2023/01/01

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。 (コミック版全3巻)


最近、専門書以外を読んでないなと思いつつ、ちょっと何か読む物ないかな?と思って見つけたのがこの本です。
原作は小説なのですが、哲学の本を活字で読むのはちょっとなと思い、コミックにしてみました。

原作小説を読んでないですが、哲学の初歩を学ぶには、分かりやすく気楽に読めるのが良かったです。

事件簿で数々の理不尽な事件を見てきたけれど、自暴自棄になってしまう人の人生には何が足りないのか?と疑問に思っていました。

その答えの一つが「哲学」にあるかもしれないと思っています。

とりあえず、登場する哲学者としては以下の5人ですね。

1)ニーチェ
2)キルケゴール
3)ショーペンハウアー
4)サルトル
5)マルティン・ハイデガー

この本を読んで、私自身、漠然と考えていた人生について、少し考えるようになりました。
そして人生の残り時間を意識するようになりましたね。

こちらはKindle用のリンクです。紙の本を購入する場合は注意してください。

原作小説はこちら

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2021/02/28

サイコパス

 

いつものように書店でタイトル買いして、そのまま、半年以上、枕元に積んで置いた本です。
これまでも、サイコパスを含めて、メンタル医療的な本は何冊か読んでいましたが、サイコパスが脳科学的に説明される時代になった事にちょっと驚きました。

目次
はじめに 脳科学が明らかにする「あなたの隣のサイコパス」
第1章 サイコパスの心理的・身体的特徴
 1)サイコパス事件簿
 2)サイコパスの心理的・身体的特徴とわ?
第2章 サイコパスの脳
 1)サイコパスの脳の知覚能力、学習能力
 2)「勝ち組サイコパス」と「負け組サイコパス」
第3章 サイコパスはいかにして発見されいたか
第4章 サイコパスと進化
第5章 現代に生きるサイコパス
第6章 サイコパスかもしれないあなたへ

第1章は過去にサイコパスが起こした事件の簡単な紹介ですね。
サイコパスを書いた本なら必ず書かれる部分です。

で第2章がサイコパスを脳科学的に説明した部分
医療の発展によってこんな事までわかるようになったのかと、驚きました。

そして、3,4,5,6章へと続きます。

この本の良いところは、サイコパスを科学者の目で捉えているところかなと思います。
(著者の中野信子さんは脳科学者なんですね)
サイコパスが必ずしも事件を起こす人間ばかりでは無い、それぞれで輝ける場所があると書いています。

サイコパスが起こした事件の詳細を解説するような本では無いので、事件簿の読者の中には物足りないと思う人もいるかもしれません。
ただ、そういった事件の記録を一通り読み終えて、サイコパスについて広い視野で考えたいと言う人にはお勧めです。

年末の世田谷事件の特番の中で犯人を「サイコパス」と疑う精神科医の証言があったので、参考になりました。

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2019/03/26

加害者家族

時々、ストレスのせいか無性に本が読みたくなって、衝動的に書店に行くことがあります。
この本はその時、購入した本の1冊です。

 

これまでも、事件についての本は沢山読みましたが、加害者家族に焦点を当てた本はありませんでした。
それで、興味を持って読んでみたのですが・・・
この本は、ブログや掲示板などで、事件の記事を書いたり話題を書いたりするような人には、是非読んで欲しい本ですね。

もちろん、それ以外の一般人にも是非読んで欲しい本です。

目次
第一章 しあわせな家庭が、ある日突然崩壊した
第二章 加害者家族の顛末
第三章 インターネットの暴走
第四章 加害者家族をとりまく社会
第5章 加害者家族にとって必要なこと

大項目でこのような目次になります。
各章には具体的な事件の例が多数記載されています。
誰もが聞いた事のある有名な事件についても書かれていて、そうだったのか、と思いました。

まー、これまでの事件報道などもみていましたから、加害者家族がどうなるのか?と言うのはある程度、想像する部分はありました。でも、実際には想像を超えるほどの逆境にいる事がわかりました。

これが、凶悪な殺人事件ならわかるけど、轢逃げ交通事故などでも、追い詰められて心中してしまう家族がいると言うのにも驚きです。

他にも、冤罪に対するマスコミの罪、そしてネットの罪がありますね。
加害者家族へのバッシングのみならず、被害者遺族へのバッシングまでも行われてしまう。

文中で「民度」と言う言葉が出てくる部分がありますが、日本はまだまだ、文化的に未熟な部分があるのかもしれませんね。

文中で「加害者家族への支援やフォローは必要無い」と言う意見が多い事も書かれていましたが、私の意見としては、誰かを追い詰めた結果、新たな事件を起こさない為にも、フォローや支援は必要だろうと思いました。

