2022/01/22

栃木県那須サファリパーク虎に噛まれる事故

1月5日午前8時半ごろ、那須町高久乙の「那須サファリパーク」から「従業員がトラに襲われた」と119番する事故が起きている。
20代の飼育員3人がトラ1頭にかまれるなどし、22歳女性が右手首に大けが、26歳女性と24歳男性もけがをしたとのこと。

サファリパークなどによると、トラの飼育担当だった女性が開園前に展示室の安全を確認するため同室と獣舎をつなぐ通路に入った際、何らかの理由で獣舎から出て通路にいたトラと鉢合わせして襲われた。女性の悲鳴を聞いて通路内に駆けつけた別の女性と男性も相次いで襲われたとのこと。

トラは11歳のベンガルトラの雄「ボルタ」で体長約2メートルで体重約150~160キロ。事故を受け、5日は臨時休園となったとのこと。

那須サファリパークでは1997年と2000年に、飼育員がライオンに襲われる事故が起きていた。

トラを担当する飼育員の女性が展示場の安全確認をするために向かった先が凍結したため、いつもとは違う獣舎側を通って出ようとしたところトラと鉢合わせになったとみられ、またトラが本来いるはずの獣舎にいなかったとみられているとのこと。

那須サファリパークの支配人談:
今冬期なので凍っている部分とかありますから、そのあたりを確認してその後に動物を出すという作業に入るんですが、トラを出す前の段階ですね。安全確認と点検の時に起きた事故です。

普段であればボルタは右から3番目の獣舎の中にいて、飼育員と同じスペースにいることはない。

しかし5日朝、飼育員がキーパー通路と呼ばれる飼育員の作業スペースから一番左の獣舎とアニマル通路と呼ばれる場所を通り展示スペースに出ようとしたところ、獣舎から出ているボルタと遭遇。

その後、キーパー通路の隅で襲われているところを発見され、助けに入った2人も次々と襲われたとのこと。

獣医師がボルタを麻酔銃で眠らせ、襲われた飼育員を救助したとのこと。

前日の閉園後、トラが獣舎に戻ったかどうかを確認せず獣舎を施錠した疑いがあり、トラが通路に出たままになっていた可能性があると説明したとのこと。前日の担当飼育員は「外から通路まで戻ってきた様子は確認したが、獣舎に入ったかは分からない」と話しているとのこと。

飼育マニュアルを守っていなかった疑いがあるとして、県の動物愛護指導センターが同園に再発防止を求める行政指導をしたとのこと。指導は5日付。また今後、県内の動物園に対し、飼育員の安全確保を含めた注意喚起の文書を送るとのこと。

センターは事故発生の5日、動物愛護法に基づき同園を立ち入り検査したとのこと。

獣舎は通常、夕方のトラ収容後に施錠する。だが、「ボルタ」はこの日朝、獣舎外にいた。女性の叫び声に、この男性飼育員が見ると、「キーパー通路」に女性飼育員とトラがいたとのこと。

キーパー通路と一番端の動物のいない獣舎の間の扉も、その獣舎と「アニマル通路」の間の扉も開いていたので、女性飼育員が「アニマル通路」でボルタに遭遇した可能性もあるとのこと。

別の男性飼育員(24)と施設内の「前室」の奥にいた別の女性飼育員(22)が駆けつけ、相次いで襲われた。午前8時55分ごろ、獣医師が麻酔銃をうち救助。葛原支配人が119番通報したとのこと。

獣舎の扉はワイヤ式ロープで開閉し、閉めた後は施錠する。ボルタが収容されていたはずの獣舎の扉は閉じて施錠してあったとのこと。

4日もボルタは園に出ており、閉園の午後4時半すぎには獣舎に戻る予定だった。獣舎には餌の肉を用意していたが、5日、餌の肉はそのまま残っていたとのこと。4日の閉園後、同日担当の飼育員2人は、ボルタが「アニマル通路」まで戻ったことは確認しているが、獣舎に戻ったことを確認したかどうかは不明だとのこと。

栃木県警は7日、業務上過失傷害の疑いで、容疑者不詳のまま園の事務所を家宅捜索するとともに、事故の起きたベンガルトラ舎の現場検証を実施した。トラが柵のある獣舎でなく展示場に向かう通路にいたとみられる理由も含め、安全管理に問題がなかったか同容疑で捜査するとのこと。

園によると、トラが獣舎に入ったことは担当者2人が目視で確認することになっているが、時間などの記録は義務付けていなかったとのこと。

県の立ち入り検査では、獣舎内のエサは手つかずの状態で、トラ用通路にはトラのふんが落ちていた。トラは獣舎のエサも食べられないまま通路で一晩を過ごし、翌朝になって飼育員と出くわしたとみられるとのこと。

当日の気象も被害を拡大させる一因となった。飼育員は本来、屋外の通路から展示スペースの点検に行くことになっているが、通路が凍結していたため、空の獣舎を通って向かおうとした。結果的にトラはその飼育員を襲った後、飼育員用通路にまで入り込むこととなり、助けに駆けつけたほかの2人も襲われる事態になったとのこと。

施設によると、動物が獣舎を出入りする際は、2人で点検するようマニュアルに定めているとのこと。4日に担当した別の飼育員2人は、トラが獣舎に入ったかどうかや、施錠の状況を「はっきり覚えていない」などと話しているといい、管理体制がずさんだった可能性が出ているとのこと。

マニュアルでは、2人で獣舎の中に入ったことを目視で確認することになっていたが、確認が不十分となった可能性がある。トラが獣舎に入るのを嫌がるなど異常事態があった時は日誌に記録するが、そのような記録もなかったとのこと。

