2021/03/12

世田谷一家殺害事件再考その207(20年末特番まとめ6「父親のDNA」)

未解決事件SP
世田谷一家殺人事件
20年目のスクープ
~3つの影を持つ男~

***初めに(ASKAのコメント)***
番組内容には主要な5項目があります。
§1.物取り犯説
§2.怨恨説
§3.外国人説
§4.複数犯説(実行犯は反社会性人格障害)
§5.犯人の父親のDNAについて

今回は犯人の父親のDNAについて取り上げます。
取材メモについては、別記事で解説しています。
番組を実際に見てください。この番組はかなり詳細に事件を再現しています。
事件簿の記事ではそれらを全て書き出す事はできません。
実際に番組を視聴して、参考に事件簿の記事を読んだいただいた方が理解が深まると思います。

長文注意です。
********************

一部、外国人説での情報を再掲します。
母親側のDNAについては
ミトコンドリア DNA の分析の結果
ミトコンドリア DNA は大きく30のグループに分かれている、鑑定の結果犯人の DNA はその中のH系統に属し、さらに当時見つかったばかりの珍しい15番目のグループ H15型であることが判明した。

この結果から
犯人の母親は日本人の系統には属さず最も可能性が高い起源はヨーロッパ系だと結論付けた。

父親側のDNAについては
Y 染色体の分析の結果。
15年前とは異なる新たな解析方法を用い、最新の日本人男性の DNA データ3500件、中国人3万件韓国人2500件それらに加えフィリピンマレーシアシンガポールにも範囲を広げ各国から集めた実に4万もの膨大なデータをひとつひとつ犯人の DNA と照らし合わせていった。

番組では
フィリピンのルソン島が(犯人の)可能性の範囲に入る。
と言う結論というよりは情報を出している。

で、番組の目玉としてフィリピン北部を取材した結果、例のハンカチ(クルリンパと呼ばれてるのかな?)と同じ使いかたをしている事を発見した。

ただし、この情報はすでに、警察から発表されている内容(犯人が用いた包丁の包み方がフィリピン北部地域の軍人らが使う方法に酷似している)

付け加えると、成城警察署元署長の土田氏は DNA 捜査の進展に大きな期待している。
ただし、犯人の個人情報保護の点でDNA情報を捜査に使用するには法の整備が必要と言うことですね。

こんなところですね。
父親のDNAの分布を全て出さずに、「フィリピンのルソン島にけっこう多い」と言うことだけを出してしまうのは、ちょっとよろしく無い気がしますね。
まー番組としては、ハンカチの件と絡めたいのでこうなってしまったのかもしれませんが・・・

さて、DNA捜査についてですが、私としては楽観的には考えていません。
DNA情報を使って捜査しても、結局は犯人逮捕の決め手にはならないのではないか?と言うのがその理由です。

極端な例を考えてみましょう。
例えば、今、ここに犯人の「顔写真」、「体全体の写真」があったとして、それで犯人が逮捕できるだろうか?

日本全国に指名手配(氏名がわからないので指名手配できないかもしれませんね)して、顔写真を公開すれば、情報は入るかもしれない。

しかし、犯人が外国人で日本での滞在が事件の前後1週間だけだったとしたら?
20年前にこの人見ませんでしたか?と聞かれて、記憶をよみがえらせる事ができる人間がどれだけいるだろうか?

逆に、犯人が現場近くで生まれ育ったのであれば、現場周辺で写真を見て思い出す人もいると思います。
なので、仮に顔写真があったとしても、それを捜査に活かすには、ある程度の条件(情報)が必要だろうと思うわけです。

そういう意味で、地道な捜査は必要なんだろうと思います。
(とは言え、DNA情報やDNA捜査があった方が捜査にプラスになると言うことは間違い無いと思います。)

番組中で警視庁捜査第一課の元管理監の廣瀬氏が言う
「警察捜査とはいっても組織力を使ってできるのは、せいぜい40%ぐらい、あとは地域住民や皆さんの協力が60%」と言う言葉も、そういう意味なのかな?と思いますね。

補足として
2008年5月に発生した「琵琶湖のバラバラ事件」では、遺体の似顔絵や身体的特徴などが公開されたが、日本人遺体の身元の判明まで10年かかってます。

さて、一応ここまでで番組内容のおおまかなまとめは終了です。
次回は再現ビデオの中で私が気になった点について、時間があれば書いてみようと思います。

参考リンク
世田谷一家殺害事件再考その202(20年末特番まとめ1「取材メモ」)
世田谷一家殺害事件再考その203(20年末特番まとめ2「物取り犯説」)
世田谷一家殺害事件再考その204(20年末特番まとめ3「怨恨説」)
世田谷一家殺害事件再考その205(20年末特番まとめ4「外国人説」)
世田谷一家殺害事件再考その206(20年末特番まとめ5「複数犯説」)

琵琶湖遺体遺棄事件

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2021/03/05

世田谷一家殺害事件再考その206(20年末特番まとめ5「複数犯説」)

未解決事件SP
世田谷一家殺人事件
20年目のスクープ
~3つの影を持つ男~

***初めに(ASKAのコメント)***
番組内容には主要な5項目があります。
§1.物取り犯説
§2.怨恨説
§3.外国人説
§4.複数犯説(実行犯は反社会性人格障害)
§5.犯人の父親のDNAについて

今回は複数犯説について取り上げます。
取材メモについては、別記事で解説しています。
番組を実際に見てください。この番組はかなり詳細に事件を再現しています。
事件簿の記事ではそれらを全て書き出す事はできません。
実際に番組を視聴して、参考に事件簿の記事を読んだいただいた方が理解が深まると思います。

長文注意です。
********************

事件から3年後、警察に頼まれ5人の精神科医が現場で犯人像の推定を行った。これに参加精神科医の一人が、身元を明かさない事を条件に当時警察に話した事を今回初めてメディアの前で明かしたとのこと。

現場に入った医師は当時まず注目したのは犯行後の行動だった。
医師談:
ある意味で自分の欲求が抑制されていない。いわゆる反社会性であったりサイコパスと言われるようなものに近しいような印象がある。

精神科医による分析①
自らの欲求を抑制できない人物(複数のアイスクリームを食べている状況等から)

精神科医による分析②
サイコパス(反社会性人格障害)に近い

そして医師がもっとも気になったのは、殺害方法の違いだった。

医師談:
男の子(礼君)に関する手口が他の家族に対するものと違う事(礼君だけが絞殺だった)

医師談:
犯人は男の子に「共感と言うかシンパシー」を感じる部分がどこかあったんじゃないか。それに対して、逆にそのお母さんやお姉さんに対しては執拗なまでに損壊をしているので犯人の中の母親であったりとか女きょうだいとかに対する、恨みが手口の違いにあらわれたんじゃないか。

医師談:
動機の面での犯人と(その人物に)託されて、いろんな証拠を残しても別に足がつくわけでもないという実行犯、犯人が2人いてもいいのかなと

一家とは何の接点もない犯人は大量の痕跡を残したのではないか。
だとすると、一家に殺意を持つ指示役が実行犯とは別にいたのではないかと指摘する。

事件が起きた時刻近くに宮澤さん宅前の小道から飛び出してきた男(飛び出しマン)
犯行を見届け逃走した指示役だったとしたら辻褄が合う。(ナレーション)

こんなところですね。
番組のサブタイトルが「~3つの影を持つ男~」となっていて、この3つの顔とは
§1.物取り犯説
§2.怨恨説
§3.外国人説
の事を指します。

その意味では、この複数犯説は変化球的な意味あいなのですが・・・実はASKAの事件簿も初期に複数犯人説を推してました。
とは言え、初期の頃は情報も断片的な物だけを頼りに考えていたので、翌日逃亡説を軸に10時間滞在の説明として複数犯説を導入していたと言うあたりなんですけどね。
(15年前の記事を読むと・・・けっこう、ハズイです。)

複数犯説が支持しにくい理由は「証拠が無い」と言うその1点だけだと思う。
つまりA型男性の実行犯の指紋、血液、DNA以外の不審な指紋、血液、DNAの情報が報道されていないからなんですよね。

私もその点はそうだなと思うのですが・・・・けれど、それは複数犯を否定する材料にはならないと言うことにも気づきました。
現場は宮澤さんの個人宅ではあるのですが、家族以外の人間の出入りが全くない場所では無いはずです。

ご近所さんや、友人知人、セールスマンや、泰子さんの塾関係者などの出入りがあっても不思議では無いんですよ。
ただ、そういった指紋やDNAは当然、誰の物か?と捜査本部は調べるのですが、誰の物かわからない指紋やDNAが一つぐらい出ても不思議ではありません。

そういった持ち主不明の指紋やDNAが発見されても、それが「報道されていないだけ」と言う可能性がありますね。

なので、共犯者の痕跡の報道が無いからと言って、それが決定的な否定材料にはならないわけです。

更に言うと、指紋は手袋をしていたから、DNAは、それが付着する前に「短時間で現場から離れたから痕跡が残らない」と言う説明もできるわけです。
(そもそも、主犯(指示役)は現場に入っていないと言うのも有りです)

さて、番組の都合なのか、「サイコパス」と言う言葉が強調されていますが、重要な説明が抜けています。
1)なぜ、サイコパスと考えられるのか?
2)なぜサイコパスだと、複数犯が考えられるのか?

