2021/10/04

福岡県小郡市警察官家族3人殺人事件その4(控訴審判決)

***初公判(4月23日)***
1)控訴審で弁護側は、被害者の死亡推定時刻に疑いがあり、被告が出勤で家を出た後に事件が起きた可能性を改めて主張。また、1審で被告の精神状態の審理が尽くされていないとして精神鑑定を求めたが、高裁から認められなかったとのこと。

別の報道では
弁護側は地裁判決について「事実誤認がある」と改めて無罪を主張し、有罪だとしても「量刑が重すぎる」としていたとのこと。

2)検察側は、控訴棄却を求めまたとのこと。

***判決公判(9月15日)***
1)裁判長は殺害されたとみられる時刻などから第三者の犯行を否定した一審判決は不合理ではないと指摘したとのこと。

別の報道では
控訴審判決で福岡高裁は遺体の状態からも3人が殺害された時刻に被告は在宅していて、3人が死亡している異変に気づかないはずはないとし、1審判決に不合理はないとしたとのこと。そのうえで「3人を殺害したという結果が誠に重大でありとりわけ子供らを殺害したことについてはその動機に酌量の余地がない」と1審の死刑判決を支持し被告側の控訴を棄却したとのこと。

2)裁判長は「生命を軽視する態度が甚だしく非常に悪質」として、一審の死刑判決を支持し、控訴を棄却したとのこと。

3)遺族は「殺された理由や詳しい事実は結局分からないままとなり、この点には、到底納得がいきません」とコメントしているとのこと。

こんなところですね。
一審でほぼ全面的に負けているので、二審で逆転するには新証拠が必要なんでしょうね。
ただ、「被告が在宅中に事件が起きていて、被告がそれに気づかないはずがない」と言う事なので、これを崩すのはちょっと難しいと思います。
その為、弁護側は被告が外出した後の事件と主張したわけですね。
結果、今回も判決を覆すには至らずと言うところですね。
上告すると思いますが、やはり、新しい証拠でも出ない限り結果を覆すのは難しいかもしれませんね。

続報を待ちましょう。

参考リンク
福岡県小郡市警察官家族3人殺人事件その3(一審判決)

| | コメント (1)

2019/12/20

福岡県小郡市警察官家族3人殺人事件その3(一審判決)

***論告求刑公判(12月2日)***
1)検察側は「極めて悪質な事案」と非難し、死刑を求刑した。
 
検察側は論告で、「現職警察官が何の落ち度もない家族を皆殺しにした極めて衝撃的で重大、悪質な事案」と指摘。証拠隠滅や反省の態度が一切ないなど悪質さも高いとし、「死刑の選択はやむを得ない」と述べたとのこと。
 
別の報道では
検察側は、被告が事件後に普段通りに出勤し、他人の犯行であるかのように振る舞ったとして「無理心中とは全く異質の身勝手かつ自己中心的な犯行」と主張。また、3人が数分間にわたり首を絞められて殺害されていることから「強固な確定的殺意に基づく、冷酷かつ残忍な犯行だ」と非難したとのこと。
 
これらの悪質性を踏まえ、事件に計画性が認められない点や、殺害の動機が明確になっていない点が死刑回避の理由にはならないと強調したとのこと。
 
さらに、事件後に3人の遺体をつなぐようにライターオイルをまいて燃やすなど証拠隠滅を試みたと主張し、遺族の厳しい処罰感情などからも、3人が死亡した他の殺人事件と比較し死刑が相当と結論付けたとのこと。
 
 
2)意見陳述に立った妻の母親は「死刑を望みます」と述べたとのこと。
 
「娘と一緒に子供の成長を見守るはずだった。3人を返してください。悔しくてたまらない」と訴え、厳しい刑を求めたとのこと。
 
3)弁護側は、仮に犯人であるとしても計画性はなく「死刑は回避されるべき」と主張したとのこと。
 
別の報道では
弁護側は過去の判例から、殺害への計画性の有無は、死刑かそれ以外かを分ける大きな点であると主張したとのこと。その上で、事件後の証拠隠滅行為も場当たり的で計画性はなく、現職警察官が逮捕されたとはいえ「職務犯罪ではなく、被告が権限利用した犯罪とは異なる」と指摘。「死刑にして社会からの永遠の排除とすべき根拠とはならない」と訴えたとのこと。
 
4)被告は「適切な判断をお願いします」と述べて審理は終結したとのこと。
 
5)判決は12月13日の予定。
 
***判決公判(12月13日)***
一審判決は死刑(求刑死刑)
 
1)判決理由で、仮に第三者の犯行だとすると、この時間に自宅にいた被告に「気付かれることなく3人を殺害したとは考えられない」とし、周辺の防犯カメラ映像や自宅の指紋状況などからも第三者侵入の可能性を排除したとのこと。
 
福岡地裁は「外部犯が被告人に気付かれることなく3名を殺害し、被告人にだけ危害を加えないということは考えられない」などと指摘した。
 
その上で、被告の左腕に妻が抵抗した際に付いたとみられる傷があり、妻の右手薬指の爪の間から採取した微物が被告のDNA型と矛盾しないことなどは、妻を殺害した犯人と裏付けるものだと指摘したとのこと。
 
動機は「不明」としつつも、被告が妻から日常的に叱責されるなどしていたことを踏まえ「何らかのきっかけでこれまでの鬱憤を爆発させ、衝動的に犯行に及んだとみるのが自然」と述べたとのこと。
 
さらに、妻が日ごろから熱心に子育てに取り組み、事件以降の子供の予定も入れていることなどから、妻が子供2人を殺害した可能性も否定したとのこと。
 
「妻を殺害した被告が冷静さを欠いた心理状態のまま衝動的に子供たちを殺害したという想定は可能」と判断したとのこと。
 
また、3人の遺体をつなぐようにライターオイルをまいて火をつけた痕跡があることについて「証拠隠滅を図ろうとしたと推測できる」と指摘。「現職警察官が妻子3人を殺害したという衝撃的な事件で社会的影響も軽視できない」と指弾し、「計画性は認められないとはいえ、死刑の選択は免れない」と結論づけたとのこと。
 
判決では被告の主張は「事実に反する虚偽の供述」などと断罪され、ことごとく退けられたとのこと。
 
裁判長が子2人について「無限の可能性のある未来を突然閉ざされた」と指摘したとのこと。
 
2)妻の遺族のコメント
判決については、私たちの意見と異なることはありません。
しかし、殺害された理由や、詳しい事実が結局わからないままになった点については、到底納得がいきませんとのこと。
 
「いまはただ、3人の思い出と共に静かに過ごしたいと願っております」とのこと。
 
3)被告は判決に対し、即日控訴している。
 
こんなところですね。
一審判決は死刑となりました。
まー警官でなくても、3人殺害ですから、普通に死刑ですよね。
なので、犯人と認定されたら、汲むべき事情がなければ死刑は当確だと思います。
 
なので弁護側としては完全無罪(冤罪)を主張する以外に方法が無かったのかもしれませんね。
 
外部犯行が否定されてしまうと、他に犯行が可能な人物はいないわけで、ここを抑えた検察側の勝利と言う事でしょうか。
 
事件自体については、この手の事件は結構ありますね。
2010年3月の宮崎市花ケ島家族3人殺害事件
夫が同居する妻とその母親、そして生後6か月の男児を殺害した事件でした。
この事件でも、給料が安いなどと責められて日常的に鬱憤を貯めこんだ末の事件ですね。
判決も死刑でした。
 
最初は互いに好いて結婚したのに、その後に関係を壊して、一方的に鬱憤をため込んでしまうと言う状況になると、この鬱憤をうまく処理できなければ、離婚するか、残るは事件を起こすかしかないのかもしれませんね。
 
今回の事件だと
残業と嘘を言って、パチスロとか、まーありそうな話ではあるんですが・・・
子供は9歳と6歳、6歳の小学1年生だとまだ、目は離せないから、母親としては早く帰宅して家事や育児を手伝って欲しいと言うのはありますよね。
 
それから、事件当時の報道などでは、転勤が多かったと言うのもあり、母親としては子供の学校などの事もありますから、不満につながる事ではありますよね。
事件当時の報道では、「妻とは不仲で子育てで口論になった」と言うのもありますね。
公判の中でも離婚話になったと検察側が指摘してますね。
 
で、裁判の報道でははっきりしませんが、事件直前の昇進試験に落ちた件が、口論のきっかけだったのかな?
弁護側は妻は結果を知らなかったと主張していましたが・・・
この点は微妙かな・・・でも、普通に給料を上げるなら出世するしかないので、その為の昇進試験と考えれば、家族の為に「がんばってよ」と妻が思っても不思議じゃないですよね。
 
私としては、そんな事で子供を含めた家族を殺害してしまうと言うのは理解できませんけどね。
 
判決が出たので、被告人の犯行だとすると、公判では話題に出てないかったのか、紙面の都合で記事にされていないのかわかりませんが、事件後の被告の偽装工作がすごいですね。
多分、考え付く限りの偽装工作をしていると言っても良いのではないかな?
 
このあたりは、事件当時の報道を見てもらった方が良いと思います。
身内に自殺と通報したと捏造したり、携帯に電話したりと細かい事を沢山してますよね。
突発的な事件だったのに、良く思いついた物です。仕事がらなんでしょうか?
 