事故当日の5日朝は、女性飼育員がトラ舎内の獣舎を抜けて展示スペースへ向かおうとして、トラ用通路でトラに遭遇した。捜査関係者によると、園関係者は県警の聴取に対し「展示スペースへトラ舎を抜けて向かうこともよくあった」などと話しているとのこと。

トラ舎を抜けずに展示スペースへ出入りするための外部からの扉は壊れて使えない状態だったことも判明。県警はこうした複数の要因が重なって事故につながったとみて、業務上過失傷害容疑で捜査しているとのこと。

「日本動物園水族館協会」は17日、加盟する全139施設に動物が獣舎にいるかどうかの目視確認など基本動作を徹底するよう通知した。

同協会は、飼育員が獣舎の中にトラが入っているかどうかを確認しなかったことが原因とする調査報告書をまとめたとのこと。

時系列(一部ASKAの推測があります)
01月04日
閉園後  虎を展示スペースから獣舎に戻すが、虎用通路まで戻った事を確認したが、獣舎に入った事は確認せず。
その後  虎を虎用通路に残したまま、獣舎の扉を施錠、虎は一晩、虎用通路に残された。
01月05日
開園前  展示スペースの安全を確認する為に展示スペースに向かうが、外部から展示スペースに入る扉は故障していた為、従業員通路から空き獣舎を通って展示スペースへ向かう(空き獣舎の扉、従業員通路の扉が開かれたと思われる)
その後  虎用通路に残された、虎と飼育員が遭遇、虎に襲われる。(従業員通路で虎と遭遇した可能性もある)
直後   襲われた女性飼育員が空き獣舎を通り従業員通路に出たと思われる。それを追って、虎も従業員通路に出たと思われる。
直後   女性飼育員の悲鳴を聞いて駆けつけた男女の飼育員が従業員通路で虎に襲われる。(2名の飼育員は自立で脱出したが1名が残された)
直後   麻酔銃で虎を眠らせて、女性飼育員を救助
直後   ドクターヘリと救急車で飼育員3名を救急搬送

こんな感じですね、
幾つかの問題がありますね。
A)前日の閉園時の虎を獣舎に戻した時の確認の漏れ(これが無ければこの事故は起きていない)
B)外部から展示スペースへ入るドアの故障(マニュアルを遵守する前提なら、これが無ければこの事故は起きていない)

この二つが同時に発生した為に最初の事故が発生しているわけですね。
で、悲鳴を聞いて駆けつけた二人の飼育員も襲われて2度目の事故が発生します。
詳しい事がわからないし、悲鳴を聞いて動転していた可能性もあるので、微妙なのですが、この2度目の事故は防げたかも?と感じています。
最初の悲鳴を聞いた時に、何らかの重大事故(人身事故)が発生している事は想定できたと思うわけです。
その中で最悪のケースとしては、獣舎から虎が出ている事が想定できるので、従業員通路に入る時に内部を確認する事が出来たらこの2度目の事故は防げたのかな?と思うわけです。このあたりは、非常時の訓練をどのようにやっていたのか気になりますね。

ここまで見てくると、この事故はまさに労働災害で有名な「ハインリッヒの法則」そのままだな・・・と言う印象です。
重大事故、軽微な事故、そしてヒヤリハットの割合が1:29:300になると言うアレです。

獣舎に戻った事の確認が漏れていても事故にはならないし、展示スペースのドアが壊れていても事故にはならないけど、そういった、ミスが積み重なるといつか重大事故になると言う事をあらためて考えさせられました。
(ハインリッヒの法則は一人の労働者に対しての物なので厳密には違いますが、職場全体にも当てはまりますね。たしか柳田さんがバードの法則とか言っていたような・・・ごめんなさい、思い出せません、柳田邦男さんの本に書かれていたような気がします)

とは言え、繰り返されるありふれた日常の中で作業の危険性を認識するのは難しいと思います。
なので、毎週、ヒヤリハットを出してKYTやるんだよねって事ですよね。
今、気付きましたが、セキュリティインシデントも同じですね。差出人を確認しないまま、うっかりメールを開くとか、ついやってしまいそうですが、そこは、普段から注意する習慣が必要なんでしょうね。

私も那須サファリパークは遊びに行った事があるので、再発防止対策と安全管理を徹底をして再開して欲しいと思います。

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2021/05/17

東京都新宿区炭酸ガス消火設備死亡事故(追記と訂正)

4月15日午後5時ごろ、東京都新宿区下落合4のマンション地下駐車場内で、男性作業員6人が天井の張り替え作業をしていた際、消火設備が突然作動して駐車場に二酸化炭素が充満する事故が起きている。

警視庁戸塚署などによると、5人が救助されたが、30代から50代の4人の死亡が確認され、20代とみられる男性は重体。30代の男性は自力で脱出して病院に搬送されたが、意識ははっきりしているとのこと。

天井の張り替え作業は16日までの2日間で行われる予定だった。同署は業務上過失致死傷容疑を視野に捜査を始めたとのこと。

今回の事故では設備の作動に伴って駐車場のシャッターが下りたとみられ、作業員は一時的に閉じ込められた状態だった。同署は二酸化炭素中毒を起こして亡くなったとみているとのこと。

東京消防庁によると、事故から約1時間後に測定した地下駐車場の二酸化炭素濃度は21%で、通常の数百倍だったとみられるとのこと。
数値は約4時間後に正常に戻ったとのこと。