記事を書くのが怖くなる。そんな一冊です。
と同時に、ASKAの事件簿の当初から貫いている、匿名報道は間違いでは無かったと思う一冊でもあります。

実際、ASKAの事件簿を初め、多くの事件系のブログやまとめサイトがありますが、報道されるのは、事件の判決まで、多くても死刑執行までです。
その裏で加害者家族がどうやって賠償したのか?なんて事は表にでる事はほとんどありません。
報道もされないから仕方が無いですが・・・
その意味で、もっと事件ルポやドキュメンタリーを読むようにしたいと思う一冊でした。

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2017/10/14

凶刃-ああ、我が子・真木人は精神障害者に刺し殺された!!

2005年12月6日に28歳で精神障害者に殺害された男性のご遺族一家が書いた、事件の手記ですね。
コメントで紹介いただきまして、実際、精神障害者に殺害された場合、どんな状況になるのか?そのあたりの事が知りたくて読んでみました。

目次
序章
第一章 怒りと悲しみの四十九日
第二章 彼には殺意の意志があった
第三章 真木人の早すぎた28年
第四章 社会的正義を求めて
第五章 精神障害者を巡る環境
参考 新聞報道からみる***病院の責任(病院名は伏せました)
あとがき

といった構成です。
序章と第一章は事件の経緯が書かれています。
第三章は遺族の被害者への思いを文章にした物ですね。

第二章、第四章、第五章が精神障害者に家族を殺された場合の理不尽と思える社会の仕組みや、社会に対する提言となっています。

著者は被害者のお父様とお母様の連名となっておりますが、お父様が中心となって筆を進めているようですね。
事件発生が12月、明けて2月に発行、後書きの日付は1月29日です。
事件から2、3ヶ月でこれだけの文章を書かれているのには驚きました。
もともとが優秀なご夫婦のようですが、最愛の息子が理不尽に殺害された直後に、これだけ抑制された文章を書けるのは、相当な精神力と知性のなせる技としか思えません。

私も「ASKAの事件簿」で、何件も精神障害者による事件を書いているので、多少なりとも予備知識はあると思っていましたが、実際の体験者の話を聞くと、そこまで何も無かった事になるの?と驚く事がありますね。

刑事責任能力が無いので、刑事罰は無し、その上、賠償責任も無しと言うか賠償請求できない、遺族が受け取れるのは犯罪被害者給付金だけと言うのも、驚きです。さらに、犯人の入院していた病院からの謝罪もなしとか・・・他にも、遺族として納得のいかない事など、詳細に書かれています。

この本に書かれている提言の中で、抜けているかも?と思われるのが「心神喪失者等医療観察法」です。
2005年7月15日に施行です。事件前に施行されていますから、急いで書いたので、調べきれなかったのかもしれませんね。
194ページの「改正してほしいこと」の中に「触法精神精神障害者の入退院の判断に裁判所が関与してほしい」と言うのは「心神喪失者等医療観察法」で規定されていたと思います。
(もしかすると、著者の求める提言と意味あいが違う可能性はあります。著者は犯人を治療後に裁判を受けさせて欲しいと主張されていますね)

この本をこんな人にお勧めします。
1)精神障害者による殺人事件で、事件後にどんな事が起こるのか?を知りたい人
2)刑法第39条に興味のある人

事件のドキュメンタリーやルポを期待している人には、お勧めできません。
犯人が精神障害者の為、犯人自身の情報がほぼ欠落している為、通常の事件ルポやドキュメンタリーのような情報がありません。

で、調べてみたら、この事件のその後がわかりました。
2006年2月末、犯人の起訴が決まり、同年6月懲役25年の判決が下されました。
(この本の出版社の追跡レポートのページがあります。参考リンクを参照願います)

参考リンク
「凶刃」のその後(出版社の追跡レポート)
39条と心神喪失者等医療観察法(ASKAの事件簿のページ)
累犯障害者 獄の中の不条理(加害者よりも被害者になるケースが多いかも)
精神科ER 緊急救命室(病院関係者も危険と隣り合わせです)
救急精神病棟(精神医療の現場の取り組みと日本精神医療の問題点)
2010年の本で7年経過してますが、当時の精神医療の問題点とそれに取り組む現場の医療関係者の取り組みと言うあたりでしょうか、凶刃で訴えられている、精神医療の問題点についての提言などもあったと思います)

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2017/01/03

真犯人に告ぐ!

