部構成の第一部は事件を起こした事への言い訳に見えますし、第二部はこの本を書くことへの言い訳に見えます。

ただ、最後まで読むと、言い訳だけでは無いと言う事にも気づきます。

まず、「言い訳」に感じる理由ですが、それは、文章の書き方に問題あるように思います。
文章の中に沢山の引用がちりばめられているし、難しい言葉を使った部分もあります。
一見して小説のような書き方にも見える部分がある。

それらが、「借り物の言葉」に見えてしまう為に「言い訳」に見えてしまうのだろうと思います。
しかし、この書き方は本人の性格による物なのだろうと言う事は、本を最後まで読むと理解できると思います。

Aは「凝り性」で気に入った事に対して、マニアックなまでに入れ込む事が多いようです。この本を書くにあたり、今まで自分が読んだ本の知識を総動員し、さらに、自分の考えを補足、補強するような文章をあちこちから探して、この本を書いたのでしょう。

その結果がこの本の構成になっているのだと思います。

文章の表面だけみると「美化」しているように見えるのも同じ理由だと思います。

そのあたりを踏まえて、内容だけを見るとやはり、後悔と言う言葉が本全体のベースにあると思います。

第一部は事件当時の記憶や幼少期の記憶を書いています。
Aにとって自分に都合の良い事だけを書く事もできたでしょうが、人間として否定されかねないような事も正直に書いていると思います。
私の知らない事実も書かれていて、一般人が知らないような事も書いているのは、ありのままを書こうとする真摯な態度のように見えます。

(意外かもしれませんが、私はこの事件については、報道された内容、Wikiを斜め読みした程度の知識しかありません)

しかし、その一方でこの文章には「毒」があります。およそ弱い毒ですが、子供には影響があるかもしれませんので、未成年者はこの第一部は読まない方が良いかもしれませんね。

第二部は少年院を退院後の生活について書いています。
退院後にこんな生活をしていましたと言う事、その間に社会や事件について感じたことを書いています。
事件についてどう向き合うべきか、自分はどうあるべきかと言うところへたどり着くまでが書かれている感じです。
ただ、この本を書く理由の部分や、「どうして人を殺してはいけないのか?」の回答については、ちょっと微妙ですね。

事件について「向き合う」事はできている。その結果、反省もしているのだけど・・・
本文の中では「人を殺してはいけない理由」が結局、自分自身の不利益としか回答を見つけられない点で、まだ「十分に事件と向き合えていない」と言う印象でした。
しかし、最後の被害者遺族へ向けての文章の中ではちゃんと答えにたどり着いているので、このあたりのギャップは少し違和感のあるところですね。

そして、この本を書くことの理由が自己救済とあり、結局は自分の視点から抜けきらないのか?と言うのも疑問のあるところです。

そして、最後に自分がこれから生きていく事の宣言をするわけなのですが、「自分が生きてきた事の証を残す」的な部分はどうなんだろう?と思います。
これは、これからのAの生き方を見ていくしかないのだろうと思います。

その他に気付いた点として、この事件が起きた理由なのですが、幼少期の回想部分を拾っていくと、小学校の低学年の頃から、Aは暴力的です。およそ、無抵抗の相手に暴力を振るっています。
一つ下の弟に対しても、暴力やプラモデルを壊すなどの嫌がらせを日常的に行っていて、弟が「Aはどうして自分の事が嫌いなの?」聞くほどです。二つ下の弟に対しても、エアガンで撃ったりしてます。
さらに、事件当時には日常的にタバコも吸うような状態で、問題行動が目立ちます。

両親や周囲の人間はこのAの問題行動については、どう考えていたのだろうか?と・・・
事件の原因は性的興奮に結びついたサディスティックなメンタルの部分だと思われるのだけど、もし、この問題行動に対して何らかのケアを行っていたら、もしかしたら、ここまでメンタルの問題は悪化する事はなく、事件は起きなかったのではないか?と考えたりしてしまいます。

それからこの本、自体についてですが、事件が起きたのが1997年、この本を書き始めたのが多分、2013年頃だと思います。(溶接工を辞めてから自分の物語を書きたいと思うようになったと本文中で記載があります)
なので、事件から16年を過ぎてから書き始めた事になります。
本文中でも、記憶の断片をつなぎ合わせて、と書いています。