現場は西武新宿線下落合駅の北東約400メートルの住宅街。

現場の地下駐車場では、午前9時ごろから、天井の石こうボードを張り替える作業が行われていたとのこと。

自力で脱出した30代の作業員の男性が「天井にある二酸化炭素の噴出口近くで作業をしていたら設備が作動した」と話しているとのこと。

捜査1課は同日、亡くなった4人の身元について、
東村山市廻田町1、職業不詳、男性(44)
足立区古千谷本町1、会社役員、男性(58)
同区江北3、会社員、男性(59)
住所不詳、会社員、男性(27)

他に男性(28)が意識不明の重体
と発表した。

マンション地下1階にある立体駐車場の天井が腐食したため、石こうボード約200枚の張り替え工事が15日朝から行われていた。駐車場は地上1階で乗降し、車は機械で地下1階に運ばれる仕組み。作業員ははしごで地下に下りて作業をしていた。2日間の予定だった工事の1日目の作業を終え、二酸化炭素の噴出口が複数ある天井付近で片付けをしていた午後5時ごろ、設備が作動したとのこと。

作動ボタンは地上にあり、付近に設置された防犯カメラにはボタンを押す様子は映っていなかったとのこと。

総務省消防庁のガイドラインでは、二酸化炭素消火設備が設けられている付近で工事を行う場合、専門知識のある消防設備士らが監督することになっているが、今回の事故現場では立ち会わせていなかった。同庁は15日夜、改めて立ち会いを徹底するよう全国の消防機関に通知したとのこと。

死亡の原因となった二酸化炭素消火設備を取り扱う消防設備士などの資格者が、現場に配置されていなかったことが判明した。資格者の立ち会いを求める総務省消防庁の通知に反する対応だった。警視庁捜査1課は16日、業務上過失致死容疑で現場検証を実施。安全管理に問題がなかったか調べるとのこと。

午後5時ごろ、「火災が発生しました。消火剤を噴出します」とのアナウンスと警告音が流れ、二酸化炭素が噴出されたという。噴出口は、高さ約1・8メートルの天井近くの壁に8カ所設置されていた。はしごの近くにいたため、警告音を聞いて自力で逃げた30代の男性は「天井にあるセンサーのカバーを取り付ける作業をしている時に警告音が鳴った」と話しているとのこと。他の5人は離れた場所におり、逃げ遅れたとみられるとのこと。

総務省消防庁によると、駐車場などに設置される一般的な消火装置は、起動から消火剤の噴出まで20秒以上の猶予があるように設計され、噴出までに停止スイッチを押せば作動は止まる仕組みになっている。同庁の担当者は「時間内には絶対、放出しない仕組みだが、間に合わなかった可能性がある」と指摘する。事故当時、地上には現場責任者がいたが、消火装置の仕組みなどを把握していなかった可能性もあるとのこと。

捜査1課は4月17日、司法解剖の結果、死因は二酸化炭素中毒だったと発表。高濃度のCO2で短時間で意識を失い避難できなかったとみられる。
その後の調べで、警察や消防が駆けつけた際、天井についている消火設備の煙の感知器のカバーが外れた状態だったことも新たにわかった。

自力で避難した男性が、「作業員が取り外した感知器のカバーを戻していた」と話していることから、警視庁は、この作業と事故との関連を調べている。

作業員らが消火装置の電源を切らずに工事を行っていたとみられるとのこと。

消火装置は、煙と熱の両方を感知しないと作動しない仕組みでしたが、捜査関係者によるとマンションの管理人が「事故の約3時間前に、このうちの1つが感知したことを確認した」と説明しているとのこと。

警視庁捜査1課は4月20日、業務上過失致死傷容疑で、工事の元請けだった株木建設の東京本社(豊島区)などを家宅捜索した。契約書類などを押収し、安全管理に問題がなかったか詳しく調べるとのこと。

現場には株木建設の責任者1人が配置されていたが、孫請け業者が実際の作業を担っていた。同様の工事では消防設備士の立ち会いが求められているが、手配されていなかった。捜査1課は株木建設の安全管理が不適切だった可能性もあるとみて、慎重に捜査しているとのこと。

捜索を受けた株木建設は「押収された書類の中身については分からないが、捜査には全面的に協力していく」とコメントしているとのこと。

捜査関係者によると、1度目の警報は15日午後2時ごろに鳴った。2度目の警報は午後4時半ごろで、この直後に二酸化炭素が噴射された。現場には天井に消火設備の熱センサーが八つ、煙センサーが四つ設置されていた。この日は作業員が天井板を張り替えるため、センサーのカバーを外していたという。現場に発火物はなく、警視庁はセンサーが反応した原因を調べているとのこと。

捜査関係者によると、地下1階の駐車場では、CO2を含むガスの噴射で火災を抑える仕組みの消火装置を採用。天井には熱感知のセンサーと煙感知のセンサーが計12カ所に設置されており、両センサーが熱や煙を感知すれば、それを示す微弱な電気が信号として流れ、ガスが噴出する仕組みになっていたとのこと。

今回も最初に熱センサー、その後に煙センサーがそれぞれ感知して反応していたことを示す形跡が確認されたとのこと。

センサーは天井板に固定するような形になっており、工事で天井板を張り替える際は、むきだしの配線につながれたままのセンサーが吊(つ)り下がった状態だったという。センサーは手で触れるなど直接的な衝撃を与えても反応しないことから、構造上、何らかの原因でセンサーが感知したことを示す電気信号が誤って流れ、ガスが噴射した可能性がある。現場に火の気はなかったとのこと。