ここからは、私の勝手な推測です。私は専門家では無いので、もし間違っている場合はご指摘をお願いいたします。
まず、サイコパスだとする理由ですが・・・番組の中で紹介されている分析は二つ

精神科医による分析①
自らの欲求を抑制できない人物(複数のアイスクリームを食べている状況等から)

精神科医による分析②
サイコパス(反社会性人格障害)に近い

ここの表現に誤りがあるのではないか?と考えています。
分析①は分析②を判断する為の理由で、自らの要求を抑制できない人物だから、サイコパスではないか?(サイコパスである)と言うことなのではないかと私は解釈しています。

その理由なのですが、
サイコパスの特徴としてはDSM5の診断基準では(DSM5にはサイコパスの定義が無く、反社会性人格障害として定義されている)
以下の7点の中から3点以上が合致するのが条件です。。

A)法律にかなって規範に従うことができない、逮捕に値する行動

B)自己の利益のために人を騙す

C)衝動的で計画性がない

D)喧嘩や暴力を伴う易刺激性

E)自分や他人の安全を考えることができない

F)責任感がない

G)良心の呵責がない

実はDSM5の他にPCL-Rと言うサイコパスの診断基準があります。そちらには
「行動のコントロールができない」と言う項目があります。
これがそのまま、分析①の「自らの欲求を抑制できない人物」と一致しています。
多分、DSM5だとC)の「衝動的」と言う言葉に含まれてしまう部分かもしれません。

で、結果、DSM5の診断基準の中の
犯罪を実行している点でA)
分析①からC)
過剰な攻撃の点でD)
子供二人を殺害している点でG)

これら4つが該当するのではないか。
その結果、精神科医はサイコパスの可能性があると判断したのだろうと考えています。
(実際には15歳以前に素行障害が発症している事が診断条件にあるので、これだけではサイコパスとは診断できない)

次にサイコパスの場合、なぜ複数犯が考えられるのか?
これは逆に言うと「サイコパスにはこの犯行はできない」と言い換える事ができます。

そう考えた場合、サイコパスにこの犯行ができない理由としては
「サイコパスは計画的な犯行ができない。」と言う1点につきるのではないか?と私は考えています。

番組で紹介した「物取り説」「怨恨説」「外国人説」はそれぞれ、計画的な犯行に見えます。

この為、犯行の計画を別の共犯者(指示者)が考えて、その指示に従って犯行を行った実行犯がサイコパスだと言う見立てが、この精神科医の言う
「動機の面での犯人と(その人物に)託されて、いろんな証拠を残しても別に足がつくわけでもないという実行犯、犯人が2人いてもいいのかなと」
と言う言葉になるのかな?と解釈しています。

そうすると、サイコパスによる「物取り説」「怨恨説」「外国人説」も成立する事になります。

ただ、本当にサイコパスが実行犯で、別に指示した主犯がいるとすると・・・別の見方もできます。
サイコパスは基本的に治療ができない(認知療法が有効だと言われているようです)この為、放っておくと、次の事件を起こします。
これは主犯にとって都合が悪いので、主犯が逮捕されない為の次の一手は、この実行犯の口を塞ぐ事になるわけです。
あるいは、外国に逃がした、そもそも実行犯が外国人だったと言う場合もあるかもしれません。

そうすると、日本国内でいくら探しても、見つからないと言う現状を説明できるかもしれませんね。

なので、前回の「外国人説」と並んで、現状を説明する事ができる魅力的な説になります。

で、番組の中で紹介された「飛び出しマン」が主犯(指示役)なのか?と言う点については、ちょっと微妙な気がします。
理由としては
「主犯は自分が逮捕されない為に、殺し屋を雇っているのに、現場近くまで行って目撃されるようなリスクを冒すとは思えない。」

指示するだけなら、携帯電話で連絡する事ができたはずです。
例外があるとしたら、言葉では説明できないような物を探している場合や、主犯自身も姿形を知らない物を探している場合ですね。

そうすると、風呂場で窓越しに主犯に実物を確認させながら、探していた場合で、「目的の物で無いから浴槽に捨てた」浴槽の中がいろんな物で溢れていたのはこの作業の結果として説明できますね。

ただ、長時間、風呂の窓越しに、主犯と実行犯がやりとりすると言うのは実際に無理じゃないかな?

もう一つの可能性としては、知人の玄関侵入説の場合、訪問した人物は実行犯一人とは限らない可能性があります。
つまり、玄関から実行犯と主犯が二人が侵入し、実行犯の犯行開始に合わせて、主犯は風呂窓から逃亡した、それが「飛び出しマン」だったとしたら説明できるかもしれません。

しかし、この場合も主犯が現場に入るリスクを冒している点は同じですが・・・主犯が最初にみきおさんの物(奪取したい物)を確認して、その場で実行犯に指示したと言う事なら有りかもしれませんね。(さっき見た「アレ」を全員を殺害してから持ってこいと言う感じですね)

ただし、風呂窓逃亡説の最大の問題の「繊維痕が無い事」は説明できないんですよね。
強いて考えれば「主犯は実行犯よりも小柄で細身、服も薄着で繊維痕を残さない。靴は履く前に泥を落として足跡は残さなかった、指紋は手袋で残さない」と言う説明ができますね。この場合は番組の怨恨説と同様に主犯も靴を隠し持ってリビングに入っている事になります。

と言う感じでこの複数犯説も、深掘りすると再現ビデオができそうなぐらい濃い内容になります。
まー番組の放送時間の関係で省略されてしまったのかもしれませんね。
できれば、この複数犯について、件の精神科医の先生に詳細な説明をしていただく番組を作ってほしいですね。

最後にもし、実行犯がサイコパスであるなら、手がかりは周辺の少年の非行記録にあるかもしれません。
サイコパスは15歳以前に素行障害を起こしているので、以前に何か事件を起こしている可能性があります。

次回に続く

参考リンク
世田谷一家殺害事件再考その202(20年末特番まとめ1「取材メモ」)
世田谷一家殺害事件再考その203(20年末特番まとめ2「物取り犯説」)
世田谷一家殺害事件再考その204(20年末特番まとめ3「怨恨説」)
世田谷一家殺害事件再考その205(20年末特番まとめ4「外国人説」)

事件簿の仮説としては
複数犯人説
異常者説

参考書籍としては
サイコパス
人格障害かもしれない

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2021/02/20

世田谷一家殺害事件再考その205(20年末特番まとめ4「外国人説」)

未解決事件SP
世田谷一家殺人事件
20年目のスクープ
~3つの影を持つ男~

***初めに(ASKAのコメント)***
番組内容には主要な5項目があります。
§1.物取り犯説
§2.怨恨説
§3.外国人説
§4.複数犯説(実行犯は反社会性人格障害)
§5.犯人の父親のDNAについて

今回は外国人説について取り上げます。
取材メモについては、別記事で解説しています。
番組を実際に見てください。この番組はかなり詳細に事件を再現しています。
事件簿の記事ではそれらを全て書き出す事はできません。
実際に番組を視聴して、参考に事件簿の記事を読んだいただいた方が理解が深まると思います。

長文注意です。
********************

成城警察署元署長
土田猛(73歳)
世田谷の事件で検視を担当。
2005年から事件を管轄する成城警察署の署長を務めた人物。

事件の捜査に携わり、遺族とも深く向き合ってきた人物。
時効制度の廃止や遺族の権利を守ることを目的に「宙の会」を結成(2009年)

外国人説
土田氏談:
同じ日本人が恨みが仮にあったとしてもここまで残酷になれるかなと思う。

「想定外の”外国人犯”説」
男はアジアのある国からやってきた若者、貧しいふるさとを出て夢と希望を胸に日本にやってきた。
戦後急速な成長を遂げアジア諸国の経済を牽引してきた日本。
豊かさを象徴する憧れの国でもあった。
しかし男がこの国で味わったのは苦しい暮らしと世間の理不尽、失望と挫折そして孤独。
やり場のない怒りはいつしか日本の社会全体に対するいびつな恨みとなって膨らんでいった。

そんな時、男が目にしたのが宮澤さん一家だった。
両親と小さな子供が二人。その光景は男の目に日本という豊かな国を象徴する典型的な家族に映った。
20世紀の終わり男は幸せの象徴を破壊して日本への復讐を果たし己の過去を清算した。
土田氏は血痕や指紋をはじめ、あらゆる遺留物を現場に残している点から見ても、犯人は身元が割れないと絶対的な自信を持つ人物、つまり外国人の可能性が高いと考えた。

土田氏談:
警察は俺に絶対迫ることができないと、今はさらば日本ということもありうるなと思う。

これまでの捜査でも外国との繋がりを感じさせる物証が複数見つかっている。
犯人は日本では珍しい韓国製の運動靴(スラセンジャー)を履き。
現場に残されたヒップバッグからはアメリカカリフォルニア州の砂も見つかっている。

そして今回犯人が外国人である可能性を科学的に示した文書があることを突き止めた。

2006年警察が極秘に行った世田谷一家殺人事件犯人のDNA鑑定の内部報告書がある。
当時、実際にDNA 鑑定を行った研究者に鑑定内容の詳細を語ってもらえることになった。

東海大学法医学教室客員教授水口清(72歳)
DNA の学会の元学会長。
水口氏談:
「(犯人の)血痕からDNAを抽出して調べました。」

鑑定を依頼されたのは、2005年8月、捜査に行き詰った警察が法医学と人類学の双方の観点からアプローチする水口氏の新たな研究に注目して依頼した。

分析したのはミトコンドリア DNA 。
母親からしか受け継ぐことのできない DNA でこれを調べれば母親の血筋がわかる。
ミトコンドリア DNA は大きく30のグループに分かれている、鑑定の結果犯人の DNA はその中のH系統に属し、さらに当時見つかったばかりの珍しい15番目のグループ H15型であることが判明した。

水口氏が当時集めることのできた全世界10686件のデータを調査した結果

水口氏談:
「見つかったのは、まずアジアの方ではインドで332人中1人、ヨーロッパで2917人中9人、日本人の中から H15型が見つからず」

当時見つかったのはこの10人だけだった。
水口氏談:
(犯人のDNAと)一番近いのはイタリアに一つ、あと検査範囲内ではボスニアにあるものは近いものが見つかっていると結論した、これは日本人に由来するもんじゃない。

水口氏は犯人の母親は日本人の系統には属さず最も可能性が高い起源はヨーロッパ系だと結論付けたとのこと。

同様に父親についても別の鑑定を行い日本、中国、韓国を含むアジア系という結論を導き出した。
水口氏がこの鑑定書を提出したのは2006年4月。
しかし警察は捜査に余談を挟むとして DNA 鑑定については公にしようとはせず非公表となった。

こんなところですね。
今回の要点は2つ
1)土田氏の外国人説
2)犯人のDNA鑑定の結果、母親はヨーロッパ系、父親はアジア系

1)の外国人説だけど、「土田氏の」と言うよりは、事件後の早い時期から言われている事だと思います。
理由は
A)「韓国製スラセンジャー」が日本国内で販売されていない事ですね。
警視庁のPDFによると
靴(スラセンジャー)、韓国製
日本サイズ27.5cm(韓国サイズ「280」)
平成10年10月から平成12年11月の間、韓国内で4,530足製造され、日本では4,000円前後で販売されたが、同サイズは日本で販売されていない

B)ヒップバッグの表面に外国製と見られる洗剤の成分がが検出された。(2005年報道)
これは硬水によく溶ける洗剤で、日本国内だとほぼ軟水と言う事で外国製と考えられていると言う事でしょうね。

C)ヒップバッグの中から発見された「砂」がカリフォルニア州の砂の可能性が高い。(2006年報道)
(三浦半島の砂はエアテックのポケットの砂ですね)

D)DNA鑑定の結果、母親はヨーロッパ系(2006年報道)

最近出てきた報道としては
E)例のハンカチの滑り止めの使い方が、中国で使われていた(2018年報道)