そのあたりと、今回の全面無罪の主張を考えると、悪質と言う印象はぬぐえませんね。
まー死刑回避の為に全面無罪の主張をするのはアリかと思うのですが・・・犯人と断定されてしまうと、全くの嘘だったのね!って事になりますからね。
 
「家族のためにもう一度捜査して犯人を捕まえてほしい」これなんて、どの口が言っているんだって事になりますから、裁判って怖いんだなと思ってしまいます。
 
それでも被告人質問で
「やり直せるなら事件が起こらないように事件の前日に戻りたい」と言うのは本心なのかもしれませんね。
 
とりあえず、この事件を防ぐとしたら、夫婦でも、執拗に叱責したりすると、鬱憤が溜まって暴発してしまう可能性があるので、ほどほどにしておくのが良いのかな?
でも、それで不満の原因(生活態度)などが変わらない場合は、身近な人に相談するとかなのかな?
誰に相談するのか?と言うのが難しいところかもしれませんね。

亡くなった3人のご冥福をお祈りします。
 

| | コメント (2)

福岡県小郡市警察官家族3人殺人事件その2(一審公判)

長文注意です。
***初公判(11月5日)***
1)検察側は冒頭陳述で、被告が妻と不仲になり、同僚に「妻に死んでほしい」と打ち明けていたと指摘。残業と偽ってパチスロをしていたことが妻にばれ、離婚話になったことを明らかにしたとのこと。
「家庭を顧みず不満をためていた。妻や子どもを殺害する動機となり得る事情があった」と主張したとのこと。
 
自宅付近の防犯カメラ映像や歩数計アプリの履歴などから「被告は3人の死亡推定時刻に自宅にいて、活動していた」と説明。現場の鑑識に当たった福岡県警捜査員は「玄関ドアは不正な方法でこじ開けられた痕跡はない」と証言し、外部の侵入や第三者の犯行を疑わせる事情はないことを立証しようとしたとのこと。
 
妻の首から被告のDNAが検出されたことを指摘したとのこと。
 
2)弁護側は「夫婦関係は悪かったが、殺害の動機につながるものではない」と述べたとのこと。
 
被告を犯人と断定する直接の証拠はなく、「検察側の主張では第三者が介在した可能性を否定できない」としたとのこと。
 
「アプリの履歴だけで被告が起床していて、犯行までしたといえるか。防犯カメラに死角があり、第三者が侵入した可能性を否定できていない」などと、証拠に「穴」があると疑問を投げ掛けたとのこと。
 
検察側が考える3人の死亡推定時刻は、最大9時間半も幅があるため「本当に死亡推定時刻を特定できているのか」と捜査の不十分さにも言及したとのこと。
 
3)罪状認否で被告は「一切身に覚えがなく事実無根。間違いなく冤罪です」と無罪を主張したとのこと。
 
4)起訴状によると、被告は17年6月5日深夜から同6日未明にかけ、同市小板井の自宅で、妻=当時(38)=の首を何らかの方法で圧迫して殺害した他、小学4年の長男=同(9)=と小学1年の長女=同(6)=の首をひものようなもので絞めて殺害したとされるとのこと。
 
5)事件当時、一家は4人暮らし。被告は県警本部の通信指令課員だったが、妻殺害の罪で起訴後、懲戒免職となったとのこと。
 
6)妻の姉が証人として出廷。
長男の遺体発見時の状況を説明する際、あふれる涙をハンカチや手で拭っていたとのこと。
 
***第二回公判(11月6日)***
証人尋問
遺体を司法解剖した法医学者
 
1)検察側証人として出廷した法医学者は、3人の死後硬直の状況や直腸内の温度を基に「いずれも未明に死亡したと考えるのが自然で、午前6時半より前の死亡は確実」と述べたとのこと。
 
2)弁護側は「気温や湿度により死亡推定時刻は変わる」と反論したとのこと。
 
3)被告は捜査段階の調べなどで、この時間帯に在宅し午前6時50分ごろ出勤したことは認めているが、「出勤した際に3人は寝ていた」と説明。無罪を主張しているとのこと。
 
***第三回公判(11月15日)***
被告人質問
1)被告人質問で、自身の犯行かどうか問われ「違います」と述べたとのこと。
 
「家族のためにもう一度捜査して犯人を捕まえてほしい」と改めて無罪を主張したとのこと。
 
検察側は、妻子3人は2017年6月6日午前6時半までに殺害されたとしているが、被告は同6時の起床時には全員寝ていたと説明。検察側が殺害時に抵抗されてできたと指摘する左腕の傷は「前夜に風呂から出た時、妻からたたかれ付いたと思う」と述べたとのこと。
 
被告のスマートフォンの記録から被告は6日未明に活動していたとする検察側の主張には「妻から定期的にスマホを点検すると言われており、妻が操作したのかと思った」と反論。「子供が一番大事で、子供のために死ぬことはあっても手をかけることは絶対にない」とも語ったとのこと。
 
2)弁護人から事件発覚前日の17年6月5日夜の行動を尋ねられると、被告は自宅2階で午後9時過ぎに長男(当時9)、長女(同6)を寝かせ、その後は「布団でスマートフォンをいじっていた」と説明。その後、2階に上がってきた妻(同38)から「叱責された」と述べたとのこと。
 
3)裁判員の質問に「やり直せるなら事件が起こらないように事件の前日に戻りたい」と答えたとのこと。
 
***第四回公判(11月18日)***
中間論告と中間弁論
1)検察側は「3人も殺害されているのに、自宅にいた被告に気づかれず殺害することは困難」と指摘。
 
また子供の殺害についても「愛情が希薄で、人生の再スタートにおける障害となり得る」とし「被告が犯人であることは明らか」と主張したとのこと。
 
検察側は中間論告で
A)殺害時刻とされる2017年6月6日未明に、被告のスマートフォンのアプリに自宅の1階と2階を上り下りした記録がある
 
B)被告の左腕に真新しい傷がある
 
C)第三者の侵入はうかがえない
などの間接証拠を列挙。さらに夫婦が長年不仲で、事件直前には警部補昇任試験に不合格となったことを妻から責められるなど「動機となり得る事情」があったと主張し、「これだけの事実が偶然に重なることはあり得ない」と結論付けたとのこと。
 
2)弁護側は、いずれの証拠も「被告の犯人性を推認するものではない」と無罪を訴えたとのこと。
 
弁護側はスマホは妻が操作した可能性があり、左腕の傷も事件時のものとは限らないと反論。昇任試験の結果は妻に伝えておらず、子供との関係も良好で殺害動機はないと訴えたとのこと。
 
弁護側は死亡推定時刻が断定できないことなどから「事実の証明力に限界がある」と述べ、子供の殺害については「妻にも同等の可能性がある」と指摘したとのこと。
 
3)被告も「家族のためにもう一度捜査を見直して、犯人を捕まえてほしい」と述べたとのこと。
 
***第五回公判(11月29日)***
被告人質問
1)被告は、殺害したとされる妻=当時(38)=との不仲を認め「私が期待に応えられなかったからだと思う」と述べたとのこと。
 
また、仕事と偽り友人宅に泊まることがあったとし「妻との接触機会を減らすためだった」と説明したとのこと。
 
とりあえず、こんなところですね。
ここまでの流れだと、検察側、弁護側五分五分と言ったところかな?
ただ、妻の首から出た被告のDNAは弁護側には不利かもしれませんね。
 
いずれにせよ、被告は完全無罪(冤罪)主張しているので、犯人と認定された場合、反省なしとなって、弁護側に不利な印象ですね。
 

| | コメント (0)

2019/02/09

滋賀県警19歳警官拳銃同僚射殺事件その2(一審判決懲役22年)

はじめに長文注意です。

***初公判(1月30日)***
1)元巡査は罪状認否で「その通りです。間違いありません」と事実関係を認めた。弁護側はストレスなどによる、心神耗弱を主張したとのこと。

別の報道では
弁護側は、被告が犯行前の状況について「書類作りができない自分に苦しみ、萎縮した状況で誰にも相談できず、寝ることができませんでした。この人が死んだら楽になると、フワフワした現実感のない状況で引き金を引いた」などと述べているとし、病的な心理状態で刑を減軽すべきと主張したとのこと。また被告の現在の心境として「厳しい指導で育てようとしてくれた。罪悪感でいっぱい。許されないことをした自分を激しく責めている」と述べているとしたとのこと。

弁護側は「繰り返し叱責を受け、イライラしていた元巡査は『おまえがアホなんは、親がアホやからちゃうんけ』と言われ、『この人が死んだら楽になる』ということで頭がいっぱいになった」と主張したとのこと。

2)検察側は「厳格な指導に怒りを爆発させたが、逃走時に交番を施錠して犯行の発覚を遅らせるなど合理的に行動しており、弁護側が主張するような、適応障害により責任能力が著しく減退した状況ではなかった」と述べたとのこと。

別の報道では
冒頭陳述で検察側は「書類の作成で繰り返し訂正を求められるなどして蓄積した怒りや不満が爆発し、射殺を決意した」と動機を指摘。「後頭部や背中を的確に射撃し、発覚を遅らせるため交番のドアを施錠して逃走した」と述べ、完全責任能力があると強調したとのこと。