現場責任者は、「消火設備には触らないよう作業員に指導した」と話しているということだが、その後の調べで、消火設備についている感知器を外さないと、天井板の張り替えができなかったことがわかった。

警視庁は、消火設備の感知器を外したことが誤作動につながった可能性があるとみて調べているとのこと。

時系列
2021年4月15日
09:00頃 石膏ボードの張り替え作業を開始
14:00頃 熱センサーを検知
作業を終えて片付け中?
事故直前 熱センサーを検知
17:00頃 事故発生(煙センサーの誤検知が発生)

こんな事故ですね。
色々と問題はありそうですが、私としては、作業受託時の調査が不十分だったのかな?と言う印象です。
設備業界とかビル管理業界のあるあるの一つのようですが、「天井のスプリンクラーの誤動作事故」と言うのはどの会社でも一度ぐらいは経験しているのではないのかな?
これは今回の事故とは直接関係無いのですが、簡単に説明するとスプリンクラーには数種類あって、内1種類(湿式)は天井のスプリンクラーまで常時、水が満たされていて、スプリンクラーの先端の栓で水が出ないようになっている。火災時にはこの栓が熱で溶けて水が噴射する構造です。
この栓が簡単に壊れるような構造なので、工事でうっかり触って、あたり一面を水浸しにしたと言う事故が時々あるようですね。

他にも消火設備、火災報知器関係の工事については消防への事前届けが必要になる場合もあります。

なので、工事担当者は消火設備、火報系の工事をするときはかなり神経質になると思うのですが、工事をどう進めるのか?と言う点で発注元の担当者とはどんな話をしていたのかな?

受託した会社に消防設備士の資格者がいて、感知器の取り扱いができる会社かどうかわからないのですが、消防設備士の資格者がいないのであれば、検知器の取り外し、取り付け、動作確認(検査)の作業費用が工事の見積書の項目にあると思うんですよね。(別の専門会社に発注が必要なので)
それに、工事期間中は工事範囲の消火設備が停止すると言う話も発注側担当者に話して確認をとらないといけない話だと思うんです。

見積書の内容が知りたいですね。

亡くなった方のご冥福をお祈りします。

2021/05/18 追記と訂正
報道を読むと、有資格者の立ち会いがあれば工事できると言う事のようなので、作業自体は有資格者でなくても、有資格者の立ち会いのもとであれば可能と言う事ですね。
しかし、社内に有資格者がいなければ、社外から調達しないといけないわけで、その場合は見積書の項目に載るというのは、変わらないと思います。
もし、社内に有資格者がいるのであれば、どうしてその有資格者が立ち会わなかったのか?と言うのが疑問ですね。

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2019/09/05

多摩動物公園サイ飼育員死亡事故

8月25日午前10時50分ごろ、多摩動物公園(東京都日野市)のインドサイの獣舎で飼育員が倒れているのを同僚が発見し、園を通じて119番通報する事故が起きている。
 
警視庁によると、日野市万願寺5丁目の男性(54)が病院に搬送されたが、脇腹や背中に内出血があり、死亡が確認されたとのこと。
 
日野署と園によると、飼育員が倒れていたのは来園者向けに公開するスペースとは区切られた飼育施設内で、おりの外の作業用通路。内出血のほかあばら骨も折れていたとのこと。
 
おりの中にいるサイが鉄格子の間から角で突くなどした可能性があるとのこと。
 
サイは全長約3メートル、体重約2トンで、足の皮膚に疾患があったとのこと。
 
死亡した飼育員のそばにはサイ用の塗り薬が落ちていた。飼育員は20年以上の経験があるベテランで、インドサイやインコを担当していたとのこと。
 
この施設内は飼育員らの安全を図るため、サイと直接接触しない仕組みになっていたとのこと。
 
ただ、飼育スペースの柵には30~40センチの隙間があり、これまでも飼育員らが手を伸ばして直接サイの皮膚に薬を塗布するケースもあったとのこと。
 
園ではインドサイ3頭を飼育。園は確認作業のため、25日午後3時から臨時休園としたとのこと。
 
3頭のサイは今後も同様に園で飼育される方針とのこと。
 
警視庁は、およそ30cmのおりの鉄格子の隙間から、飼育員が身を乗り出し、サイに薬を塗ろうとして、襲われた可能性もあるとみて調べているとのこと。
 
サイのおりの中から、飼育員のものとみられる血痕が見つかったとのこと。
 
警視庁は、何らかの理由で、飼育員がおりの中に入り、サイに襲われた可能性があるとみて調べているとのこと。
 
多摩動物公園は、26日から営業を再開している。
 
副園長によると「(おりには)ポールが何本もあり、30cmの隙間があるので、サイがここ(エサ)を食べている時(隙間が)あいているところから(薬を)塗る」とのこと。
 
「角の鼻先は少し出てくるような幅ではあります」とのこと。
 
こんなところですね。
事故の原因や経緯は不明です。
ただ、気になるのが、怪我の状況と檻の中の血痕です。
 
亡くなった飼育員さんの怪我は報道された内容は2種類です。
1)あばら骨が折れて、左わき腹に内出血
2)腹や足に怪我
 
死因は報道されていないので、ここも推測の域を出ないのですが・・・
サイに接触した結果の圧死と言うあたりでしょうか?
 