ASKAの事件簿のコメントでもこの本を推す声がありましたし、他にも世田谷事件を追う方がこの本を推してまして、一度は読んでみようと今回読んでみました。
実はこの本は世田谷事件についてのみ書かれた本ではなく取り上げている事件としては
1)世田谷一家殺害事件
2)金大中拉致事件
3)八王子スーパー3人射殺事件
4)「悪魔の詩」惨殺事件
5)3億円事件
6)井の頭公園バラバラ殺人事件
7)三陸ミステリー
8)徳島・自衛官変死事件
9)和歌山毒カレー事件
10)足利幼女連続殺人事件
11)国松長官狙撃事件
12)婚活不審死疑惑

と12の事件が扱われています。

で、世田谷事件については22ページが割かれています。
更に世田谷事件は2部構成で
第一章はみきおさんの両親の手記と言う感じですが、事件当日のみきおさんの父親の体験した記録となっていて、これは意外に興味深いです。
おなじように当日の体験を記録している入り江さんの本と併せて読むと、当日の警察の動きが相当、慌ただしかったのが読み取れますね。

第一章の最後に作家さんの事件の見立てが2ページほど書かれています。

第二章がこの本のメインイベントです。
他の世田谷事件の本との大きな違いは、この本ではニュースソースが明らかな点です。
この第二章では捜査本部が作成して全国の警察署に配布した「捜査資料」を下敷きにして書かれています。

これまで、私が世田谷事件を考える上で参考にした情報を信頼度順に分類すると
Sクラス:警視庁のHPに公開されている内容やビラ(PDF)ですね。
Aクラス:入り江さんの本(遺族としての記憶や事件当日の情報など)
Bクラス:その他の報道情報(ここが玉石混合なんですよね)

で今回のこの「真犯人に告ぐ!」が「捜査資料」を元に書かれているなら、Sクラスの情報と言えます。
遺体の発見時の状態のイラストなど大変参考になります。

一応ここに書かれた情報が警察の捜査資料である事のクロスチェックですが、この本に掲載されている2枚の写真(引き出しと浴槽の2枚)は別の報道チャネルからも報道されています。
2012年の年末情報でも捜査資料の流出情報として報道されていましたので、流出した捜査資料がある事は間違いなさそうですね。

この本の発行は2010年1月25日です。

今、話題の進入経路の断定された経緯などもありますので、世田谷一家殺害事件を考えてみようという方にはお勧めの一冊です。
世田谷事件以外でも、井の頭公園バラバラ事件、足利幼女連続殺人事件(北関東幼女連続誘拐殺人事件)、八王子スーパー3人射殺事件(八王子スーパーナンペイ事件)などASKAの事件簿で取り上げている事件も記載されています。

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2016/08/05

はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児

この本ですが、なにげに読んだ本としては、衝撃的でしたね。
障害にも重い軽いがあるのは知っていたのですが、現実にこんな問題があるとは思いませんでした。

健常児と障害児の境界に生まれた子供の中学入学までのドキュメンタリーですね。

日常生活に問題があるのに、療育手帳がもらえず、障害児として受け入れられないと言う子供と親の奮闘記です。

障害児に対する理解も必要だけど、この「はざまの子」にも理解が必要なんでしょうね。
社会の一員として誰もが知っておくべき問題だと思います。

読んでみて、教師なのに障害について理解してない人もいるんだなと言う事に気付かされました。あるいは、知っていて敢えてしらない振りをするポジショントークなのかもしれませんけど・・・

子供の教育や育児、障害児などに興味のある方にお勧めします。
それから、学校教育の関係者にもお勧めしたいですね。

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2016/05/27

愛着障害 子ども時代を引きずる人々

愛着障害と言う言葉は最近知りました。
あの、酒鬼薔薇事件の原因の一つとして犯人が愛着障害があったと言う報告書の報道をみた時です。
それで、いつかは関連する本を読んでみようと思っていました。

で、今回この本を読んでみました。
著者は岡田尊司さんです。岡田さんの本は以前に境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書) を読んだ事があり、本の作り方は同じで良い本だと思います。
今回の本のスタイルもこの境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書) と同じように、過去の文豪や有名人で該当するような人達の記録から、その人達の症状などを説明するスタイルです。

こんなに沢山、有名人がこの障害を持っていたと言うのはなかなか驚きですね。

大項目だけだすと
第一章 愛着障害と愛着スタイル
第二章 愛着障害が生まれる要因と背景
第三章 愛着障害の特性と病理
第四章 愛着スタイルを見分ける
第五章 愛着スタイルと対人関係、仕事、愛情
第六章 愛着障害の克服