人間の記憶はいい加減な物で、無意識に改竄されたりする事があります。
さらに、出版にあたり、出版社側の要望などもあったかもしれません。

特に、事件当時、Aがどう考えていたのか?どう感じていたのか?は本人にしか分からない事です。
なので、この本に書かれている事が全て正しいか?と言う部分はわからないんですよね。
文章の書き方の問題もありますが、無意識の美化や脚色などの疑いは残ります。

そのあたりは、読んだ人間が自分で考えたり、感じるしかないと思います。

最後に、贖罪とは何なのか?と言う疑問の答えはA自身が自分で見つけるしかないと思います。
ただ、一つ心配なのは、Aが極端に人とのコミュニケーションを避けている事です。
それで、果たして正しい答えにたどり着けるのか?が心配ですね。
(実際には事件の後遺症で対人恐怖症的な部分もあるかと思います)
結局、独りよがりな、自己満足になってしまわないか?と言うのが気になります。

それから、余談ですが、この本についてTVのワイドショーなどでも、取り上げているのを見ましたが、コメンテーターの人って実際に本は読まないでコメントしてるの?と思いました。

参考リンク
反省させると犯罪者になります
あなたの中の異常心理
少年犯罪の深層・・・家裁調査官の視点から
怪しいPTSD 偽りの記憶事件
悪魔のささやき
少女たちの迷走-児童自立支援施設からの出発
心理学化する社会

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2015/01/04

世田谷一家殺害事件再考その130(世田谷事件・喪失と再生の物語)

この悲しみの意味を知ることができるなら―世田谷事件・喪失と再生の物語

この事件を調べている人ならこの本の事は一度は聞いた事があると思います。
この事件の被害者の宮澤泰子さんの実姉で、事件当時、隣家に滞在していた入江杏さんの本です。

簡単に内容を紹介するとサブタイトルの通り、前半が事件で妹を亡くした時の経緯が入江さんの主観で書かれています。
そして後半が事件後、入江さん一家が立ち直るまでの経緯が入江さんの主観で書かれています。

主観で書かれていると書きましたが、事件の経緯については、捜査本部の聞き取りの内容のメモを元にしており、時間経過による記憶の改変の可能性はほぼ無いと考えて良いでしょう。

この事件の報道で沢山の情報がでていますが、私が思うにこれらの情報の内、3割程度の情報は誤報か誤報ではないが、間違ったニュアンスで報道されている情報だと考えています。
個別の情報は間違っていないが、他の情報との関係が伝えられていない為、受け取る側が情報と情報の関連を間違った推測で関連付けてしまっているような場合もありますね。

なので、この事件の情報をランク付けするなら
あ)警視庁のHPに掲載されている情報は確度Sランク、まず、間違いないでしょう。

い)関係者や付近住民の一次情報、確度ランクA、かなり信頼性が高い情報、入江さんのこの本はこれに該当

う)その他の報道情報、確度ランクB、誤報や誤認を含んでいる可能性が疑われます。

え)その他の噂等、確度ランクC、基本的に根拠が無い物で信用できない物がほとんどでしょうね。

入江さんのこの本は事件の資料としての価値は上述したように、Aランクです。
なので、この事件を調べようとか、推理しようとか思う人には一読をおすすめします。
この本の信憑性を疑う人もいるかもしれませんが、入江さんは、捜査関係者と犯人以外で現場に入った4人の人間の内の一人で、さらに、事件当時、隣家に滞在した被害者の実姉です。

つまり、捜査上の秘密を知る人物なので、当然、捜査本部から堅く口止めされているはずです。
その為、出版前に捜査本部が内容のチェックを行っていると私は考えています。
うっかり、捜査上の秘密を暴露されると困りますからね。
実際には、それに該当するような箇所も幾つかあると思うのですが・・・