園では安全の為、直接サイに接触しない構造になっていたようですが、ポール(檻?)の隙間から薬を塗ると言う事だから、完全に接触しないと言う状態では無かったのかもしれませんね。
 
死亡した飼育員さんは勤続20年以上のベテランだったけど、事故は起きてしまった。
 
昨年10月の鹿児島県平川動物公園ホワイトタイガー死亡事故でも死亡した作業員さんは勤続10年以上のベテランでした。こちらも一人で作業していて起きた事故で原因は不明のままです。
 
危険な動物についての作業をする場合は、やはり二人で作業をした方が良いのでしょうね。
今回の事件も即死でないのであれば、救急搬送で助かったかもしれませね。
 
動物による死亡事故も少ないようですが1年に1件ぐらいは起きています。
釈迦に説法ですが、慣れた作業でも危険性について定期的に見直しが必要なんでしょうね。
 
亡くなった飼育員さんのご冥福をお祈りします。

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2018/10/09

鹿児島県平川動物公園ホワイトタイガー死亡事故

鹿児島市の平川動物公園で飼育員の男性がホワイトタイガーに襲われ、死亡する事故が起きている。

10月8日(月祝日)17時すぎ、「男性飼育員がホワイトタイガーに襲われた」と動物園から119番通報があり、消防が駆け付けたところ、ホワイトタイガーの飼育室内で飼育員の男性(40)が首から血を流して倒れていたとのこと。

男性は病院に搬送、2時間後に死亡が確認されたとのこと。
男性をかんだホワイトタイガーはオスで直後に麻酔で眠らせたとのこと。

平川動物公園では、4頭のホワイトタイガーが飼育されていて、死亡した男性飼育員は当時1人で、飼育作業にあたっていたということで、目撃者などはいないとのこと。

消防によると展示場内には、別の職員が麻酔銃で撃ったとみられるホワイトタイガー1頭が倒れていて、ほかの3頭は奥の飼育室にいたとのこと。

関係者によりますと、おりの中で作業する際は、ホワイトタイガーを昼間の展示用のおりから、夜間使用するおりに移動させ、扉を施錠した上で、作業を行う手順になっているとのこと。

動物園は、17時に閉園とのこと。
警察は男性飼育員が襲われた詳しい状況など調べているとのこと。

こんな事故ですね。
ASKAの事件簿の記録にある動物園でのトラによる死亡事故は2008年6月の京都市動物園でアムールトラが男性飼育員を襲って死亡した事故がありますね。
この時の原因は
同動物園はオスのビクトル(11)とメスのアオイ(3)を飼育していた。
おりは3つあり、飼育員はビクトルとアオイの見合いをさせるため、トラのいないおりにアオイをおびき寄せようとしていた。

この際、ビクトルのおりの鍵が開いており、出てきたビクトルに襲われたと。

と言う事で、通常よりも、慣れない作業だったのかもしれないですね。

他には昨年の2017年2月に小諸市動物園でライオンが女性飼育員を襲った事故がありました。この事故では命に別状はありませんでした。
県警小諸署などによると、獣舎は室内居住室とおりがある屋外展示室があり、女性は清掃するために1人で獣舎に入り、事故当時は展示室側にいたという。獣舎間には二つの扉があり、作業の際はライオンを一方に閉じ込めて行うことになっていたが、いずれも開いていたとの事。

室内と屋外間には二つの扉があるが、手動扉が開けられ、自動扉は半開きになっていたという。女性が獣舎に入った際、閉まっていたかは不明。

今回の鹿児島での事故については、原因を調査中との事ではっきりした原因がわかりません。ただ、ここまでの情報だと通常の閉園時の作業中に事故が起きたような印象はありますね。特殊な作業をしていたわけではなさそうですが・・・

続報を待ちましょう。

亡くなられた飼育員さんのご冥福をお祈りします。

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2018/07/15

茨城県コンプレッサー悪ふざけ死亡事故

空気圧縮機で同僚の体内に空気を入れて死亡させたとして、茨城県警は7月14日、機械製造販売会社員の男性容疑者(34)=茨城県つくば市手代木=を傷害致死の疑いで逮捕ししたと発表したとのこと。

容疑を認めており、「悪ふざけでやったが、死ぬとは思わなかった」と述べているとのこと。

竜ケ崎署によると、容疑者は13日午後5時ごろ、茨城県龍ケ崎市内にある勤務先の工場で、同僚の男性(46)=千葉県柏市=の肛門付近に工場で使われている業務用の空気圧縮機を押しつけて空気を注入する暴行を加え、死亡させた疑いがある。男性が倒れたため同僚が119番通報して病院に運ばれたが、死亡が確認されたとのこと。

事件当時は2人とも勤務中で、数人の同僚がまわりにいたとのこと。

被害者は服の上から空気を注入されたということですが、その後体調の不良を訴えたため、病院に搬送され、肺の損傷が原因で死亡したとのこと。

被害者が搬送された病院から警察が連絡を受けて事件が発覚したとのこと。

こんな事故(事件)ですね。
昨年12月にも埼玉県の産業廃棄物処理会社で同じ事故が起きて、一人が死亡しています。
勤務中で周囲にも数人の同僚がいたとの事ですが、この中に昨年の事故を覚えている人間がいれば、注意する事ができたかもしれませんね。

午後5時ごろなので、終業前に作業服のホコリを落とそうとしていた時だったのかもしれませんね。
昔の標語に「注意一秒、怪我一生」と言うのがありましたが、一瞬の油断が、事故になるというのは、今も昔も変わりませんね。

こんな事故が続くと、注意するだけの対策では無理で、コンプレッサーを使う業務に関わる作業者に事故防止用の特殊な作業服の着用が義務付けされるとか、そんな動きも出てきそうですね。

亡くなった男性のご冥福をお祈りします。

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2018/01/30

大阪府堺市5歳男児洗濯機窒息事故

大阪府警堺署は1月28日(日)、堺市堺区の会社員男性(32)方で、5歳の男児がドラム式洗濯機の中でぐったりしているのが見つかり、病院で死亡が確認される事故が起きている。