午後は同じ交番に勤務していた警察官の証人尋問が行われた。死亡した警部の指導について「細かいと思うところはあったが、理不尽とは思わなかった」と証言。元巡査は死亡した警部からの指摘を受けて疲れ切った様子で、ラインで「(死亡した警部と)2人での勤務にびくびくしている」と送ってきたことがあったとのこと。

3)この日の大津地裁での公判では、元巡査が逮捕当時少年だったため、実名を伏せて進められたとのこと。

4)公判前の争点整理段階で、弁護側は、元巡査が心神耗弱状態で責任能力は限定的だったとしており、責任能力の範囲が争点となるとのこと。

5)地検は昨年6月、刑事責任能力を問えるとして起訴したが、大津地裁は弁護側の請求に基づき精神鑑定を行った。

6)交番で2人と一緒に勤務していた20代の男性警察官は、巡査部長について「書類指導は細かく厳しく、自分も内心びびっていた」と証言。元巡査のことは「パソコンが苦手だったが、元気であいさつがしっかりしていた」と語ったとのこと。

証言によると、事件の9日前、元巡査は書類作成を巡り、巡査部長から12~13回、訂正を求められた。修正は午前3時までかかり、元巡査はだんだん元気を失くしていったとのこと。ただ、「理不尽な指導や暴言、暴力は一切なかった」と話したとのこと。

他にも、複数の警察官の供述調書が証拠提出された。巡査部長について、親しかった警察官は「『(元巡査を)育ててやらなあかん。これからや』と話していた」。以前に部下だった若手警察官は「何度も怒られ萎縮したが、最後に『頑張ったな』と言われ、涙した。厳しさの中に優しさがあった」とのこと。

巡査部長の前に元巡査を指導した上司は「質問することも多く、まじめで仕事を早く覚えようとする姿勢があった」とのこと。

***第2回公判(1月31日)***
1)午前中は被告人質問があり、元巡査は巡査部長に何度も書類の訂正を求められ、元巡査は「巡査部長の嫌がらせではないかと思いました」と話す一方で、「自分には警察官としての資質が低いのかなと思いました」と答えました。

巡査部長から何度も指導を受け、「何を答えても『なんでやねん』と言われ、今思うと僕が見当違いの答えをしていたのだろうが、当時はゴールが見えなかった。心臓がしめつけられるような痛みがあった」と振り返ったとのこと。元巡査は、家族のことを問われると、「優しい兄」「とても賢い妹」などと答え、時折言葉に詰まることもあったとのこと。

犯行時の心境について、親を侮辱され「なんでこの人に、ここまで言われなければいけないのか」「この人を撃って自分も死んだら楽になると思ってました」
と動機について話したとのこと。

元巡査は、弁護人の質問に対し、昨年4月11日夕、彦根署河瀬駅前交番(彦根市南川瀬町)で勤務中、奥の部屋で弁当を温めている際、巡査部長=当時(41)、警部に昇任=から「行方不明届ごときなんで書けへんねん」と怒られ、続けて「お前があほなんは親があほやからちゃうんけ」とののしられたとのこと。再三の指導でたまっていた感情があふれ、トイレで涙が止まらなくなったと述べたとのこと。

その直後、「この人を撃ったら楽になれる。びくびくして仕事をする状況から逃れられる」と思い、トイレから出て拳銃の撃鉄を起こして、井本巡査部長の背後に立った。しかし、「のどがからからに渇いた」ため、一度奥の部屋に戻ってスポーツドリンクを飲み、再び背後に立って発砲した、と説明した。弁護人から「悪いことだからやめようとは思わなかったのか」と聞かれ、「全く思わなかった」と話したとのこと。

「頭が全く回らない状態で、淡々とこれで楽になるんじゃないかなと思いました」とのこと。

巡査部長と一緒に勤務したのはわずか5回。しかし、元巡査は巡査部長に叱責されるたびに「心臓を締めつけられるような痛みがあった」と当時を振り返った。一方で、「なぜあんな異常なことが頭に浮かんだのか、今から考えると他にも選択肢はあった」と話したとのこと。

2)午後
元巡査は「彦根署での実習が始まったころから、仕事を思うようにできず悩み続けていた」とし、誰かに相談できなかったのかという検察側の問いには「新人のくせに不満を言うなと思われるのが嫌で、相談できなかった」と答えたとのこと。

3)母親が証人として出廷した。母親が話し始めると、元巡査は涙を流したとのこと。

事件の数日前に、元巡査から「死にたい」という内容のメッセージを受け取っていたことを証言したとのこと。

母親は、元巡査は3人兄弟で、中でも一番優しい子だったと話していて、警察官になったときは、大変うれしく自慢の息子だと思った、と話したとのこと。

弁護側から、事件のことを聞かれると、電話に出た元巡査から「お母さん、ごめん死ぬわ」と言われ「死んだらあかん」と声をかけたとし、また「お父さん、お母さんのことまでボロくそいわれ我慢ならんかった。殺す気はなかった」と話していたとのこと。

さらに、弁護側から、事件を防ぐにはどうすればよかったかと聞かれると、愚痴や相談を聞ける環境をつくり、気づいてあげられればよかったと涙ながらに語ったとのこと。

***第3回公判(2月1日)***
1)鑑定人は元巡査の性格について「劣等感を感じやすく、他人に自分の気持ちを伝えない傾向がある」と指摘。「フラストレーションが風船のように膨らんでいき、能力を否定されたことが犯行のきっかけになった」と説明したとのこと。

2)精神鑑定を実施した臨床心理士は「精神的な疾患がある可能性は低く、平均的な社会適応能力はある」としたうえで、慣れない交番の仕事に無力感と自責の念を募らせるあまり「巡査部長の指導が悪い」などと考えて心のバランスをとるようになり、「両親をばかにされたと感じる発言をされ、バランスが崩れた」と犯行に至る心情を分析したとのこと。

犯行時の精神状態については、度重なる叱責などによるストレスや睡眠不足から「現実感を失っており、『撃ったら楽になれる』としか考えられない意識狭窄の状態だった」と述べたとのこと。

別の報道では
元巡査は犯行直前に巡査部長に両親を侮辱され、「スポットライトで一点を照らすように、『この人が死んだら楽になる』ということにしか意識が向かない状態だった」と説明したが、「物事の善悪を判断する能力はあった」と明言したとのこと。

2)精神鑑定にあたった精神科医は、犯行時の元巡査の状態を「ストレスにうまく対処できない適応障害だった」と分析。「適応障害が犯行に影響を与えたわけではない」とする一方で、「事件当時、元巡査は神経が疲弊し不安定な状態だった。衝動を抑えられずに拳銃で撃った」などと証言したとのこと。

別の報道では
精神科医は「上司の指導によるストレスなどから、衝動を抑える力が低下していた」とし、犯行に結びついた可能性があると指摘したとのこと。
精神科医は、元巡査が上司の巡査部長から何度も書類の訂正を命じられてストレスをためていたと分析。犯行時は「広い視野を持てず柔軟な思考ができない性格に加え、ストレスや不眠などから、衝動を抑える力が弱まっていたのは事実」と説明したとのと。弁護人に、「このことが凶行と結びついたと言えるのか」と問われると、精神科医は「それ以外は考えにくい」と述べたとのこと。
しかし、「衝動が抑えられなくなっている時、一般的に善悪の判断力まで失われるわけではないが、元巡査がどうだったかは言い切れない」としたとのこと。
また精神科医は「(元巡査は)ストレスを適切に処理できない適応障害に該当する」としたが、「ストレスをためて殺害に至ったという結果も含めて適応障害と判断しており、障害のせいで犯行に至ったというのは誤り」と強調。反社会的な人格障害や幻覚、妄想は認められなかったとのこと。

***第4回公判(2月4日)***
1)巡査部長の妻が証人として出廷。妻は巡査部長と同期の警察官で2児の母。
検察官の質問に妻は、巡査部長の人柄を「一緒にいて楽しく安らげる人」とし、結婚して10年ほどたって授かった長男(4)について「本当に誕生を心待ちにしており、『一緒にカブトムシを捕りに行きたい』などと楽しみにしていた」と話したとのこと。

事件の一報を聞いて病院に駆けつけると、医師から「もう何の反応もない」と告げられ、心臓マッサージの中止に同意したとのこと
妻が「長男はまだ死をはっきりと分かっておらず、『パパいつ帰ってくるの』と言い、最後の別れとなった葬儀場名をあげて『行きたい』とせがむ。父親に会えるのじゃないかと思う姿が本当につらい」などと涙ながらに話したとのこと。

妻の証言の直後、元巡査は何かを吐き戻しそうになったような様子を見せ、口元を手で押さえたとのこと。
元巡査が「両親を侮辱された」と供述していることに対し、妻は「そんなことは言っていないと信じています」と主張。検察官からどんな処罰を望むか問われると、「厳しい処罰をお願いしたい」と述べたとのこと。

別の報道では
「被告人は未成年だったという以前に、警察官であるのにと強く思う」「息子のかわいい姿を見せてあげられず、可哀想で無念」と涙ながらに語ったとのこと。
また、元巡査は巡査部長から書類の書き直しを何度も指示され、思い詰めるようになったと弁護側が主張している点については「何度も書類を訂正するのは、ごく当たり前のこと」「厳しい処罰をお願いしたい」と話したとのこと。