あるいは、出版前に確認はされてなくても、出版後には確認しているでしょう。
事情聴取の内容と記載内容に齟齬は無かったと言う事でしょうね。

それでは、私が気づいた事件についての情報は最後にして、私の感想を書くと
この本は、多分、誰かに読んでもらう為に書いた物では無いと思います。後書きで入江さん本人も書いてますが、これは入江さん自身が悲しみを克服する為に書いた治療方法の一つなのだろうと私は解釈しています。

この為、自分の感情とか考え方などを自分の言葉で説明しているのですが、外国生活が長かったせいか、英語の言葉で説明しているのが特色でしょうね。
その他にも、いろいろと、引用や下敷きにして説明しています。

正直なところ、この本を興味をもって読める人と言うのはかなり限られると思います。
A)世田谷事件の資料として読む人
B)犯罪被害者や遺族の事を知りたいと思う人や支援したいと思う人
C)同じ犯罪被害者遺族の方
このぐらいかなと思います。

さて、それでは、内容について私が気づいた点を列挙しておきます。
詳細は本を購入して自分で確認してください。
1)事件通報時刻が午前10時50分頃(時刻情報は一度検証したいところですね)

2)入江さん宅にも車があった。(駐車場所が気になる)

3)宮澤さん一家の移転が遅れていたのは、礼君の事を考えての事だった。

4)午後6時半には宮澤さんの車は家に無かった。

5)みきおさんの趣味が写真

6)入江さん夫婦は耳栓をして寝るのが習慣

7)みきおさんは12月は仕事でずっと遅かった。

8)通報からパトカー到着まで10分足らず。救急車はそれより早く到着?

9)宮澤さん一家は経済的には楽ではなかった。

10)宮澤さん宅の設計はみきおさんだった。

11)1階にはPCが2台あった。

12)ライカのカメラのコレクションがあった。

13)現場は寒かった。

14)第一発見者の祖母は10分たらずの間に遺体全部を確認した。

15)ロフトの天井は低かった。

16)みきおさんは帰路にタクシーを使う事も多かった。

17)事情聴取で使われたのはポラロイドカメラで撮影された遺留品の写真だった。

18)元塾生が密葬に訪ねてきた(以前事件簿で記事にした元塾生の日記の裏付けがとれた)

19)泰子さんは事件前に公園に常夜灯の設置を求めていた。

20)入江さんは事件後にトラブルになるような事は無かったか調べていた。

21)入江さんはアートフラワーの教室も開いていた。

22)宮澤さん一家は礼君を連れての外泊や外出、外食を積極的に行っているように見える。

他にも幾つかありますが、詳細は別途記事にしたいと思います。

今、私はこの本をもっと早く読むべきだったと後悔しています。
この本が出版された事は知っていたのですが、多分、事件情報は捜査上の秘密として口止めされていて、それほど記述されていないと、勝手に思い込んでいました。

この本の情報を元に幾つかの点について再度、考えなおしてみる予定です。

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2013/11/28

反省させると犯罪者になります

反省させると犯罪者になります (新潮新書)

ネットで広告をみて、そのタイトルに惹かれて新刊で購入してしまいました。
良い本だと思います。子育て中の人、学校の教師(特に生活指導の先生)、管理職などにお勧めだと思います。

著者が受刑者の更生に関わる仕事をしている中で、反省させる事が実は、本当の反省になっておらず、逆に更に悪くしてしまうと言う事を分かりやすく書かれています。

目次
第1章 それは本当に反省ですか?

第2章 「反省文」は抑圧を生む危ない方法

第3章 被害者の心情を考えさせると逆効果

第4章 頑張る「しつけ」が犯罪者をつくる

第5章 我が子と自分を犯罪者にしないために

私も色々な本を読みましたが、結局、心の問題はその本質的な問題に、正面から向き合う事が、最終的に大切な事だと言うのが結論のように思います。

昔から行われてきた「反省させる為に反省文を書かせる」事が実は、心の問題に正面から向き合う事にはならない。
その結果、表面上、反省しているように見えるが、実際にはもっと悪くしている事が多いと言う現実を教えてくれます。

さらに、厳しい「しつけ」にも問題があると言う事も書かれています。

正しく、反省させる方法、あるいは反省に導く為の方法には、私も賛成ですね。
ただ、「しつけ」についてはちょっと異論がある所です。
この本では本人が「しんどい」と思うなら、「しつけ」も問題があると言っているのですが、私は別の本で書かれていた「子育ては文化の伝承」と言うのも大切なんだろうと考えています。