窒息死とみられ、同署は男児が自分で洗濯機に入り、閉じ込められたとみて調べているとの事。

発表では、27日(土)午後3時頃、男性が「息子が洗濯機の中で意識がない」と119番。男性は男児、妻(32)の3人暮らしで、妻は外出中だったとの事。
発見当時、洗濯機は動いておらず、蓋は閉じていたという。男性は「2人で2階の部屋で昼寝していた。目を覚ますと姿がなかった」と説明しているとの事。

洗濯機は1階にあり、高さ1メートル、幅73センチ、奥行き61センチ。

大阪府警堺署は29日、司法解剖の結果、死因は窒息死だったと明らかにした。

堺署によると、男児は27日正午ごろ、父親と一緒に昼寝。午後3時前、目を覚ました父親が洗濯機の中でぐったりしている男児を見つけた。死亡推定時刻は、発見される1時間程度前だったとみられるとの事。

洗濯機には、子どもが入らないよう扉を開かなくする「チャイルドロック機能」がついていたが、使われていなかったとの事。大阪府警堺署は男児が自分で入って閉じ込められたとみているとの事。

捜査関係者によると、男児の身長は約120センチで、前面の扉は直径46センチ。チャイルドロック機能は、特定のボタンを3秒間長押しすると、閉まっている扉が開かなくなる仕組みで、当時は使われていなかった。一方、扉が閉まると中からは開けられない構造だったとの事。

時系列
1月27日
12:00頃 父親と昼食後に一緒に昼寝
14:00頃 死亡推定時刻(窒息死)
15:00前 洗濯機の中の男児を発見。

こんなところですね。
安全と思える家庭の中にも、危険はあるんですよね。
浴室での溺死とか、車でも放置されて熱中症で死亡、高層マンションからの転落など、いろいろありますね。
その中でも、ドラム式洗濯機での事故と言うのは比較的新しいタイプの事故なんでしょうね。

2005年にも同様の事故があって、メーカーは対策をしていたし、今回事故の機種にもチャイルドロックがあったけど、使われていなかった。

やはり、また危険性が認知されていないんでしょうね。
あるいは、危険性を知っていても、つい油断してしまうのかもしれません。
うっかりミスと言う可能性もありますね。

洗濯が終わった後にチャイルドロックを手動でするわけだから、忙しい時など、そのままロックをし忘れてしまってもおかしくないと思います。

チャイルドロックは記憶式にして、設定オンの時には、開ける時に特定の操作が常時必要と言う方式の方が、うっかりミスをなくす事ができるでしょうね。
このあたりはメーカーの改善を期待したいですね。

時系列を考えると、男児は昼寝後1時間程度で目を覚ましていたんじゃないかな?
閉じ込められて、窒息するまでに少し時間があると思うんですよね。
目を覚まして、家の中で一人遊びをしていて、かくれんぼのつもりで洗濯機の中に入ってしまったのかもしれませんね。

家庭の中でも危険は有るので、夫婦や家庭の中で話合って、どんな危険があるのか、一度、棚卸しておくとよいかもしれませんね。

亡くなった男児のご冥福をお祈りします。

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2017/12/18

高圧コンプレッサー悪ふざけ死亡事故

業務用の高圧コンプレッサー(圧縮機)を使って同僚男性の体内に空気を注入して死亡させたとして、埼玉県の杉戸署は12月17日、傷害致死の疑いで、加須市旗井2丁目、会社員の男(47)と千葉県松戸市日暮4丁目、ペルー国籍の会社員の男(36)を逮捕する事件が起きている。

逮捕容疑は共謀して12月16日(土)正午ごろ、勤務する杉戸町本郷の産業廃棄物処理会社「エコシス埼玉」敷地内で、同僚の春日部市小渕、会社員男性(44)の体内にコンプレッサーを使って空気を注入し、死亡させた疑い。いずれも「間違いない」と容疑を認めているとの事。

同署によると、3人は昼食休憩前、ほかの従業員と共にコンプレッサーで作業着の汚れを落としていた。ふざけて被害者の顔や肛門にノズルを当てたところ、被害者が腹部を膨らませて「苦しい」とうめいたため、同僚らが病院に搬送。16日午後7時20分ごろ、死亡が確認されたとの事。

同社では、従業員が事務所に入る前、コンプレッサーを使ってほこりや油汚れを落としていたという。同署は被害者の体内に入った空気が内臓などを圧迫したとみて、詳しい死因を調べているとの事。

こんな事故ですね。
この手の事件は数年に1度ぐらい発生してると思います。
調べてみると、
2013年に自衛隊小松基地で一人が入院する事故が起きているようです。
2017年7月にも京都で男子大学生が直腸に複数の穴が空く傷害を負っています。

いずれも、動機は「悪ふざけ」ですね。

調べれば他にも出るでしょうが、KYTとか危険予知、事故事例などではヒットしていないので、あまり危険視されていないのかな?