巡査部長が書類を再三訂正させ、元巡査が「嫌がらせ」と感じた事について、妻は「仕事は適当にしていいものはない。自分も泣いたことがある」と述べたとのこと。

「警察官は人より一段高い倫理観が当たり前で、警察官が事件を起こしたことが本当に許すことができない」と話したとのこと。

元巡査への被告人質問で妻は「今でも警察官になって良かったと思っているか」など三つ質問した。元巡査は「そう思う」などと一つ一つ時間をかけて答えたとのこと。

***論告求刑公判(2月4日)***
1)検察側は懲役25年を求刑した。
検察側は求刑の理由を「動機は自分勝手でくむべき事情がなく、現職警察官による犯行は強い非難に値する」としたとのこと。

別の報道では
論告求刑で検察側は「犯行の発見を遅らせるために交番の出入り口を施錠し制服を脱ぎ捨てるなど、合理的に行動している」として責任能力があったと指摘したとのこと。

「現職の警察官が職務上携帯していた拳銃で上司を殺害した前代未聞の行為。犯行に至る経緯で汲むべき事情もない」として懲役25年を求刑したとのこと。

2)弁護側は最終弁論で、事件当時の元巡査は現実感を失っており、「この人が死ねば楽になる」としか考えられなかったと主張。物事の善しあしを判断し、行動をコントロールする能力が著しく損なわれており、責任能力は低下していたと訴えたとのこと。

3)元巡査は最終意見陳述で「絶望の底に落とされた遺族、ものすごく大きな無念を持っている巡査部長に対して本当に申し訳なく思っています」と謝罪。被害者参加制度に基づき公判に参加した巡査部長の妻(40)に向かって、「本当に申し訳ありませんでした」と頭を下げたとのこと。

***判決公判(2月8日)***
裁判員裁判で、大津地裁は2月8日、懲役22年(求刑・懲役25年)を言い渡したとのこと。裁判長は「親をなじられたことで拳銃を使い上司を即死させた空前絶後の重大事案」と述べ、事件直前に衝動を抑える様子もうかがえたとして、心神耗弱の主張を退けたとのこと。

元巡査が上司の巡査部長から書類の訂正を再三求められるなどして反感を募らせ、事件当日も厳しく指導され「仕事ができないのは親のせいか」と言われ殺害を決意したと指摘したとのこと。

さらに元巡査が精神的に追い詰められた側面はあるものの、「(巡査部長に気付かれないよう)離れた場所で拳銃発射を準備し、至近距離で射殺後も交番を訪れた住民に応対している」と、責任能力があったと判断したとのこと。

元巡査は未成年だったが、裁判長は「拳銃を携帯する意義の教育を受けており、犯行直前に拳銃の存在を意識した時こそ警察官の本分を思い起こし、思いとどまるべきだった」と批判したとのこと。

警察学校での新人警察官の指導については「十分教育を尽くしていると言えず、未熟な警察官が拳銃を携帯している。巡査部長は熱意があったが被告には伝わらずかみ合わなかった。組織として指導や養成の在り方が検討されるべきだった」と今後の改善を促したとのこと。

判決によると、元巡査は巡査部長から書類の訂正などの指導や注意を受けることが続き、反感を募らせていた。昨年4月11日、厳しく叱責され、できの悪さは親のせいかなどと言われて反感と憤りを一気に強め、巡査部長の殺害を決意。同日午後7時47分ごろ、交番で巡査部長の後頭部と背中を拳銃で2発撃って殺害。同日午後8時半ごろまで、実弾3発が入った拳銃を持ったまま逃走したとのこと。

こんなところですね。
うーん、普通と言うか常識的に考えれば、職務の為に貸与されている拳銃を持つことは、その責任を負うことである事は当然で、現職警官による拳銃を使った凶行ですから、より厳しい判決になると言うのは、仕方が無いだろうと思う部分ではあります。

そして、犯行前後の行動から責任能力に問題が無いだろうと言うのも、判断として間違いでは無いだろうと思います。

・・・ただ、当時19歳で初めての職場ですよね。そこで厳しい先輩当たってしまったと言うのは、自分の事を思い出してもちょっと同情できる部分はあるなと思う部分はあります。

仕事の性格上、厳しく育成するべきだと言うのは分かります。いい加減に仕事を覚えて欲しくないと言うのも、教育係としての責任感として当然有ると思います。

でも、人によっては褒めて伸びるタイプもいるわけですから、これ以外に方法が無い事も無いと思うんですよね。
あるいは精神修養として、厳しく接していたと言う側面もあったのかもしれませんけどね。

教育、育成方法については裁判長が異例のコメントも出しているので、今後、改善方法を検討して欲しいですね。

今回は現場が警察だったので、凶器として拳銃を使ったと言う事なんでしょうが、一般の企業でも、傷害事件ぐらいは起きても不思議では無いと思います。

亡くなった巡査部長のご冥福をお祈りします。

参考リンク
滋賀県警19歳警官拳銃同僚射殺事件

| | コメント (10)

2018/04/18

滋賀県警19歳警官拳銃同僚射殺事件

4月11日夜、滋賀県彦根市の交番で男性巡査部長(41)が拳銃で頭を撃たれて死亡する事件が起きている。

病院に搬送された男性巡査部長(41)は頭部を銃撃され、死亡が確認された。
12日未明、身柄を確保され、殺人容疑で逮捕されたのは、同僚の19歳の巡査。拳銃を持ったままパトカーで逃走したとみられ、県警は付近住民に外出を控えるよう呼びかけ、厳戒態勢を敷いたとの事。

11日午後8時15分ごろ、「パトカーが田んぼに突っ込んでいる」と通行人の110番通報があった。
場所は彦根市に隣接する滋賀県愛荘(あいしょう)町。管轄する東近江署員が現場に駆けつけた。田んぼに落ちたパトカーは無人。登録から、彦根署の河瀬駅前交番の車両だと分かったとの事。

連絡を受けた彦根署員が同交番に向かった。
そこで椅子に座ったまま机に突っ伏し、頭部から流血している男性巡査部長を発見。署員はすぐに119番したとの事。
巡査部長の拳銃は交番にあり、弾はすべて装填されていたとの事。
姿が見えない同僚の19歳巡査が容疑者として浮上。この巡査と死亡した巡査部長は、11日午前8時半から2人で勤務していたとの事。

県警によると、男性巡査は昨年4月に採用され、警察学校卒業後の今年1月に同署へ配属。巡査部長とともに3月26日から河瀬駅前交番の勤務となり、同僚になったばかりだったとの事。同交番では、2人と、別の巡査の計3人が勤務しており、巡査部長は2人の指導役だった。

 逮捕容疑は11日午後7時50分ごろ、彦根市南川瀬町の同交番で、井本巡査部長の頭部を拳銃で撃ち、殺害したとしている。

同交番の防犯カメラには、撃たれたとみられる巡査部長が、机に突っ伏すように倒れ込む様子が写っていたとの事。

県警はパトカーの付近を捜索し、12日午前1時35分ごろ、同町内の近江鉄道の線路上を歩いている制服姿の巡査を発見。巡査は抵抗することなく身柄を確保され、同5時半ごろに逮捕されたとの事。

身柄確保の際は拳銃を所持していなかったが、同7時ごろに彦根市や愛荘町に隣接する同県豊郷(とよさと)町内の田んぼで、手錠や警棒とともに見つかったとの事。

拳銃にはもともと、5発の銃弾が装填されていた。うち2発は巡査部長に向けて発射されたとみられ、発見時には3発残っていたとの事。

巡査は「間違いありません」と容疑を認めているとの事。

3月26日から巡査部長ともう1人の巡査と3人体制で、3日に1度、同交番で24時間の勤務をしていた。11日は1人が病欠し、午前8時半から巡査部長と2人で勤務していたとの事。
この日、巡査と重鎖部長が一緒に勤務するのは5回目だったとの事。

県警関係者によると、県警が身柄を拘束した後、「頭が真っ白になって撃った」という趣旨の話をしたという。また、巡査は今年1月に彦根署に配属されて以降、指導を巡り上司と衝突したといい、県警は動機について慎重に調べているとの事。

巡査(19)が、身柄を確保された際、現金約50万円を所持していたとの事。
他に鍵束と携帯電話を所持していた。
11日午後7時45分ごろ、巡査部長が椅子に座った状態で前方に倒れた直後、交番を出て行く巡査の姿が防犯カメラに映っていたとの事。発見時、交番は施錠されており、彦根署の警察官がガラスを破って入ったとの事。

県警によると、巡査部長は後頭部と背中を1発ずつ撃たれており、司法解剖の結果、死因は脳幹部損傷などと判明したとの事。
捜査関係者によると、1発は後頭部から前頭部を抜け、交番内の床で発見された。背中に撃たれたもう1発は体内に残っていたとの事。

「背後から撃って殺した。その場からパトカーに乗って逃げた。巡査部長は椅子に座ったまま前に倒れ、動かなかったので死んだと思った」と供述しているとの事。

巡査は事件直後、近くのコンビニエンスストアの現金自動預け払い機(ATM)で金を引き出しており、県警は逃走資金を用意した疑いがあるとみているとの事。
巡査はこのコンビニで、タバコ2箱やライターも購入していました。