「しつけ」とは「文化」なんだと思います。
もちろん、本人が負担に思うほどの厳しい「しつけ」は問題があると思うのですが、やはり、最低限の「しつけ」は必要なんだろうと思います。

この著者もその事は分かっていると思いますが、子供一人一人で感じ方は違うので、子供に合わせて臨機応変な対応が必要なんでしょうね。

この本を読んで良かったと思うのは、「反省する」と言う事の奥の深さを教えてくれた事ですね。
そして、犯罪者の視点で考える事の重要さを教えてくれました。
ASKAの事件簿は「なぜ犯人はそれを行ったのか?」と言う理由を考えるのがメインで、犯罪者の視点で考える事が多いので大変、参考になりました。

最後に、この本の内容を実践しようとすると、学校の先生とか、家族の中でも意見の対立が起きてしまうかもしれないと言うのが不安な所ですね。特に旧態依然とした先生だと、やはり「反省文」と言うのが当たり前となっていて、対立しそうですね。

そうならない為にも、この本を沢山の人に読んで欲しいと思います。

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2013/08/07

少女たちの迷走-児童自立支援施設からの出発

少女たちの迷走―児童自立支援施設からの出発

以前、他の本と一緒に古本屋で見つけた本で暫く机に積んで読む順番を待っていた本です。
今回、急遽順番を飛ばして読んでみました。

順番を飛ばした理由はあの広島県広島市東区16歳少女殺人事件を考える為です。

内容は
児童自立支援施設に入園してそこから、自立した2人の少女の実話です。
家庭の事情や事件を起こして児童相談所経由などで入園した2人の少女が迷い、悩みながら自立していく過程が寮長の日記風にまとめられています。

目次
1)児童自立支援施設での私たちの歩み

2)落ち着かぬ日々(昌子の歩み)

3)揺れ動く心(朝子の歩み)

4)社会的な子育て支援を
 1)問われる養護の形態と内容
 2)思春期への対応
 3)自立への支援
 4)子育て支援

資料としては
1)少年事件(この18年)
2)児童相談所における児童虐待相談処理件数(厚生省)
3)平成11年社会福祉施設等調査の概要(厚生省)
4)全国里親委託数の推移(厚生省)

初版発行が2001年ですから、もう12年前になりますが、子供を取り巻く家庭の問題は基本的に変わっていないでしょう。

やはり、読んでみて実際に複雑な家庭環境で問題行動を起こして児童自立支援施設に入ってしまうのは、子供本人の問題ではなくて、大人の側の問題なのだろうと思いました。

その点は「4)社会的な子育て支援を」で筆者が語っています。

子供にとって教育は大切だし、そして家庭も大切だと言う事が良く分かりました。

気になる点をメモしておくと(本書より引用)
平成10年に児童福祉法が改正され教護院は児童自立支援施設と名称を改め、対象も従来の「不良行為をなし、又はなすおそれのある児童」のほかに「家庭環境その他の環境上の理由により生活指導を要する児童」にまで拡大された。(児童福祉法第44条)

施設入所の経路は二つ
・児童相談所の措置で入所する(保護者の同意が必要)
・少年審判において保護処分を言い渡された少年が児童相談所経由で入所する

児童養護施設と児童自立支援施設は違う
養護施設は一般の学校に通学するが、自立支援施設は義務教育までは施設内で行われる。

こんな人にお勧めです。
・これから子供を育てる人
・子供の非行などに困っている人(親や教師など)
この本を読むと、非行少年少女の見方が変わるかもしれませんね。
特に「4)社会的な子育て支援を」は必見です。

別件でちょっと疑問なのがあの、広島県広島市東区16歳少女殺人事件の少女Aは16歳で生活保護を受けてアパートを借りて住んでいたのですが・・・
「家庭環境その他の環境上の理由により生活指導を要する児童」に該当しそうな気がしますが、入所の話は出なかったのだろうか?あるいは検討されたが親が同意しなかったのかな?

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