本来、作業中(就業中)ならば、「悪ふざけ」なんて出ないんでしょうが・・・
休憩中とかになると、緊張の糸がゆるんでしまうのかもしれませんね。

コンプレッサーの事故事例として知っていれば、そんな事もしないのでしょうが、知識不足が原因の大きな部分を占めているのかもしれませんね。

この機会に、コンプレッサーを使う職場ではKYTや入職時教育に項目を加えておいた方がよさそうですね。

亡くなった男性のご冥福をお祈ります。

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2017/03/13

和歌山県アドベンチャーワールド象飼育員死亡事故

3月12日(日)午前9時15分ごろ、和歌山県白浜町の観光施設「アドベンチャーワールド」で、タイ国籍の男性飼育員(37)に象の振り回した鼻が当たり、おりの柵などで頭を強く打って、約1時間後に搬送先の病院で死亡する事故が起きている。
死因は脳挫傷との事。

県警白浜署によると、象はメスのアジア象「ラリー」(40歳、3・5トン)で、死亡した飼育員はもう1人の男性飼育員(53)と一緒に象の体を洗っていた。

施設によると、現場は象2頭を飼育する「ゾウふれあい広場」のおり(縦19メートル、幅6メートル、高さ3メートル)の中。
2人は体を横たえたラリーに水をかけてブラシで洗っていたが、ラリーが急に立って死亡した飼育員に鼻を当て、金属製のおりの柱(直径約15センチ)に押しつけたという。開園前で来園客はいなかったとの事。

別の報道では
顔などを洗っていた際にゾウが嫌がったため、鼻が当たっておりの柵に飛ばされたとの事。

ラリーは1978年の開園当初から飼育されてきた。死亡した飼育員はタイで象の飼育の実績を積み、2015年から施設で働いていた。
ラリーが客の手から鼻でバナナを受け取る「おやつタイム」や、来園客を背中に乗せるもう1頭の「エレファントライド」は当面休止する。施設の園長は「亡くなった方や遺族におわびし、原因を再確認して安全対策を徹底したい」と話したとの事。

同日は開園したがゾウの展示は中止した。13、14日は臨時休園する。15、16日は休園日で、17日以降は事故原因の究明状況をみて決めるとの事。

施設によりますと、ゾウの体洗いは日常的に行われていて事故直前もゾウに変わった様子はなかったとの事。

こんな事故ですね。
象は童謡の「ぞうさん」のイメージが強いせいか、穏やかそうなイメージなんですが・・・
何しろ、体重がトンオーダーですから、踏まれたり、体の下敷きになったりしただけでも、人間には致命傷になるでしょうね。
今回は鼻で突き飛ばされた、はじかれた、みたいな報道ですが、鼻の力も強いんでしょうね。

死因は脳挫傷ですから、とりあえずの安全対策としては「ヘルメット」の着用と言う事になるでしょうが、しかし、それでは、予想される危険の一部しかカバーできないので、どうしたら、飼育員が安全に作業できるのか?と言うのは難しい面がありますね。

結局、「体を洗う」といった単純そうに見える作業でも、相手が動くし、生き物だから、その場に合わせた臨機応変な対応が必要なんでしょう、機械に代われるような作業では無いでしょうね。

人間が作業する事を前提にすると、完全に危険を排除するのは無理なのかもしれません。
発想を変えると、作業対象を安全にしてしまう・・・つまり、象を麻酔で眠らせてから作業すると言うのも方法の一つかもしれませんが・・・
日常的な作業でそんな事して、象の健康に問題が無いのか?と言うのはあるかもしれませんね。

いずれにせよ、近年、国内で動物飼育施設での動物による事故が増えている印象です。

国内の関連団体などで統一した安全飼育のガイドラインなどを作成されても良いのかもしれませんね。

しかし・・・そのガイドラインに従って作業したとしても、結局、動物相手なので動物の機嫌次第で事故になってしまう可能性は残りますね。
だけど、作業レベル(熟練度)の差による事故はある程度防げるのかな?

しかし・・・今回の事故を含めて、近年に起きた事故で、作業員が不慣れだったという事故はそんなに無かったような気がします・・・

やはり、最後は「動物相手は難しい」と言う結論になってしまうのかな?

亡くなった男性飼育員のご冥福をお祈りいたします。

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2017/02/28

小諸市動物園ライオン飼育員咬む事故

2月26日(日)午前9時35分ごろ、長野県小諸市丁の小諸市動物園から、「飼育員の女性がライオンにかまれた」と消防に通報する事故が起きている。

市臨時職員の飼育員、女性(22)=同市大久保=が、ライオンに顔面をかまれるなどの重傷を負った。女性は佐久市内の病院に運び込まれ、手当を受けている。命には別状はないとの事。

県警小諸署や消防によると、女性は午前9時半ごろ、園内で飼育しているライオン(雌、15歳)のおりを1人で清掃中にかまれたとの事。
目撃した来園者から連絡を受け、駆け付けた他の職員が女性からライオンを引き離したとの事。
動物園は午前8時半に開園していた。ライオンはおりから出ていないとの事。

おりがある展示場は、扉を挟んで屋内の部屋とつながっている。市によると、作業中はライオンを隔離することになっているという。
発見時に扉が開いていたとの情報があり、同署が詳しい状況を調べているとの事。

同園を管理する小諸懐古園によると、女性を襲ったライオンは、同園きっての人気を誇る雌の「ナナちゃん」(15歳)。平成16年10月、東京都日野市の多摩動物園から雄の1頭とともに小諸市動物園に迎えられたとの事。
26年4月に雄が死んだ後、唯一のライオンとして飼育されていたが、来園以来、人に襲いかかることはなかったとの事。
女性は約2年前から、このライオンの飼育を担当していたとの事。

動物園関係者によると「ナナは咬まれた女性にとても懐いていた」との事。

市などによると、獣舎は室内居住室とオリのある屋外に分かれ、雌の「ナナ」(15歳)1頭だけがいる。女性は清掃しようと獣舎に入ったという。午前9時半ごろ、子供と来園した女性が屋外側で襲われたところを目撃し、園内の男性職員に知らせた。男性職員が駆けつけると、女性は血を流してあおむけに倒れていた。ライオンは女性の右足をかみ、オリから室内につながる通路まで引きずったという。別の男性職員がライオンに放水し、救出したとの事。