こんな内容ですね。詳細は読んで自分自身で確認してください。
私がこの本を読んで、重要だと感じたのは、
1)愛着障害が生涯にわたり、本人の人生に影響を与える事。
  (三つ子の魂、百までと言う言葉に通じる物がありますね)

2)愛着障害が幼少期のある期間の愛着不足によって発生してしまう事。
  (だから、子育て、育児は大切なんだと再確認しました。)

他には、そもそも、愛着障害を研究する学問があると言う事を初めて知りました。
精神分析などの大きな流れの中の支流なんでしょうね。

で、もう一つは、以前からあるAC(アダルトチルドレン)の問題行動の原因とされる幼少期の漠然とした記憶のような物と言うのは、実は、愛着障害が原因なのではないか?と言う印象も持ちました。

これから、子育てする予定の人、現在、育児中の人にはお勧めですね。

だから育児は大切だと思える一冊です。

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2016/01/28

「あの日」 小保方晴子

あのSTAP細胞騒動の、小保方さんが手記を出したとの事。

とりあえず、まだ読んでないのですが、中古が出たら購入して読んでみようかと思っています。

ただ、ちょっと、科学者としての方向性を見失ってしまったのか?
それとも、今後の生活費の為なのかは不明ですが、どうも論点がずれているように見えます。

世紀の発見とされたSTAP細胞が結局、再現されず、理研の正式見解はES細胞の混入による物とされました。

科学者として、自己の主張が正しいと主張するなら、自ら再現して論文で発表すれば良いのだと思います。

あの騒動から2年も経つんですね。
騒動の震源地として、大騒ぎされたわけで、自分自身を冷静に見る事は当時は難しかったと思うんですよね。

でも、2年もたてば、ある程度、冷静に当時の自分や周囲の人を考える事ができる頃かと思うのですが・・・

その結果がこの手記と言う事になるようですね。

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2016/01/04

世田谷一家殺人事件 15年目の新事実

さて世田谷一家殺人事件関連の本としては最新の物になりますね。
早速読んでみました。(電子書籍版を読みました。)

超簡単に概要を説明すると、
前半部分はこの事件に関する捜査の経緯と情報の整理、まとめという部分です。
これまで、何冊かこの事件の本が出版されていますが、これまでで一番よくまとまっています。
このあたりは流石ですね。

残りの部分は著者が独自取材で突き止めた事件の全容が書かれています。
なので、実行犯も特定しています。

さて、この本を読んだ感想については・・・
そうですね、この本の評価は読んだ人、それぞれで考えて欲しいです。
私としては、購入しても損にはならない本だろうと言う事は言えるかな。

私の感想ですが、この本の楽しみ方は2種類あると思います。
一つ目は、不謹慎な言い方になってしまいますが、「世田谷一家殺人事件検定本」としての価値ですね。
前にも書きましたが、この本はよくまとまっています。一部には著者はもしかしてASKAの事件簿を読んでいるのでは?と思えるほど、共鳴、共感できる部分もあります。
一方でそうでない部分もあります。

私としては、先輩が後輩に対して、世田谷一家殺人事件の検定問題を作ったから、解いてみてよ。
と言った感じで受け止めています。
多分、読む人の知識レベルでこのあたりの評価が少しずつ違ってくると思います。

初心者は本の内容に飲まれてしまうかもしれませんね。
中級者になると、ははーここは違いますね。となるでしょうし。
上級者は違いがわかった上で、なるほどと思うと思います。(必ずしも肯定の意味ではない)

2つ目は、本の書き方、作り方はこうですって部分ですね。
なるほどなーと、思いました。

で、いろいろ書いてみましたが、この本の評価は、著者自身の独自取材で得た情報をどう評価するか?
によってかなり変わると思います。
この部分は、一般人ではクロスチェックできない部分です。

なので、読んだ人が自分自身で考えて、評価してもらうのが一番良いと思いますね。

で肝心の内容の是非ですが、当然、捜査本部もこの本を読んでますから、年内にこの本に沿って、事件の解決がされれば、良し、そうならなければ、そう言う事なんでしょうね。

私が唯一残念だったのは、指紋だけでなく、どうして血液型を確認してないのか?と言う点です。
DNAは比較サンプルが無いけど、血液型は公開されているので、それは確認できたんじゃないかな?と思うわけです。実際のサンプルが入手できなくても、何等かの書類、あるいは、両親の血液型から、A型が生まれるかの検証などもできたと思いますね。

他にも突っ込みたいところはあるけど、そのあたりは、各人にお任せします。

最後に、この本を薦めるわけでは無いですが、
このASKAの事件簿を読んでいる人なら、ツボにはまる人は意外に多いと思います。

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2015/07/22

絶歌その2(どうでも良い分析)