で、この番組の後半の目玉
F)フィリピンでもこのハンカチの使い方がされていた。

こんなところですね。
DNA鑑定については2006年報道の段階で
「過去に例がない捜査」(捜査幹部)で、かなりさかのぼった祖先が混血だった可能性も排除できない難点もあり、捜査幹部は「純粋な日本人の犯行の可能性も捨てず幅広く捜査する」としている。

と言う事です。

さて、外国人説が魅力的な点としては、現状を説明するのに都合が良い点があること。
国外逃亡していれば、現在にいたるまで警察が逮捕できない理由が説明できる事ですね。
(国内で指紋を採りまくっても、国外の犯人の指紋は見つける事ができないと言う事ですね。)

私としては「日本人がこんな残酷な犯行をできるはずがない」と言う事を裏付ける情報は無いと言う事を注意する必要があると考えています。
「日本人がこんな残酷な犯行をできるはずがない」と言うのは無意識の「正常性バイアス」が働いている可能性があります。

とは言え、DNA鑑定の結果、母親が欧州系と言うのは、この説の最大の根拠と言えますね。

概ね疑問の無い説ですが、1点だけ疑問があるとしたら「スリッパのDNA」(2011年報道)をどう説明するか?と言う事なんですよね。
この疑問は流しの窃盗犯説でも同じなんですが、土田氏の説でいくと、スリッパに犯人のDNAが付くタイミングが無いと思うんですよね。
顔見知りでないと、事件前に犯人が訪問する機会は無いと思います。
なので、流しの場合は、犯行時にスリッパを使い、その後にスリッパ置きに戻したと言う説明ぐらいしかできないと思います。

次回につづく

参考リンク
世田谷一家殺害事件再考その202(20年末特番まとめ1「取材メモ」)
世田谷一家殺害事件再考その203(20年末特番まとめ2「物取り犯説」)
世田谷一家殺害事件再考その204(20年末特番まとめ3「怨恨説」)

外国人関連情報
世田谷一家殺害事件再考その181 (警視庁HPハンカチ情報)
世田谷一家殺害事件再考その103(スリッパのDNA)
世田谷一家殺人事件再考その50(犯人の血液についてのDNA鑑定)
世田谷一家殺人事件再考その17(ヒップバックの洗剤)
世田谷一家殺人事件再考7(事件簿の初期の外国人説)


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2021/02/12

世田谷一家殺害事件再考その204(20年末特番まとめ3「怨恨説」)

未解決事件SP
世田谷一家殺人事件
20年目のスクープ
~3つの影を持つ男~

***初めに(ASKAのコメント)***
番組内容には主要な5項目があります。
§1.物取り犯説
§2.怨恨説
§3.外国人説
§4.複数犯説(実行犯は反社会性人格障害)
§5.犯人の父親のDNAについて

今回は怨恨説について取り上げます。
取材メモについては、別記事で解説しています。
番組を実際に見てください。この番組はかなり詳細に事件を再現しています。
事件簿の記事ではそれらを全て書き出す事はできません。
実際に番組を視聴して、参考に事件簿の記事を読んだいただいた方が理解が深まると思います。

長文注意です。
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警視庁捜査第一課
廣瀬泰教(72歳)元管理官

当時、捜査一課の管理官として指揮を執った、廣瀬氏の見立ては
(みきおさんに)「恨みをずっと持っている」「いつかやってやる」一方的な恨みによる怨恨が動機

「2000年12月30日」
男(犯人)は凶行を決意しては断念してを繰り返していた。
そして、この日、男は決意して宮澤さん宅を訪ねた。

顔見知りだった男は玄関から普通に靴を脱いで上がりこんだ。

男は年末の夜に訪ねられるぐらいの関係性を持っていた。
男は居間に招かれるとジャンパーを脱いで椅子に掛けマフラーを重ねて置いた。

そしてみきおさんは、やり残した仕事を片付けるため男を置いて1階の仕事場へ向かった。
みきおさんが1階にいくと男は隠し持っていた靴を履いた。玄関で脱いだふりをしながらみきおさんの目を盗み、懐に入れて密かに靴を持ち込んでいた。
靴を履いたのは万が一の際すぐに逃げるため。
そして土足の跡を残すことで玄関から入った顔見知りの犯行を隠す狙いがある。

男は2階の子供部屋へ向かう。
男は日ごろから礼君が夜遅くまで起きている事を知っていた。
男は礼君に騒がれないように、礼君の首を後ろから絞めて殺害する。

男は本当の目的であるみきおさんを確実に殺害するため準備に取り掛かる。

ハンカチを半分に折ると両端を結んで覆面のように顔を隠した。顔を知られているからこそ隠したい心理。
そしてあらかじめ穴を開けておいたもう一枚のハンカチで手が滑らないように包丁の柄を包む。(例の滑り止め)
ヒップバッグの底には包丁の先が貫いたとみられるたくさんの小さな穴が開いていた。

その頃1階ではみきおさんが作業を終え、男が待つ2階に上がろうとしていた、ところが遊んでいるはずの礼君がやけに静かな事が気になった、

そして2階へ上がろうとする瞬間、階段下で男にみきおさんは襲われる、

廣瀬氏曰く、そのためらいのない殺害方法からはみきおさんに最も強い恨みが感じられるとのこと。

次に男は自分の訪問を知る泰子さんの元へ向かう、そして容赦なく泰子さんとにいなちゃんを切りつける。

廣瀬氏曰く、何度も包丁を突き立てられた一家の遺体を見て単なる物取りの犯行ではないと確信したとのこと。

中二階の廊下には男が顔を隠すために使ったとみられるハンカチが両端がよじれた状態で落ちていた。

男は台所のタオルを傷にあてがい止血を試みた。

みきおさんに一方的な恨みを募らせた末、一家を惨殺した男。指紋や血の跡を躊躇することなくあちこちに残した。
男は自分に犯罪歴がなくそれらを元に身元を知られない確信があった。

絶対に捕まるわけにはいかない、男は自分の犯行を疑われないようにするための準備に取り掛かりながらアイスクリームを食べた。

男はみきおさんへの恨みを晴らすという殺害の動機を覆い隠すため物取りによる犯行を偽装しようとした。

男は2階の居間も荒らしたように見せかけ引き出しを浴室に運んだ。
一見すると理解不能で乱雑な行動、しかしその中に犯人のある性質が滲んでいた。

物取りの犯行に偽装する為、部屋中を荒らしまわる男。

引き出しを浴室へと運ぶ際、大きな引き出しはどうしても、梯子に引っかかり、中身は溢れたという、すると男はこぼれた物を全て、拾い上げ再び、浴槽へ投げ入れた。

男は粗暴で乱雑な物取りを装いながら、本来の几帳面な性格を隠し切れなかった。

顔見知りではなく物取りの犯行に見せかけた男。
捜査の目を撹乱するため次の行動に出る。

パソコンを起動させるとインターネットにアクセスした。

全てを終えた男は虚脱状態。
みきおさんの服に着替えると目の前にあるクッションに頭を預け少しの間休息した。

31日の未明。
男は玄関ではなく浴室の窓から逃走した。

逃走時すでに靴底に泥は付いておらずまた着替えて薄着だったことから窓に繊維痕もつかなかったと考えられる。

廣瀬氏の怨恨説の流れはこんな感じですね。
番組本編では要所要所で説明があるのですが、この記事はでは流れを優先して、説明を省いています。
で、ここからがその説明です。(一部文章については、読みやすくする為にASKAが編集しています)

風呂窓侵入説には問題がある。
廣瀬元管理官への取材メモ
浴室のどこにも、「土足痕」がなかった。
窓枠からも、「繊維痕」は検出されていない。

仮に浴室の窓から入ったとするならば靴は土や泥が付くはずでその痕跡が浴室のどこにもないのは不自然。
加えて浴室の窓枠には服などが擦れた際に通常であれば付着する繊維痕と呼ばれる形跡もない。

廣瀬氏談:
風呂窓侵入は自分の姿が人から見れなければやるだろう。
だけどあの公園は後ろは背中が丸見えの場所で、しかもヒップバッグには柳刃包丁を持って、ジャンバーを着込んで、雪だるまみたいな恰好になってる状態で、リスクを冒して風呂窓に登るのは疑問がある。

番組では実際にスタントマンの協力のもと、風呂窓からの侵入実験を行う。
「窓までの高さ:約3.3m 窓(1枚分):約60㎝×約40㎝」
宮澤さん宅の浴室側の壁面を精密に再現し検証を行うことにした。
「犯人とほぼ同じ服装で実験」

まずはフェンスを利用して壁際に飛び移る。
壁の電源コードに左足をかける。(ASKAのコメント:壁にある防水コンセント、風呂釜用か?)
強引に頭の方から、風呂窓へなだれ込むようにして、窓枠ギリギリ入り込む。
肝心の浴室内、果たして痕跡を残さず入ることはできるのか
最後、転がりこむようにして入った。

スタントマン談:浴室の床のタイルに足の裏をつける事なく入るのは、普通に考えて無理だと思う。
「直地するためには、どこかに足をつかないといけない」
「加えてこの窓枠かなりジャンパーが擦れていた、前面から横から全部擦りまくっていると思います」

廣瀬元管理官への取材メモ
浴室に侵入の痕跡が全くないため、犯人は玄関から入ったとしか考えられない。
つまり男は宮澤みきおさんとある程度、顔見知りだった。
年末の夜に訪ねられるほどの関係性はあった。

靴を隠して持ち込んだ理由
廣瀬氏談:
(玄関から)1階の床へ上がるところは高さがある。履いてきた靴は隠せる。本人も相当な計画をしているはず。

ヒップバッグの穴の理由
ヒップバッグの穴は逡巡し包丁を入れたまま長時間歩いたことを物語っているとのこと。
廣瀬氏談:
頭の中で、やっちゃだめなんだっていうのと、ちょっとしたことの恨みの復讐心で(葛藤した犯人が)現場の周りを歩いて行ったり来たいしている時に、ツンツンと刺してんのかなと思う。

動機が怨恨とする理由
廣瀬氏談:
(遺体の)傷口受傷の数、それからとどめを刺されてるみきおさんの方もほぼ即死に近い状態の受傷から行くと、どう見ても怨恨だと思う。

浴槽への書類の投げ入れの理由
廣瀬氏談:
そんなことは普通はしない、偽装以外に考えられない。

取材メモ
実際に廣瀬も、体格の違う複数の捜査員で検証したが、中身は必ずこぼれた。
犯人は、落とした物をわざわざ拾い、浴槽へ投げ入れた事になる。

実際に廣瀬氏も、体格の違う複数の捜査員で検証したが、中身は必ずこぼれたとのこと。
だが事件直後床には何も落ちていなかった。つまり犯人は落としたものをわざわざ浴槽へ投げ入れたことになる。