県警小諸署などによると、獣舎は室内居住室とおりがある屋外展示室があり、女性は清掃するために1人で獣舎に入り、事故当時は展示室側にいたという。獣舎間には二つの扉があり、作業の際はライオンを一方に閉じ込めて行うことになっていたが、いずれも開いていたとの事。

室内と屋外間には二つの扉があるが、手動扉が開けられ、自動扉は半開きになっていたという。女性が獣舎に入った際、閉まっていたかは不明。市は安全を確保するまで当面、休園にする方針との事。

ナナは約2週間前に子宮内膜症と診断されて療養中で、室内の寝室で過ごしていたとの事。

同園は27日も臨時休園し、飼育員が警察の事情聴取に応じるなどした。同園は事故の原因究明と安全対策の見直しができるまでは当面の間、休園する方向。同日から安全確保のため、ライオン舎の飼育体制をこれまでの1人から2人に増やしたとの事。

市によると、園全体の飼育マニュアルがあるほか、ライオン用は飼育員の手引と扉施錠などのチェック表がある。27日からはそれを基に2人で獣舎に入り、ダブルチェックする態勢を取っているとの事。

事故があったのは朝の清掃作業の時間帯だった。しかし、飼育員が清掃をしていた形跡はなかったとの事。
動物園は、飼育員の回復を待って、当時の状況を聞く方針との事。

こんな事故ですね。
1月23日にも、動物プロダクションの飼育員がライオンに咬まれる事故が起きたばかりです。
動物プロダクションの場合、特殊な作業中と言う事もあったけど、同じライオンを飼育する動物園としては、注意喚起ぐらいしたと思いますが・・・

咬まれた飼育員の女性はこの仕事をして2年と言う事なので、初心者ってわけではないですね。
そして、ナナも女性に懐いていた。

ナナの体調が悪かったようですから、動かないと思って、つい、油断してしまったのだろうか?
マニュアル通りなら、ライオンと同じ部屋に人が居る事は無いはずですからね。

このあたりは、本人から話しを聞くしかないですね。

この事件簿でも事故の記録として、動物による事故も数件、記録していますが、どれも、人間側の油断が原因のように思います。
懐いていても、野生の血は流れているって事なんでしょうね。

続報を待ちましょう。

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2017/01/23

千葉県動物プロダクションでライオンに噛まれる事故

1月23日午前11時5分ごろ、千葉県成田市吉岡の「湘南動物プロダクション」の20代の飼育員女性から「飼育員がライオンにかまれている」などと119番通報する事件が起きている。
県警によると、かまれたのはいずれも飼育員とみられ、50代ぐらいの女性と20代ぐらいの男性の2人でいずれも重傷との事。

同署によると、ライオンは10歳の雄。2人は通報した女性と3人でライオンのおりの中に入り、ライオンの体を洗っていたところ、ライオンがいきなり騒ぎ始めて2人を襲った。ライオンは鎖につながれた状態だった。1人は自力でおりから脱出、もう1人は飼育員に助け出された。2人はいずれも救急隊到着時、意識はあったとの事。

同社ホームページによると、国内最大の規模の動物プロダクションで、国内映像業界のシェアは90%以上。アリやゾウ、ライオンなどを実際に調教して演技を教えているとの事。
同社の前身は1972年に神奈川県藤沢市に設立された湘南動物企画を経て2007年に湘南動物プロダクションを設立。
10年に成田市に移転した。従業員数は15人との事。

従業員は、ライオンについて「撮影前の準備で手入れをしていた」と説明しているとの事。

地元の保健所などが23日午後、動物愛護法に基づき、施設に立ち入り検査を実施し、ライオンの管理状況について調べる。

事故は、飼育舎の中で飼育員がライオンの体を洗っているときに起きた。この点について、2頭のライオンを飼育している千葉の動物園によれば、けがの治療目的などでライオンにどうしても近づかなければならないときは、ライオンを狭いケージに移動させた後、麻酔を打つとの事。

出演準備のためにライオンの体を洗っていた可能性が高く、県は同日午後、現場に立入り調査に入り、麻酔を使わずに飼育員が対応していたかどうかも含め、猛獣を含めた飼育動物の管理に問題がなかったかどうか調べているとの事。

こんな事故ですね。
問題の動物プロダクションは歴史も長く、動物の扱いにはそれなりのノウハウも持っていたのでしょうが、それでも事故は起きてしまうんですね。
でも、実際、話だけを聞くと、鎖に繋がれたとは言え、自由に手足や口を動かす事ができる状態のライオンの体を檻に入って、手作業で洗っていたのかな?
(今のところ詳細が分かりません)
手足、口が届く距離にいれば、虫の居所がわるければ噛んだりするかもしれませんよね。
と言うか、噛める状態で作業したら、そりゃダメだよね?って事なんだと思います。

それが、作業手順書には「麻酔を打って動かなくなってから、洗う」とあったのかは?今のところわかりません。
以前は、麻酔なしの方法でも問題なかったのかもしれませんね。

作業手順書の存在の有無やその内容については、これからでしょうけど・・・
ヒヤリ・ハットとかKYTとか、ありそうな物ですけど・・・慣れた作業だったのか?

ここ数年、動物園などプロの人達の動物関係の事故が多いような気がしますね。

噛まれた二人は重傷のようです、早い回復をお祈りします。

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