巡査は「厳しく叱責されたのでやった」と供述しているとの事。

事件発生時は本来、2人が巡回で外に出ている時間帯だったとの事。
巡査部長が作成した勤務計画によると、午後7~9時の時間帯は2人で巡回に出る予定となっていたとの事。

逮捕された巡査は、4月末までは実習中の扱いで、地域の巡回や書類作成など、ほぼすべての行動を巡査部長とともにしており、単独での巡回やパトカーの運転などは認められていなかったとの事。
県警は、2人だけの24時間勤務が連続する中で、両者の間にトラブルがなかったかなど、巡査の心理状況も含め慎重に捜査を進めているとの事。

捜査関係者によると、巡査は携帯電話を持って逃走していたが、電源は切っていたとの事。
一方で巡査は、時折電源を入れて通話やネット検索が可能な状態にしており、その間に両親と通話していた。ネットでニュース検索などをしていた可能性もあるとの事。

巡査が逃亡中に愛荘町内で民家の縁石に衝突する物損事故を起こしていたとの事。

パトカーが衝突した民家の住民女性によると、同日午後8時15分ごろ、室内にいたら突然、大きな音がしたという。女性は「バーンというすごい音がした。足ががたがた震えて、しばらく外に出られなかった」と話したとの事。

女性宅の前にはパトカーのホイールキャップなどの部品が落ちており、県警が押収。
巡査は、県警が定めるパトカーの運転資格を持っていなかったとの事。
発見されたパトカーのタイヤはパンクしていたとの事。

交番の防犯カメラには、事件のおよそ30分前、外での業務を終えて戻ってきた2人が横に並んで弁当を食べる姿が映っていたとの事。
事件直前まで言い争う姿は写っていなかったとの事。

事件後、巡査は、乗り捨てたパトカーの中に制服の上着やGPS機能付き無線機が入った防護衣を放置していたとの事。

動機について巡査は「厳しく叱責(しっせき)された」などと供述しているとの事。

時系列
2017年04月  巡査が採用される。
2018年
01月29日   巡査が彦根署に配属になる。
03月26日   巡査部長と巡査と他1名がが河瀬駅前交番に勤務、巡査部長は巡査の指導役
04月
11日08:30  現場の交番で巡査と巡査部長が勤務。
11日19:20頃 交番で二人が並んで弁当を食べる。
11日19:47頃 巡査が巡査部長を射殺、直後に交番を施錠、パトカーで逃走。
11日20:00頃 巡査が近くのコンビニで現金を引き出す。
11日20:15頃 隣町で縁石にパトカーで衝突、100m離れた田んぼパトカーが突っ込んでいるの通報。
12日01:20頃 両親から掛かってきた電話に出る。
12日01:35頃 愛荘内の近江鉄道の線路上を歩いている制服姿の巡査を発見。身柄を確保
12日05:30頃 逮捕。
12日07:00頃 愛荘町に隣接する同県豊郷(とよさと)町内で拳銃が発見。
13日午後   巡査を殺人容疑で大津地検に送検した。

こんなところですね。
警察不祥事のカテゴリですが、さすがに同僚警官を拳銃で射殺する事件には驚きましたね。
まー警官と言えど、普通の人間である事に違いは無いわけで、沢山いる真面目な警官の中でたまたま起きた事件と言う事なのかな?

・・・ただ、この所、警官の拳銃自殺の話が沢山出ている印象はありましたが・・・
何か関係があるのだろうか?

このあたりは、捜査をまつしかありませんね。容疑者も逮捕されてますから、時機が来れば供述も出てくるでしょう。

さて、今出ている情報の中で私が気になっているのは犯行時刻です。
殺害された巡査部長の計画では19時から21時の間は二人で巡回に出る予定でした。
なので、19時前には弁当を食べて、19時から巡回に出る予定だったと推測します。

それに対して、19時20分頃、外から戻り、弁当を食べている。
この段階で計画外のイレギュラーな事が起きていた可能性がありますよね。

弁当は急いで食べれば、15分ぐらいで食べられるでしょうから、19時35分とか40分には巡回に出る事が出来たはずです。

しかし、射殺される19時47分まで交番に残っていますよね。
このあたりを考えると、射殺された巡査部長にとって巡回よりも優先される事が、現在進行形で起きていたと言う事なのではないでしょうか?

だとすると、それは、19時20分に交番に戻る前に起きていたと言う事なんじゃないのかな?
まーそれが何か?と言う事なんですけどね。

それが何であれ、容疑者は19歳ですから、感情のコントロールができないような、それほどのストレスがあったと言う事なんだろうと思います。

何しろ、交番内に防犯カメラがある事は警察官で、そのこに勤務する容疑者は知っていたはずですよね。
そのカメラの目の前で犯行を行っているわけで、もう、この証拠だけで言い逃れはできないでしょう?

そんな事も忘れる程の事が起きたんでしょうね。それで「頭が真っ白になった」と言うのは有りだと思います。

直後に我に返って、とりあえず逃亡したんでしょう、逃走資金も必要だと考えて、現金も下ろし、最後のタバコも購入したんでしょうね。

実際には何かあてがあっての逃亡では無いのでしょうが、思い詰めて自殺していたら、事件の動機も闇の中となっていましたから、その点は不幸中の幸いでした。

最後に亡くなった巡査部長のご冥福をお祈りします。

参考リンク
滋賀県警19歳警官拳銃同僚射殺事件その2(一審判決懲役22年)

| | コメント (1)

2017/06/12

福岡県小郡市警察官家族3人殺人事件

6月6日午前9時15分ごろ、福岡県小郡(おごおり)市小板井の住宅で「妹が自殺している」と110番通報する事件が起きている。
県警によると、この家に住む無職の母親(38)と小学生の長男と長女が室内で死亡していた。現場の状況や家族の説明から、母親が2人を殺害し、無理心中を図ったと県警はみているとの第一報。

 

小郡署などによると、亡くなったのは小学4年男児(9)と1年の女児(6)。と母親(38)。

 

子ども2人は2階の布団の上でうつぶせに倒れ、首に絞められたような痕があった。母親の遺体は1階の台所で見つかったとの事。

 

一家は両親と子ども2人の4人暮らし。父親は県警の警察官で、6日早朝に出勤。午前8時半ごろに小学校から「男児と女児が来ていない」と父親に電話があり、父親から連絡を受けて訪ねてきた姉が遺体を見つけ通報したとの事。

 

父親と姉は県警に対し、「母親は最近、育児のことで悩んでいる様子だった」と説明しているとの事。

 

福岡県警は6月7日未明、「無理心中の可能性がある」としていた当初の説明を一転させ、「3人とも殺害されたと断定した」と発表したとの事。
同日、小郡署に捜査本部を設置し、改めて捜査を始めたとの事。

 

捜査1課や小郡署は当初、「無理心中の可能性がある」と説明。だがその後、母親の司法解剖の結果、死因は首を圧迫されたことによる窒息死と判明し、3人とも殺害されたと判断した。遺体の状況などから、3人は6日午前0時から9時ごろにかけて死亡したとみられるとの事。

 

一家は夫婦と子ども2人の4人暮らし。夫は県警の警察官で、6日午前7時前に出勤。

 

夫は県警に対し「出勤時、3人は寝ていた」と説明しているとの事。

 

発覚当初、「無理心中の可能性がある」とした理由について、県警は7日未明、
(1)母親が殺害されたのかどうか外見ではわからなかった
(2)母親の姉が「妹が自殺している」と通報した
(3)母親の夫と姉が「母親が育児のことで最近悩んでいる様子だった」と話した
――ためだったと説明したとの事。

 

玄関は無施錠だったが、室内に荒らされた形跡はないとの事。

 

母親の遺体は1階の台所で見つかっていましたが、遺体の頭部に焼かれたような形跡があったとの事。
母親は1階の台所にあおむけで倒れており、遺体の一部にはやけどのような痕があった。男児と女児は2階の布団の上にうつぶせの状態だった。室内は荒らされたような痕跡はなかった。ひもは見つかっていない。
また、室内にはボヤとみられる火事の跡もあり、警察が、事件との関連を慎重に調べているとの事。

 

母親が見つかった1階台所には油がまかれ、遺体のそばに練炭のようなものが燃えた跡もあったとの事。

 

母親の首に目立った痕跡はなかったが、強く圧迫されたような内部出血が確認された。
母親は首の骨にひびが入っていた上に内出血も確認されるなど強い力で首を絞められたことが分かった。

 

被害者一家は2年前にこの家に引っ越してきたということだが、近所では仲がよい様子も目撃されていたとの事。

 

福岡県警は6月8日、妻を殺害したとして、夫で警察官の男性容疑者(38)を殺人の疑いで逮捕した。今後、子ども2人が死亡した経緯などについても事情を聴く方針との事。

 

県警によると、容疑者は県警通信指令課に勤務する巡査部長。死亡したのは妻(38)、小学4年の長男(9)、小学1年の長女(6)で、一家は4人暮らし。

 

子ども2人の死亡推定時刻は6日午前0~5時ごろ。容疑者は県警に「前夜は4人で一緒の部屋で寝た。6日午前6時45分ごろに仕事で家を出る時、3人はまだ寝ていた」と話していた。遺体の状況と容疑者の説明が合わないことなどから、県警が事情を聴いていたとの事。

 