取材メモ
逃走時、すでに靴底に泥は付着していなかった。
取材メモ
着替えて薄着だったため、窓枠に「繊維痕」も付かなかった。

風呂窓逃亡の理由
廣瀬氏談:
深夜であってもあそこ(玄関)を出た瞬間に誰が見てるかわからない。そういう心理が犯人に働いたんだろうと思います。

こんなところですね。
怨恨説も当初からある説なのですが、その詳細が語られるのは、この番組が初だと思います。
そして、今回の廣瀬氏の見立てる事件のポイントは以下の4点。

1)玄関侵入
2)未明逃亡
3)物色は捜査攪乱の為の偽装
4)風呂窓逃亡

怨恨説は顔見知りでないと発生しないので、怨恨説イコール顔見知り説と言う事になります。
これまで怨恨説の詳細が出てこなかったのは、その説明がちょっと難しく、トリッキーになるからだと私は考えています。

侵入口を玄関とすると、土足の足跡が問題になります。いつ土足に履き替えるのか?
廣瀬氏の見立ては、靴を隠して持ち込んで、犯行前に履き替えたとする物ですね。
実際の犯行時には、足跡から靴を履いていた事が明らか(だと思う)なので、土足痕の泥の量が2階の方が多いと言う事を説明するにも、隠して持ち込み、2階で靴に履き替えたとする以外に説明する方法がありません。

そして、逃亡タイミングが未明と言うのは、翌日10時のネットワークアクセスは、「犯人の物ではない」と言う見立てです。
これは、動機が怨恨で、一家全員を殺害している段階で、犯人が目的を達成しているわけで、その後、長時間現場に留まる理由が無いからですね。

同じ理由で、部屋の物色も、犯人にとって目的外の行動なわけで、理由を動機の偽装、捜査の攪乱と説明しているわけです。

最後に、逃亡口は風呂窓と言うのは、犯人なら玄関から出にくいよね。と言う事なんですが・・・・
もう一つの理由として、「風呂窓下に落ち葉を踏みしめた跡が残っていた。」と言うこの情報を説明する為なのかな?と私は考えています。

「物取り犯説」の問題点(窓枠の繊維痕、浴室の足跡)などをうまく説明していると思うのですが・・・・私としてはそれでも、ちょっと違和感と言うか疑問な点があります。

番組の中で指紋、DNAを残しているのは「犯罪歴が無いので、指紋で逮捕される事はないから」と言う説明がされています。
私としては、これだけ計画的な犯行をしていて、最大の証拠になる「指紋」を残す計画を立てるのか?と言うのが疑問ではありますね。
それに、番組の中でも犯人が几帳面な性格として、落ちた引き出しの物を拾って浴槽に投げ入れている点が上げられていますよね。

もっとも、捜査の決め手が「指紋」と言うのは、日本国内での話で外国の場合はそうでも無い可能性はありますね。
日本の刑事ドラマだと、最後は指紋が一致で逮捕って言うのが、パターンになってます。刑事ドラマ好きなら、子供の頃から刷り込まれていると言っても過言では無いでしょう。

その意味では、外国人ならば、「指紋を残しても逮捕されない」と言う感覚は有りなのかもしれませんね。

しかし、もう1点、怨恨説は顔見知りである事が前提なんだけど、これまでの捜査で、交友のあった関係者からは当然、指紋を採っているはずです。
一時期、東京方面では通行人からも職質の際に世田谷事件を理由に指紋を採りまくっていたんですよね。

それなのに、犯人にたどり着けない理由は何なのか?
番組のニュアンスとしては、「それほど親しい仲ではない」と言いつつ「年末の夜に訪問できる間柄」と言っているのが微妙に矛盾しているような気もしますが・・・・

それは、置いとくとして、顔見知りなのに、捜査本部が犯人にたどり着けない理由は、捜査の手が犯人に伸びていないからですよね。
つまり、捜査本部が交友関係を追えていないところがあると言うことかな?

ただ、普通の表に出る交友関係なら捜査の手が伸びるでしょうが、そうでない場合としては、「ネットの中の交友関係」と言うことなのかもしれませんね。
みきおさんはインターネットのドメインを取得してますし、インターネット以前の「パソコン通信」の時代からパソコンを使っています。

当時は今ほど、ネット治安も悪くなくて(出会い系は結構、事件ありましたけどね)、ネットで知り合って、「オフ会」で会うって事が珍しくなかったから、そのノリで犯人を迎え入れたとしても、不思議では無いかもしれません。

ただ、メールなら履歴が残るし、携帯電話も通話履歴が残る。掲示板なんかも記録は残るので、記録が残らないところとしては、「オンラインチャット」あたりだろうか?
みきおさんが匿名(普通はハンドル名)でチャットしていて、記録に残っていなければ、そこは捜査の手が届かないかもしれませんね。

それと、気になったのがこの顔見知り怨恨説では「電話線が抜けた」理由が説明されていませんね。
強いて挙げれば、礼君、みきおさんを殺害後に、ロフトの泰子さんが通報するのを阻止する為かな?
実際には携帯電話があったようなので、携帯電話での通報は阻止できないけど・・・
あるいは、1階でみきおさんを格闘になった時に偶然抜けたと言うところか?
でも、ジャックには抜け防止があるから、「引っ張って抜けた」はちょっと無いような気がしますけど・・・

次回に続く

参考リンク
世田谷一家殺害事件再考その202(20年末特番まとめ1「取材メモ」)
世田谷一家殺害事件再考その203(20年末特番まとめ2「物取り犯説」)

以下にこれまでの情報での推理
色々な情報があったんですよね。
世田谷一家殺害事件再考その161(客人説の肯定材料)
世田谷一家殺害事件再考その159(客人説の問題点2)
世田谷一家殺害事件再考その158(客人説の問題点)
世田谷一家殺害事件再考その125(未明逃亡説急浮上)
世田谷一家殺害事件再考その117(日記と作業委託説)

以下はASKAの事件簿の有志による仮説です。(応募してくれた皆さんありがとうございました。)
今回は「顔見知り」、「怨恨」に関係しそうなところで
顔見知り1階進入説
顔見知り説と全偽装説
怨恨説
逆恨み説

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2021/02/07

世田谷一家殺害事件再考その203(20年末特番まとめ2「物取り犯説」)

未解決事件SP
世田谷一家殺人事件
20年目のスクープ
~3つの影を持つ男~

***初めに(ASKAのコメント)***
番組内容には主要な5項目があります。
§1.物取り犯説
§2.怨恨説
§3.外国人説
§4.複数犯説(実行犯は反社会性人格障害)
§5.犯人の父親のDNAについて

今回は物取り犯説について取り上げます。
取材メモについては、別記事で解説しています。
番組を実際に見てください。この番組はかなり詳細に事件を再現しています。
事件簿の記事ではそれらを全て書き出す事はできません。
実際に番組を視聴して、参考に事件簿の記事を読んだいただいた方が理解が深まると思います。

長文注意です。
********************


事件から半年後の生々しい捜査メモを入手した。
遺留指紋が27と多い、うち3個から宮澤さん一家にはいない A型の血液が検出されている。(犯人の血液型はA型)
(ASKAのコメント:2015年のNHK特番では指紋は9カ所だったけど、この大きな食い違いは何が理由か?)

かつて捜査の先頭に立った指揮官や事件に関わった専門家ら複数の関係者に2年余りにわたって取材を重ねてきた。
中でも注目するのは異なる犯人像を描く3人の元捜査関係者。

§1.警視庁捜査第一課
大峯泰廣氏 元理事官
一家皆殺しにして、その後、現金を取る。(粗暴な”物取り犯”説)

§2.警視庁捜査第一課
廣瀬泰教氏 元管理官
恨みをずっと持っている。いつかやってやる。(怨恨説)

§3.成城警察署
土田猛氏 元成城署長
警察は俺に絶対、迫ることはできないよと。日本文化の中で育った人ではない(外国人説)

§1-1)物取り犯説再現
犯人は俊敏な若い男(行動には粗暴さと幼稚さが見受けられる。)

2000年12月30日夜
夕食後、みきおさんは、一階で仕事、礼君は中二階の寝室で就寝。
少し風邪気味の泰子さんは、同じく風邪をひいたにいなちゃんを寝かしつける為、ロフトに移動。
その頃、宮澤さん宅裏手の公園に男(犯人)が現れる。
男は何度も下見を繰り返して、風呂窓が時折、換気の為に開け放たれている事も知っていた。

浴室の窓は、唯一鍵がかかっていなかった場所で、ここから侵入した可能性が最も高いと考えられたとのこと。

現場は小田急線と京王線の中間にあり、各の駅からかなり離れた場所にある。
公園に囲まれている特殊な立地からも、あらかじめ狙いをつけた計画的な犯行だったと大峯氏はみているとのこと。

さらに当時、公園には拡張計画があり宮澤家に立ち退く予定があったことも見過ごせないとのこと。

男(犯人)は宮澤さんのもとに入った多額の立ち退き料を、一家全員を殺害した上で奪おうと考えた。

男は公園側に面する浴室の窓から侵入した。(この時、一階に人の気配を感じた)
まず向かったのは(礼君が寝ている)子供部屋。
男は礼君の背後から首を絞めた、床には強く踏ん張ったことを裏付けるはっきりとした土足痕が残った。
礼君以外の三人は大量に出血、犯人も怪我をし出血しているにも関わらずこの部屋には礼君以外の血の跡が一切なかった。

この為、礼君が最初に殺されたことは間違いないとのこと。
礼君を殺害した後、男は2階の居間向かった。

ここで男は動きにくいジャンパーを脱ぎ準備を整える。
凶器として持ち込んだのは柳刃包丁。同じ型の包丁が関東地方では46の店で3500円前後で販売されていた。
包丁の先でハンカチに穴を開け特殊な方法で柄を包む。

男は次に先ほど人の気配を感じた1階に向かう。

階段には足音を忍ばせたことを思わせる横向きの足跡が残っていた
その頃パソコンに向かっていたみきおさんは、人の気配を感じ階段に近づいていった。
その瞬間、犯人に襲われる。みきおさんは突然の襲撃で声も出せない。それでも家族がいる2階に向かおうと階段を上る。

みきおさんは、下から太ももを一突きされ大動脈を切られて動けなくなった、そして、まもなく息絶えた。

みきおさんは腕で顔を覆うようにし、体を丸めてなくなっていた。腕には無数の防御創があったとのこと。

額には欠けた柳刃包丁の歯が数ミリ残っていた。

次に男が向かったのはロフト。
ロフトでは泰子さんとにいなちゃんが眠っていた。
男は二人を見るなり包丁で攻撃
布団から出ている泰子さんの顔をめがけ、男が何度も包丁を振り下ろす。泰子さんの頭を直撃したことで刃が数センチ折れた。