ふと、Aはこの本で何が書きたかったのか?と言うあたりが気になって、考えてみる事にしました。
で、とりあえず、「一番書きたい事に、ページ数を割いているはず」と言う事で、各章のページを数を調べてみました。

どちらかと言うと、ASKAの事件簿としては、あまり重要な記事では無いと思いますので、この記事は忘れてもらって良いと思います。
まー、私自身の備忘録的な記事ですね。
(書き終えてから、この記事に意味があったの自分自身で疑問に思っています。ページ数に意味があるのか?と言う事さえ疑問です。まったく見当違いかもしれませんね。)

絶歌 目次(数字はページ数)
第1部
名前を失くした日 9
夜泣き      3
生きるよすが   5
池        6
それぞれの儀式  6
ちぎれた錨    9
原罪      24 精通と動物虐待、猫虐待死の回想
断絶      18 97年の女児殺害と友人に対する暴力の回想
GOD LESS NIGHT 14
蒼白き時代    2
父の涙     16 父親の紹介とその回想
ニュータウンの天使 8
精神狩猟者(マインド・ハンター) 12
咆哮      15
審判       4

第2部(括弧内の数字は書かれた対象期間です)
ふたたび空の下  4(1ヶ月)
更生保護施設  15(半月)
ジンベイさんとイモジリさん(1ヶ月) 20
最終居住先   19(8ヶ月) 退院後の最終居住先の回想と感謝
旅立ち      8(7ヶ月)
新天地     18(2年4ヶ月) 最終居住先を出て、自分で知らない土地で新しい仕事を探した時の回想と、他の殺人犯の共感
流転       5(1年5ヶ月)
居場所     30(3年3ヶ月) 溶接工場への就職と退職するまでと兄弟について
ちっぽけな答え  7(3年)
道        4(1ヶ月)
被害者のご家族の皆様へ 7

で、こうやって見てみると
第1部で一番ページ数が多いのが「原罪」の24Pです。
この原罪はこの事件の原因とされる「未分化な性衝動と攻撃性の結合・・・」に対する、事実関係や自分なりの解釈を書いているので、ある意味、この本の目玉と言える部分ですから、ページが増えるのは仕方がない事だと思います。

しかし、ちょっと分からないのが2番目のページ数(18P)の「断絶」です。
この部分は97年の女児殺害の回想と事件直前の友人への暴力の回想が書かれています。
特に、殆どが友人への暴力の回想です。
暴力性を制御できなかったと言う「言い訳」なのかな?

そして、意外なのが、3番目のページ数(16P)の「父の涙」です。
これは、Aの父親の紹介とその回想です。
父親には相当、申し訳ないと思っているのかな?
(他のページで兄弟への謝罪の言葉もあります)

第2部で一番ページ数の多いのが「居場所」の30Pでこの本の中でも一番のページ数となっています。
経済的に追い詰められて、就職した溶接工場へ就職して退職するまでの回想と兄弟へ対する謝罪。
第2部は事件後にどんな生活をしたのか?と言う事を書くパートなわけで、その意味では、Aにとって、この溶接工場での出来事や生活が一番充実していたと言う事なのかな?
それに加えて、兄弟の紹介と謝罪の文章があるので、ページ数が増えてたのかもしれませんね。

2番目にページ数が多いのが19Pの「最終居住先」。
退院後に落ち着いた、最終居住先での出来事とその回想、お世話になった方への感謝が書かれています。

3番目にページ数が多いのが18Pの「新天地」。
最終居住先を出て、自分で知らない土地で新しい仕事を探した時の回想と、他の殺人犯の一部の共感が書かれています。

この第2部はどちらかと言うと、Aが退院後にこれまで歩んできた生活の日記的な物なんですよね。
その日記にAの家族や関係した人への感謝などを綴りながら、最終的な結論の「道」へと完結していく文章なので、特に意識した物では無いのかもしれない。

ただ、本を書こうと思った時に当然、結末と言うか結論的な物は考えたはずなので、そこへ向かう演出と言うか趣向はあったかもしれませんね。

そう考えるとどうしても、違和感があるのが「ちっぽけな答え」の7Pです。
「なぜ人を殺してはいけないのか?」の回答の部分がどうしても、引っかかります。

この「ちっぽけな答え」がAがこの一連の事件に対する「答え」のはずなのですが・・・
深読みすれば、そういう事なのか?と考えられなくもないけど・・・
その「答え」で良いの?って気もする。

Aは自分でこの本を読んでどう評価したのだろうか?

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