容疑者は「そのようなことはしていません」と殺人容疑を否認しているとの事。

 

「県民の皆さまに心よりおわび申し上げます」。現職警察官の逮捕を受け、6月8日午後7時から福岡県警本部で会見が開かれた。
K警務部長は冒頭、謝罪の言葉を述べた。

 

県警によると、現場の状況や容疑者の出勤状況などから、「第三者による犯行は困難」と判断。妻(38)に対する殺人容疑で逮捕に至った。死亡していた2人の子供についてK部長は「これからの捜査で明らかにしていく」とだけ説明したとの事。

 

会見中、言葉を選ぶように質問に答えていたK部長。「県民の信頼回復に努めたい」と何度も声を絞り出したとの事。

 

関係者によると、容疑者は2002年に採用され、主に地域部門で勤務。容疑者は平成14年10月に巡査となり、交番や駐在所で勤務する地域部で約9年過ごした。機動隊や筑後署自動車警ら係を経て、昨年8月から110番通報に対応する通信指令課に配属との事。

 

まじめで堅実な勤務態度だったといい、ある県警幹部は「問題のある職員ではない。われわれが期待する仕事はしていた」と明かしたとの事。県警によると、借金問題などはなく、家庭内のトラブルを周囲に相談したこともなかったとの事。

 

外部から侵入した形跡なく
母親の指には何かをひっかいたような痕があり、爪から微物が見つかったことも判明。県警は微物のDNA型鑑定を進めているとの事。
DNA型鑑定の結果、微物のDNA型が殺人容疑で逮捕された夫で県警通信指令課の巡査部長、容疑者(38)と一致した。
捜査関係者によると、県警は事件が発覚した6日以降、容疑者から任意で事情を聞き、容疑者の腕にひっかき傷が残っていることを確認したとの事。

 

逮捕された警察官の男は遺体が発見される前に妻に4回、電話を掛けていたことが分かりました。警察は偽装工作の可能性もあるとみて調べているとの事。

 

姉は「妹が自殺している」などと伝え、県警通信指令課で通報を受理する立場にあった同容疑者が110番として扱い、処理していた。

 

男児と女児は、生まれつき周囲と接するのが苦手な面があり、母親が2人の発育について、悩みを抱えていたとみられることが、分かりました。

 

県警が現場からゴムチューブを押収していたことが分かった。子ども2人の首にはひものようなもので絞められた痕があり、県警は凶器として使用された可能性があるとみて調べているとの事。
捜査関係者によると、ゴムチューブは筋力トレーニング用に市販されているもので、家の1階から見つかった。燃やされた跡があり、証拠隠滅を図った疑いがあるとの事。

 

捜査関係者によると、容疑者は逮捕容疑について「事実ではありません」と否認を続ける一方、夫婦関係がうまくいっていなかったという趣旨の供述をしているとの事。「妻とは不仲だった。子育てをめぐって口論があった」と話しているとの事。

 

自宅の中や玄関付近から家族など普段から出入りのある人物以外の指紋や足跡が検出されなかったとの事。

 

母親の首には、複数の皮下出血の痕があり、首を絞められた際に激しく抵抗したとみられることがわかった。

 

捜査関係者によると、母親の遺体の周囲に油がまかれ、その上を何者かが踏んだような足跡があった。足跡は容疑者の足の特徴と一致したため、県警は油をまいたのは容疑者とみている。近くに置かれた練炭のようなものには火が付けられ、母親の前頭部は毛髪などが燃えていた。県警は母親が自殺したように偽装した上で、証拠隠滅のために火を付けた疑いがあるとみているとの事。

 

容疑者は事件前、警察の警部補への昇任試験を受けていて遺体発見の前日、この2次試験で不合格になっていたとの事。

 

時系列
6月6日
06:45頃 父親が出勤(家を出る)
08:40頃 学校から子供二人登校していないと父親に電話。その後、母親の携帯電話に3回、容疑者から電話。
その後近所に住む姉に容疑者から様子を見るように依頼。
その後  母親の携帯電話に4回目に電話した時に姉が電話に出て、母親が死亡している事を告げる。この電話を110番通報として容疑者が処理した。
09:10頃 姉が遺体を発見。
09:15頃 妹が自殺していると110番通報。

 

母親の死亡推定時刻は0:00から9:00の間(その後、0:00から6:00に変更されています)
子供の死亡推定時刻は0:00から5:00の間
6月6日 事件発生当初、無理心中の可能性が疑われる。
6月7日 殺人事件と断定。
6月8日 容疑者を逮捕。
6月9日 容疑者を殺人容疑で福岡地検に送検。

 

こんなところですね。
私が気になるのは、犯行の順番です。子供の方が母親より死亡推定時刻が早いので、子供二人を先に殺害している可能性が高いですね。
子供の首は絞めた跡が明白で、殺人と断定される事は想定内でしょう。

 

問題は母親です。母親の首は一見して目立った外傷がなく、絞殺と判断できない状態だった。
そして、練炭(実際には木炭だったようです)などの自殺の偽装をしたのだとすれば・・・

 

子供を殺害し、母親を殺害して無理心中に偽装した計画的な事件に見えるのですが・・・私はここが疑問なんですよね。
確かにそう見えるけど、それにしては、母親の自殺の部分の偽装がちょっと杜撰ですね。

 

そもそも、計画的な犯行にしては、あちこちに「ほころび」が多いです。
計画的犯行なら、自分が絶対に容疑者リストに挙がらないように計画するはずじゃないですか?

 

死亡推定時刻と容疑者の証言が矛盾するなんてのは、後付の証拠じゃないのかな?

 

それに、母親の遺体がどうして1階の台所にあるのか?と言うのも疑問ですね。

 

今の段階では、可能性としか言えないけれども、容疑者も「ほころび」には気付いていて、それを隠す為に、全てを灰にするつもりだったのではないかな?
ところが、火は途中で消えてしまった。

 

今のところ、私は計画的な犯行では無く、何らかの理由で突然、考えついた後付の事件だったのではないか?と考えています。
例えば、妻(母親)と口論から暴行事件となり、それを隠す為に、子供を殺害して無理心中事件に偽装しようとした・・・

 

でも、それだと、子供の方を先に殺害している事に矛盾するんですよね。
なので、最初の妻の暴行で妻が死亡したと勘違いし、慌てて無理心中事件を偽装したのかな?

 

そのあたりは、容疑者の供述を待つことにしましょう。

 

警察官の不祥事なんですが・・・結局、警察官だって人間だって事なわけで、追い詰められれば、やはり事件を起こしてしまうんでしょうね。

 

そういえば、昇進試験が不合格になっていたのは、事件前日のようですが、本人はこの情報を知っていたのかな?
だからと言って、それで家族を殺めてしまうような理由にはならないと思うので、複数のストレスが重なっていたのかな?

 

このあたりは、供述をまつしかありませんね。

 

亡くなった3人のご冥福をお祈りします。
参考リンク
福岡県小郡市警察官家族3人殺人事件その2(一審公判)

| | コメント (8)

2015/09/16

埼玉県朝霞市根岸台男性事件その4(被害者)

まずは続報です。
1)容疑者(31)が、捜査で知り合った女性と不倫し、県警内部で処分を受けた後も女性との交際を継続。

容疑者には妻子がいるが、別の女性と不倫関係にあり、最近、その女性との間に子どもが生まれた。容疑者はこれまでに県警から2回、処分を受けているが、うち1回はこの不倫交際に関する処分だったとの事。

2)捜査関係者によると、遺体発見時、被害者方1階の耐火金庫は扉が開いた状態で、100万円がなくなっていた。

3)容疑者には支払い期限が迫った多額の借金がありましたが、事件後、返済していたとの事。別の報道では
今月3日以降に容疑者がまとまった額の金を使った形跡があるとの事。

4)容疑者(31)が「交際女性との間に子どもが生まれ、生活費を工面する必要があった」という趣旨の供述をしているとの事。

5)捜査関係者によると、容疑者は今年3月まで勤務していた朝霞署刑事課で、被害相談に訪れた女性とトラブルになり、女性が同署に苦情を訴えていたとの事。

6)朝霞署捜査本部は13日までに、殺人と住居侵入の疑いで、同容疑者を逮捕、さいたま地検に送検した。

時系列を更新
昨年10月、容疑者は被害者方で被害者の父親が死亡した際に現場に臨場、この時、金庫の場所を覚えた。
2015年9月
02日     2日朝から3日朝まで容疑者は当直勤務
02日21:00頃 被害者が弟と電話で話す
03日14:00過 被害者宅のインターホンを2回押していた。私服姿で、マスクはしていなかった。
03日     容疑者の車が現場近くの駐車場で目撃
       3日以降に容疑者が借金を返済した形跡がある。
04日16:30頃 遺体発見

こんな所ですね。個別に見てみましょう。
1)不倫ですね、事件の陰に女と金は昔から言われている事です。
ただ、報道の内容の通りだと、ちょっと、問題あると思います。一度は不倫が露見して警察内部で処分されたにも関わらず、不倫を継続してしまったと・・・
この時に精算していれば、この事件を防ぐ事が出来たかもしれませんね。