それに気がつくと男はロフトを降りて台所で代わりの包丁を手にした。
この時、逃げようとしてロフトから泰子さんと、にいなちゃんが降りてきた。
男は容赦なく二人を攻撃した。

残忍な手口から、当時、大峰氏は外国人による犯行ではないか?とも考えたとのこと。

泰子さんは、にいなちゃんを守ろうと腕を伸ばした状態で、にいなちゃんは母のそばで正座するような状態で亡くなっていた。

「犯行推定時刻、午後11時30分以降。」

男は犯行後、宮澤さん宅に長時間居座り続けた。

男は泰子さんともみ合いになった際、手に傷を負った。

男は自分のハンカチを傷口に巻いて止血した。さらに止血に使えるものを探し回る。
しかし梯子が邪魔だった。そこで梯子を「くの字」に曲げ、動線を確保しようとする。

梯子の踏み板の裏側には男が強く握ってハシゴを押し上げたと思われる血の跡がべったりと残っていた。
男は次にタオルを当てて止血した。血が止まらない男はそのままトイレに行きさらにナプキンでも止血を試みた。

大量に出血した男は意外なもので止血を試みた。侵入時にしていた手袋だ。怪我をした右手に何故か左手用の手袋をはめて握る。
手袋の内側には男の血が付着し指の部分が反対方向に反り返っていた。
ある程度止血を終えた男は、その後もこの家に居座るような行動を取り続けた。

男は冷蔵庫のアイスクリームをスプーンを使わず手で握りつぶすように食べた。

現場からは五つの遺棄された実際のアイスクリームカップが見つかっている。

男はみきおさんの仕事場兼子供の勉強部屋になっていた1階から物色を始めた。
目をつけたのは机の脇にある収納庫だった。
男は机の脇にある収納庫から引き出しを抜くと2階の浴室に運んだ。
浴室で中身を一つ一つ確認し、いらないものをちぎって浴槽に投げ込んだ。

そしてまた次の引き出しを浴室へ。
男はこの行動を何度も繰り返した。
男は家中をくまなく物色する。
男はどこかからから泰子さんの手提げバッグを探しだし、(トイレで)用を足しながら中身を探る。

居間に戻ってきた男は4つ目のアイスクリームを食べながら食器棚などの、全ての引き出しを引っ張り出す、いつしか浴槽は水をいっぱいに吸った書類や文房具などでいっぱいになっていた。
浴槽に放り込まれたのは引き出しの中身だけではない。食べ終わったアイスクリームのカップ、止血に使い血がついたナプキンとタオル、そして空の財布が二つ。
その状況は男が数時間の労力をかけてを行った異常な作業を物語っている。

大峯氏談:
浴槽にいろんな書類を投げ入れる。(それもご丁寧にちぎって捨てる。)
私はこういうことをやった星の経験はありません。

「12月31日1:18AM」
物色の合間にも男が異様な行動をとっていた。みきおさんのパソコンでインターネットに接続している。

(画面中央のアイコンをクリック)ミュージカル劇団のチケットサイトにアクセスした。
その後も物色を続けた男は現金を見つける。

しかし宮澤さん宅に多額の現金はなく男が奪ったのは塾の月謝と見られる、およそ15万円だけだった。

そして預金通帳、銀行のカード、パスポート、有効期限切れの免許証、携帯電話3台を見つけた。物色して探し出したものは7、8点にをおよんだ

男はそれらを丁寧にソファーの上と床に並べた。暗証番号を読み解いて口座にある大金を引き出すつもりだ。

血がついたラグランシャツを脱ぐと目に留まったみきおさんのトレーナーに着替える。
侵入してから7時間あまりが過ぎ、男を睡魔が襲った。

「12月31日 10:00AM」
(居間で)すっかり寝入った男。

クッションには男が眠った頭の跡が残っていた。
しかし男に焦る様子はない、5つ目のアイスクリームに手をつける。
金につながる情報をさらに探すため男は再び1階に降り、みきおさんのパソコンを操作した。
その時、電話のベルが突然鳴り始めた。鳴り止まない電話に男は電話線を抜いた、だが程なくして予想外の事態が男を襲う。

玄関の呼び鈴が鳴る。棟続きの隣の家に住むやすこさんの母春子さんだった。いつまでも起きてこず、電話しても出ない泰子さんたちを案じて訪ねてきたのだ。
「10:40~10:50AM」

男が逃走したのは侵入口と同じ浴室の窓。
その証拠に窓の下には落ち葉を強く踏みしめたような跡が残っていた。

慌てた男はあらゆるものを宮澤さん宅に残したまま消えた。

そしてこの2階の居間に物取説を唱える大峯氏が最も注目したものがある。
「床の上に身分証や銀行の通帳・カード類」
金を引き出す狙いで並べたとみる身分証や銀行の通帳などだ。しかし年末年始銀行や ATM はほとんど休止していた。

なぜ年の瀬の犯行なのか?
今も大峯氏にとっての謎とのこと。

(実際の番組の放送内容の順序と変わりますが、番組途中で飛び出しマンの話題が出ていました。順序を変えてこちらに書きます)
「犯行推定時刻、午後11時30分以降。」
当時目撃証言はあったのか?

「午後10時30分頃
公園でジョギングしていた人が夫婦喧嘩のような声を聴いた」

「午後11時30分~翌0時頃
近所の住人が「助けて」と言う悲鳴のような声を聴いたと証言」当初証言をしていました。

当時この周辺は公園の整備予定地で、立ち退く家も多く、近所の住宅はまばらでした。
また犯行があったと思われる30日から31日にかけても深夜は通行人もほとんどいなかったと思われるとのこと。

「警察が注目した目撃証言」(飛び出しマン)
そんな中、警察が大きく注目した目撃証言がある。
その人物が目撃されたのは宮澤さん宅前のこの道路。
時刻は11時35分から40分くらい、こちらの電信柱の陰から突然男が飛び出してきて通りかかった車の前を一気に走り去ったとのこと。
25歳から35歳くらいの身長180㎝近い男 ウェーブがかった髪で黒っぽい服と靴を身につけていたとのこと。
その男が宮澤家に通じる小道から急に飛び出してきてあわや車と接触しそうになったとのこと。
目撃者は行っちゃった感じの男と証言、恐怖を覚えたとのこと。この男と事件との関わりは今も注目されているが大峯氏は否定的に見ている。

大峯氏談:
私は犯人じゃないと思います。逃げるならまだしも居座るわけですから、いったん外に出る理由がない

----------------------
こんなところですね。
犯行手順については2005年の年末にNHKが報道した犯行手順と大筋で同じですね。
NHKよりも手順や状況説明が詳しかったです。

目新しい情報としては
A)止血に左手用の手袋を使った事。
B)風呂窓以外はすべて施錠されていた。
(真犯人に告ぐ!やその他の報道では、第一発見者の祖母は混乱して玄関が施錠されていたか覚えていないとされていた。)
C)カードや通帳などを床に並べていた。
これまでの報道だと、「ソファーに並べていた」だったと思います。関連してパスポートなども集めていた物の詳細が出たのは初ですね。
D)携帯電話の話はこれまで出ていませんでした。台数が3台と言うのも興味深い。
誰が何台持っていたのか?通話履歴は調べられているはずなので、そちらから不審な人物は出ていないと言う事なのかな?

動機はともかく、これまで報道されている主流の犯人の行動ですね。
PC操作の時系列なども矛盾なく説明できるわけで、当初から主流になるのもうなづける説ではあります。
この説の特徴としてあげるとしたら以下の3点
1)風呂窓侵入
2)翌日親族の訪問で慌てて逃亡
3)風呂窓逃亡

1)の風呂窓侵入については、§2の怨恨説でも出てくるけど、窓枠に繊維痕が無い事が否定する材料となっています。
一方で、土足痕の泥の量が1階よりも2階が多いというのもあって、風呂窓侵入説の肯定材料になっている。
(番組では土足痕の泥の量については触れていませんね。)
2)3)は関連していて、慌てて逃げたので、大量の遺留品を置いたまま逃げたと言う根拠となっています。

他に気になった点としては
あ)犯人は逃亡時にPCのコンセントを抜いていない。(番組ではコンセントを抜いていませんでした)
以前の報道だとPCのコンセントは抜けていたとされていて、私の提唱した「翌日のPC操作はい第一発見者によるもの」とする場合の最大の障害だったのですが、捜査本部の2014年の年末情報で発表された「未明逃亡説」の中でもこのPCのコンセントについては触れられていませんでしたから、もともとPCのコンセントは抜けていなかった(抜けていたというのは誤報)だったという事なんでしょうね。

い)みきおさんの格闘場所は1階階段付近
「真犯人に告ぐ!」でも言及されている事なので、疑う余地はなさそうですね。
ただ、番組では「声もだせない」と説明されていますね。
過去の事件簿のコメントでも「一般人がいきなり襲われて、悲鳴をあげる事は難しい」とコメントいただいていますので、それほど珍しい事ではないのでしょう。
逆に「声をだせない」からロフトの二人が事件に気づかなかったと言う説明になりますね。

う)礼君の殺害順は最初
礼君の殺害順が最初と言うのも、これまでの報道の通りですが、その根拠として
「礼君以外の三人は大量に出血、犯人も怪我をし出血しているにも関わらずこの部屋には礼君以外の血の跡が一切なかった。」
手にケガをしているのに手で扼殺(絞殺)は無いだろうと言うのも、従来から言われていた事ですね。

え)梯子は上がっていない。「く」の字に曲げられていた。
初期の報道では夜中の「バタンバタン」と言う音があってこれは梯子を上げた音ではないか?と言われてました。
ただ、入江さんの著書などにより実は「コトンコトン」で静かな夜だったと言うのが後からでています。
その意味では「梯子を上げる音(バタンバタン)」は最初から無かったと言う事なのかな?

