世田谷一家殺害事件再考その167(風呂窓は閉じていた?外国人窃盗犯説)
時間が無いので手短に書きます。分かりにくかったら、ごめんなさい。
NHKが犯行の流れを最初に流してから、風呂窓侵入説がほぼ、定説となっているわけですが、風呂窓侵入を考えた場合、単純に風呂の窓が開いていたのをぽっぽ公園から見て、それに気付いた犯人が侵入したんだろうね・・・と考えていました。
しかし、良く考えてみると、それは無いんじゃない?と思うわけです。
その1番の根拠は、みきおさんが外出着だった事。
これは、みきおさんが、入浴前だった事を意味しているのではないか?と思うわけです。
そこで、もし、みきおさんが入浴前の状態だったと仮定するなら、もし、風呂窓が開いていれば、外気温と同じ5度程度に浴室を冷やしている事になります。
これから、全裸となり入浴するみきおさんが、それを望むだろうか?
と考えると、風呂窓が開いている事は無いでしょ?と思うわけです。
もし、換気の為だとするなら、前回の写真の2の方を見ると、浴室窓の上にダクトが見えます。
位置的に浴室の換気扇用ダクトだと思います。換気するなら、換気扇を使っているのでは?
換気扇なら、浴室の空気を外に排気するから、必然的に家の中の空気が浴室に入る事になり、浴室の温度は下がらない。
とここまでが前置きですね。
風呂窓が閉まっていたとしても、施錠されていないのであれば、犯人が侵入する事ができます。
問題はこの施錠の有無を犯人はどうやって知ったのか?です。
ここで場合分けしましょう。
1)犯人は風呂窓が施錠されていない事を事前に知っていた場合。(つまり確認の必要が無い場合)
1-1)犯人が宮澤家に宿泊したりして、入浴し、その時に風呂窓が施錠されてない事、普段から施錠しない事をしっていた場合。
1-2)昼間に偶然、風呂窓が開いているのを見た。しかし、それだけでは、その後、閉められた窓の施錠の有無は確信できないでしょう?
1-3)犯人が事前に宮澤家に入り、風呂窓を犯人が開けている場合。しかし、それは、事件直前でないと、家族が入浴した時に施錠してしまうかもしれません。不確定要素が多いですよね。
2)犯人は風呂窓が施錠されている事を事前に知らなかった場合。(当日、侵入直前に気付いた場合)
2-1)外から風呂窓の施錠状態を目視で確認した場合。
これは難しいと思います。窓は曇りガラスですが、昼間なら施錠状態を外部から目視できるようです。
問題は侵入時刻が夜だろうと言う事ですね。ぽっぽ公園の街灯は1カ所しかないと思います。あと近くの街灯は、ぽっぽ公園のトイレの外側照明、飛び出しマンの飛び出した公園側小道の出口にある電柱の街灯。
つまり、かなり暗かったのではないか?と言うのが私の想像です。
このあたりは、ご近所の方、できたら夜の明るさで目視で確認できるのか?を一度、確認していただきたいと思います。
(現在、ネットが張ってあるので、ネットが外れてからになると思います)
しかし、解決方法が無い事もない、犯人がライトを持参して窓の施錠状態を確認する方法もあります。
だけど、犯人の遺留品にライトは有りませんでした。
2-2)目視で確認できない場合。
つまり、実際に手で開くかどうかを確認した場合になります。
そんな事あるの?と思われるでしょうが・・・無施錠の風呂やトイレの窓、2階の窓から侵入するのは、窃盗犯のポピュラーな手口なんですよね。
窃盗犯を大きく分けると3種類あります。
A)家人が留守の時に侵入する「空き巣」
B)家人が就寝中に侵入する「忍び込み」
C)家人が在宅中に侵入する「居空き」
この事件の場合、家人が在宅中なので、「空き巣」ではありませんね。
そして、就寝中でも無いので、「忍び込み」でもない。
可能性としては「居空き」の可能性が残ります。
「居空き」は家人が在宅中に侵入するので、気付かれる可能性が高いです。この為、そのまま、強盗になる可能性が高いわけで、犯人が凶器の包丁を持参した事を説明できます。
しかし、「居空き」が成立するには条件がありそうですね。
ぽっぽ公園から見ると、入江家と宮澤家は1軒の家のように見えます。
犯人が侵入時(23時頃)の状況としては、入江家は2階で母親がテレビを見る、3階で息子が就寝。1階で旦那さんが居眠り?、入江さんは0時過ぎに就寝なのでリビングに居たと思われます。
つまり、1階、2階は明かりが有った状態だと思います。
問題は宮澤家で、2階子供部屋で礼君が就寝、3階ロフトで泰子さんとにいなちゃんが就寝、問題はみきおさんがどこに居たのか?