2)結局、100万円が無くなっていたんですね。で、それ以外に現場には多額の現金があったと言う事なのかな。

3)強引な犯行は、借金の期限があったからのようですね。期限が3日中なら、この昼間の犯行も説明できますね。

4)不倫でも、子供が生まれる前は、愛人も仕事をしていて、お小遣い程度でも生活を維持できたでしょうが、子供が生まれると、愛人も仕事がしばらくできませんからね、愛人と子供の生活費を援助しなければならない、その上、チャイルドシートやベビー服、その他、ベビー用品一式が必要です。
他にも、もしかすると、出産費用や入院費用なども容疑者が用意したかもしれません。

5)この情報はどんな意味なのか良く分かりません。この苦情がどんな内容なのか?良く分かりませんね。

6)送検したんですね。

さて、不倫が原因で起きた事件は数知れず・・・
不倫のあげく、愛人が不倫相手の家に放火して、子供2人を亡くした事件や、不倫相手と共謀して夫を殺害しようとした仙台男性教諭殺害事件、不倫相手を殺害し汚水槽に生きたまま遺棄して殺害した米原市の女性殺害事件などなど・・・

不倫はいけない事と言うのは、それなりに、賛同される方が多いと思います。
だけど、このあたりは、理屈で駄目と分かっていても、感情と言うか、本能というかそう言った部分で「好きは好き」なんですよね。

なので、強い意志で不倫の誘惑を振り払える人ばかりではないでしょう。

ただ、その不倫の結果を見れば、多くの人の人生を壊してます。
被害者の命を奪った殺人の罪はもちろんですが、3人の子供と妻と愛人の2人の女性の人生を壊しています。

不倫を始める時はまさか、こんな事になるとは思わなかったかもしれません。
だけど、愛人との間に子供を作ろうと言う段階では、覚悟を決めて関係を清算するしかないと思いますね。

今回はどちらも選べず、どちらも壊してしまう結果になってしまいました。

自業自得と言えば、それまでですが、しかし、被害者が多すぎますよね。

容疑者には、これから、自分の罪と向き合って欲しいと思いますね。

参考リンク
埼玉県朝霞市根岸台男性事件その3(破壊)

| | コメント (18)

2015/09/14

埼玉県朝霞市根岸台男性事件その3(破壊)

まずは続報です。
1)容疑者が以前、仕事で被害者の自宅を訪れていて、「金庫の場所を覚えていた」などと供述しているとの事。

2)事件発覚前日の今月3日14時過ぎ、被害者宅のインターホンを2回押していた。
男は私服姿で、マスクはしていなかった。この日以外に男の訪問の記録はなかったとの事。
容疑者の画像がインターホンに記録された3日には、近くの月決め駐車場に容疑者の親族名義の車が止まっているのも目撃されている。

時系列を更新
昨年10月、容疑者は被害者方で被害者の父親が死亡した際に現場に臨場、この時、金庫の場所を覚えた。
2015年9月
02日     2日朝から3日朝まで容疑者は当直勤務
02日21:00頃 被害者が弟と電話で話す
03日14:00過 被害者宅のインターホンを2回押していた。私服姿で、マスクはしていなかった。
03日     容疑者の車が現場近くの駐車場で目撃
04日16:30頃 遺体発見

こんな所ですね。
ちょっと驚いたけど、14時過ぎって昼間ですよね。3日は木曜日の平日です。
3日朝まで当直勤務なので、容疑者は睡眠不足だったと思うのだけど・・・
被害者宅を狙ったのは、「金庫の場所を覚えていた」からなんでしょうが・・・
しかし、昼間の時間帯はずいぶんと、大胆ですね。
被害者は職業不詳の58歳。以前の時に被害者の情報も聞いていたのかもしれませんが・・・

被害者は職業不詳なので、昼間に家に居る可能性もありますよね?
なので、インターフォンを2度ならして、留守を確認した。
しかし、この時も無防備に顔をカメラに写している。

この時点で金目当ての窃盗目的だったとしても、無防備ですね。
このインターフォンは昨年10月の容疑者が臨場した後に、交換したのかもしれませんね。
こう考えると、個人的な交友関係は無かったのだろうと思います。
以前から交際があれば、インターフォンにカメラが付いている事を容疑者も知っていて、顔を隠してもおかしくないですね。

被害者が犬を玄関の土間で飼っていたと言うのも、窃盗には不利な条件かと思います。
昼間で犬が変に吠えていたら、被害者が一人暮らしの事もあり、近所の人が何事かと中をのぞいたりしてもおかしくないですし・・・

金庫がどんな金庫なのか分かりませんが・・・普通に考えると、小型の耐火金庫なのかな?
だとしたら、小型でも20から30キロぐらい重さがあって、そんな物、昼間に盗み出すなんて、ちょっと考えられませんね。

なので、コメントにもありましたが、金庫の開け方を知っていたのだろうと思います。
つまり、留守を確認して侵入したけど、金庫を開けられないでは、話になりませんからね。

昼間でも、敢えて、被害者宅を狙ったのは、確実にそこに現金がある事を知っていて、その上、金庫の開け方も知っていたんでしょうね。

私が気になるのは、例え窃盗だったとしても、逮捕されれば、容疑者は身の破滅です。
警察は免職か辞職か、いずれにせよ、仕事を失い、警官の妻も、警察を辞める事になっても不思議では無いですね。
仕事の性格上、警官を続けるのはかなり辛いと思います。
その上、婿入り先は地元の名士と言う事だと、家の名に泥を塗った的な事から、離婚と言う話になってもおかしくないでしょう。
家は資産家で経済的に夫に依存する事が無いので、離婚の障害は無いと思います。

正に仕事も家庭も失い、人生を破壊してしまうような、そんな行為なんですよね。
やはり、容疑者にとっては、それでもやらなくては成らない何か理由があったのだと思います。

家庭や人生よりも大切な物?・・・逆に家庭を守る為にお金が必要だったのかな?
ちょっと、犯行が強引に見えます。下見もしてないようですね。

お金で解決できる問題で、なおかつ、「家族には相談できないお金の使い道」って事ですね・・・
パチンコなどのギャンブルでの借金、女との手切れ金とか、家族に相談できない理由は色々考えられるけど・・・
そこは、容疑者の供述を待つしかないですね。
(ギャンブル依存症だと、自分自身を制御できない事の説明もできますが、それなら周囲が異変に気づくと思うけどな・・・給料を使い果たしているとか)

いずれにせよ、相当に追い詰められていて、夜まで待てなかったのは、夕方までにお金が必要だったのかな?
10日まで事前に休みを予定していたなら、翌日以降に張り込んで、被害者の外出を確認してからの方が確実ですからね。
強盗なら、夜の方が有利でしょう。

まさか、金庫の中の現金が無くなって、被害者が気付かないなんて事は無いでしょう。
なので、必ず、事件になるんですよね。そうなれば、必ず、捜査されるわけですから・・・

今の段階では容疑者のメンタルに問題があったのか?と言うのも、可能性としては疑えるかな?

続報を待ちましょう。

参考リンク
埼玉県朝霞市根岸台男性事件その2(プロフィール)
埼玉県朝霞市根岸台男性事件その4(被害者)

| | コメント (6)

2015/09/13

埼玉県朝霞市根岸台男性事件その2(プロフィール)

容疑者のプロフィールです。
逮捕された同県警巡査部長、男性容疑(31)について、首席監察官が「仕事は問題なくやっていた」と説明。現在はJR武蔵浦和駅前の交番で勤務しているが、通算13年4カ月のうち捜査経験年数が8年6カ月で、主席監察官は「(殺人や強盗などの凶悪事件を扱う)捜査1課に配属されたこともあり、それなりに努力していたはずだ」と話した。

一方、容疑者が過去に2回の処罰を受けていたことも判明。懲戒処分には至らない程度だったが、首席監察官は「事件との関係が不明」として、具体的な処分内容や時期については明らかにしなかった。

容疑者は高校卒業後、平成14年4月に埼玉県警に入り、通算13年4カ月のうち8年半を刑事部門で過ごした。23年3月、殺人などの凶悪事件を扱う県警本部捜査1課の刑事に抜擢。一方で、無届けの海外旅行などで過去に指導を受けており、「世間知らず」(同僚)な一面もあったという。

親類らによると、容疑者の妻も埼玉県警の警察官。5年ほど前に婿入りし、幼い2人の息子、妻の母と祖父の6人で暮らしていた。近隣住民は「いわゆる名家で、お金にはゆとりがあるようだった」と話した。
事件の直前には、祖父の指導を受けながらトラクターで畑を耕し、その様子を妻子が見守るほほえましい姿を別の住民が目撃している。

親類の男性(75)は「目立つタイプではなかったが一生懸命で優秀だったと思う」と話す。24年3月には巡査部長に昇任。県警幹部は「それなりに努力していた」との見方を示す。

捜査本部の任意同行を受けたのは11日午後。

川越市にある容疑者の妻の実家は地元でも有名な資産家。妻と2人の息子、妻の母親、同祖父の6人家族。妻の実家に婿入りし、4世代で同居していた。敷地内には広大な庭と畑、複数の物置がある。周辺にも土地を複数所有し、駐車場やアパートなどとして貸しているという。

県警によると、現職の警察官が殺人事件の容疑者として逮捕されたケースはこれまでに例がないという。容疑者は昨年10月、殺害された男性(58)の父親が死亡した際に、朝霞署刑事課の強行犯係として被害者方に臨場していた。警察官の職務として捜査で赴いた被害者方に再度訪れ、犯行に及んだことになる。