さらに、別の報道では「梯子は壊れて上がらなくなっていた」と言うのもあるのですが、この点については、今回の番組では説明されていないようですね。

お)なぜ、年末の事件なのか。
大峯氏の最大の疑問が口座から大金を奪うのに、金融機関が休みの年末を狙うのはどうして?
と言う事なんですよね。
このあたり、入江さんの著書「この悲しみの(以下略)」にも、年明けに金融機関が開けば、犯人が動くだろうという、捜査陣の期待がうかがわれる記載がありました。

ただ、ソファーや床に全ての通帳や銀行カードを置いて犯人が逃げたのなら、口座から引き出す方法が無いのではないか?と言う素朴な疑問がありますね。
逆に言うと、捜査本部は犯人が通帳か銀行カードの幾つかを持ち去っているという確証があったのかな?
実際に犯人が持ち出していたとしても、犯人が現金の引き出しを行わなかったのは、物取り説の否定材料になるかもしれませんね。

加えてもう1つ。銀行カードの暗唱番号がわからなくても、通帳と印鑑があれば口座からお金を引き出す事ができますよね。
当時は通帳に印影が入っていたので、銀行印を探す事も可能だったはずです。
銀行窓口にいかないといけないので、リスクはありますが、通帳と印鑑を入手した段階で口座からお金を引き出す手段を犯人は手に入れている事になる。

ここが重要ですが、だとしたら、犯人が翌日まで現場に居座る理由がなくなりますよね?

「多額の現金が自宅にあるはず」と犯人が信じているのでなければ、現場に残って物色を続ける理由がありません。

普通に考えて、何千万と言う大金を自宅に保管していると言うのは、日本人の感覚としては無いかな?と思います。
例えば、支払われた多額の立ち退き料は当然、口座振り込みだったはずです。
そして、次の不動産物件の購入代金もやはり、口座振り込みで支払うはずなので、宮澤さんが現金を自宅に保管する理由は無いと思うんですよね。

なので、多額の現金が宮澤さん宅に保管されていると考える時点で、世の中の慣習を知らない若年者と言う事が言えるかもしれませんね。

だけど、他にも可能性はあるかもしれない。
犯人が求めていた物が「お金じゃない」場合ですね。

通帳と銀行印を確保した段階で犯人がほぼ目的を達成しているので、それ以上、現場で物色を続ける必要がない。
あるとしたら、犯人の目的がお金じゃなくて、目的の物が見つかってない場合になりますね。

これは、後に出てくる「複数犯説」に通じる物があるかもしれません。

ここまで考えて、大峯氏の疑問に戻るわけですが「なぜ、金融機関が休みの年末の犯行なのか?」

a)ATMから引き出すなら、暗証番号が必要で、それを聞き出す前に全員を殺害しているのは疑問ですね。
みきおさんは成人男性で犯人にとって最大の障害ですから、とにかく殺害するしかないと言うのはありそうな気がしますが、泰子さんはそうでは無いんですよね。暗証番号を聞き出す時間はあったと思います。計画的な犯行なら、ここは外せない部分ですからね。

b)通帳と印鑑で口座からお金を引き出すつもりなら、犯行直後にお金を引き出せない年末を犯人が選択したのは、犯人が年末年始に金融機関が休みと言う事を知らなかった場合と、事件が金融機関が動き出すまで発覚しないと考えている場合で、ちょっと楽天的すぎますね。犯人は銀行カードなどをもってなくて、金融機関が休みと言う事情を知らない場合か、燐家が親族で普段から行き来があると言う事をしらない場合かな。

立ち退き料を狙った物取り犯説を考えた場合、日本国内の事情を知らない外国人説にも通じるかもしれませんね。
あるいは、金融機関の事情に疎い、中高生ぐらいの若年者かな。仕事をしていて給与を口座振込でもらっているなら、銀行カードは持っていたでしょうし、金融機関が休みになると言う事も知っていたはずですからね。

次回につづく

参考リンク
世田谷一家殺害事件再考その202(20年末特番まとめ1「取材メモ」)
2005年NHK年末情報(風呂窓侵入翌日逃亡説の最初の報道)
CGで犯行手順を再現していました、録画してなかったので、詳しくは書けていません。
世田谷一家殺人事件再考その20

以下にこれまでの情報での推理
色々な情報があったんですよね。
今回の報道では、「子供部屋に礼君以外の血痕が無い」と言う事なので、殺害順は確定ですね。

世田谷一家殺害事件再考その111(2012年年末情報)
世田谷一家殺害事件再考その122(犯行順と侵入路と疑問)
世田谷一家殺害事件再考その154(ロフトの足跡問題)
世田谷一家殺害事件再考その156(指紋掌紋問題)
世田谷一家殺害事件再考その157(礼君殺害順問題)
世田谷一家殺害事件再考その170(飛び出しマンはどこへ?)

今回の特番では逃亡口は物取り犯説、怨恨説どちらも風呂窓なんだけど・・・疑問はありますね
世田谷一家殺害事件再考その189(翌日風呂窓逃亡説は崩れるか?)
世田谷一家殺害事件再考その196(手袋の矛盾)



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2021/02/03

世田谷一家殺害事件再考その202(20年末特番まとめ1「取材メモ」)

未解決事件SP
世田谷一家殺人事件
20年目のスクープ
~3つの影を持つ男~

番組では3つの説を順に説明する形で進行しているのですが、共通項目について最初に押さえた方が各説を説明しやすいので、最初に番組で紹介された取材メモをまとめます。
取材メモとなってますが、情報と推理(主観)が入り交じってますね。
大峰氏の物取り犯説ですが、動機はともかく内容としては風呂窓侵入翌日逃亡説で2005年(21/02/06訂正)のNHK年末報道から続く、いわばこの事件の主流となる説だと思います。(ただし、疑問点としては、繊維痕、浴室の足跡などがあります)

一方の廣瀬氏の顔見知り怨恨説は内容として、玄関侵入未明風呂窓逃亡説で、部分的に既出の説ですが、これまで疑問点として挙げられた点をうまく説明できるように完成度上げた説だと思います。(繊維痕、浴室の足跡、靴の持ち込みなど)

詳細はそれぞれの説についての記事で書きますが、風呂窓侵入翌日逃亡説は、「翌日のネットアクセスを犯人の操作による物」と仮定した場合、大量の遺留品が残された事を自然に説明できる点で優れています。ただし、疑問点はあります。

一方の玄関侵入未明逃亡説は「翌日のネットアクセスは犯人の操作ではない」と仮定した場合に、犯人が長居する理由が無いなら、未明に逃亡しているはずと言うことですよね。ただし、この場合、大量の遺留品を残す合理的な理由が必要です。
それを、今回は「偽装」として説明しているわけですね。

番組では他に外国人説、複数犯説についても触れているのですが、それは各記事で書きますね。

以下がメモ一覧です、(長文注意)初/既 初:この番組で初めて報道(だと思う) 既:既出の情報(だと思う)

  大峰氏の物盗り犯説    
No 取材メモ 初/既 ASKAのコメント
1 侵入口は中二階の浴室窓。網戸が公園の遊歩道に落ちていた。 裏の小道が遊歩道なのか?フェンスを越えていないのか?微妙な表現

2

浴室の窓は、唯一鍵がかかっていなかった。 玄関ドアの件を考えると、言い切ってしまってよいのか疑問
3 (大峰氏への取材メモ)犯行は計画的なものだった。
さらに、宮澤さん宅は、公園の拡張計画区域に入っており、立ち退く予定もあった。
立ち退き料目当てとする話は従来からありました。
4 テーブルには、犯人の手袋と帽子が置かれていた。 場所の詳細についてはこれまでの報道と食い違う部分もあるかも?
5 ジャンパーは椅子にかけられ、その上にマフラーが置かれていた。 場所の詳細についてはこれまでの報道と食い違う部分もあるかも?
6 凶器は柳刃包丁。
刃渡り:21cm(警視庁の公表情報により)
関東地域46の店で3500円前後で販売されていた。
 
7 ハンカチを使い、特殊な方法で包丁の柄を包んだ 例のアレで、番組の目玉につながる
8 ヒップバックはソファーの前の床に。 場所の詳細についてはこれまでの報道と食い違う部分もあるかも?
9 階段には横歩きの足跡 カニ歩きの事
10 (みきおさんは)太ももの大動脈を刺された。 傷については既出だが大動脈の部分は初かも
11 包丁の刃先が、数ミリ欠けていた。(みきおさんの額には数ミリの破片が残っていた)  
12 刃先が数cm折れた。(泰子さんを襲った時に折れた)  
13 犯人は長時間にわたり、宮澤さん宅に居座った。 翌日逃亡説
14 男は右手に深い傷を負っていた。 既出だが、断言してよいのかは微妙
15 自分のハンカチを使って止血。 既出だったと思う
16 はしごを「くの字」に曲げて動線を確保した。 はしごは壊れていたと言う報道が過去にある
17 はしごの踏み板の裏側には犯人の血の跡。  
18 タオルやナプキンで止血。 ナプキンは有名な話ですね。
19 左手用の手袋をはめ、握って止血。 これは初だと思う。
20 手袋の内側に男の血液が付着。指の部分が反り返っていた。 これは初だと思う。
21 冷蔵庫内に犯人の血痕。 これは初ですが、冷蔵庫の中のアイスを取り出しているので、考えれば当然かな
22 カップを握りつぶすように、アイスクリームを食べた。  
23 5つのアイスクリームカップを遺棄。  
24 1階の部屋から物色 判断する材料が何だったのか知りたいですね。
25 引き出しを浴室に持ち込み、中身を確認。 これも有名な話ですね。
26 浴槽に書類をちぎって投げ込んだ。 多分既出だと思います
27 トイレには、物色された泰子さんのバッグが2つ。 多分初だと思います。
28 パソコンを起動し、ミュージカル劇団のサイトにアクセス。  
29 宮澤さん宅に大金はなく、男が奪ったのは約15万円だけだった。  
30 銀行カード、パスポートなどをソファーや床に(並べた)。  
31 ラグランシャツを脱ぎ、みきおさんのトレーナーに着替える。  
32 男は、(リビングの)床で仮眠をとった。 仮眠をとった話は出ていたのですが、場所が床と言うのは初かもしれませんね
33 クッションは犯人の頭の形にへこんでいた。 これは初かも
34 電話線が抜けていた。  
35 逃走口は浴室の窓。  
36 窓下に落ち葉を踏みしめた跡が残っていた。  
  ここから廣瀬氏の顔見知り怨恨説    
37 (廣瀬氏への取材メモ)浴室のどこにも、「土足痕」がなかった。 以前に足跡の報道がありました。ただ、断言しているのは初かも
38 (廣瀬氏への取材メモ)窓枠からも、「繊維痕」は検出されていない。  
39 (廣瀬氏への取材メモ)浴室に侵入の痕跡が全くないため、犯人は玄関から入ったとしか考えられない。 これはどちらかと言うと、情報と言うよりは推理なんじゃないかな?
40 犯人は、宮澤みきおさんとある程度、顔見知りだった。 顔見知り説は以前からありました。
41 年末の夜に訪ねられるほどの関係性はあった。 顔見知りならそうなると言うことですよね。
42 靴はこっそり抱えて持ち込んだ。 これは、足跡の泥の量が2階の方が多い事の事実に合わせる為に導入された仮定だと思います。
43 靴を履いたのは、万が一の際、逃げるため。  
44 (靴を履いたのは)顔見知りの犯行を隠すためだった。  
45 ハンカチを使って、顔を覆った。 ハンカチで顔を隠したと言う報道は既出です。
46 ヒップバッグには、包丁の先が貫いた「穴」が数多く開いていた。  
47 殺害方法からは、みきおさんに最も強い恨みが感じられた。 私としては、礼君以外は無我夢中で襲っていると言う印象ですね。
48 麦茶をマグカップに注いで飲む。 既出だったと思います
49 アイスクリームを食べながら止血。 犯行の流れから考えると、こうなると言う推理なのでは?
50 物色したかのように「偽装」した。 顔見知り怨恨説は以前からあるのですが、その詳細が語られるのは初だと思います。
51 (現場検証時)引き出しの中身が床にこぼれた。  
52 (犯人は)こぼれたものを拾い、浴槽の中へ。  
53 一見、乱雑に見える現場だが、几帳面ないつ面が垣間見えた。   これは、情報と言うよりは印象ですね。
54 実際に廣瀬氏も、体格の違う複数の捜査員で検証したが、中身は必ずこぼれた。  
55 しかし事件直後、床には何も落ちていなかった。  
56 つまり犯人は、落とした物をわざわざ拾い、浴槽へ投げ入れた事になる。  
57 逃走時、すでに靴底に泥は付着していなかった。 これは浴室に足跡が無い事の説明の為の推理ですね。
58 着替えて薄着だったため、窓枠に「繊維痕」も付かなかった。 窓枠に繊維痕が無い事の説明の為の推理ですね。