ここで、2階リビングに居たとすると、2階の風呂窓から侵入した場合、2階リビングに居るみきおさんに発見される可能性が高いですね。
階段のカニ歩きの足跡や、遺体が1階で発見されている事、22時頃のPC操作などを考えると、みきおさんは1階に居たと考えるわけです。
そうすると、宮澤家は1階にみきおさん、が起きていて明かりがあったが、それ以外の部屋は消灯もしくは、暗い明かりだったのではないか?と思う訳です。
これで、犯人は家人が就寝中か、起きている人物は1階に居ると思い、2階の風呂窓から「居空き」目的で侵入する事が可能になります。
窃盗犯の割合では、居空き(5%)、忍び込み(27%)、空き巣(68%)です。(2016年警視庁犯罪統計を参考にしました)
しかし・・・・圧倒的に「居空き」の件数が少ないんですよね。
そりゃあ、家人が在宅の家に侵入して、物色して逃亡するわけですから、度胸とテクニックが必要でしょう。
その意味では、「居空き」犯と言うのは、初心者じゃ無理なんじゃない?というのが素朴な疑問ですね。
もし、犯人が「居空き」目的の窃盗犯だとすると、それなりの場数を踏んでいるはずで、他の窃盗事件の現場から指紋やDNAが出ないとおかしいと思うわけです。
あるいは、犯罪歴があって、指紋が一致するなどと言う事があってよさそうなんですよね・・・
この疑問を解決する方法としては、外国人のプロの窃盗犯(あるいは窃盗集団)が来日して犯行を行ったのであれば、指紋やDNAが既知の物でない事は説明できますが・・・それでも、問題が残ります。
犯人の衣服が外国人っぽく無い事。
外国人らしいと思われる点としては
あ)スラセンジャーのスニーカー
い)ドラッカーノワールの香水
う)ヒップバッグを洗った水が硬水
え)モナザイト
逆に外国人らしくない点としては
イ)ラグランシャツ
ロ)エアテック
ハ)関の孫六
しかし、包丁については、来日する時に持ち込むより、日本で購入した方が楽だろうね。いろいろと。
問題はラグランが何度も洗濯した形跡があると言う事でいくと、日本に来てから入手と言うのはちょっと違和感がありますね。
窃盗しに日本に来ている犯罪者がエアテックとか買うかな?と言うのも疑問です。
まー、さらに強引にこれを説明しようとすると、この窃盗犯は定期的に日本に来て、窃盗を行い、その時、日本の土産として、日本の衣類などを購入して持ち帰り、母国で使っていた。そのまま、日本に来日する時に持ち込んでいるとするなら、まー、説明できなくもないね。
外国人なので、事件直後に出国してしまえば、遺留品や指紋、DNAに無頓着だと言うのも説明できますね。
2000年の年末年始に手に怪我をした外国人が出国したか?なんて分からないですよね・・・正月休みを海外で過ごす出国ラッシュですもんね。
これも可能性の一つと言うところですね。
外国人犯行説の場合、多数の遺留品が残っている事が説明できるんですよね。
しかし、それでも、結局、翌日逃亡説でないと、あえて遺留品を残す理由は、やはり無いんだよね。
犯人は旦那さんと顔見知りという前提で、1階から訪問。
玄関でジャンパーと手袋を脱ぐ。
(来客がこれらを脱がないのは不自然なため。むしろ、このために
本来は犯罪者が外すのは不自然な手袋まで取ってしまったと思います)
↓
ヒップバッグから柳刃包丁を黒いハンカチに包んで取り出し
旦那さんを1階で殺害。この段階で柳刃包丁は破損。
↓
ロフトにあがり、奥さんと長女を攻撃。
柳刃包丁が完全に壊れ、台所に洋包丁を取りに行き、
その後、2階でこの二人も殺害。洋包丁も壊れる。
↓
犯人の目的は金目当てなので、被害社宅のカードの暗証番号を解こうとする。
↓
警察や訪問客が来るとしたら1階の玄関からなので、
いつでも2階の浴室から逃亡できるよう、
玄関に置いておいたジャンパー・手袋等の荷物を2階のリビングまで移動させる。
↓
止血作業をしていた最中かその後に、子供部屋にまだ長男が寝てるのを発見。
すでに2つの包丁はなくなっていたため、手袋をつけて絞殺で殺害。
そのため長男に血がつかなかった&一人だけ殺害方法が違う。
(これ、犯人が殺害前に外してた手袋に犯人の血が着いてたのが↓一応、自分なりの根拠だったりします)