被害者が殺害されたのは今月3日の可能性が高いことが分かった。県警朝霞署捜査本部は、容疑者が当直明けの日に犯行に及んだとみて裏付けを進めている。

捜査本部によると、容疑者が使用していた乗用車は3日に被害者方近くの駐車場で目撃されたことが判明しているが、この日以外の車の目撃情報はこれまでに寄せられていない。

被害者方の玄関のインターホンのカメラに容疑者に似た人物が映っていたのも3日だった。また2日には、被害者は自宅近くの店舗の防犯カメラに映っており、弟と電話で話している。容疑者も2日朝から3日朝までは当直勤務に就いていた。

捜査本部は容疑者の逮捕容疑について、今月2~4日のいずれかに、朝霞市根岸台7の被害者方に侵入し、被害者の首を絞めて殺害したとしている。調べに対し容疑者は「首をロープで絞めて殺害した」と供述する一方、「首を絞めた際に殺意はなかった」と容疑の一部を否認しているという。

捜査本部の調べで、事件後、被害者方から現金数百万円や現金入りの財布が見つかった。一方、扉が開いていた金庫の中には現金がなかったことから、捜査本部は金銭目的で侵入した可能性もあるとみて動機を追及している。

こんなところですね。
整理すると
容疑者は
現職警察官(31)で高校卒業後、平成14年4月に埼玉県警に入り、通算13年4カ月のうち8年半を刑事部門で過ごした。23年3月、殺人などの凶悪事件を扱う県警本部捜査1課の刑事に抜擢。

容疑者の妻も埼玉県警の警察官。5年ほど前に婿入りし、幼い2人の息子、妻の母と祖父の6人で暮らしていた。近隣住民は「いわゆる名家で、お金にはゆとりがあるようだった」と話した。

4世代で同居していた敷地内には広大な庭と畑、複数の物置がある。周辺にも土地を複数所有し、駐車場やアパートなどとして貸しているとの事。

事件の時系列
昨年10月、容疑者は被害者方で被害者の父親が死亡した際に現場に臨場
2015年9月
02日     2日朝から3日朝まで容疑者は当直勤務
02日21:00頃 被害者が弟と電話で話す
03日     容疑者の車が現場近くの駐車場で目撃
       容疑者に良く似た人物が現場のインターフォンのカメラに写っていた。
04日16:30頃 遺体発見

3日の勤務後から容疑者は10日まで休みを取っていた。

現在31歳で5年前に結婚って事は26歳で結婚かな。
相手は同じ警察官、婿入り先は資産家だった。
子供は2人、妻の母、と祖母、妻の6人で同居していた。

8年半も刑事部門にいて、捜査1課の刑事の経験もある。しかし、逮捕時は浦和署地域課に勤務していた。

やはり、不思議な事件ですね。
殺意が無かったと自供していますが、その通りなのかもしれません。
理由としては、証拠を残し過ぎていると言う点ですね。
容疑者は刑事部門に8年半もいたわけで、警察がどう捜査するか知っていたはずです。
なので、車の目撃情報やインターフォンのカメラに自分の映像を残すなんてミスはしないと思うわけです。

逆に窃盗の手口としては、インターフォンで留守を確認したと言うのは有りですね。
応答が無いので留守と判断したが、侵入したら、被害者が在宅していた。
酒によって寝ていたが、物音に気付いて目を覚ましたと錯覚した容疑者が驚いて、咄嗟に近くにあったロープで殺害してしまった。

そこで、現金を盗む予定だったが、強盗殺人になってしまう為、現金は放棄して、顔見知りに偽装する為に、携帯を盗んだと言うのは結構、説得力ありそうなんですが・・・

しかし、資産家の家に婿入りして、お金に困っているとは思えないのですが・・・

ただ、婿の立場では、家のお金を自由にできるわけでもないでしょうね。

気になるのは、3日の当直勤務あけから10日までの休みは事前に申請していたのか?
警察の勤務形態がよく分からないのですが・・・普通の会社なら、1週間の休暇は簡単にはとれそうも無いです。
ただ、警察は土日が休みと言うわけでも無いでしょうから、シルバーウィークもあるので、交代で休みを分散取得していたと言う事なのかな?

この休み中に家族旅行など出費の予定などがあったのか?
そのあたりの情報が欲しいですね。

参考リンク
埼玉県朝霞市根岸台男性事件
埼玉県朝霞市根岸台男性事件その3(破壊)

| | コメント (11)

2015/09/12

埼玉県朝霞市根岸台男性事件

9月4日(金)午後4時半ごろ、埼玉県朝霞市根岸台の民家で、住人の職業不詳、男性(58)が死亡しているのを、弟(54)が発見し119番通報する事件が起きている。

被害者には首を絞められたような痕があった。
県警によると、被害者は1人暮らし。弟は別居しており、被害者が電話に出ないことを不審に思い訪問したという。

現場は東武東上線朝霞駅から北東約700メートルの住宅街。

発見した弟は2日午後9時ごろに電話で会話をしたと話しており、捜査本部は被害者が2日夜から4日未明の間に殺害されたとみて捜査している。

捜査本部によると、被害者は発見時、衣服を身につけておらず、下半身にタオルケットをかけただけの状態だった。室内は雑然としていたが、争った形跡はなかったとの事。

被害者は玄関の土間で犬を飼っており、普段の出入りには居間の掃き出し窓を利用していた。発見当日も玄関は施錠されており、弟はカギのかかっていなかった掃き出し窓から室内に入っているとの事。

被害者の首に抵抗した際につく傷がなかったとの事。
被害者の体内からはアルコールが検出されており、朝霞署捜査本部は、殺害の際の状況について調べている。

捜査本部によると、室内からは財布や預金通帳などが見つかり、財布には現金やカード類が入ったままになっていたとの事。
また、1階には耐火金庫があり、扉が開いた状態だったという。捜査本部は盗まれたものがないか、親族に話を聞くなどして調べを進めている。

被害者が倒れていた居間からはスマートフォン1台が電源が切れた状態で見つかったとの事。遺体を発見した弟が4日に電話した際には電源が切れた状態だったという。捜査本部は着信履歴などを詳しく調べるとの事。

朝霞署捜査本部は7日、被害者が普段使用していた携帯電話が自宅から発見されていないと明らかにした。

捜査本部によると、これまでに1階居間からスマートフォンが発見されているが、被害者が普段使用していた携帯電話が見つかっていない。

4日午後4時半ごろ、弟が1階の居間で、座椅子の上にあおむけになっている被害者を発見。首に締められたような傷跡があった。

居間にある耐火金庫の扉は開いていたが、室内から現金の入った財布や複数の預金通帳などが見つかっている。

朝霞署捜査本部は11日、室内を調べたところ、新たに数百万円の現金が見つかったことを明らかにした。

遺体発見から1週間が経ち、捜査本部はこれまでに捜査員568人を投入。周辺住民への聞き込みや近くの防犯カメラの確認などを進めている。首を絞めたとされる凶器は特定されていない。

県警は、これまで室内から複数の通帳やキャッシュカードを発見。新たに室内の複数箇所から計数百万円の紙幣が見つかったとの事。

また、被害者が使用していたとみられるスマートホンについて、8月に着信履歴があった後、通話の記録がないことが分かった。県警は被害者が、室内から見つかっていない二つ折りの携帯電話を、主に通話用の電話として利用していたとみて通話履歴などを調べている。

埼玉県警は12日未明、殺人と住居侵入の疑いで、浦和署地域課に勤務する巡査部長、男性容疑者(31)=同県川越市鯨井=を逮捕した。

逮捕容疑は9月2日から4日までの間、被害者方に侵入し、被害者の首を何らかの方法で圧迫して窒息死させたとしている。
県警によると、容疑者は「(被害者の)首をロープで絞めたのは間違いない」と供述する一方、殺意を否認している。殺害の動機は明らかになっていないとの事。

容疑者は3月まで朝霞署地域課に勤務しており、昨年10月3日に被害者の父が死亡した際に、他の署員とともに、遺体を調べるため被害者方に臨場していたという。

県警朝霞署捜査本部は、被害者方の玄関に設置されたインターホンの映像に容疑者によく似た男が写っていたことや、3日に被害者方近くの月極駐車場に容疑者の親族名義の乗用車が止められていたこと、現場から採取したDNAと容疑者が任意提出した資料のDNAが一致したことなどから、容疑者が被害者殺害に関与した可能性が高いと判断した。

容疑者は今月3日は朝まで勤務した後、10日まで休みを取っていたとの事。

とこんな事件ですね。
現職警官が逮捕される事となりましたが・・・ちょっと不思議な事件ですね。
動機が分かりません。

現場に多額の現金やキャッシュカードが残されていて、奪われたと思われるのが、今のところ被害者が普段使用していた携帯電話だけと・・・

殺害方法は絞殺だった。

金銭目的のようにみは見えないですね。
怨恨のようにも見えませんが・・・

いずれにせよ、容疑者は警察官としての自覚は少なからずあったはずなんですが・・・
それでも、殺人と言う結果になった理由が知りたいですね。

続報を待ちましょう。

参考リンク
埼玉県朝霞市根岸台男性事件その2(プロフィール)

| | コメント (2)