2021/02/06 「2006年年末情報」を「2005年年末情報」に訂正

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2021/01/01

世田谷一家殺害事件再考その201(2020年年末情報)

みなさん、今年もよろしくお願いします。
(「おめでとう」と言う言葉は凶悪事件を扱う事件簿の性格上ふさわしくないと言う事で自粛しております)

事件から20年目の節目報道と重なって、事件を総括するような報道が多いですね。

極めつけはフジテレビの「未解決事件SP 世田谷一家殺人事件 20年目のスクープ~3つの影を持つ男~」(12月19日午後3時35分放送)

まーこれまでの、数々の特番の集大成的な特番になっています。
こちらは、内容が濃いので別途、記事を書きます。
(やっと音声情報の文字起こしが終わりました)

今回はそれ以外の報道で目に付いたものをピックアップしておきます。
(>の部分はASKAのコメントです)

1)事件のポスター(チラシ)が新しく作られた。
警視庁のHPに掲載されている。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/jiken_jiko/ichiran/ichiran_11-20/seijo.html

>私としては、このHPの今年の更新内容がこのポスター(チラシ)の入れ替えだけだったというのが残念です。

2)「科学捜査以外では、家族や元恋人など犯人のごく親しい人がチラシを見たことで、『今なら話せる』という思いになり、情報提供してくれることが何よりの手がかりになります。捜査当局としてはそれに期待するしかない状況です」

>「今なら話せる」とこの10年ぐらい言われ続けていたけど、その意味と言うのは、こういう事なんですね。

3)捜査関係者によると、当時現場近くにあった施設の利用者名簿を頼りに、付近に滞在していた外国人の捜査を今も続けている。大部分は無関係と確認できたが、出国したきり戻っていない人はまだ調べ切れていない。

>こういう捜査をしていたんですね。

4)包丁の柄をハンカチで包み使用したとされ、フィリピン北部で儀式などの際に刃物の柄を包む方法と似ているとの情報も寄せられた。現地の捜査当局に協力要請し調べたが、犯人特定の糸口は見つかっていない。

>まー20年前の、しかも外国の事ですから、なかなか難しいかもしれませんね。

5)偶然の聞き込みからフランス人のハーフ男性が浮上しました。
捜査班は密かに渡仏。捜査令状なしで「容疑者」の母親を尾行して、ごみ箱から母親のミトコンドリアDNAを入手しましたが、完全には一致しませんでした。その後この容疑者は、日本には帰国していないので、この捜査は進展していません。

>これまでに報道されていた、「ハーフの男」とは別人の話なのかな?

6)犯人のバッグの内側に赤系統の染料が付着し、これも原料がドイツにあるメーカーだとわかっています。

>「原料がドイツのメーカー」だとして、それを使った製品が何か?と言う事になりますよね。普通に日本国内で入手できる物だと、犯人にたどり着くのは難しいかもしれません。
実際、染料関係の話題はぷっつりと途切れましたね。

7)北朝鮮の特殊部隊説
>こんな話あったんですか?と思って調べてみたら、数年前に「文芸春秋」さんに掲載された記事のようですね。
>私としては訓練された人間による犯行には思えないんですよね、

8)DNA運用で法整備が必要
外国ではDNA情報から似顔絵を作って捜査に活用しているとのこと。
ただし、警察庁の見解としては、DNAは「究極の個人情報」という人権上の観点から、その遺伝子にかかわる部分は(捜査に)活用しない方針との事のようです。

この為、元成城署署長さんは法整備によるDNA捜査が必要と主張されているとのこと。

>残っているDNAを捜査に活用しようというのは良いと思います。
>ただ、精度はどの程度なんだろうか?と言うのは気になるところですね。

2021/1/1追記
9)包丁購入の男の画像を鮮明化
事件前日の2000年12月29日昼、現場から北に約5キロ離れたJR吉祥寺駅(武蔵野市)北口近くのスーパーの防犯カメラに映っていた。店では、この時間帯に凶器と同じ柳刃包丁「関孫六 銀寿」が販売されており、この男が購入したとみられている。
捜査関係者は「映像の男が犯人とは限らない」とくぎを刺すが、事件直前の00年12月に現場周辺で同じ包丁を購入したとみられる人物のうち、映像が残るのはこの男だけだ。
捜査関係者によると「男を知る人物が画像を見れば、誰だか分かるのではないか」とのこと。

数年前。警視庁は最先端のデジタル技術を駆使し、ある男の画像を「鮮明化」した。

>犯人とは限らないと言うところがポイントですね。公開してひろく情報を募るのはむずかしいかもしれません。

こんなところですね。

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2020/10/13

世田谷一家殺害事件再考その200(住所)

 これまで私は、凶悪事件を考える上で、現場の住所情報と言うのは重要視してきませんでした。
住所が直接、事件の動機になる事はまずないからなんです。
事件報道も、詳細な住所を報道する事はありませんし。
 
この事件でも、詳細な住所情報は報道されていません。
ただ、この事件は例外的に現場住所の詳細が一部に公開さいれています。
 
今回の記事は私がこの住所情報を追っていく経緯を記録したものと考えてください。
 
1)住所情報
まーいつものように、この事件の資料や情報を眺めていて、みきおさんがドメイン取得した情報が目に留まりました。
この情報自体は既に既出の物ですから目新しい物ではありません。
ただ、一応、裏を取っておこうと思ったのが発端ですね。
 
みきおさんが取得したドメイン情報は
「mikio.com」この結果、ネット上からドメイン情報を問い合わせれば、誰でも登録情報を知る事ができるわけです。
この情報で公開されている住所が
 
3-23-26
Kamisoshigaya
Setagaya-ku@` Tokyo 157-0065
JP
 
つまり「世田谷区上祖師谷3―23-26」が現場の住所と言う事になる。
 
2)クロスチェック
でこの情報をクロスチェックする為に検索してみるわけです。
基本的に報道情報には詳細に住所が出ないと言う原則のもとにヒットしませんでした。
(wikiだけが誤った住所でヒットしましたが、現在は表示されていないようですね)
 
で、ネットでのクロスチェックを断念して地図情報から逆引きする事でクロスチェックします。
 
ゼンリンのナビソフトを使うと上祖師谷3丁目には現在3つの住所が登録されている。
これをGoogleMAPで位置を確認すると確かに3つの場所が確認できる。
ただし、3-23-17はGoogleの航空写真でみる限り、建物は無い更地になっているようです。
建物が確認できるのは、3-23-26(現場)と3-23-33(民家)ですね。
 
Photo_20201013113503 Photo_20201013113601 Photo_20201013113603 Photo_20201013113502 Photo_20201013113602
3丁目23番地の登録情報 3丁目の範囲 3-23-17 3-23-26(現場) 3-23-33(民家)
3)疑問
ここで新たな疑問が出るわけです。
一つ足りない?・・・つまり燐家の入江さん宅の住所が無いんです。
宮澤家と入江家(泰子さんの母宅)は隣接しているが別の家と言う認識なので、もう一つ入江家の住所が足りないのではないか?と言う疑問です。
 
4)仮説
この疑問を解決する方法としては、今まで2軒の別々の家と言う認識でしたが、少なくとも土地については1件なのではないか?と考えると説明できますね。
 
これの根拠と言うか補足情報を探します。
この件については唯一の情報が週刊誌情報ですが有ります。
 
この土地の購入情報としてこの情報があります。
1990年 自宅購入(宮澤さん夫婦が泰子さんの母親や姉夫婦と共同で約一億五千万で購入した中古住宅。)
 
つまり、共同購入なので共同所有となり、土地は分割(文筆)されていない状態で、その上に2軒の建物をたてのではないか?と言う仮説を導入します。
 
実際には公図をみれば土地の情報が一発で確認できるのですが、このコロナ禍の中、世田谷まで公図を確認しに行きたくないと言う事情で今回は仮説のまま話しを進めます。
 
あとは例え、同じ土地の上でも建物を区分する住居番号が付くと思うので、住居表示が2軒で全く同じになるとは思えないです。
 
5)懸念
さて、入江家と宮澤家の住所が同じだとして、では何が懸念されるのか?
 
それは「人違い殺人」です。
例えば、この事件が「依頼殺人」だとして、依頼内容が「上祖師谷3-23-26の家から「ブツ」を回収してくれ、家族は殺害してもかまわない」と言う内容だとしたら?
 