http://g2.kodansha.co.jp/?p=2801&page=10
>廊下には犯人が脱ぎ捨てた黒い手袋があったが、中はA型の血痕がこびり付いていたという。
↓
午前01時ごろ、カードの暗証番号が解けたかを、被害社宅のPCから
ちょうど被害者の「お気に入り」にあった劇団四季のサイトにつなぎ、
ネット予約をいれ確認しようとする。
(予約が成功なら番号が当たっていたと確認できます。
これなら顔がバレずに、番号を間違え続けて通報される事もありません。
また、間違え続け受け付け拒否されても劇団四季でなく
他の予約できるサイトにつなぎ直し、同様の手で何度でも試せます。
接続も被害者宅のPCからなのでアシが着きません)
↓
しかし一度目の接続で、劇団四季の予約を失敗してたと言われてるので、
おそらく「受け付けは午前10時から」とでも出て、失敗。
しかし、方法としてこの手は最良と判断した犯人は危険を冒してでも
被害社宅に午前10時まで居座り、再度の予約手続きをする覚悟を決める。
↓
その間、被害者と自分とのつながりがバレる危険のある染料を探そうとする。
しかし(染料を使った物はガレージにあるため)見つからない。
引き出しを浴室まで持ち込み、書類に塗られてないか浴槽の水につけてみる。
(盗まれてた年賀状も、犯人が以前に被害者へ出した物だったか、
あるいは染料が着いてたかしてたので持ち帰った?)
↓
午前10時になり、再度の予約手続きを試そうとPC接続。
その時に、カードの暗証番号か、あるいは染料の使い道のヒントが無いか
被害者PCの「お気に入り」にあった会社や研究サイトを見て回る事を思いつく。
しかし肝心の予約手続きを入れる前に、隣家の住人が尋ねてきたので
あわてて逃亡。結局、再度、予約手続きを試す事は出来なかった。
↑こんな感じの流れで、大体のつじつまは合うんじゃないでしょうか?
思うに、韓国製の靴がネックになって、警察内で「韓国系の流しの強盗」のイメージが着いてしまい。
それで玄関から入る犯人像より、浴室からの侵入説が強くなったんじゃないかと思います。
(流しの犯人が、人家の人間が1階にいる段階で玄関から入って来れるのはおかしいですから)
しかし住人が4人もいて、浴室すぐそばのトイレをいつ利用するかも
わからない状況で、犯人があえて浴室から侵入したかは正直、怪しいと思います。
2階の窓から侵入するのに、ヒップバッグを着けた上から
あんな厚手のジャンパーを着て、窓枠などに引っかかって落ちる危険もある帽子を被り、
住人に気づかれないような物音ひとつ立てずに入れるかも怪しい話です。
それに警察の想定する殺害順序の、
(狭い階段通路で)旦那さんが2階から降りてきた犯人と入れ替わり
あえて2階に逃げようとする状況も不自然すぎると思います。
犯人が2階から降りてきたのなら、まず1階の玄関から外に出て
人を呼んだほうが無難ですし、2階から入ってきた犯人も
まず1階にいる住人が玄関から人を呼ぶ危険を想定してないと変です。
これは、被害者と接点のない流しの犯人ではなく。
なんらか(おそらく染料関連)の顔見知りの犯人が、
玄関から訪問という形で入り、住人を外に逃げられないよう
徐々に上階に追いつめて進んで行った流れの方が、
犯人が犯行前の段階で考える発想としても自然だと思います。
------------ここまで------------
そして、この事件簿の常連のにゃんこさんの批評コメントもお借りします。
バリツさん今晩は
すばらしい推理ですね。
感服しました。
衣服が畳まれている件についても、ご主人か奥さんが、犯人が無造作にどこかに置いたエアテックを気を使ってたたんだ…と推測できます。
また、長男殺害の折にはすでにご主人の英文字入りトレーナーに着替えていた、と推測できます。(ラグランについた血は長男遺体、その周辺につかない)
PC使用の理由も無理がなく、合理的な説明ですし、(実際の予約の仕方がどうであったかは今となっては不明ですが)「十時まで待ったのは劇団のHPのため」という説明も興味深いですね。
------------ここまで------------
バリツさん、にゃんこさんありがとうございます。