犯人は住所を頼りに現場を事前に確認するでしょう?
その時、公園内の通りから奥に入って確認するはず。
その時、手前にある宮澤家の表札(住所表記)を見て「ここだ」と判断しても不自然じゃないですよね。
 
犯人が「住所は一つ」と言う先入観を持っていれば、更に奥の入江家の表札(住所表記)を確認しないまま、宮澤家だけを確認して「ここだ」と判断してもおかしくないわけです。
 
そう、この住所が燐家と同じと言う事で「人違い殺人」を肯定する材料が一つ増えます。
 
5)結論は変わらない
「人違い殺人」の肯定材料が一つ増えるのですが・・・同時に否定する材料も一つ増えます。
 
これが、依頼殺人にしろ単独犯にしろ、人違い殺人だったとしたら、実行犯は殺人で死刑、依頼した人物も殺人教唆で死刑でしょう。
 
何が言いたいかと言うと、死刑を覚悟して行った犯行が目的を達成できずに終わって、それで済むのか?と言う事ですね。
 
既に、4人を殺害している段階で死刑当確です。ならば、人違いと判明した段階で、本命を襲って目的を達成するはずじゃないの?と言う事ですね。
 
その意味で、事件後に入江家に強盗が侵入したと言う話は聞いた事がありません。なのでこれが否定する材料の一つですね。
 
更にもう一つは、高齢の泰子さんの母を狙ったとは思えないわけで、残るは多分クリスマス休暇を日本で過ごす為に来日していた入江さん一家を狙った事件と考えるわけですが・・・
 
ここでも疑問なのが、いわば日本に帰省しに来る入江さん一家が、重要な物をわざわざ日本に持ち込むのか?と言う疑問です。当時学生だった長男と、多分主婦だった入江さん本人が狙われる可能性は無いとして、入江さんの旦那様が狙われた場合。
本拠地である英国がクリスマス休暇なので、英国や欧州、北米も同様にクリスマス休暇で仕事にはならないはずですよね。
 
なので普通に考えれば、襲われるような重要な物を持ち込むとは思えないです。
 
と長々と書いてきたわけですが、結局のところ、「人違い殺人」の可能性は低いのではないか?と言うところに行きつきますね。
2020/12/28 表の左側が表示されるように写真データのプレビューサイズを変更

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2020/06/20

世田谷一家殺害事件再考その199(地蔵の出所についての妄想)

今回は地蔵の出所に関する妄想を考えてみます。
最初に見てもらいたいのは、警視庁の配布している地蔵のPDFです。
この中に地蔵の写真があるのですが、注目したいのは、地蔵を側面から撮影した2枚の写真です。
この写真を見る限り、この地蔵は明らかに前方に傾斜しているのが分かります。

LR  
今回はこの傾斜の意味を考えるわけです。
1)この前方傾斜は意図したものなのか?
意図した物で無いのであれば、やはり不良品と考えて良いと思います。
地蔵なんて日産、100体とか大量生産されるような物では無いと思うので、当然、仕上がりについては生産者が念入りに確認していると思うわけです。その点では墓石や仏像に準じるぐらいの意識でやられていると思うんですよね。

2)意図した前方傾斜だとしたらその意味は?
ここで、仏像の傾斜についての論文がありました。
「仏像、迎え角」のキーワードで検索してもらうとヒットすると思います。
要約すると、仏像は参拝や拝礼する人間との位置関係を想定して、参拝者、拝礼者と視線が合うように設置位置が調整されていると言う物ですね。
それが、仏像の傾斜になる。

つまり、この地蔵の傾斜がもし、参拝や礼拝者との位置関係を想定して意図して作られた傾斜(迎え角)であるなら、その制作目的に関係していると思うわけです。

3)世田谷一家事件の現場(犠牲者)を見守る為に設置する為に制作されたのか?
これを考えるには、現場と設置された遊歩道との位置関係を考える必要がある。
ここで利用するのが国土地理院が試験公開している標高がわかるweb地図です。
https://www.gsi.go.jp/johofukyu/hyoko_system.html
このページの下の方に実際のweb地図のURLがあるので、そちらをクリックすると利用できます。
地蔵の正確な設置位置が不明ですが、とりあえず、正対する対岸と仮定して計測すると、対岸の遊歩道の標高は38.92mで、現場の標高は40.57mであり、その結果、地蔵の遊歩道より現場の方が1.65m高い事になる。

_2

(川底の部分の標高が高くなっているのが少し気になりますけど・・・)
地蔵の全体の高さ59cmを差し引いても、現場の方が地蔵の目線よりも1m以上高い事になり、設置された地蔵は、現場を見ていない事になる。

この為、私はこの地蔵は現場を見守る為に対岸に設置する事を想定して制作された物では無いと考えています。

4)一般販売向けに制作されたのか?
ここでも、前方傾斜が問題になります。そもそも、高さが59cmしかないので、参拝(拝礼)する人間がしゃがんで拝んだとしても、参拝(拝礼)する人よりも顔が低い位置にくる為、地蔵が視線を下に向ける意味がありません。
設置位置が特定できない一般販売向けであるなら、地蔵自体が水平、垂直に設置され、視線は水平近くを見る作るにするのではないか?と思うのですが、このあたりは、販売店さんや石材店さんのご意見を伺いたいですね。

5)視線を考えた制作目的
視線が下を向いているので、参拝者(拝礼者)が見上げる形で参拝(拝礼)する事を想定していると思います。
だとすると、参拝者(拝礼者)の拝む状態によって二つの状態が考えられます。

しゃがんだ状態:日本人の場合、座高は身長の53から55%になります。身長170cmなら、座高は90から94cm、しゃがんだ時の足の分を20cmとして、人間の目の高さは110cmぐらいだろうか、それよりも地蔵の目は上の位置に設定されているわけだから、50cm以上の台の上にこの地蔵は設置される想定だったのではないか?と考えます。

立った状態:男女差もあるけど、高い方に合わせるとして、やはり170cmぐらいを平均身長だとすれば、110cm以上の高さの台の上に設置される想定だったでのはないか?

と考えた場合、この地蔵は道端に直接設置するような目的で制作されていないのではないか?と妄想します。

6)台座の六の文字を考えた場合
これが六地蔵の番号を表すのであれば、六体セットの六地蔵として制作されている可能性があります。

このあたりから妄想を膨らませるわけですが・・・・
この地蔵はもともと、お寺や墓地などの一角に設置する為に制作された六地蔵の中の1体ではないか?
それが設置前に注文がキャンセルされた為に、1体ずつ、一般へのバラ売りされるような状態になり、この地蔵を現場に設置した人が偶然に入手したと言うあたりでしょうか?

もし、そうなら、制作時に注文を受けている特注品であるわけだから、注文書が販売店や石材点に残っている可能性がありますね。
ただ、実際には発注元には納品されていないと思われるので、この地蔵を現場に設置した人には直接つながらないかもしれません。
ただ、どこが出所なのか?と言う手がかりにはなるかもしれませんね。
さすがに、六地蔵を新規に作成するようなケースは日本全国でも、年に数件あるかないか?だと思うんですよね。

他には、お寺や墓地に六地蔵として設置後に盗まれたと言う事だと、普通に被害届が出ていると思います。
これは、納品前に石材店の倉庫から盗まれた場合も同じですね。

ちょっと補足
礼拝、参拝、拝礼は使い分けがあるようなのですが、ちょっと、違いが分からないので、参拝、拝礼を併記しました。

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2020/03/03

世田谷一家殺害事件再考その198(盗聴器)

コメントで話題にあがりましたので、今回、盗聴器について考えてみます。
ただし、この事件において、盗聴器があったと言う報道はありません。
 
まずは
§1.盗聴(器)の目的は何か?
盗聴器と言うと秘密を全て聞き出せるような、そんなイメージがあるかもしれませんが、考えてみれば、盗聴と言うのはそれほど、効率的な情報収集方法では無い事が分かります。
 
まず、音声情報である事で、盗聴する側は、盗聴した音声を全て聞いて情報を抽出する必要があります。
現在なら、AIによる音声認識による書き起こしが可能ですが、当時はそこまでの技術は無いですよね。
98年発売の一太郎9が音声入力に対応していましたが、それほど話題にはなってなかったんじゃないかな?
 
なので、盗聴が有効な情報としては、頻繁に会話に出る情報(仲間内の噂話とか)、特定の時間に会話に出る情報(主婦の浮気の電話とか)こんなところだと思います。
他にはラブホテルに盗聴器が仕掛けられているなんてのも、ありがちな話のようです。
 
いつ出てくるか分からない情報を延々と聞き続けると言うのは、警察など経済性を考えなくて済む場合か、逆に経済的な報酬が保証されているような探偵業、または、経済性度外視のストーカーなどかな?と思います。
 
多少の効率化を狙うなら、録音しておいて、1.3倍速などで再生する事で、若干の効率化が狙える可能性はありますね。
他に会議用のテレコなどなら、音声がある時だけ録音、無音の時は録音停止なんて機能もあったと思います。
ただし、この場合、盗聴電波の届く範囲に電源が用意できると言う条件が必要です。
長時間となると、家か車と言う事になるかかもしれませんね。
 
事件当時の宮澤家の状況としては、すでに立ち退きの交渉は終わっていて、移転先を見つけている状態です。
なので、この時点では会話の中に立ち退き料の金額などは出てこないタイミングだと思います。
 
ただ、事件のずっと以前から盗聴していたと言うのであれば、可能性はあるかもしれません。
しかし、立退料が目的なら、宮澤家だけが対象ではないはずなんですよね。この地域に住んでいる人間で、立ち退きを考えている家は全て対象になりますよね。
 
§2.推測される使い方
このあたりから、使い方を推測してみると、こんな感じかと思います。
1)帰宅(在宅)の確認(室内照明で確認できますね)

2)就寝の確認(無音だから就寝中と言うのは微妙ですね)

3)ストーカー(泰子さん、にいなちゃんにストーカー被害があったのか?は不明)

4)事前に必要な情報が会話に出るように誘導した場合の情報収集
これは、具体的に書くと支障がありそうなので、自粛します。
一番怪しいのは高額の立退料だけど、現金で立ち退き料を家に保管しているわけではないから、立退料がいくらだから、では強盗しようとはならないでしょうね。
もし、仮に立退料を狙ったのだとしたら、立退料が振り込まれた当日にでも実行しないと、あとは支払いでどんどん、減っていくので、時期としては、立退料目当てと言うには、少し遅いような気がします。
 
まとめると、仮に盗聴器があったとしても、事件に関係するような情報が入手できたかどうか?と言うのは、なんとも言えないですね。ただ、会話を誘導して情報を入手できるなら、顔見知りと言う事になるかな。
 
ストーカーや犯人が監視していたとしても、何の情報が切っ掛けで犯行に至ったのかもわかりませんね。
まー盗聴器は手段なので、それが動機に結び付くわけでは無いと言う事ですね。
肯定する材料も否定する材料も無いので、追加で情報が欲しいですが・・・
 
ちなみに、盗聴器は盗聴器を仕掛けた犯人だけが、それを聞く事ができるわけでは無くて、受信機を持っている人間なら、犯人以外でも聞く事ができます。
その手の電波を傍受する事を趣味とする方もいますので、現場周辺のアマチュア無線愛好家の方の中で、当時、宮澤さん宅と思われる盗聴電波を傍受された記憶のある方はぜひ、コメントくださいませ。

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